活動レポート

[中小企業支援]農業・商工業の連携から町田ブランドを

[ 平成20年 9月定例会(第3回)−09月11日-04号 ]

◆12番(新井克尚) 通告に基づき、一般質問を行います。

(1)中小企業者と農林漁業者との連携による事業活動の促進に関する法律をどのように活用していくのか。

2008年7月より、農商工等連携促進法がスタートをしました。資料のほうをごらんいただきたいと思います。概要はこちらのほうに書いてありますので、ぜひごらんをいただきたいと思うんですけれども、中小企業と農林漁業者が連携をして、それぞれの経営資源を生かし、新商品やサービスを生み出すことを支援するためにつくられました。これまでの新連携は、農林漁業者が入っていない、中小企業者を対象にしていたものですが、ここに省庁の枠を飛び越えて農林漁業が連携の対象として入ったことが、この法律の目玉でございます。

ITを活用した生産管理システムを構築して生産効率を上げたり、新しい品種の開発、特徴のある農産物の加工の開発、販路の開拓、施設整備などを行い、通年供給、出荷を構築するなどを目的としているものです。税制面では、機械や設備を取得した場合、特別償却や税額控除の優遇措置が受けられ、資金面では信用保証協会の特例として、現在保証限度額に特別枠を設けて保証限度額が倍になります。

この制度の支援を受けるには、中小企業者と農林漁業者が共同で農商工連携事業計画を作成し、経産局、農政局に申請する必要があります。その事業計画が認定されれば、一連の事業展開にわたり、減税や低利融資、債務保証などの支援措置を受けることができます。

では、具体的にどういうものをやろうとすれば保証を受けられるのか、実際に行われたもので88選より幾つか抜粋をしてみました。北海道の江別市では、地場産小麦から高品質なめんを開発、地元でつくっている小麦をめんにするだけで、その計画書を出せば補助金がもらえるという非常にいい制度になっているわけですね。

ほかにも牧場のオリジナル商品開発とショールームの開設、建設業者の農業分野への参入、これはワサビをつくるときに、建設業者が土木工事のノウハウを生かしてやっていくということで、中核団体が——建設会社ですね。こういったところが農家と連携をしてやっていく。地元産の赤豚による新商品開発とブランド化、これは宮城県のところでやっていますけれども、こういった農家の方と商工会議所とか、商店会連合会でもいいと思うんですけれども、こういったところは、とにかく連携をして新しいものをつくり出していくということに対して、国が補助金を出すというすばらしい制度でございます。

こういった制度は、知っていて使った人が得をする部類に入ると私は考えます。過去にここ町田では、東京都のすいすいプラン事業に手を挙げ、そのときに他の自治体からの申請が余り多くなかったということもあり、多くの交差点改良に着手をしたという実績があるかと思います。この制度も、一定の条件をクリアするだけで補助や有利な支援を受けつつ、町田ブランドをつくることができるものではないでしょうか。それによって市内の農業、商工業の方が潤えば、税収のアップにもつなげることができるはずであります。

この制度、公募はちょうどこの時期です。今年度は9月1日に始まり、19日に締め切りとなります。さすがにこれには間に合いませんので、来年の公募に何とか間に合うような体制がつくれればいいのではないかというふうに考えております。その体制を市としてしっかりと確立し、この法律を積極的に活用すべきと考えますが、いかがでしょうか、ご見解をお聞かせください。

 

◎副市長(浜佳葉子) 項目2の新連携支援についての中小企業者と農林漁業者との連携による事業活動の促進に関する法律をどのように活用していくのかにつきましてお答えいたします。

中小企業者と農林漁業者との連携による事業活動の促進に関する法律による新しい支援は、事業者が計画を作成し、国が認定した事業について事業者に対し無利子資金融資、信用保証、税制支援を行うといった制度でございまして、市が直接的にかかわる制度とはなっておりません。

一方、市におきましても、現在、(仮称)産業振興基本条例案を策定中でございます。その中では、産業間、業種間連携による活力ある地域の産業の強化育成を基本方針の1つに据えております。また、条例を受けて事業化を進めるための産業振興計画も同時進行で検討を進めているところでございます。その中でも農商工の連携を基調とした具体的な事業につきまして検討を行っております。

このようなことから、法の趣旨は町田市の目指す方向に沿ったものと考えられます。この法律に関しましては、7月に施行令が閣議決定されたばかりでございまして、法の制度運用の詳細がまだ明らかになっていないところもございますので、今後、制度のメニューを見据えつつ、市内の事業者が制度を効果的に活用できるよう支援してまいります。

 

◆12番(新井克尚) また改めて質問をしてくださいということなのかなと受けとめましたので、また改めてさせていただこうかと思います。

新連携支援について、この法律自体を自治体が活用するものではないということは重々承知をしているところです。私が言いたいのは、行政が主導で積極的に活用していく、そういう体制をつくっていく必要があるんじゃないかということでございます。制度があるから、やりたい方はどうぞ来てくださいではなくて、積極的な活用に向けて行政として主体的に取り組むことができないか。

その1つの例を紹介させていただきますと、ことしの7月に政務調査費を使いまして会派で羽咋市に視察に行ってまいりました。過疎、高齢化した地区を活性化する戦略を学んできたんですけれども、行政主導で商品のブランド化を実現し、過疎、高齢化地区に若い人たちが戻ってきたという大変興味深い話を聞いてまいりました。

それを担当した羽咋市の1.5次産業振興室についた予算は、初年度はたったの60万円、2年目から予算ゼロ円で事業を行っているとのことでした。お金がなければ知恵を出す。行っている事業は、すべて10分の10の補助金でやっているということでございました。この事業によって生産しているお米のブランド化に成功、5キロで3,500円という価格がつきました。農家の所得は、それで3倍増になったということです。

そして、その米を原料にしてつくった日本酒、純米無ろ過原酒客人は、720ミリリットルで何と3万3,600円、限定2,000本、シリアルナンバーつきで桐箱入りというこの酒は飛ぶように売れ、その酒粕を客人のおすそわけとして売ったところ、たったの2時間で完売、ちなみに日本酒客人はJALの国際線の一番高いシートに座って日本酒を下さいと言うと出てくるそうです。

まさに行政主導によって、最少の経費で最大の効果を出した例を学んでまいりました。石川県の人口2万5,000人弱の市でできて、町田でできないわけがないと思います。というわけで、町田ブランドの商品なりをつくっていくために、新連携担当の係を新設するくらい、私はあってもいいんじゃないかなというふうに思います。

やはり農業の方であったり、商工業の方、こういう制度を知って活用する、書類を提出したり申請をするというのはなかなかふなれなところもあると思います。やはりこういったところをしっかりと行政が、こういう書類が必要になります、そうするとこういう補助が受けられますというところを仲介することで、より有効にこの法律を活用できるのではないかというふうに考えるわけです。

担当が積極的に農業従事者や農協、商工会議所、商店会連合会などを巻き込んでいって、町田ブランドの確立のためにつなげていって、手続等を今申し上げたとおり行政がサポートしていく形がベストなのではないかと思いますが、いかがでしょうか。係の新設という話をいきなり出したんですけれども、これは担当ではお話ししづらいでしょうから、できれば理事者の方にお答えをいただきたいですし、こういった積極的なかかわりについても、あわせてご答弁をお願いしたいと思います。

 

◎副市長(浜佳葉子) 異なる業種間で連携をしていくということになりますと、やはり出会いというのをどういうふうに整えていくかということも大変重要でございますし、それぞれ個別の事業者さんだけではアイデアに限界があるということもあると思います。

ですので、市といたしましては、先ほど議員がおっしゃいました、例えば商工会議所ですとか商店会連合会といった関係の団体とも協力しながら、マッチング、そういった出会いの場のお手伝いでありますとか、行政としてできるお手伝いをどんな形でできるかというのを考えてまいりたいと思います。

体制につきましては、そういったどういったことができるかというものの検討の中で、必要な体制も整えていくということで検討してまいりたいと思います。

 

◆12番(新井克尚) できれば、いついつまでに町田ブランドを確立する、こういった商品を生み出すという目標を持って進めていただきたいなというふうに思います。やはりこういったことは、待ちの姿勢ではなかなかうまくいかないと思います。つなげていく人が積極的に行動することで、初めて新しい付加価値が生まれていくのではないかなと思います。その役割が、この法律を活用していく上では、やはり行政が、自治体が1つのポイントになってくると思いますので、ぜひ積極的な活用をする体制をつくっていただきたく、再度お願いを申し上げます。

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