議会報告

[議会報告]平成15年12月定例会 – 市民病院の救急医療体制、医師確保のための環境整備について、旧IBMマンション問題について

平成15年12月定例会(第4回)
町田市議会会議録第29号
12月12日(金曜日)

◆3番(新井克尚) 通告に基づき、一般質問を行います。
1、市民病院のあり方について。(1)救急医療体制は確保できるのか。(2)医師確保のために大幅な環境整備が必要と考えるが、いかがか。2、旧IBMマンション問題について。行政と市民との連携を問う。
ちょうど昨年のこの時期、私の母が、当時は原因がよくわかりませんでしたが、出血がとまらなくなり、救急車で市民病院に運ばれました。声をかけても何も話すことができない。そして、何の反応もない。これから一体どうなってしまうんだろう、家族が不安になっている中、本当に一生懸命この病気の原因は何なのか、どういう治療法をすべきか、考えてくださった市民病院の先生方、今でもはっきりと覚えております。
母の病気は子宮にできた腫瘍が転移をし、そしてその転移をした部分から血がとまらなくなり、そして血が足りなくなる。そして、意識が遠くなってしまった、そういう状況でございました。子宮の摘出が必要だということで手術が行われ、そして手術の後には、手術室の隣に家族に説明をする部屋があるんですけれども、私の家族、そして親戚と手術を執刀してくださった先生のお話を伺いました。子宮を摘出はできたけれども、全部はとり切れなかった。まだ残った部分がある。だから、これで安心はできないんです。しかし、そういった中でも、この病気はどういう病気なんだろう、そして原因はこれで、これからこういう治療法をしていきますと懇切丁寧にお話をしてくださったこと、本当に印象に残っております。
次の日、私は議会で委員会に出席をしておりました。そのさなかに急遽再手術を行うという連絡が入りました。委員会に出ておりましたので、手術室の隣の説明をする部屋に行くことはできませんでした。すぐに駆けつけると、父がその部屋の外に立ち、そして涙を浮かべておりました。そして、私にこう言いました。よかった、本当によかった。話を聞いてみますと、手術が終わった後、執刀してくださった先生が入ってくるなり、私の父にこう言ったそうです。「新井さん、とれましたよ、やりました」。本当にうれしかった。
私の母、今、元気になって生活ができているのも、市民病院の先生方、そして関係者の皆様方のおかげだと思っております。そして、私の母だけではない、今もなお多くの市民の命がこの市民病院で救われていることと思います。
私の母を救ってくださいました皆様方に、そして心配をしてくださった皆様方に改めて御礼を申し上げるとともに、市民病院にはもっともっといい病院になってもらいたい、そういった思いを込めて、この市民病院に関する質問をさせていただきたいと思います。
まず、救急医療体制は確保できるのかからお話をいたします。市民病院事務長につくっていただいたグラフが手元にあるんですけれども、これを見ますと、救急患者数は年々増加の傾向にあります。一番多いのが小児科、そして内科、整形外科、脳外科、こういった順番で救急の患者数はふえてきている。総院長の議会答弁にもありましたが、町田市民病院では年間2万4,000例の救急を扱っている状況です。そういった中で言われていることが、医師が足りない、そして早急に医師を確保すべきことであります。
特に内科の医師は一、二年で交代。頑張るんだけれども、疲労こんぱいしてしまうという総院長の答弁もありました。新医師臨床研修制度が来年の4月から始まることにより、来年3月に医局人事で6人の内科医師が退職することも聞いております。昨年1年間だけでも46名の先生がふえているにもかかわらず、42名の先生がやめている。それに対して、どう改善するかという質問に対する答弁は、総院長、院長に幅を広げて大学に行っていただき、そして医師を確保していただきたいというものでした。
しかし、今の市民病院の環境を考えたときに、総院長、院長が大学に行って医師を確保しようとしても、あの医局、そしてこの給与体系などでは、早期に、そして安定的な医者は本当に確保できるのでしょうか。
私は、医師が気持ちよく働くことができる環境をより整えていかなければならないと思います。研究スペースは充足しているのか、直接医師が着がえたり休憩したり、研究したりする場所である医局を直接見てまいりましたが、体育会の部室のような部屋でした。私が大学時代在席をしてきた応援団の団室の方がよっぽどきれいなのではないかと思えるほどでございます。
人が1人通るのがやっとのロッカースペース、破れたソファー、そして1人1人の研究スペースも非常に狭い。見つけてきた優秀な医師が病院で働いてみてがっかりしたなんていうことは、私はあってはいけないことだと思います。恐らく2期、3期工事が済めば、この医局の改善というのは解決される話だと思いますが、完成するまでにもまだ5年とか6年とかかかるというお話もありました。
既に医師が足りないことが今この現状でわかっている状況ですから、先ほどもお話しいたしましたとおり、医局人事で内科は6名の医師が来年の3月に退職することがわかっております。それまでに新しい医師を確保し、しかも一、二年でやめてしまうのではなく、長くこの病院で働きたいと思えるような環境を早急に私はつくらなければならないのではないかと考えております。
医局ともう1つ、給与体制のお話を取り上げました。町田市民病院は、地方公営企業法は一部適用ですので、給与は町田市の職員給与条例が適用されます。それにプラスして初任給調整手当と診療報酬で給与の額が決まります。町田市の職員給与条例が適用されるわけですから、市民病院の医師や職員の給与は公務員の給与体系がベースになっています。公務員給与体系が適用されるということは、職員の平均勤続年数が長いほど病院の人件費の負担は重くなることになります。そして、その費用は診療報酬では補償されないですので、全国の病院でも病院の赤字が大きくなる要因となってきております。
診療報酬に関して、今現在、国の医療費抑制策は引き続き行われる方向にあります。診療報酬は、昨年4月に2.7%引き下がり、来年4月にも5%の引き下げが予定をされております。それ以外の抑制策では、全国のベッド数を120万床から60万床まで半減させる方向にあり、今現在は90万床にまで削減をしてきている、そういう状況でございます。
こういった状況から、今は民間の病院も経営に苦戦をしている。自治体病院も含め、時代は改革を必然のものとしている状況となってきております。自治体病院の改革に関して、私もインターネットやさまざまな文献、そして「フレッシュ武己!元気新聞」、これを読みまして、私もいろいろと勉強いたしました。過去に病院のことを質問された議員の方々が指摘されているとおり、ポイントはやはりトップの権限、公務員の給与体系、人事考課、そしてそれらをまとめて解決するのが公営企業法の全部適用です。
文献の中から幾つかご紹介しますと、15年8月5日の日経新聞社説「赤字続きの自治体病院も再生できる」に、院長には食事の人事や給与に関して権限があるところは少数で、ベテラン看護師の給与が医師の給与を上回るところも珍しくないということが書いてあったり、埼玉県立4病院の改革をした病院事業管理者の武弘道氏は、医師の賞与に実績及び勤務態度で格差をつける評価制度を導入したとあります。
15年7月11日の日経新聞記事「医療改革への視点」で、医療制度研究会は公的病院改革は非公務員型を原則とするべきだと言っております。全国自治体病院開設者協議会と社団法人全国自治体病院協議会が設置した経営改善委員会は、自治体病院の経営改善策に関する報告書、こちらをまとめております。そこには自治体病院経営の赤字基調の原因に年功序列型の給与体系を挙げ、能力主義人事制度の導入を提言しています。
一部話しますと、人件費の問題について、自治体病院が依然として赤字基調にある中で、給与体系が実質的に年功序列型で運用されている。給与の適正化を図るためには、職員1人1人の貢献度とその能力、職責、業績を適切に反映した給与処分を実現する制度を導入することや年俸制度の導入がある。次に、職員の評価システムについて、これまでの人事制度は組織への長期的な忠誠心をベースにした年功序列制度であったが、それが機能不全に陥っている。そこで、新たな人事制度として、制度の構築、職業能力面接制度の導入、新しい賃金体系の構築を前提とした能力主義人事制度の導入が必要であると書いてあります。
11月20日に我が市民派クラブ会派で視察をしてまいりました三重県立病院、こちらの方では新人事システムの構築で、給与制度改革、年俸制、業績給、能力等級制の導入、こちらも検討中とのことでした。近いところでは、渋谷武己議員が9月定例会でもお話しされていましたが、稲城市民病院では平成12年度より人事考課制度を導入、職員の職務業績について客観的かつ継続的に把握することにより、職員の能力開発及び活用、指導育成の指針、昇任選考等に反映し、公正かつ科学的な人事管理を行うことを目的としてこういった制度を取り入れているということでした。
そして、全国自治体病院協議会の会長の小山田さんという方が、自治体病院の職員は地方公務員であり、年功序列的な公務員の給与体系下にある現状においては、病院収入の伸び以上に人件費が増加していく。市の条例を改正して、新たな給与体系にした自治体病院もある。この問題は今後避けて通れない課題であろうと言っております。
今現在、町田の病院は給与もほかの病院よりも多いと聞いていますし、医業収益における人件費の割合も、昨年の議会答弁で髙山助役は40%の後半であるというお話をされていらっしゃいました。ですから、今のところ、すぐにこのことが問題になることではないかもしれませんが、しかし、将来的にはやはり考えていかなければならない課題になるのではないかというふうに考えております。
また、先ほどの小山田さんの話ですが、権限の移譲なくして責任だけ与えられても改革の実行は無理である。病院長に大幅な権限を移譲するべきであり、その意味で地方公営企業法の全部適用は必須条件であると考える。全部適用を受ければ、病院の経営組織を一般行政組織から切り離し、管理者が病院運営について独自の権限を持つことが可能になる。管理者には経営のプロを採用することが肝要であり、場合によっては医師でなくても構わない。病院経営にたけた管理者であれば、病院の実態を正確に踏まえて人事配置その他、合理的かつ能率的な経営を確保することが期待できる。現在――これは平成13年度に書かれたものなんですけれども、地方公営企業法の全部適用をしている自治体病院は39事業、98病院で、全体の1割にも満たない。早急に全自治体病院に対して、この全部適用の必要を問いたいという話をされています。
先ほど申し上げましたとおり、ポイントはやはりトップの権限、そして公務員の給与体系、人事考課制度、そしてそれらをまとめて解決するのが公営企業法の全部適用ではないでしょうか。これが一番すごいことが書いてあるんですけれども、ぜひこちらをご一読いただければと思います。
とはいいましても、いきなり今すぐ全部適用せよと言っても、これは難しいでしょうから、近い将来の課題でしょうけれども、これはぜひ一日でも早く進めていくべきであるというふうに考えます。
いずれにいたしましても、9月に医師確保に制度上や処遇面で限界があることを、議会は抜本的な改革を求める決議をいたしております。今回の質問は、その後、どういう方向性になるかを問うものでございます。民間病院も苦戦する中、より一層病院経営が厳しくなっていくこの状況下に、本当にしっかりと医師を確保できるのでしょうか。そして、救急医療体制は確保できるのでしょうか。これが第1点目。
次に、環境整備に関することを幾つかお伺いいたします。
2点目、今の病院経営状況はまずどうなっているか、お聞かせください。
3点目、医業収益に対する人件費の比率、三多摩のほかの病院と比較して今現状どうなっているのか。
4点目、給与体系は改善する必要があると考えますが、いかがでしょうか。可能であれば、町田独自のものをつくる必要も私はあるのではないかと考えております。
5点目は、人事考課制度について、一昨日の進化をやめない友井議員の質問で、人事考課制度は1年程度研究して開始したいとの答弁でした。病院ももちろん例外ではないと考えますが、方向性をお聞かせください。
6点目、医局スペースは2期工事が完了するまでしばらく時間がありますので、医師がここで働けてよかったと思えるよう改善すべきと考えますが、いかがでしょうか。
そして最後に、将来へ向けての公営企業法の全部適用に向けての考え方をお聞かせください。
病院に関しては、以上7点についてご答弁をお願いいたします。

○議長(長村敏明) 市長 寺田和雄君。
〔市長寺田和雄登壇〕

◎市長(寺田和雄) お答えをいたします。
まず最初に、市民病院に関する一連のご質問でありますが、先ほどもお話がありましたけれども、市民病院に対しては市民から、まさに毀誉褒貶、いろんな意見も寄せられておりますが、総じて非常に感謝される割合がこのところふえてきているというふうに思っておりますし、また、私も個人的なことですが、近親の者が今までにも何度か市民病院にお世話になっておりますが、大変親切に、しかも適切な治療をいただきまして、現在元気でやっているわけでありまして、そういう意味では私は、先ほども申し上げたように、やはり公立の市民の病院が自分の地域にあるということは、必ず市民の幸せにつながるものだというふうに思っているわけでありますから、そういうご評価をいただくような努力を一層していかなきゃいけないというふうに思います。
特に市民病院は、第1期に続いて近く2期、3期の大きな改築の計画もあるわけでありますし、私は、多額のいわば投資をして市民病院の新たな前進を図るこの時期は、なお一層内容の点検と充実を図っていかなきゃいけないというふうに思っているところであります。
つまり、建物、施設は立派になったけれども、依然として内容はお粗末だとか、あるいはよく言われるように、赤字の垂れ流しであるとか、これであっては全く済まないわけでありますから、非常に厳しい内部における点検、努力、これを一層お願いをしたいというふうに思っているわけでありまして、そういう意味で大変すばらしい総院長さんにおいでいただいておりますから、総院長を中心に、これからも一層取り組みをお願いをしたいし、また、私も努力をしたいというふうに思っているところであります。
個々にわたる問題については、助役あるいは病院当局からお話をいたしますけれども、ぜひ市民の皆さんから評価いただけるような、そういう病院にいたしたいというふうに思っているところであります。
なお、病院問題について、今までも――今もそうでありますが、全部適用かどうかという公営企業法の関係をお尋ねいただいております。私も決して無関心でいるわけではないわけでありまして、例えばお隣の川崎市あたりの市民病院について、企業法の適用を全面的にするかどうかということが大きな課題になって考えられているということでありますから、今、市民病院を抱えている、例えば横浜の市民病院などもあるわけでありますが、そういうところの動向なども十分見きわめながら、この問題については引き続いて検討してまいりたいというふうに思っております。

○議長(長村敏明) 助役 加島保路君。
〔助役加島保路登壇〕

◎助役(加島保路) 病院の関係のご質問にお答えいたします。
市民病院の救急患者数については、議員ご指摘のとおり年々増加しておりまして、先ほどありましたように、昨年度は2万4,000件ございました。今年度も上半期で1万1,000件ということで、冬場はこれから患者もふえる傾向にございますから、ほぼ同数というふうに見込んでおります。
現在、内科、循環器科、小児科、外科、整形外科、脳神経外科、産婦人科の7科で救急当直をやっているところでございますが、やはり小児科と内科が非常に多いということで、小児科については準夜クリニックの開設がございまして、500件ほど減っているということでございますが、内科200件を初め外科、循環器が増加の傾向にございます。
また、救急からの入院率は、昨年度11.5%でございましたけれども、今年度上半期で3.5%アップしておりまして、全体で15%の状況でございます。内科については6%アップの20%というふうになっておりまして、現場の医師には大変ご苦労をおかけしているというところでございます。この救急診療を含めて、全体のベッド利用率が昨年度上半期に比べて4.4%上昇いたしまして、今現在で81.4%に改善されていると分析しているところでございます。
それから、内科については、12月1日より、これはちょっと試行なんですが、毎週水曜日にほかから応援を入れて救急体制を強化しております。これが順調に進めば、この方法を拡充していきたいというふうに考えております。
それから、医師確保のための環境整備についてでございますが、まず市民病院の医師の給与については、議員もおっしゃいましたけれども、多摩の自治体や都立病院と比べて低いということではございません。比較的いい方であるというふうに思っております。ただ、個々の病院の状況もそれぞれ違うということもありまして、例えば医師1人当たりの患者の受け持ち数、それからレジデントの配置があるかないか、そういうようなことの業務負担の面もありますので、単純な比較はできないというふうに考えております。
市民病院の現状は、必要な医師の増員ができないという状況にございますので、確保に向けた対応として、ご指摘いただきましたように、処遇や医師の確保しやすい条件整備を行う必要があるというふうに考えております。特に医局の問題は、私も見まして、大学の部室とおっしゃいましたけれども、まさにそのような感じのところもあるというふうに考えておりまして、2期、3期工事を待たずに至急医局の改善はやりたいというふうに思っております。
それから、診療手当の面についても、ぜひ改善したいというふうに思っております。
それから、全適についてでございますが、市長からもございましたように、前に渋谷武己議員の質問にもお答えしましたけれども、確かに目標ではございます。ただ、全適がオールマイティーかというと、そういうところもないわけでございまして、全適でも大幅な赤字を抱えているという病院もございます。これは、やはり組織をどうするかという前提に立って全適を考えなきゃいけないというふうに考えております。それに向けていろいろ整備をしていきたいというふうに思っております。
それから、来年4月から国立病院が独立行政法人ということで、地方独立行政法人の道も開けましたので、その辺もいろいろ視野に入れながら検討していきたいというふうに考えております。

○議長(長村敏明) 市民病院事務長 伊藤美明君。

◎市民病院事務長(伊藤美明) それでは、私の方から補足のご説明をさせていただきます。
初めに、1点目でございますが、医師の確保でございますが、大変厳しい状況にあるのは市民病院も含めてですけれども、新医師臨床研修制度で派遣先の病院から大学へ入るというような状況もございまして、厳しい状況がありますけれども、総院長を中心にそれぞれ大学にお願いをしたり、あるいは助役と一緒に東京都の病院経営本部の方にも、職員課長の方にもいろいろお願いをしてきたことがございまして、一層その取り組みを強めていかなくてはいけない状況にあると思いますし、処遇も当然かかわってくるので、その検討も始めているところでございます。
それから、2点目の経営状況でございますが、今、助役の答弁にもございましたが、病床稼働率については昨年の4月から9月、77%で大変低い数字でございましたけれども、今年度は同時期比較では81.4ということで、今、助役からご説明があったとおりでございまして、最近では90%という日もございますし、きょうも見てきましたら85%ということで、それぞれ医療現場では、そういう活躍をしていただいているんだと思っております。
そういうことでございまして、当然医業収支上も改善基調にございまして、現段階では黒字計上ということになっておりますけれども、一層この先いろいろ事情といいますか、いろんな状況が発生することもありますので、なお一層そこについては良好な経営状況が保てるように努力したいと思います。
それから、3点目の給与比率のお尋ねでございますが、三多摩の公立の病院の中では、町田の場合は委託できるところがほとんど委託をしたというような状況もございまして、都下では9自治体病院がございますが、そこで一番低い46.2%でございまして、青梅が46.7%、昭和が52.3、稲城が57.3というような数字になってございます。
それから、給与体系でございますが、議員ご指摘のとおり、基本給とそれから初任給調整手当、それと診療手当ということで、この診療手当につきましては、収入の中から経費を引いた5%以内ということで、これはそれぞれの医師が活躍度に応じた反映ということにはなってございますが、今、医師が活躍した中でも、この枠の外に、例えば小児研修を医師会から負担金をいただいていたり、それから消防庁の方から救命救急士の負担をいただいていたり、あるいは製薬会社の調査なども病院収入として入っていますけれども、今、制度がないので、それらが反映されていないので、これらは考えていけるのではないかというふうに考えております。
それから、5点目の人事考課制度でございますけれども、隣の稲城市立病院がこういうことを手がけておりまして、当然医師ばかりではなくて、ほかも含めてそういう状況にあるんだろうと思いますし、そういう研究に入っていきたいというふうに考えております。
それから、6点目の医局のスペースでございますが、ご指摘のとおりでございまして、やはりここで活躍しようという気持ちが、医師の間では処遇の面ばかりではないということも聞いておりますので、ぜひここは、もう早速指示もしまして、今あいているスペースは少ないわけでございますが、よく見ますとまだまだ工夫のできるところもございますので、今、そこを担当者の方に指示をしているところでございますので、以上でございます。

○議長(長村敏明) 3番 新井克尚議員。

◆3番(新井克尚) それぞれご答弁いただきました。病院について、まず再質問をさせていただきたいと思います。
医師を確保できるかどうか、厳しい状況であるのは確かにどこも同じかもしれません。民間の病院でも経営が苦しくなってつぶれていく、やはりその原因の1つには、優秀な医師がどんどん外に出ていってしまう。それによって、あそこの病院はちょっとなということになれば、やはり患者さんが行かない、イコール経営ができないという形になりますから、どこの病院も難しい中でも、やはりより一層総院長及び院長には努力をしていただき、そして加島助役並びに事務長以下事務職の皆様方には、より一層病院の改善に努力をしていただきたいというふうにお願いをしたいと思います。
救急医療体制の維持に関してですが、内科は水曜日に応援してもらうということで、とりあえずしばらくの間、これで何とか大丈夫なのかなと。あとの問題は、やはり引き続き安定して内科の医師が特に入れかわるようなことがないように、かかりつけのお医者さんが、今度はまた入れかわって変わってしまったということでは、また一から何かお話をしたりという状況も出てくるでしょうし、あそこはもう先生がころころ変わるからということでは、やはり信頼される病院には私はなり得ないのではないかかなと思いますので、そういった意味でも、また応援してもらう体制以外にしっかりとした制度を確立をしていただきたいというふうに思います。
病院の経営状況、今現在、黒字である、これは本当にすばらしいことであると思います。引き続き、経営改善については邁進し続けていかれると思います。黒字になって独自に財源を確保できれば、その分、これは私は医師に報酬を上乗せするとかいうことも可能なんじゃないかなというふうに思います。成績がよければ報酬がふえて、悪くなれば減る、これはもう民間では当然のことでございまして、特に今現在、先ほどお話ししたとおり、公務員の給与体系ですから年々上がっていく、これはもう額が決まっている。そして、初任給調整手当も額が決まっている。診療報酬のうち5%と、これは頑張った分入りますけれども、この診療報酬、大もとが引き下がる傾向にあるわけですから、これは給与体系も、やはり診療報酬の見直し以外にも町田独自の職員給与条例を、市民病院独自のものを将来的に、すぐにはできないかもしれませんが、考えていくなりすることも方向性としてはあっていいのではないかなというふうに思うんですが、その点についてまたお聞かせをいただきたいと思います。
医業収益に対する人件費の比率、三多摩で一番低い。自治体病院の平均が55%と言われている中、この46.2%というのは本当に私はすごいのではないかなというふうに思います。いろんな要因が含まれていて、これが例えば医者が安定して定着をするようになって、年齢を重ねていくことによってこの比率が上がっていくようだと、またそれは改善が必要なのかなというふうに思うんですが、また、この46.2%は詳しい中の状況を分析していただいて、今後の方向性を考えていっていただければなというふうに思います。
人事考課制度、これはもう時代の流れではないかというふうにも思っております。一昨日、友井議員の質問に対して加島助役が、これはもう考えていって、そして総務部長も1年ほど検討して、そこから導入を考えていきたいというお話もありました。これはもう病院も例外ではないと思います。やはり医師を含め看護師の皆さん、そして職員の皆さんが全力で頑張れる、そして頑張った人が認められる、こういう制度を一刻も早く取り入れていっていただきたいと思います。
医局スペースの改善、これに関しましては改善されたものを一日も早く見てみたいというふうに思います。ぜひよろしくお願いいたします。
公営企業法の全部適用に関しては、これはやみくもに全適をすればいいというものではないという助役の答弁、本当にそのとおりだと思います。経営組織、これの確立が第一であり、それができた上でやはり全部適用でしょうから、この経営組織に対するもしビジョンがあれば、もう少し詳しくお聞かせをいただければと思います。
まず、病院の再質問の方からよろしくお願いいたします。

○議長(長村敏明) 助役 加島保路君。
〔助役加島保路登壇〕

◎助役(加島保路) まず、人事考課制度についてでございますが、今、検討しているところなんですが、職員の問題も同じなんですが、やっぱり人事考課制度というのは評価する人の力だと思いますね。それは、その人が何を視点にして、やっぱり病院というのは患者さんにとって一番いい医師が一番いい医師、職員も患者さんにとって一番いいかどうかで決めなきゃいけないと思うんです。じゃ、経営に一番努力した医者がいいかというと、そうでもないわけですよね。
だから、経営面も重要な問題、患者さんにとってどうか。多分職員も同じだと思うんです。市民にとって一番いいかどうかという視点を、やっぱり人事考課の中に入れなきゃいけないと思うんですね。だから、民間会社のいわゆる人事考課制度とは、やっぱり公務員と病院とか、そういうところは違うと思いますので、その辺をほかの事例なんかを見ながらよく検討して、町田式のいい人事考課システムをつくっていきたいというふうに思っております。
それから、医局の問題は見に行くと、限られたスペースでございますので、そんなにすばらしく改善できるとは、まずちょっといい場所が見つかりましたので、ロッカーをそちらに移して少し広げようということでございます。それで、さっきソファーの話があったんですが、非常にぼろいソファーが置いてあるんですが、実はあれは片づけないでくれという医師からの強い要望がございまして、あのソファーが一番寝やすいんだそうでございまして、ドクターは日夜なく、夜中でもずっとあそこのいすで寝て、いろいろ当直等をやっているところがございますので、その辺については改善していきたいというふうに思います。
あと、改善の方法については、ちょっといろいろ今検討しているところでございまして、ほかの事例ですとか、渋谷武己議員からもいろいろ資料をいただいていますので、その辺を利用させていただいてやっていきたいというふうに思っております。

○議長(長村敏明) 市民病院事務長 伊藤美明君。

◎市民病院事務長(伊藤美明) それでは、お答えいたします。
経営企画の部分が、全体的にそういうところをどういうふうにしていくかということがこれから非常に重要になってくるということで、今、管理課が所掌事項で、一番最初に病院の経営と企画ということになっておりますが、非常に業務の繁忙のため、なかなかそういうところも十分ではない部分がございますので、近いところで事務局のあり方そのものを見直して、経営企画の専門部門を設立をした上で、先ほどご指摘いただいた部分を含めて十分に検討できるような、あるいは研究できるような、そういう体制をつくっていきたいというふうに考えております。
○議長(長村敏明) 3番 新井克尚議員。

◆3番(新井克尚) ありがとうございます。あと、給与体系の改善についてご答弁を、済みません、お願いいたします。

○議長(長村敏明) 市民病院事務長 伊藤美明君。

◎市民病院事務長(伊藤美明) 給与体系につきましては、現行では先ほどご説明させていただいたとおりでございまして、今、処遇という面でいきますと、先ほどご説明しましたように、診療手当外の部分が当面できることでございまして、それ以外では条例そのものをいじくらなくちゃいけないということでございますので、それらについてはもう少し研究をした上で、先ほど出ている全部適用、あるいは地方独立行政法人ということもございますけれども、一層の研究をさせていただきたいというふうに思っております。

○議長(長村敏明) 3番 新井克尚議員。

◆3番(新井克尚) 条例の改正を含めて検討をしていかなければならないというお話でした。9月定例会、平成15年、先日の定例会なんですけれども、渋谷武己議員の質問に対して寺田市長は「設置者は町田市でありますから、そういう意味で病院の方からいろいろなご要望やいろんなご意見があれば、市のサイドとしては当然のことながら、公立の病院でありますから、全面的に可能なものは対応をしていかなければならないというふうに思っております」と非常にうれしいお言葉を、ご答弁をしていただいております。ぜひこの給与制度改革の面で、市民病院からの要望があれば、いろいろとご協力をいただき、条例改正も含めて、そういう方向性が必要であるということであれば、ぜひその方向でご検討をいただきたいというふうに思っております。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
先ほど川畑議員が市民病院の環境についていろいろお話をされておりました。医師を確保した後は、病気になったときはぜひ利用したいと思える病院にやはり今度はしていかないといけない。経営していくためには、やはり病気にかかられた方がどこの病院に行こう、こっちの病院かな、いや、やはり市民病院がいいな、市民病院に行こうと思っていただいてこそ、やはり市民病院の経営がうまくいきますし、そしてよりよい病院にしていけるのではないかなというふうに思います。
これはちょっと渋谷武己議員が質問されていた中にあったんですけれども、例えば院内コンペをして環境美化でフロアでも、ブースでもいいんですけれども、競争させて、アンケートをとって一番きれいだったところに褒賞金をつけるとか、こういった形で病院をまたきれいにする。また、1期工事が終わった方の建物はきれいですけれども、そうじゃない方はなかなかきれいじゃないというお話もありました。
そういったところを改善していったり、あと非常に細かいことなのかもしれませんが、相変わらず余りおいしくないとか、いや、そんなことはないと言われている食事、特にこれは定期的に入院されている方から聞いたんですけれども、入院するたびに――うちの母ではありません。入院するたびに同じメニューであきてしまったという声があったそうなんです。そういう声が病院でなく、私のところに来たんですね。
先ほど何かアンケートをとって、いろいろそういう声を聞くというシステムをつくっているという話がありましたけれども、私のところに来たということは、このシステムが活用されていなかったり、もしくはわかりにくかったりということもあるのかもしれません。そういったことで、やはり声を拾うシステムというものの徹底、先ほどアンケートのお話がありましたし、全力で取り組んで市民の声を聞く取り組みを、後ほど恐らくあるでしょう。川畑議員の質問も踏まえて取り組んでいっていただきたいというふうに思います。
市民病院に関しては、本当に一日一日、町田市民の命を救い、そして健康をつくる、そういった病院になってほしいというふうに思っておりますので、今後とも努力をしていただければと思います。済みません、今までの話で何かご答弁があれば、お願いしたいと思います。

○議長(長村敏明) 市民病院事務長 伊藤美明君。

◎市民病院事務長(伊藤美明) 最後のご質問だけでございますけれども、改修につきましては、現実的には各部門から上がってきたものを施設用度が取り上げるということが現状でございますので、それらを一層積極的に、逆に職員の方に投げかけをして、コンペティションといいますか、そういうことも可能だということで今担当の方にも指示をしております。
それから、給食につきましては、選択メニュー、あるいは祝いぜんということも手がけておりますので、なお一層いい食事が提供できるように努力していきたいと思います。
以上でございます。


◆3番(新井克尚) 続きまして、IBMマンション問題について、行政と市民との連携についてお伺いいたします。
8月7日の出来事、そしてそのことについての9月定例会の助役答弁、これで市民と行政との距離、私は開いてしまったのかなと思いました。しかし、全体のことを思えば、筋は筋としてけじめをつけるべきですが、双方大人として歩み寄る必要性はあるのではないかと考えておりました。
そう思っているさなかに、対策協議会の代表と部長とが、非公式ですけれども、握手をし、これからの町田を考えていこう、話し合っていこうと意思を確認をしたというお話を伺いました。これが事実だとすれば、私は非常にうれしいことであると思います。対策協議会の代表と部長の真摯な姿勢は、この町田の町づくりに必ずやプラスに進んでいくことであると思います。
このように行政と市民が一体となって真摯に話し合っていくことが私は町田をよりよくしていくために一番大切であり、そして行政としても積極的に市民と一体となって問題解決に向けて取り組んでいく、この姿勢がやはり大事なのではないかと考えております。その点について、どうお考えになられているか、ぜひお聞かせをいただきたいと思います。
以上で壇上からの質問を終わります。

◎市長(寺田和雄)  それから、IBMマンションの関係は、それぞれ経緯もあるようでありますから、助役、その他からお答えを申し上げたいというふうに思います。

○議長(長村敏明) 助役 牧田秀也君。
〔助役牧田秀也登壇〕

◎助役(牧田秀也) 旧IBMマンションの問題についてお答えをいたしますが、双方で大人としてそれぞれ全体のことを思われて方向を出したということについては、私も大変喜んでおるところでございます。市民と行政は、対立することではなく、それぞれの立場、現実を認める中で協議され、よりよい方向を見出せることが好ましいというふうに思っておるところでございます。引き続いて今後は話し合いを継続しながら、問題解決に取り組んでまいりたい、また、そうしなければならないというふうに思っておるところでございます。
また、事業主も、この事業を行おうとする場所の立地条件、環境、交通問題やもろもろの状況を十分踏まえて近隣住民との話し合いを進め、合意が得られるように努めるように要請もしてまいりたい、かように思っています。

○議長(長村敏明) 3番 新井克尚議員。

◆3番(新井克尚) どうもありがとうございました。
それでは、続きまして、IBMマンション問題についての再質問に移りたいと思います。
牧田助役から、本当にこれから市民と手をとり合っていきたいといううれしいご答弁をいただいたことに感謝を申し上げたいと思います。
そして、建設する業者の方にも、地域の町づくりのことを考えて、行政と市民との意見を聞いて進めていただきたい、こういった意思も確認ができまして、本当にうれしく思っております。建設業者の方も一流企業ですし、そして心を持つ人間でありますから、地域の町づくり、そして地域の声を聞かずに強引に進めるということは私はないと思っております。
やはりこの町田の町をつくっていくには、いろんな幅広い人たちの声が必要である。特にそこの地域に住み続ける住民を中心に行政、そして建設業者と話し合いをしていき、この町の町づくりをどうしていくべきかということについて前向きに議論をしていくことが私は大事であるというふうに考えております。
そういった意味で、今回、この質問をさせていただき、そして助役からいただいたお言葉は、本当にこれからの町田の町づくりにとって明るい、そういったものになったんじゃないかなというふうに感じております。ぜひ今後とも市民とともに行動する行政であっていただきたいという要望をさせていただきまして、私の質問を以上で終了とさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

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