議会報告

[議会報告]平成18年12月定例会 – よのなか科、小山地区の異臭について

[ 平成18年12月定例会(第4回)-12月11日-05号 ]

1、中学校教育に「よのなか科」の積極的導入を。
2、小山地区の異臭について その2

◆12番(新井克尚) 通告に基づき、一般質問を行います。
1、中学校教育に「よのなか科」の積極的導入を。
よのなか科と言われても、何だろうという方が多いと思いますので、冒頭、よのなか科とは何なのかということからお話をさせていただきたいと思います。
よのなか科とは、東京都初の民間人校長である杉並区立和田中学校校長の藤原和博氏が提唱している学校で教えられる知識と実際の世の中とのかけ橋になる授業のことです。教科書を使った受け身の授業とは異なり、自分の身近な視点から世界の仕組み、世の中の仕組みなど、大人でも簡単に答えを出せないテーマを扱います。例えば「ハンバーガー1個から世界が見える」、模擬子ども区議会、少年法の裁判法廷ロールプレイングなどを授業で行い、経済、政治、現代社会の諸問題を扱います。
授業の特徴としては、ロールプレーやシミュレーションなど、ゲーム的な手法によって子どもたちの主体的な能動的な学びを創造する。2、大人も授業に参加をすることでともに学び合う力をつける。何とこの授業、地域の大人が参加をしてともに議論をし合うという形式をとっております。3、カリキュラムの目的に沿ったゲストを迎え、生徒の思考回路を刺激し、時に通常の授業では得られない種類の知的な感動を与えることが挙げられます。
実際、先ほどお話しした「ハンバーガー1個から世界が見える」という授業では、ハンバーガー大手の某M社、社員の方が、輸入を担当されている方が来て、子どもたちに話をしたり、あとは模擬区議会をやったときは、杉並区長が来たり、あと少年法のロールプレイングのときには実際の弁護士の方が3名来て授業をやったりしています。
では、藤原校長がなぜこのような授業を始めたのか、そもそもなぜ民間人から校長になろうとしたのか、ちょっと触れていきたいと思います。そのきっかけは、中学3年の公民の教科書でした。藤原校長は、その公民の教科書を3時間で読破したそうなんですが、余りにも余りにもおもしろくなくて驚いたそうです。世の中で実際に起きている動きが何も伝わってこないことに愕然とし、怒りを感じたこと、これがきっかけだと。この教科書で勉強したら、まず間違いなく社会科嫌いになるだろう。社会科嫌いならまだしも、世の中嫌いになるんじゃないか、そう思い、これは何かをやらなきゃいけないと思い、区の教育委員会のアドバイザーを務めたんですが、やはり自分でやらなければだめだということで、杉並区の和田中学校の校長になられたということです。
実際、中学生のお子さんをお持ちの方でも、教科書に目を通されることはほとんどないのではないかというふうに思います。小学校入学の際には、初めてもらっている教科書ということで、ぱらぱらと開いて読んだりという話も聞きますけれども、中学校になると関心は薄れていってしまう。このチェックをしない、大人がチェックをしていかない状態が教科書会社の怠慢を誘っていたのではないかと藤原氏は考えたそうです。
中学3年生で学ぶ公民は、社会、経済、政治という世の中のありさまを初めて体系的に学ぶ、つまり世の中に参画していくための動機づけ、導入となる大変重要な科目です。藤原氏が怒りを覚えたというその教科書、一部を読み上げてみようと思います。経済の分野の最初、貨幣と流通という項目に書かれているものです。
貨幣の役割、経済活動の中で貨幣は次のような働きをしている。その1つは、財やサービスの価値を価格の大きさとして表現する価値の尺度としての働きである。2つ目は、商品、代金の支払いや給料の支払いなどに利用できる支払い手段、あるいは交換の手段としての働きである。3つ目は、貯蓄など価値の保存をする働きである。
皆さん、こちらにいらっしゃる皆様方は、本当にさまざまな業界でご活躍をされていた方が多い市議会だと私は考えております。銀行で働いていらっしゃった方もいらっしゃいますし、いろんな会社で会社員をやられていた方もいらっしゃいます。スポーツクラブの方もいらっしゃいますし、議員秘書もいる。実業家の方もいらっしゃいますし、落語家の方もいらっしゃる。
そういった中で、皆さん、ふだんお金を使っていると思うんですけれども、今の貨幣の役割を聞いて、自分が暮らしている世の中とつながったでしょうか。全くもってつながらない、リンクしない。それを覚えてテストで空欄に書き込めば、確かに点数はもらえるかもしれません。しかし、これを勉強して世の中に興味を持つのかどうか。
ちなみに、今のお話をされて、即座に貨幣の役割について答えられた人がたった1人いらっしゃるそうです。それは日銀の役員さんだそうです。それ以外の方は、今の話を聞いてほとんどだれもと言っていいほど答えられなかった。これほど実際の世の中と授業の内容が乖離をしているということです。
聞いていただいてわかるとおり、まさに知識の断片を記憶させるための内容、もちろん社会科は覚えることが大変多い科目ですけれども、それだけで終わってしまっては、これらの知識の断片が結びついて全体像となり、社会観、経済観、政治観、世界観へとつながっていくのは難しいだろうと思われます。
藤原氏は、この教科書を読んで、これでは自分の息子が世の中にかかわりたくない、あるいはかかわっていけるだろうという主体的なイメージが持てないのではないかというふうに思ったのです。
やはり大人への入り口となる中学2、3年生では、もっと立体的に、魅力的に、ダイナミックに経済、政治、そして現代社会のありさまを週に1回でも体感してもらうのが必要ではないか、それができれば、子どもたちの健全な世の中への動機づけが生まれ、もっと勉強したい、もっと知りたいとも考えるし、通常の教科授業にも役立つのではないかということから、このよのなか科は生まれたのです。
では、よのなか科の実際の授業についてお話をしたいと思います。実際、教育長もこのよのなか科の授業を受けられたことがあるというふうに思いますけれども、一番初めの授業は、経済をどのように学ぶかという授業でございまして、東京郊外のある地点、これが実は町田市つくし野周辺の地図を実際に教材として使っていらっしゃるんですけれども、その地図をもとに、ハンバーガー店の店長になって、どこに出店をすれば最も売り上げを上げられるかを考えるというものです。まさしくマーケティングですね。それを授業の中でやってしまうということです。
まず、各自がそのワークシート、本当に地図1枚だけなんですけれども、そこの中でどこに出店をするかを決めます。そして、その後、数人ずつのグループに分かれ、選んだ場所とその理由をディスカッションし、グループごとにここが最適だということを決定します。そして最後に、グループごとの決定場所とその理由を発表し、教師やゲストとともに、その結果を分析するというものです。
店長のロールプレイングをさせる中で、まず自分の意見をはっきりとさせる。そして、それをグループでたたいて意見交換をした上で、最後に班ごとにプレゼンテーションをさせる。そうした活動の中で、集客力とか稼働率とか、経済にとって大事な概念を知識として教えるのではなくて、体得、会得、体感させていきます。こういった形でさまざまなテーマを用いて子どもたちにいろいろ考えさせ、グループでディスカッションをさせる。そして、自分の考えをプレゼンテーションさせるということを繰り返しやっているのです。
ちなみに、ほかの授業では「将来自分が住みたい家を設計してみる」ということで、実際、建築デザイン事務所の1級建築士の方を招いて、間取りをつくってみる。それを、自分はこういう部屋に住みたいということをプレゼンテーションさせたり、「付加価値を学ぶ」ということで、輪ゴム、風船、パンチボールから、同じゴムなんだけれども、付加価値をつけることでここまで価値が変わる、料金が変わってくるということを、実際に根本特殊化学の社長さん、ゴムをつくっている会社の社長さんを招いてやったり、あと「子供部屋は必要か?大ディベート大会」とか、身近なところでは「自転車放置問題を考える」、やはり自分の住んでいる町に自転車がたくさん置いてある、これをどうするかということを考えたり、あとは女装家の方を呼んで、差別について、「どこまでいじくる人のカラダ」&「差異と差別を考える」、整形手術はどこまで許されるか、性転換手術は許されるか、実際にニューハーフの方と遭遇してインタビューをして、自分は差別とか、そういうものをどう感じるのかということをディベートしたりする。そういったことを行っていらっしゃいます。
先ほどお話をした「ハンバーガー1個から世界が見える」という授業では、その後またしばらく時間をかけまして、今度は原価がどうなっているのか。じゃ、ハンバーガーの原材料はどこから来るのか、これは実際には、レタス以外は全部海外から来ているわけですけれども、そういったことをどこの国から、どういった材料が幾らぐらいで来ているのかというのを実際に勉強させると、自分がハンバーガーショップに行ったときに、あっ、これはどこから来ているんだな、原価が幾らぐらいなんだなということを全部リンクさせるわけですね。そうすると、自分が生活をしている中で、授業でやったことをそのまままた思い出して、そこにいる友達とまた議論が始まるという非常に世の中とリンクをした授業になっております。
また、それ以外にも、子どもたちが一番苦手とする国際経済にかかわる為替の問題、これにも言及していきます。例えばビッグマック、日本では280円、ハワイで買うと2ドル50セント、同じ価値のものを280円、それから2ドル50セントで買えるわけですから、この間が交換レート、計算ができるわけですね。これで割り算をしますと、大体109円というレートになるんですけれども、これが実は為替ディーラーの間でも世界的に非常に有名なビッグマック指数と言われているものです。
こうした授業の様子は「世界でいちばん受けたい授業」という本に10回分ぐらいがドキュメントで載っておりますので、ぜひごらんをいただきたいというふうに思います。
このように、経済、政治、法律、現代社会という公民的分野について、すべての生徒たちに身近にある素材から説き起こして、そこに発見や小さな感動が起こるように仕組んでいます。今までの教科書は、なぜそういう身近な題材を使わないのかが非常に不思議で、わざと遠い方から分断させて知識を詰め込むという書き方をしていた。試験のために知識として覚えろと言えば、子どもたちは確かに覚えますけれども、血となり肉となるかと考えると、かなり疑問だと藤原氏は言います。
そして、法律の問題、検定の教科書では定石となっている憲法の問題から基本的人権を語るということでありますけれども、よのなか科ではそこから入らずに、少年自身に一番関係の深い法律、少年法を考えるというところから入りまして、模擬法廷をつくり、少年審判をロールプレイングさせるということをやっています。
アメリカでは実際、ティーンコートというのがありまして、プロの法律家が手伝って裁判そのものを子どもたちに進行させるという訓練を小さいうちから行っています。これは将来、陪審員になり得る市民を地域ぐるみで育てるということもあるそうです。もちろん、日本も裁判員制度というものが導入をされるという予定になっておりますから、こういった裁判を身近なものに感じさせるというねらいがあります。
その少年法のよのなか科の授業に私、実際に参加をしてきました。10月11日水曜日、題材はイギリスで実際に起きたバルガー事件、10歳の少年2人が2歳のジェームズ・バルガーちゃんを殺害し、死体を放置したという衝撃的な少年犯罪です。少年法というのは、まさしく彼らには直接かかわるものです。身の回りの法律ですから、そこから学ばせた方が法律の本質をとらえやすいだろう。一見遠いかと思われる深い問題をタブー視してふたをかぶせて追いやることは、教育の敗北だと藤原校長はおっしゃっていました。
3年生80人全員が1つの教室で12グループに分かれ、各グループに最低でも2人ずつ大人が加わります。私は、その中の1人に加わりました。まず、厳罰か保護かと聞くと、ほとんどの生徒が厳罰、保護は少数派、こういった形で、よのなか科ではまず両極端の意見を上げさせます。そうすると、その両極端の意見の間に、多様な納得解というものが生まれてくる。正解ではなく、ここが一番重要なポイントなんですが、納得できる解、納得解、子どもたちは、どうしても教育の中では正解主義で教育をされている。そうすると、正しいことを書かなきゃいけないというふうに思ってしまうわけです。そうではなく、そこにあるワークシートには、自分の考えを一たん書いて、それをどんどん進化させていっていいんだ。間違ってもいいから、自分の考えをほかの人の意見を取り入れて変えていこうということを授業の中で実践しているわけです。
この授業では、子どもたちの意見がたとえどんなものでも否定されることはありません。各班にそれぞれいる大人が子どもたちと会話をするという行為だけで、自然と子どもたちの考えを引き出し、必要なときには、その意見の矛盾点をつくことで、子どもたちがよりイマジネーションを働かせ、考えを深めていくことができるのです。生徒たちからすれば、毎回知らない大人が座る。知らない人であっても、場を共有している大人がいるわけですから、そこで議論をする。そこで議論をしている大人が言った意見を褒めてくれたり認めてくれれば、それが自己肯定観が高まっていくことにもつながります。こういった形でコミュニケーション能力を鍛えていく場でもあるわけです。
今の子どもたちは、ほかの人の意見に聞き耳を立てるという機会がほとんどなくなってきたのではないかというふうに言われております。家族の中でも、地域社会の中でも、なかなか機会が少ない。昔の社会では、そういうことが地域社会や家庭の中で多く、兄弟の中とか家族の中とか、地域の中で行われていた、その機会を学校でつくりたかったということをおっしゃっていました。
また、こういうこともお話をされていました。日本じゅうの教育現場では結論を言い過ぎる。この少年法の例でいけば、みんながどういうふうな背後を持っているとか、そういうことをしっかりと考えないとね、家庭の事情を持っているとか、よく考えないと、こういう少年法をさばくのは難しいよねというようなことをもし教師が価値観をすり込むとしたら、結局、正解のすり込みであって、子どもたちは教師が何と言うだろう、どういうのが正解だろう、それを考えて答えを出すようになってしまう。そうではなく、この問題について、あなたはどう思うの、私はこう思いますというストレートな答えをいかに引き出せるか。そういった理性の運用手段、技術、まさしくリテラシー、こういったことを育てる場を中学の段階からつくっていかなきゃいけないんじゃないかという話をされていました。
教員が途中で価値観をすり込まずに、とにかく生徒に議論をさせることが大事だ。そして、その次の週、10月18日のよのなか科では、これは3人の弁護士がゲストティーチャーとして参加をし、ここで模擬裁判を行いました。検察側、弁護側、そして少年と少年の母親という形に分かれまして、それぞれに弁護士の方がついて専門的なアドバイスをされます。それぞれの立場に立って、どう考えるのか、それをロールプレーさせて、あっ、裁判ってこういうふうに進んでいくんだな、弁護士さんってこういう仕事をされているんだな、それを、まさしく世の中を学んでいく。
実際に一番初め、厳罰と保護、割合は厳罰がほとんどだったのが、裁判を終え、理解を深めたことで保護が10対1だったのが3対1ぐらいまで比率が変わりました。そこまで子どもたちは一生懸命考えて、自分なりの納得解を出しています。社会に出た瞬間から、正解が1つということはほとんどありません。学校にいる間は、正解を覚えたり、正解の出し方を覚えたり、その結果、テストをして点数が高ければ褒められる。
しかし、社会に出たら、そういうことはほとんどなくなる。そのことの準備をするのがよのなか科、自分で考えなければいけないときに、すぐにそのモードに入れる準備をしているのです。数学、国語、英語、こういった重要教科のテストの点ももちろん大事ですが、義務教育の修了課程では、コミュニケーションをする能力が大事な時代に来ているんだと思います。ロジックをする力、さらにこういった力により増して、自分の考える力を養い、それによって自分の価値軸上でさまざまな情報を自己編集して、そして自分の意見として述べる。自分で自分の意見を表現する、プレゼンテーションをする力、情報編集力というふうに呼んでおりますけれども、こういったものを授業の中で取り入れていき、そして鍛えることが重要であるというふうに考えます。
ですから、子どもたちにどんどん意見を言わせ、間違わせる。そして、中に入っている大人も間違うんだ、そういう交流をどんどんしていく中で、やはり社会人がこういった授業に入っていって子どもと交流をして、世の中というものを伝えていく、こういった機会をどんどん町田の学校でもつくっていくべきであるというふうに考えます。
実際、こういった授業、藤原先生が校長先生だからできるんだよというようなお話も上がっていますけれども、この授業、藤原先生以外の先生が今チャレンジをしています。
所沢市向陽中学校の平野先生、私、実際にこの授業に行ってきました。もともとは普通の家庭の主婦だった方が、授業参観に行って公民の授業を見て、これはおかしい、何とかしなきゃと思ってたどり着いたのが藤原先生のよのなか科で、それを通い詰め、勉強することで、もともと教員の資格を持っていたので、何と自分で地元の中学の授業をするようになった。
また、すぐ隣、横浜市青葉区奈良中、この北村先生も、やはり自分の学校でよのなか科をやりたいと、この藤原先生の取り組みを勉強されまして、自分で校長先生を説得して、とにかくこの授業をやらせてくれということで、体育館で3年生全員を集めて、地域の大人を招いてよのなか科の授業をされていました。私も、もちろん参加をしてきました。
こういったよのなか科の授業、ぜひ積極的に導入すべきと考えますが、お答えをいただきたいと思います。現状、町田の中ではどういうふうになっていますでしょうか。積極的に導入すべきと考えますが、いかがでしょうか。
そして、全国〔よのなか〕科ネットワークの活用を。
以上をお聞かせください。
次に、2番、小山地区の異臭について その2でございます。
この件については、3月に1度一般質問をいたしました。ですが、夏場は余りこの異臭、感じる機会が少ないということで、一時調査をしづらかった時期もあったかとは思いますが、季節が冬になり、最近になって、また、この異臭の問題、非常に感じる、異臭を感じるという声が上がってくるようになりました。こういった異臭により不安な毎日を暮らしている市民の方々がたくさんいらっしゃるということを、この事実を受けとめ、早期に解決をしなければならないと私は考えます。実際、化学物質過敏症のような症状も出ているというお話も聞いております。まさしく事態は深刻になってきております。一日も早い解決をするために、お伺いをいたします。
1、調査の進行状況を問う。
2、解決に向けてのビジョンは。
以上、お答えください。
壇上からの質問といたします。

◎市長(石阪丈一) 新井議員のご質問でございますが、助役及び教育委員会からお答えを申し上げます。

◎助役(町田修二) 項目2の小山地区の異臭について その2にお答えをいたします。
2004年の冬季でございますが、小山地区の異臭についての相談が寄せられました。それ以来、現地のパトロール調査等を行ってまいりました。また、本年11月からは異臭についての情報数が増加しております。こういったことを踏まえまして、さらには発生が冬季に多いという傾向も踏まえまして、パトロールの回数をふやすなど、調査を強化いたしております。現時点では、まだにおいの発生源の特定まではできておりませんが、今後、さらに調査範囲を広げるなど、引き続き調査を強化してまいります。発生源の特定及び解決に向けて取り組んでまいります。
以上でございます。

◎教育長(山田雄三) 項目1の中学校教育に「よのなか科」の積極的導入をについてお答えをいたします。
よのなか科につきましては、新井議員さんの方から丁寧にご紹介がございました。私も2年前ぐらいだと思いますが、町田青年会議所が市民フォーラムで行いましたよのなか科の授業と申しますか、講演会に参加をさせていただきました。藤原先生の個性と申しますか、それが非常に大きい授業だなというふうな感じを受けました。
そこで、お尋ねの1点目、現状はどうかでございますが、町田市の中学校における身近な視点から世の中の仕組みなどを考える、あるいは教える授業の取り組みの例といたしましては、町田第二中学校の選択社会科で株式投資をゲーム的に行う模擬体験授業や町田第一中学校の特別活動で飲食店の経営について考える授業などがございます。ただ、よのなか科と称した実践や年間を通じたカリキュラムで行っている学校はございません。
次に、2点目、積極的に導入すべきと考えるがどうかでございますが、よのなか科のように、学校で教えられる知識と実社会の現実とのギャップに焦点を当てた授業は、これからの学校教育においても必要であろうと考えております。町田市では、現在、小中一貫教育のカリキュラム検討を進めておりますが、その中の規範教育、キャリア教育、食育の内容は、どれも現実の社会的な課題を背景として、正しい社会参加ができ、社会をたくましく生きていく児童生徒を育てることや、児童生徒のコミュニケーション能力を高めることをねらいとするものでございます。例えば職場体験や模擬裁判などを行う授業、いじめや環境問題などについて話し合う授業、洋食と和食を比べて考える授業などが既にカリキュラム作成委員会での協議内容として上がっております。こうした内容は、よのなか科の考え方に通じるものであろうというふうに考えます。
よのなか科の授業は、実際には総合的な学習の時間や道徳、選択教科の家庭科などの時間を使って行われているようですから、本市の小中一貫教育のカリキュラムと同様の考え方に立つものと受けとめております。今後とも、小中一貫教育のカリキュラムを考えていく上で、よのなか科で扱っている教材や学習内容で参考になるものがあれば、参考にしてまいりたいというふうに考えております。
次に、3点目、全国〔よのなか〕科ネットワークの活用についてでございますが、ホームページ上に掲載されている授業実践プラン等の中には、すぐにでも学校で活用できる情報もあるようですので、よいものについては管理職研修会や中学校の校内研修会、中学校教育研究会などの機会を通じて紹介してまいりたいというふうに考えております。

◆12番(新井克尚) では、まず異臭の件から再質問をさせていただきます。
実際、市民の方から、どういった声が上がってきているのか、具体的に幾つか挙げていただきたいというふうに思います。そして、その異臭を感じる時間帯、傾向として何時ごろが多いのか、把握していらっしゃったら、その件をお聞かせください。お願いいたします。

◎環境・産業部長(山下久) お答えします。
まず、具体的な声でございますけれども、ビニールを燃やしたにおいがする、焦げたような強いにおいを感じた、金属を切るときに発生するにおい、一番端的なのがディスクブレーキをずうっと使っていると、ちょっと焼け焦げたようなにおいがするかと思いますけれども、そのようなにおいがするということの情報が多く寄せられています。多くといいましても、2004年度からですけれども、12月7日までで19件寄せられております。その内訳として、今申し上げたようなビニールを燃やしたようなにおいがする、ディスクブレーキの作動したときのにおいがするというようなことです。
それから、時間的には、大体午後6時から8時ぐらいが多く寄せられております。
以上です。

◆12番(新井克尚) その時間帯が6時から8時ですか、となると基本的には、業務的には時間外ということになると思うんですが、その時間もパトロールを今現在されているということになるのか、それとも今後検討しているものなのか、お聞かせください。

◎環境・産業部長(山下久) 実は強くにおいを感じたというのが直近で11月10日にございました。においを感じたということで、11月13日から、いわゆる小山地区を6のブロック、メッシュを切りまして、昼夜、1週間ほど集中的にパトロールしました。もちろん、昼間も夜もですけれども、そういうことで発生源の特定をしていきたいということでやったわけですけれども、発生源の特定には至っておりません。
ただ、その中で2件ほどの野焼きという現場を押さえましたので、その指導はしているところです。
以上です。

◆12番(新井克尚) 例えばその時間帯であると、市役所に電話をすれば、当然通じないわけでございまして、そういった場合、直接担当課等に連絡をして、担当の方がいらっしゃらないとかいうことも恐らくあると思うんですね。そういったときの対策というか、体制をどうしていくかが1つ検討課題であるだろうと思われることと、もう1つは、やはり風向き等の調査ですね。恐らく風に乗ってこういったにおいが飛んでくると思いますので、そういったデータというのを環境・産業部の方として把握をしているのかどうか、押さえているのかどうか、お聞かせください。

◎環境・産業部長(山下久) 職員がいないときの対応ですけれども、まずコールセンターに情報をいただくように、時間内であれば市民の方から職員に当然入ってくるわけですけれども、それ以外についてはコールセンターに入って、コールセンターからすぐ翌日入りますので、その時間帯の特定、何時ににおったか、どこの地区かというようなものは大体把握できます。それらをもとにして、そのときの風向き等をお聞きするような形で、言ってみれば、情報をいただいた方にモニター的になっていただいて、継続的に情報をいただくというようなことで今取り組んでいるところです。
データは、やはり蓄積が大事ですので、現在、においを感じるというのは、大体微風の西風、弱い西風のときに感じるというようなところまではある程度わかってきておりますけれども、それがどこからかというところまでには至っておりません。

◆12番(新井克尚) そのデータの蓄積の件に関しては、これからも引き続き皆さんから広く情報を集めるようなことを行っていただきたいというふうに思います。そして、やはりこういった不安の中でたくさんの市民の方が暮らしていらっしゃるということで、ぜひ市長にこの問題解決に向けての決意というか、お気持ちをお聞かせいただきたいというふうに思います。お願いいたします。

◎市長(石阪丈一) 職員の過重な労働にならないように、一生懸命調べさせていただきたいと思います。
以上です。

◆12番(新井克尚) 決算特別委員会でも、時間外勤務が多いというような意見もついておりましたので、その点はいろいろと調整は難しいところかもしれませんが、ぜひ市民の不安を一日でも早く解消するために、全力で取り組んでいただければ幸いでございます。
それでは次に、よのなか科の件で質問をさせていただきます。
規範教育、キャリア教育、食育の方で、よのなか科に近い、恐らく共通することが多いだろうということをこれから進められるという話でございました。規範教育に関しては、先日も新聞の方に小学校の方で載っていましたね。山崎小学校ですが、非常にすばらしい取り組みをされていらっしゃる。恐らくこういった取り組みをされている学校は多いのであろうというふうに思います。外から講師を呼んで講義をいただくというか、そういったこともたくさん行っているでしょうし、また、先進的に職業の体験ですか、たくさんの中学生を実際に社会の場で職業を体験させるという本当にすばらしい取り組みをされていることは私も存じているところでございます。
ただ、規範教育、キャリア教育、食育に関しては今までも質問がありましたので、ある程度の情報は入ってはいるんですが、もう少し具体的にどういった内容で、どういう形式で行われるのかということをお聞かせいただいてもよろしいでしょうか。

◎教育長(山田雄三) 小中一貫教育の中のキャリア教育、あるいは規範教育ですが、これについても、地域とともに子どもを育てていくことを意図しております。したがいまして、先ほどよのなか科で大人の方が講師とか、いろいろお話がありましたが、地域の大人の方が現代の課題として子どもと一緒に考えるだとか、そういうふうな学習もこの中では想定をしております。
これについては、今、カリキュラムを作成中、作成委員会をつくっている最中ですので、ただ、規範教育については、児童生徒に社会のルールですとか、常識ですとか、人間関係の大切さ、あるいは善悪などの判断などを教えていく、そういうふうなことでございます。
そういうふうなものの一環として、先日、お話にありました山崎小学校でいじめについてのモデル授業、その場合に地域の方の中で、自分が過去、いじめ体験があるというふうなお話もしていただいたところでございます。
それから、キャリア教育については、もうご存じのとおり、中学校については職場体験をやっておりますが、それをさらに小学生にも、これは体験というわけにはいかないと思いますが、訪問だとか、そういうものを通じて望ましい職業観、勤労観、あるいは社会の一員としてたくましく生きていく力を育てるカリキュラム、そういうふうなものを今策定しているという内容でございます。
以上でございます。

◆12番(新井克尚) 規範教育は、イメージとしては心のノートの活用みたいな感じなんですかね。心のノートってありますね。あれが何か、親を大切にしよう、友達を大切にしようとか、お互い思いやりのある教育、育て方が何とかとありますね。ああいう感じになるのか、それとは全く別に、もうテーマに沿って題材をやってとか、そういう形になるのか、ちょっとイメージが伝わりづらかったので、もう少し教えていただければと思います。
そして、キャリア教育、地域の大人と一緒に学ぼうということはわかったのですが、よのなか科の特徴として、1つは、ゲストティーチャーの存在、恐らく地域の方から呼んできたりとか、実際にビジネスの第一線で活躍されている方だったり、政治家であったり、その分野の専門の方が来たりとか、そういうこともあれば、地域の方が来て身近なところからお話をするということもあるんですが、もう1つ大事なポイントが、授業の中に地域の大人が参加をして、子どもたちと一緒に議論をする。これが、ゲストティーチャーが1人しかいませんので、各班に分かれると思うんですけれども、そこでディスカッションする際に、なかなかやっぱり直接触れ合う機会がないんですね。
概してこういう授業は、地域の方を呼んでいいお話を聞いて、質疑応答して終わってしまうというようなことが多くなってしまうとは思うんですが、そこにテーマをぽんと投げて、班でそこに見知らぬ大人が入って、一緒に議論をする、一緒に理解を深めていく。
例えば1つのテーマで、大人がちょっと自分の経験があることをぽろっと言うと、ああ、そういうこともあるんですねとか、子どもが一番初めに考えたことを、でも、それはさっき言っていたことと矛盾するよねみたいなことを大人が言ったりとか、なかなか切り出せないというか、言い出せない子どもは、あなたはどう考えているのと切り出したり、そういうきっかけをつくったり、そういう地域の大人を巻き込んで一緒に授業をやるということがよのなか科の1つの特徴でもありまして、そういったよのなか科のような地域の大人を入れての授業なのか、それとも地域の大人と一緒にというのは、地域から講師を呼ぶという形なのか、その辺の差をちょっとお聞かせいただけますか。

◎教育長(山田雄三) まず、心のノートにつきましては、たしか小学校に入る方と中学校に入る方に文部科学省の方のあれでお配りをしています。それは道徳の関係です。規範教育については、もっと範囲が広く、先ほどもお答えしましたが、社会のルールや常識を教え、正しい社会参加ができる児童生徒を育てることということで、内容的には、当然社会生活のルールだとか、善悪の判断、それから行為とその影響、命の重さ、人と人との関係、差別や偏見、原因と結果、自由と責任、権利と義務、それから日本人の美意識、こういうふうなものをこの中では考えております。
ただ、具体的なものについては、今、作成委員会でやっているさなかですので、一応イメージとしてはそういうことでございます。
あと、授業の中に大人の方ということですが、年間を通してではございませんが、町田の中でもかなりのところでやっております。例えば成瀬台中学校で毎年、多分3学期だと思いますが、社会人先生ということだと思いますが、土曜日、20幾つの講座で、パイロットの方から元タカラジェンヌだとか、あと美術家だとか政治家の方だとか、大勢の方をお呼びして、それぞれ生徒が希望する講座と申しますか、授業を受けるというふうな形でやっております。
小学校でも中学校でも、授業の中にゲストティーチャーをというのはかなりやっておりまして、学校の方でも地域は人材の宝庫であるというふうなことで、そういう方がゲストティーチャーで立ってくれますと、また道で出会ったときに、子どもから声をかけられて、さらに学校とのあれでうまくいくというふうな効果もありまして、進めているところでございます。
ただ、それはよのなか科とは若干違うのかなと。よのなか科につきましては、正直言いまして、藤原先生、いわゆる高いレベルの人材活用力ですとか、あるいは教材開発力、こういうふうなものが求められる授業で、だれでもというわけにはなかなかすぐはいかないなというふうに感じます。私も受けてみて、藤原先生のキャラクターと申しますか、その力が非常に大きい授業だなというふうには感じました。
以上です。

◆12番(新井克尚) 確かに、あれを一からつくり上げるのは非常に難しいことだと思うんですが、藤原先生は、あのすべてのテーマを、年間を通じてのスケジュールをつくって、こういう内容ですよというところまでつくって、その教材があれば、能力のある教師を育てれば、必ずできるということをおっしゃられていて、全国〔よのなか〕科ネットワークを立ち上げられていて、ホームページの方でも、その教材を見ていただくことができて、授業の内容もビデオで見ていただけるといったものでございますので、藤原先生じゃなければできないということは私は全くないと。
それを実践されているのが所沢市向陽中の平野先生ですね。この方は、先ほどもお話ししたとおり、普通の主婦をされていて、公民の授業を参観で見に行って、これは違うな、自分が知っている世の中とは何か違うなと思って、教職の免許を持っていらっしゃったので、よのなか科の授業を研究されて、今は地元の向陽中でよのなか科を担当する先生になって、もちろんゲストティーチャー、例えば少年法の授業もやられていました。
私、そこに参加をしてきましたけれども、埼玉地裁の実際の裁判官の方が来て、裁判員制度のパンフレットを配りながら、実際、判決の主文を読んだりとか、そういったことをして、少年法、少年犯罪を、全く架空のものを題材にして、厳罰なのか保護なのかというところから、じゃ、どうなのかということを裁判官の人と話し合うんですが、その前に、やっぱり地域の大人も入ってきていて、その中の1人が私だったんですけれども、それ以外にも、本当に地元の普通の主婦の方であったり、たまたまその日お休みだった会社員の方だったりという方が入って、子どもたちと一緒に議論するんですよ。
このプラスアルファの知識が入るか入らないかは物すごく違うと思うんですね。いや、世の中は実際こうなんだよとその一言が大人から来る、しかも見知らぬ大人とのコミュニケーション能力も高められる。こういったことを藤原先生以外の方でもできているという現状は、ぜひ町田のこのカリキュラムの中でも組み込むきっかけにしていただきたいなというふうに考えて質問をしておりますので、藤原先生じゃないとできないからちょっと無理ですねと言われてしまうと、質問をしている意味もなくなってしまいますので、ぜひその辺は、キャリア教育でいろいろ検討中、作成中ということでありますけれども、こういったよさがあるということをぜひ盛り込んでいただければ、私はこんなにうれしいことはないなと。
特に子どもたちの学びの場をふやす、いろんな体験をしてもらえる、いろんな知識と触れ合うことができる、こういった場をつくっていかなければ、私は絶対にいけないと思いますので、そういった意味では、藤原先生以外の方でもできる、このやり方をキャリア教育とか、こういった中でも入れていただきたいというふうに思います。
特にゲストの人選に関しては、テーマに沿った人選であると思うんですけれども、外部の人が学校に入ってくる際の安全面の確保、こういったことも恐らく問題になるとは思います。ただ、実際にその件についても、セキュリティーの確保の仕方とか、そういったことは全国〔よのなか〕科ネットワークで、この運動を広げようとされている方なので、どこの学校でも、こうすれば大丈夫だ、こういうふうにセキュリティーを確保していけば、地域の大人を呼び込めるんだということもやっていますので、実際にそれを和田中以外の所沢の向陽中であったり、横浜市青葉区の奈良中、そういったところでも実際に地域の大人、私も行っているわけですから、町田市民の私が横浜の中学校の授業を受けているわけですよ。それでも問題がない。
そして、いろんな知識を子どもたちと一緒に分け与えてほしいということですね。一緒に議論をしてほしい。そういう要望を実際に先生からもいただいていますので、そういった安全面の確保についても、恐らくクリアはできる。あとは職員室の理解が必要だったり、校長先生の理解が必要であったりとか、そういったハードルは幾つかあるとは思うんですけれども、子どもの学びの場をつくっていくという意味では、これは本当にすばらしい取り組みであると思いますので、今、実際につくられていらっしゃるキャリア教育、本当にすばらしい内容のものをつくられていらっしゃるので、これは本当にすばらしいなと思ったんですが、そこにもう1つつけ加えていただければというふうに思いますが、その点についてはいかがでしょうか。

◎教育長(山田雄三) 最初にお答えしましたように、今、小中一貫教育カリキュラムの作成中ですが、その中でよのなか科で扱っている教材や学習内容、こういうふうなもので参考になるものはぜひ取り上げていきたいというふうに考えております。
それとあわせて、ネットワークの活用についても、ホームページ上に掲載をされておりますので、すぐれた実践プラン等については、先ほど申し上げましたとおり、校長、あるいは校長の研修会ですとか、中学校の校内研修会、あるいは中学校教育研究会、そういうふうな機会を通じて紹介をしてまいりたいというふうに考えています。

◆12番(新井克尚) 実際、学校で扱いやすいテーマ、扱いにくいテーマというのがあると思うんです。よのなか科のすばらしさの1つは、テーマの設定なんですね。基本的に学校ではタブーが多過ぎるということを藤原先生はおっしゃられていまして、いじめの問題にしても、自殺についても、宗教とか離婚とか、こういったことはタブーにしている。なかなか学校の中で取り上げる機会が少ない。
先ほど株式の授業をされているという話がありました。ある学校で株式の授業をやると、ばくちを学校で教えるのかという保護者の方がいらっしゃったそうで、それ以降できなくなったという話を聞きました。でも、実際世の中でも株式会社がたくさんあるわけですよ。その保護者の方がそうだったかどうかわかりませんけれども、株式会社でお勤めの方もたくさんいらっしゃるわけで、それはもう資本主義の本質に全く触れないということですから、そういったことをタブーにしてしまう。説得できない教師も、やはりいけないのかなというふうには思うんですけれども、そういった意味では、この町田二中の取り組みというのはすばらしいなというふうに思いますけれども、そういったテーマを、とにかくタブーを設けずに、大人になったときに、いつか触れるもので、学校ではこのテーマについては触れてこなかったし、自分の意見も言えないというような教育では私はいけないと思うんですよ。
やはり学校で大見えを切って、そういうことを議論して、授業で議論をすることで、ああ、こういうことはみんなで話し合っていいんだ、こういうことを議論していいんだ、自分の考えはこうだよと言っていいんだ、そういうことを授業の中でつくり上げていくということは、大人になる過程で子どもにとっては非常に重要なことであるというふうに思うんですね。
なので、ぜひその点は使いやすいテーマとか、使えるなと思ったから使うのではなく、こういったテーマにも挑んでいってほしいなというのが私個人の要望にはなりますけれども、よのなか科のだいご味の1つであるテーマにタブーを設けないという件も盛り入れていただきたいなというふうに思います。
結局、大人の世界というのは試験勉強ではないですから、何が起こるかわからない。実際、ちょろっと言った質問で動議が出てとまってしまうこともあるわけですよ。これは正直、自分は大丈夫だと思ったけれども、実際これは問題ではないかということでとめられることもあるわけで、答えがどこにあるかわからなくて、自分の中で納得するものをやった結果、そうなったということが世の中ほとんどだと思うんですよ。
そういったことを実際に学校の中でどんどん体験をしていく、させていく。地域の大人とコミュニケーションをさせていく。そういった形の授業がキャリア教育とか規範教育の中にどんどん入っていけばいいなとは思うんですけれども、まだ今作成中、検討中ということなので、ぜひその点も盛り入れていただきたいというふうに思います。
結局、社会科というか、公民を勉強するのは、大人になるって何だろうということだと思うんですよ。社会に出るって何だろう。先ほどお話をした貨幣の尺度とか、貨幣の価値とか、財とサービスがどうのとか、全く社会に出て一言も発しないような言葉を覚えるよりも、そういった意味では、今たくさんの学校が実際に行っているようなことにプラスして、もう一歩進んで、こういったよのなか科の取り組みを組み込んでいただければ、私は、町田の中学校の教育がもっともっとすばらしいものになるんじゃないかなというふうに思いますので、ぜひその点、取り入れていただきたいという件についてのご見解をお聞かせいただきたいと思います。

◎教育長(山田雄三) 今、ご紹介いただきました例えば町田第二中学校の株式投資の関係ですが、町田ではないんですが、確かにそれをやってよそで批判があったことは事実です。
ただ、これは株式投資のテクニックを学ぶことではなくて、株式のいわゆる模擬売買を通じて、株価変動の背景となっています現実の経済だとか社会の動きに生徒たちの目を向けさせるという趣旨でやっている授業ですので、今いろいろご紹介いただきましたが、タブーが多過ぎる云々というのがございましたが、いろいろ具体的なテーマを決めるのも、あるいは開発するのも教師の役割だと思いますので、いい例については紹介はしていきたいなというふうに考えます。

◆12番(新井克尚) テーマについてはいろいろと取り入れていただけるというか、紹介はしていただけるということで、確かにあとは先生のやる気というか、姿勢というか、そういったものにもかかわってくると思います。その点については、ぜひ惜しみなくサポートしていただいて、子どもたちの学びの場をよくするためのことですから、題材を取り寄せていただいていろいろなものを提供するなりしていただければと思います。
あと最後に、やっぱり地域の大人を授業に入れることについての見解が正式に返っていなかったなというふうに思うんですが、ゲストティーチャーはいろんな学校でやっていると思うんです。それはそれですばらしいことなんですが、授業にゲストティーチャー以外に各グループに分かれてディスカッションする中に、そこに地域の大人がそれぞれ入ってそこで議論をするということについてはどうでしょうか。

◎教育長(山田雄三) それは、地域の大人が授業に各グループで入るだとか、そういうことは、そういう必要は授業によってはあるなと思います。教育委員会としては、学校が必要であれば、ぜひそれもサポートをしていきたいなと思います。

◆12番(新井克尚) 恐らく今現在進んでいる規範教育、キャリア教育のものに、よのなか科のエッセンスを追加していくことで、すばらしいものができるんじゃないかなという、そういった議論になったんじゃないかなというふうに思います。ぜひこれからも子どもたちの学びの場をよりいいものにしていくために、ご尽力をいただければと思います。
以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。

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