議会報告

[議会報告]平成21年12月定例会 – これまでの進捗や成果、授業力の向上と学習支援について

[平成21年12月定例会(第4回)-12月04日-02号]

1. これまでの進捗や成果について
2. 教員の授業力の向上と地域人材を生かした学習支援について

◆12番( 新井克尚) 通告に基づき、一般質問を行います。
1、これまでの主張や提案について、進捗や成果を問う。
これまでの定例会、委員会などで提案をしてまいりました。2期目最後の定例会でございますので、進捗や成果をお聞かせいただければと思います。
(1)予算のインセンティブ制度、導入の成果をお聞かせください。
(2)外部監査の導入の成果、いかがだったでしょうか。
(3)小山地区の異臭。不況の影響なのかわかりませんが、異臭は一時期落ちついていたと聞いておりますが、寒い時期に入りまして、また近隣の住民の皆様方はプラスチックを燃やしたようなにおいに悩まされております。そこで伺います。問題解決に向けて、現状はどうでしょうか、お聞かせください。
次に、教育について。(4)よのなか科の導入は検討しているか。地域本部を成功させたきっかけがまさしくこのよのなか科ですから、町田市でも活用すべきと過去に提案をいたしました。今現在の検討状況があれば、お答えください。
(5)生活習慣の改善、力強いメッセージを校長会等を通して進めたいと、教育委員長より力強いお言葉をいただきました。その結果、どうなりましたでしょうか。
次に、地元のお話を幾つかさせていただきます。(6)踏切の安全確保、2箇所お願いをいたしました。進捗はいかがでしょうか。
(7)玉川学園前駅北口タクシー乗り場の屋根。雨が降りますと、ここは小田急の土地と市の土地と学園の部分もいろいろあったりして、この先の計画も含めると屋根をつくるのがなかなか難しいということで、しばらく話はありましたけれども、なかなか実現しておりませんでした。こちら、進捗はいかがでしょうか。
最後に、市民病院について。(8)小児科や産科の医師の負担を減らすために、配布する冊子や資料を一本化し、有効活用をと提案いたしました。医師の負担を減らすということは喫緊の課題であると考えます。その後の経過はいかがでしょうか。
(9)市民病院改革の進捗はどうでしょうか。9月定例会に引き続きの質問ではありますが、お答えをお願いいたします。
表題2、教員の授業力の向上と地域人材を生かした学習支援について。
(1)9月定例会において、公立校と塾との連携について質問をいたしました。本日配付の資料、こちらの右側をごらんください。「和田中学校の『学び』の仕掛け」「家庭、学校、地域本部、学習塾の関係」というものです。
地域の活用は、個別学習の基礎並びに家庭学習、こちらの表の第3象限と書いてある部分です。集団に対しての基礎は、通常の教科授業と補修塾、同じくこちら、第4象限に当てはまる部分です。そして、発展的学習を集団に対して行うのが塾との連携、これは第1象限の部分です。成績の高い子が通常の授業ではあぶれてしまうので、そこに対するフォローがないと教育の機会均等と言えないのではないか。そこで、学習塾の活用を考えてはどうかという質問をいたしました。
私の質問に対して教育長は、塾との連携は考えていない、確かな学力をはぐくむために、教員の授業力の向上と地域人材を生かした学習支援に取り組んでいる。教員の授業力の向上は、初任者研修を初めとし、年次別研修や夏季教育課題研修等、計画的に実施し、全教員の授業力の向上を図っている。地域人材を生かした学習支援は、日常の授業や放課後及び長期休業期間等に開催される補修授業で、地域の方々に学習ボランティアとして教室に入っていただき、児童生徒の個別学習指導と教員のサポートを行うことで子どもたちの学力の向上に効果を上げていると答弁がありました。
ですが、その詳細が見えてきていない状態で時間切れとなってしまいましたので伺います。具体的にどのように教員の授業力が向上し、学習ボランティアによってどのような効果が上がり、どのような結果を生み出すのか、お答えください。
以上、壇上からの質問といたします。

◎市長(石阪丈一) 新井議員のご質問にお答えをいたします。
私のほうからは、項目の1、これまでの主張や提案について、進捗や成果を問うの(1)と(2)についてお答えをいたします。
まず1点目、予算のインセンティブ制度、導入の成果はについてお答えいたします。
予算のインセンティブ制度は、各部の創意工夫による経費節減や財源確保の取り組みなどを評価して、その経費節減額や財源確保額の2分の1をインセンティブ額として3年間にわたり別枠で予算配分をする、こういう制度でございまして、2007年度から導入をしております。
これまでの成果ですが、「広報まちだ」に有料広告を掲載し、広告料収入を得ることにより財源確保を図ったという例や、随意契約から競争入札に切りかえたことにより経費の節減を図ったことなど、2007年度から2009年度までの3年間で12件の取り組みを評価し、総額4,700万円の財源確保と経費節減に対して、各部へインセンティブ額として3年間にわたり2分の1の額を配分しております。予算のインセンティブ制度導入の成果といたしましては、こうした各部の創意工夫による経費節減や財源確保について、職員の意識向上を図るということができたということも成果であるというふうに考えております。
次に、2点目の外部監査の導入の成果はについてお答えをいたします。
包括外部監査制度、これは2007年度から導入をいたしました。2007年度のテーマは土地の取得、処分及び管理等について、2008年度は補助金等についてでございます。包括外部監査人には、外部の専門家として専門知識を活用した視点、あるいは従来の慣行にとらわれない独立した立場から監査を実施していただき、その報告内容は今後の行政運営に寄与する貴重な指摘、あるいは意見であるということがまず第一であります。そして、次には職員の意識の改革にもつながっているというふうに考えております。
具体的に2007年度につきまして、テーマであります土地の取得、処分及び管理等につきましては、包括外部監査の指摘を受け、市有地は市民の財産であるという意識に職員の意識が変わっております。それから、指摘に対する具体的な取り組みとしましては、正確な財産管理を行うために、これまではなかった市全体の土地台帳、これを現状の限られた職員体制の中で短期間で取り組み、完成をしております。未利用地の活用に関しましては、未利用地の定義、未利用地の活用基準ということを定めました。500平方メートル未満の未利用地については、既に売却実績が出ております。また、500平方メートルを超える学校用地などの跡地につきましては、町田市市有財産活用検討委員会を設置し、それぞれの用地の効果的な利活用に向けた検討に取り組んでいるところでございます。
次に、2008年度のテーマであります補助金等については、補助の目的に照らし合わせて事業検証を行うという作業をさせていただきました。補助金の算定基準が不明確なものにつきましては基準を明確にし、補助金の交付要綱等の改定作業を現在行っているところでございます。
その他の項目につきましては、教育委員会、病院及び担当のほうからお答えを申し上げます。

◎教育長(山田雄三) 教育委員会への3点のご質問についてお答えをいたします。
まず、項目1の(4)よのなか科の導入は検討しているかでございますが、よのなか科は杉並区立和田中学校前校長藤原和博氏が提唱している学校で教えられる知識と実際の世の中とのかけ橋となる授業でございまして、生徒が受け身になりがちな教科書のみを使った授業を改善し、生徒が自分の身近な視点から世の中の仕組みなどを考え、その仕組みの意味に気づくことをねらった授業であると受けとめております。
今回の学習指導要領の改定のポイントに、知識、技能を活用して課題を解決するための思考力、判断力、表現力等の育成がございます。現在、各学校が思考力、判断力、表現力等の育成を目指して授業を工夫しており、その中には当然体験したことや身近な社会事象と世の中を結びつけ、考えを深める指導を行っております。
なお、町田市では、2008年度より小中一貫「町田っ子カリキュラム」を全校で実施しておりますが、その中のキャリア教育、規範教育の領域には、いわゆるよのなか科と同じようなカリキュラムが含まれていると考えております。したがいまして、特によのなか科を導入するということは考えておりません。
次に、2点目ですが、項目1の(5)生活習慣の改善の結果はでございますが、生活習慣の改善につきましては、2008年4月より全校で実施している小中一貫「町田っ子カリキュラム」の規範教育や食育を中心に指導しております。児童生徒の食生活や生活習慣等の実態を把握するため、2007年2月と2009年5月に児童生徒を対象にアンケート調査を実施いたしました。その結果、児童生徒の生活習慣が改善しているという結果が得られました。
例えば起床時刻につきましては、2007年2月に小学校4年であった児童が2009年5月には中学1年になっておりますので、同一の児童生徒の2年3カ月後を見ると、6時より前と6時ごろに起きる生徒を合わせると13.4%から21.2%になり、7.8%増加をしております。また、朝食につきましては、起床時刻と同様に、同一の児童生徒の変化を見ると、必ず食べる生徒が82.8%から84.5%になり、1.7%増加をしております。これらのことから、全体に早起きになり、朝食も食べるようになっていることがわかり、生活習慣の改善が図られているととらえております。
全般に早寝早起き朝御飯の考え方が浸透してきていると同時に、小中一貫「町田っ子カリキュラム」の規範教育や食育での指導の成果であるともとらえております。今後も小中一貫「町田っ子カリキュラム」の規範教育や食育を中心に、生活習慣の改善を図っていきたいと思っております。
次に、3点目ですが、項目2、教員の授業力の向上と地域人材を生かした学習支援についてでございますが、教育委員会では、児童生徒に確かな学力をはぐくむことを目標として、各種研修による教員の授業力の向上と地域人材を生かした学習支援に取り組んでいます。目標としている確かな学力とは、基礎的、基本的な知識や技能に加えて、学ぶ意欲や思考力、判断力、表現力等を含めた幅広い学力を意味しており、このことは学習指導要領に示されております。
したがいまして、教育委員会では、教員の授業力の向上につきましては、児童生徒に確かな学力を身につけさせるための指導力を教員が身につけることであり、児童生徒の学力の向上とは確かな学力を児童生徒が確実に身につけることであるととらえております。
また、教員の授業力につきましては、各学校長から向上が認められるという声を毎年多く聞くようになり、成果は上がっているものととらえています。児童生徒の学力についても、全国学力・学習状況調査の児童生徒質問紙集計結果から、町田市の児童生徒の学習への関心、意欲及び理解度ともに向上が見られ、成果は上がっているものととらえております。
なお、学習ボランティアによる学習支援は、児童生徒への個別指導が充実し、基礎基本の定着とともに発展的な学習への対応も可能となり、確かな学力の定着に向けて効果があると考えております。市内の中学校では、学期中の放課後や夏季休業期間を活用した補習授業を実施しており、そこでは教員の補助として複数の学習ボランティアが個別指導を中心とした学習支援を行い、確かな学力の定着に向け効果を上げております。
以上でございます。

◎市民病院事業管理者(四方洋) 新井議員の質問にお答えします。
まず、項目1の(8)小児科や産科の医師の負担を減らすために、配布する冊子や資料を一本化し、有効活用をと提案しました。その後の経過はという点についてお答えいたします。種々な資料の内容が重複しているということは、そのとおりだと思っております。これらを今年度内に集約できるように準備を進めてまいります。
続きまして、項目1の(9)市民病院改革の進捗はどうかという質問についてであります。2009年4月から地方公営企業法全部適用に移行し、その機動性、効率性を生かし、改善を進めてまいりました。その結果、9月以降、次のような成果が得られたというふうに考えております。以下、9項目についてお答えをいたします。
まず、1番、救急や産科の診療体制を充実させることを考えて、救急勤務手当、分娩加算を新設いたしました。
2番目、本年7月からDPCに移行いたしました。また、7対1看護を維持し、取得できる管理料等について、院内プロジェクトで検討した結果、本年4月から10月までの入院単価は4万7,227円と、中期経営計画の目標としております4万7,000円を上回っております。
3番、未収金対策として、10月より入院前納金制度を導入いたしました。
4番、医療従事者の学会等への発表参加の回数制限をなくしました。これによって研究意欲が高まり、質が向上するということを期待しております。
5番目、旧看護学校を改修し、2010年4月より、同一箇所での24時間保育をスタートさせるよう準備を進めております。
6番目、医事事務職、これは診療情報管理士でありますが、この任期付を外し、公募しております。この5、6については、いずれも質の高い医療従事者、質の高い医療事務従事者を確保するための対応であります。
7番目、細かな医療相談を受けるために、10月に医療ソーシャルワーカーを2名増員いたしました。
8番目、医療派遣元の大学との連携を強めるため、11月11日に関連大学連絡会を開催いたしました。
9番目、11月17日から初めて入院患者さんを病院に案内するボランティアにおいでをいただきまして、既に活躍をしていただいております。
以上であります。

◎環境資源部長(安藤源照) 私のほうから項目1、これまでの主張や提案について、進捗や成果を問うの3点目、小山地区の異臭、現状はどうかについてお答えをします。
小山地区で問題となっている異臭の発生源は、相模原市内の事業所であると認識しています。相模原市も小山地区での異臭との関連を否定せず、当該事業所へ指導していただいております。
具体的に申し上げますと、相模原市では2008年度にはシャッターを閉めて――開口部を密閉ということでありますけれども――操業することや、脱臭装置機能の回復をするよう指導しております。また、週に1回、当該事業所周辺をパトロールするなどの対策を講じております。こうした指導もあり、ことしの初めから夏過ぎまでは異臭の発生が見られなかったというふうに聞いておりますが、残念ながら秋口から再び異臭の発生が報告されるようになっているということでございます。
町田市としましては、被害に関する通報があり次第、相模原市に情報を提供し、逆に相模原市からは、その対応状況や指導した内容などの情報を得るなど、連携した対応をしているところでございます。また、必要に応じて相模原市の担当部署へ職員が出向いて、指導内容の詳細を確認するという対応もしております。
いずれにいたしましても、今後とも相模原市との連携を密にして、状況の改善に努力してまいりたいと考えているところでございます。

◎建設部長(柴田英司) それでは、項目番号1、これまでの主張や提案について、進捗や成果を問うの(6)踏切の安全確保、2箇所お願いをしましたが、進捗はどうかについてお答えをいたします。
まず、玉川学園の正門前にある鶴川5号踏切につきましては、平成19年6月定例会の後に小田急電鉄株式会社と踏切の拡幅について協議を行いました。この中で小田急電鉄株式会社としましては、現在の踏切は既に町田市道の幅員7メートルに合わせて踏切をつくっており、鉄道事業者としては踏切撤去などの場合を除いて、このような拡幅費用はすべて道路管理者の費用負担になるということでございました。
なお、当面の安全対策として、踏切内の歩行者通行部分のカラー舗装を行い、歩行者の安全確保向上に努めております。
もう1つの玉川学園前駅の南側にある玉川学園3号踏切につきましては、平成20年6月定例会においてご質問をいただいた後、安全対策について町田警察署と協議を行い、可能なものについては実施をいたしました。当時は線路に沿った道路と踏切を横断する道路で構成される4方向交差点のうち、踏切を渡って交差点に進入する道路を除いた3方向の道路にとまれの路面標示があり、優先道路がわかりにくい状況でした。しかし、現在は、玉川学園八丁目側から踏切に向かって直進で進入する道路に対して、とまれをより強調する路面標示を加え、頭上に設置された交通標識とあわせて優先道路の明確化が進み、安全性は増したものと考えております。また、本年度において踏切内の歩行者通行部分のカラー舗装を予定しており、これにより歩行者の安全性向上を図ってまいります。
続きまして、(7)玉川学園前駅北口タクシー乗り場の屋根の進捗はについてお答えをいたします。
玉川学園前駅北口タクシー乗り場でタクシーの乗車待ちをする人向けの屋根かけにつきましては、現在、工事設計図面の作成を進めており、近日中に小田急電鉄株式会社と協議を行い、来年1月中には工事に着手したいという予定で進めております。
(6)と(7)につきましては以上です。
12番( 新井克尚) 表題1から感想、まれに再質問させていただきます。
予算のインセンティブ制度ですけれども、4,700万円の財源確保や職員の意識向上、これは本当にすばらしい成果だなと思います。私が一般質問したときには、町田市にはそぐわないのではないかということで、そのときは導入されませんでしたが、石阪市長が誕生してからはすぐに導入をしていただき、実際に成果が出たということで大変うれしく思っております。これについて再質問は特にいたしません。
次に、外部監査でございますけれども、こちらも2007年、そして2008年、それぞれの項目でしっかりとした成果が出ているということで、これも今後、また、さらにすばらしい成果が出るのではないかと期待できるところでございます。
私、2期目の選挙が終わった後、一番初めに石阪市長にいたしました質問の中に、この外部監査の導入がありました。全く同じ方向で考えているということで、その後すぐに導入され、こういった結果が出ていることは、同じく大変喜ばしいと思っております。これについても再質問はいたしません。
小山地区の異臭についてでございます。昨年12月に指導をされて、その対策をたしか該当の業者は講じて、その後、一時期異臭はしなかったということでありますけれども、寒い時期になって復活をしているということをやっぱり認識されているということで、指導はして改善はしたけれども、まだということですから、今後、どういう対策がとれるのか、話せる範囲で結構ですので、お聞かせをいただければと思います。よろしくお願いいたします。

◎環境資源部長(安藤源照) この件については、指導自体は相模原市ということになります。そういう意味では、私たちのほうから直接工場のほうへの指導という面に関しては難しい部分がございますが、先ほどお答えしたように、引き続き相模原市を通じて指導についてはお願いしたいと思っております。緊密に連携をとりながら進めていきたいというふうに思います。それが1つ。
それからもう1つ、これもどこまでできるかどうかということもありますけれども、この問題については親会社も大変関心を持っているというふうにも聞いております。そういうこと、相模原市がとにかく直接の関与する官庁ということになりますので、そういうことを念頭に置きながら、私たちも何ができるのか、もう少し考えてみたいというふうには思います。
◆12番( 新井克尚) 言葉が足りずに済みませんでした。町田市が直接指導できないのは確かにわかっております。相模原市に対して、どういうことをお願いしていけるか、これからも引き続き研究をしていただいて、ここ数日の間も私のところにメールをいただいております。本当に臭いにおいできつい状況であると。この状況を一日も早く解決していくために、これからもよろしくお願いをいたします。
次に、よのなか科の導入についてでございます。これについては、授業の内容、指導内容が重なっているから、特に導入の必要はないというお話がありました。よのなか科というのは、指導内容だけじゃないんです。授業の中に実際社会の中で活躍されているさまざまな方を講師として呼んで、それ以外の地域の大人に授業の中に入ってもらって、子どもがいろいろ考える中で、大人がサポートをしていく、そういう議論をしていく授業がよのなか科なんですね。
ですから、よのなか科と言われている教科書を使えばいいということではなく、地域の大人を巻き込んで授業をやって、子どもたちと地域の大人がいろいろディスカッションしていく上で信頼関係が生まれていって、自分はこの学校のために何かできることがあるんじゃないかというところから地域本部が生まれていったんですね。
ですから、指導内容が重なっているからやる必要がないというのは、私は認識不足だと思います。ということを踏まえて、いかがでしょうか、もう1度お聞かせください。

◎教育長(山田雄三) お答えいたします。
内容だけではなくて、内容はもちろん、今、よのなか科ネクストと言っておりますが、その中を見ますと、内容的にはキャリア教育ですとか、それから命のとうとさですとか、今お話にありました特別ゲストを呼んでの授業だとか、そういうことだと思いますが、町田市においても、小中一貫「町田っ子カリキュラム」については、道徳、食育、規範教育、それから英語活動がありますが、英語活動はちょっと置きまして、その他の3つについては、地域だとか保護者一体型のカリキュラムということで、町田市においてもゲストを招いてのお話ですとか、大人が授業に入ってというふうなことで、なおかつ内容についてはキャリア教育、道徳等々が含まれて、いわゆるよのなか科と同じようなものが含まれているという意味で、あえて町田市として、それをよのなか科というふうに呼称はしないという意味でございます。
◆12番( 新井克尚) ということは、よのなか科と同じようなことを今現在やっているという認識でよろしいんですか。

◎教育長(山田雄三) 全く同じということはありませんが、杉並区で和田中学校がやっているようなよのなか科の内容だとか、それから地域ゲストティーチャーだとか、いろいろな方を交えてという意味ではやっているという意味でございます。全く同一ということではございません
◆12番( 新井克尚) ゲストティーチャーは昔からやっていると思うんですよ。そうではなく、地域の人たちが子どもたちと一緒に議論をするという、こういったところがちょっと、保護者一体型というお話はされるんですが、その一体型がどういうものを指しているのか、ちょっと見えてこないんですね。そこをもう1点お聞かせいただきたいのと、生活習慣の改善もちょっと一緒にですね。
こちらはアンケートを実施して、改善が図られているというお話でございました。生活習慣の改善を実現した後に、基礎基本の徹底反復をやることで成績を伸ばした学校があるという提案をさせていただきました。この生活習慣改善が実現したわけですから、もう1つ先のステップに、基礎基本の徹底反復ですね。こういったところまで教育委員会として推し進めるべきだと私は考えていますが、それについての見解をお聞かせください。

◎教育長(山田雄三) 生活習慣の改善が徹底すれば、いわゆる早寝早起き朝御飯というのがありますが、起床時間が早いということで、当然朝御飯も食べてくる。それから、寝る時間が遅いということは、つれて早起きはなかなか不可能ということですので、それが生活習慣として当然いわゆる学習面においても出てくると思います。ただ、それを生活習慣がこうやったから、学習結果がポイントで上がっただとか、そういうことはなかなかはかるのは難しいなというふうには思っております。
ただ、各学校とも、校長等のヒアリングだとか、そういうものを受けますと、児童生徒が、例えばこういう科目について従前は70%ぐらいの理解であったけれども、ここのところでは80%になりましただとか、学校へ来ることが楽しいというのが10%ぐらい上がっただとか、そういうふうな数値はそれぞれの学校で出ているところでございます。
◆12番( 新井克尚) よのなか科についての答弁が漏れていたのと、保護者一体型というのがちょっと見えてこないということで、授業、よのなか科、キャリア教育とか規範教育をやっている中で、そういうところに地域の大人が、例えば6人ぐらいの班があったら、そこに大人が1人ずつついていくとか、そうやって子どもたちと一緒にディスカッションしていくというような形が、結局、地域本部にもつながっていったという話なんですね。
ですから、ゲストティーチャーが来て、ゲストティーチャーがそのまま授業をやって帰ってしまうのではなく、これは、その後も学校に協力をする人材を集めていくという仕組みなんです。それをやっているかどうかという確認が1つ。
もう1つは、基礎基本の徹底反復をすることで、実際に学力偏差値もIQも上がったというデータが出ています。これは生活習慣の改善がベースで、その上で基礎基本の徹底反復をやったと。それによって子どもたちの成績が上がったというデータを集めている学校が同じ公立学校であるということで、町田市でもできるはずだという提案を過去にさせていただきました。
ですから、基礎基本の徹底反復まで発展させるべきだという提案をさせていただきましたが、それについていかがでしょうか。

◎教育長(山田雄三) 地域の保護者の方との一体授業がよくわからないということなんですが、実は昨日も、新井議員さんがご質問していることとマッチするかどうかわかりませんが、名前を挙げれば、鶴間小学校で華道協会の方が15人ぐらい、1クラス40人弱ですから、15人ということは3人に1人とか4人に1人ついて、生け花教室ということでやっていただきました。それは、むしろゲストティーチャーというより、90分、45分の授業を2連続ですが、その中でお花の話ですとか、華道ですから日本の伝統の話ですね。そういうことを話したりだとか、そういうことで各学校ではいろんな工夫をして、単なるゲストティーチャーだけではなくて、そういうことをやっているなというふうに感じました。
それから、よのなか科の基礎基本云々ですが――よのなか科の基礎基本でしたか、基礎基本の徹底については、これは各学校やっているところで、今はその上に立って、さらにそれを表現するだとか、物を考えるだとかということでやっておりますので、よのなか科と全く同じということではあり……(「よのなか科ではないんです、これは」と呼ぶ者あり)生活習慣のほうですね。(「生活習慣です」と呼ぶ者あり)生活習慣のほうでは、生活習慣の改善が基礎基本の徹底だとか、そういうことにつながっていると思います。ただ、それを数値でというのはなかなか難しいなとは思っております。
以上でございます。
◆12番( 新井克尚) 地域本部を本当に成功させるのであれば、よのなか科はもう少し研究をしていただきたいと思います。地域の大人が、例えば華道の方でしたら15人入ってきた。その方が引き続き来てくれる仕組みになっているかどうか、これが大事なんです。地域の大人が何度もその子たちの授業に来て、それで仲よくなった上で、では、自分はこの学校のために何ができるんだ。その仕組みをつくっていったからこそ、よのなか科が地域本部につながったんです。この流れをもう1度ぜひ研究をしていただきたいと思います。
そして、基礎基本の徹底反復ですけれども、生活習慣を改善する前に基礎基本の徹底反復をすると、キレる子どもが多かった。嫌がる子どもが多かった。それを、基礎基本をやるのが子どもに対してかわいそうだという話があったから、どんどん基礎基本をやめて違う方向に行ってしまった。そうじゃなく、生活習慣が乱れているから、基礎基本を受け入れなくなったんだ。だから、生活習慣をまず改善させて、その上で基礎基本の徹底反復をやろうと。子どもが生きる力をつけた上で徹底反復をすると、もう驚くほど子どもたちが伸びるという成果を出している公立学校があるんですね。それをぜひ町田市でもという提案をさせていただきました。こちらについても引き続き研究をしていただきたいと思います。
市民病院についてでございます。――あっ、答弁しますか。わかりました。

◎教育長(山田雄三) 先ほどちょっと答弁漏れだと思いますが、地域の人がいかに学校にかかわるかという点だと思いますが、今年度から町田市においてもスクールボード校というのがスタートしまして、地域の理事の方に学校運営にだとか、そういうものにも参画をしてもらうということで、今年度初年度ですが、そういう意味では和田中学校の地域本部と同じような――全く同じというわけにいきませんが、そういう学校が出てくるのではないかなというふうに思っております。
◆12番( 新井克尚) ですから、和田中学校の地域本部が生まれたきっかけによのなか科があるんです。よのなか科に参加をした大人が学校のために何ができるかという話で、校長から話しかけられたのでありますけれども、そこで広がっていったからこそ、1つの学校で100人以上のボランティアがいるんですね。町田市みたいに全体でではなく、1つの学校で100人以上のボランティアが確立されている。その仕組みがよのなか科であったということをもう1度ご研究をいただければと思います。
では、市民病院について再質問させていただきます。
資料のまとめですけれども、本年度内に集約をするというお話をいただきました。本当にありがたく思います。兵庫県の柏原病院の受診マニュアルのように、すばらしいものを恐らくおつくりいただけるのではないかと。その辺は、やはりジャーナリストとしての経験を存分に発揮していただけるのではないかと大変期待をしているところでございます。こちらについては特に再質問はございません。
市民病院についての進捗についてでございますけれども、9月の質問に続きまして、さまざまな成果がまた出てまいりました。4月1日から地方公営企業法全部適用、たった161日で約6,100万円のコスト削減を実現したり、夜間の小児救急が再開をされたり、あとは救急の受け入れも実績で2割ふえる、こういったすばらしい成果を出した上で、また、さらに3カ月後の質問で、これだけの項目が出てくるということは本当にすばらしいことだと思います。
保育ですね。24時間保育については、病児保育がこれに含まれるかどうかというのも1つポイントになるのではないかと思います。病院であるけれども、病児保育が確立をされているかどうかというのは、看護師さんも子どもが熱を出して急遽出られなくなったという場合に、それでも診てもらえるとか、そういう体制があると、やはり安心だと思います。その点について、ちょっとわかりかねる部分もありましたので、お答えをいただければと思います。よろしくお願いいたします。

◎市民病院総務部長(小野芳隆) 病児保育についてのお尋ねでございますけれども、制度として病児保育という形はとれておりませんが、病院ですので小児科のドクターがおりますので、小児科のドクターの協力のもと、お子さんが病気にかかった場合に、診療の始まる前に診ていただくとか、そういうことはやられておりますので、以上です。

◆12番( 新井克尚) 制度として確立はされていないけれどもというお話でございました。今後、やはり優秀な質の高い医療従事者を確保していくためにも、そういったことが表に出ると、より集まりやすいのではないかというふうにも思いますので、今後さらに充実した形をとっていただければと思います。
市民病院については、1つ聞き忘れておりました。9月定例会で市民病院改革が不安だという団体とのやりとりについて伺いました。その団体がどれなのかを確認し忘れておりました。その団体は、理想の町田市民病院と地域医療をめざす会(仮称)という団体でしたでしょうか。

◎市民病院事業管理者(四方洋) 新井議員のおっしゃったとおりの団体であります

◆12番( 新井克尚) ありがとうございます。こちらですね。理想の町田市民病院と地域医療をめざす緊急講演会開催決定、収益重視、民間売却、私たちの町田市民病院が危ないという、こういうチラシが出ていたわけでありますけれども、市民病院、今現在、4月1日から改革がスタートして、すばらしい成果が出ているというふうに思います。今、こちらの団体が何をされていらっしゃるかよくわかりませんけれども、全部適用が始まる前にジャーナリストで本当に大丈夫なのか、こんな声もありましたけれども、間違いなく大丈夫であったと、日本全国に対して発信をしてもおかしくない実績を残していると私は断言をさせていただき、市民病院についての質問は以上で終わりにさせていただきます。
最後に、表題の2番です。教員の授業力の向上と地域人材を生かした学習支援についてです。確かな学力は、校長から上がっているとの声があると。それで成果が上がっていると。学習意欲についても上がっているので、発展的な学習にも対応が可能だというようなお話がありました。地域を活用することについては、すばらしい取り組みです。効果が上がるのは私は間違いないと思います。
そこで確認をさせていただきたいのですが、本日配付をいたしましたこちらの資料「和田中学校の『学び』の仕掛け」の中では、地域の活用は第3象限に入っているんですね。個別の基礎に地域の方をお願いしている。第1象限の部分、町田市ではこの部分についても地域の方にやっていただいているということでよろしいのでしょうか。

◎教育長(山田雄三) 町田市においても、学校において平日の補習授業、あるいは夏季休業中の補習授業等、地域の方にやっていただいておりますので、レベルの問題はちょっとあると思いますが、和田中学校の場合には民間塾で授業料を取ってということだと思いますが、町田市の場合は無料で地域の方、学生を含めてやっているというふうに思います。

◆12番( 新井克尚) そこがわからないんですよ。地域の方にこれをお任せして、どこまで成績が上がっているかというのが成果として示されなければ、これは第3象限に当てはまっているとも言えますし、いや、これは第1象限に当てはまっていると私たちは思っていますとも言えるんですね。そこの区別がはっきりしないので、前回は消化不良に終わりました。ここを明確にしていただきたいという思いはまた後々にお話をさせていただきます。
資料の左側のグラフ、私が勝手に作成したあくまでイメージなんですが、1つのクラスに成績1の子から5の子まで平均的にいたと仮定をしたグラフです。町田市の場合、授業力の向上を教師に対してやっているというお話でしたが、では、どの成績の子をターゲットに授業を行うというイメージであるのか、お聞かせください。

◎教育長(山田雄三) 授業のターゲットですが、普通、5段階で言えば3なのかなと思いますが。

◆12番( 新井克尚) 日本の場合、授業は平均的に3の子に合わせてやっているというのが一般的だそうですね。もっとも、今は学力が低下していて2.7だというようなお話も出ているそうです。3というお話でしたから、3として、和田中学校の場合は第3象限の子どもたちをターゲットにしているのは、成績1から2の子どもたち、成績3の子は普通の授業でカバーできますので、そうなると、成績4、5の子があぶれます。いわゆる落ちこぼれではなく、吹きこぼれという名前をつけていらっしゃるそうです。
この吹きこぼれとは、理解が早いために普通の授業では物足りない生徒層を指しております。そこに対応できる子を伸ばす手法が何なのか。もし教育機会の均等を目指すのであれば、今の公教育の現場では、成績上位の子は正当な機会をなかなか与えてもらえていない。その対策ですね。成績4や5の子を6に伸ばす手法を地域の人を交えて具体的にどうやっているのか、お聞かせください。

◎教育長(山田雄三) 市内の小中学校では、主に小学校で言えば算数、中学校では数学ですが、それから英語等を中心に、ほぼ全校で、いわゆる少人数集団による授業を行って、多くの学校で習熟度別に授業に取り組んでおります。したがいまして、学校では、いわゆるクラスの枠を離れて、2クラスを3クラスだとか、そういうことで基礎的、基本的な学習内容と進んでいる子については発展的な学習内容、双方の習得に対応ができる方法ということでやっております

◆12番( 新井克尚) 習熟度別授業の問題点があるんですね。全国学習塾協会常任理事の菅原明之さんという方がお話をされているんですが、習熟度別は教師の人数をふやさなければ対応ができない。例えば40人学級を3クラスに習熟度別に分けたとします。一番下のクラスはわからない子ばかりが40人、これを教える先生は本当に大変です。江東区では、習熟度別に分けたときに塾の先生が発展的な学習をするクラスに入り、教師の余裕がほかにできる分、わからない子を徹底的に教えることができる。こういった工夫をしているわけですね。江東区では、塾の先生を発展的学習をするクラスに入れて教員の負担を減らしている。
資料の左側、フィンランドとちょっと矢印がついているんですけれども、フィンランドは5段階の4にそもそも合わせて授業をやっているそうです。初めから確信的に落ちこぼれをつくっていって、ついていけない子を20人学級でフォロー、それでもだめなら10人学級でフォロー、それでもだめなら個別に教えていく。それをすべてフィンランドでは教員がやっております。ですから、教師の数は小学校で日本の倍、中学校では1.5倍くらいいます。フィンランドは数でカバーをしているわけです。
9月定例会でも取り上げましたけれども、学校の教員が今やることは本当に多いです。環境問題が大事となったら環境教育をやる。少年が何か事件を起こしたら心の教育、ニートがふえればキャリア教育、起業家教育、金銭教育、そして食育など、文部科学省だけでなく、経済産業省や日銀までもがそういう教育をつくっておりてくるわけですね。そんな状況で学級担任をしながら部活の指導もして、成績上位者を伸ばしながら、落ちこぼれもフォローする、これは本当に大変なんじゃないかと思うんですね。
先ほどご紹介をいたしました菅原さん、学校の現場に実際に入ってみて教師の忙しさに驚いた。勉強を教える以外のことが本当に多過ぎる。残業しても終わらず苦しんでいる。教育現場は限界に来ているのではないかとすら感じるとお話をされています。それを踏まえた上で、この習熟度別の問題点を今お話しさせていただきました、この教員の負担について、町田市ではどういう対策をとられているか、お聞かせください。

◎教育長(山田雄三) 少人数指導につきましては、東京都のほうから加配がございます。その教員でやっております。そのほかに、少人数指導だけではなくて、学校によってはサポーターだとかいろいろ入っていますので、少人数指導の授業にも入りますし、少人数以外の授業にもサポーターの方が入って、どちらかといえば、学習理解が遅いお子さんについているというふうなことでやっております。

◆12番( 新井克尚) 実際に現場はきついでしょうから、そういう声は出て当然だと思います。ただ、学校によってはというお話でした。その辺の整理というのは、データというか、教育委員会としてはされていらっしゃるんですよ。どこの学校ではどういうふうにやっていて、教員が何人来ていて、ボランティアがどういうふうに入っていて、それが把握されているのであれば、それはそれで足りないところをさらに補っていくという形でお願いをできればと思いますが、ポイントとなるのは、それで教員の負担については解消されたと、私は認識をいたしました。習熟度別授業で成績上位の子の成績がどう上がっているのか、その成果をどのようにはかっているのか、お聞かせください

◎教育長(山田雄三) 最初のお答えのときにも申し上げましたが、今、確かな学力をつけるということですが、確かな学力というのは、基礎的、基本的な知識や技能に加えて、学ぶ意欲ですとか、あるいは思考力、判断力、表現力、こういうふうなものを含めた幅広い学力を意味しております。
したがいまして、数値のみで成果を正確にあらわすことは非常に難しいなというふうに考えております。ただ、強いて言えば、例えば全国学力・学習状況調査ですとか、あるいは各学校で行います定期考査、そういうふうなものを参考にしながら、日々の授業を通して子どもたちの学習の習得状況だとか、あるいは指導の評価だとか、そういうことを今継続的に取り組んでいるということでございます。

◆12番( 新井克尚) ふだん授業をやっているわけですから、対策を何もとらない状態と何が違うかというのはわからないと思うんですね。勉強しているわけですから、伸びていくんですよ。それで、この政策をやりました。それによって、さらにこう伸びました。そこを評価できないんですよ。わからないんですよ。学校が楽しいとかというのは確かにあるかもしれませんけれども、それ以外に実際に評価をしている学校があるわけです。
私が過去に提案してきたのは、実際に成果を出している例なわけですね。それに対して、今現在、町田市が行っている教育が具体的な対案になるのかどうかがやっぱり読めないですね。それを今ここで検証しているわけですけれども、何をやっているかということはよくわかります。ですが、それが効果的なのかどうか、成果をどこまで出しているかどうか、その成果指標は何なのかが大事なわけです。
和田中学校が塾を活用するに至ったのは、今日の教員にはやっぱり負担がかかっているということで、地域本部ができ上がりというお話をさせていただきました。土曜寺子屋というボランティアが入っていく中で、できる子どもたちがもっと勉強したいということで、英語アドベンチャーコースを始めて結果を出しました。
どのような結果かといいますと、昨年、高校中級レベルの英検準2級の合格者、3年生に15人、2年生に19人、杉並区23校中、今までずっと16位から21位だった英語の成績が断トツの1位になった。その理由は、資料の左下のグラフです。底上げというのがあります。成績上位の子の底上げを英語のAコースで図ったわけですね。これによって自信をつけた子どもが自然に仲間に教えるようになった。ふだんの授業でもリーダーシップを発揮するようになり、互いに学び合う雰囲気が生まれた。英語が苦手な子も変わっていき、上位の一部が伸びたのではなく、生徒全体が上がった結果、断トツの1位になった。英語でできるのなら、別の教科でもできるのではないかというのが塾の連携、夜スペだったわけです。下の子の底支えを地域本部で活動をやる一方、成績がいい子をさらに伸ばしてあげて、その子たちが下の子に教えられるようになれば、教師も非常に助かる。では、真ん中の子はどうするんだというのは、真ん中の生徒たちは先生が一番意識が向くところで、授業でやっているところで追いつく人たちですから、ここは心配はありません。
こちらの資料を使いながら説明しますと、成績1から5までの5段階に分けてありますけれども、やっぱり3に合わせて授業をせざるを得ない。ということは、4から5の子があぶれるわけですね。その人たちを第1象限でカバーしたのが和田中学校、町田市は地域の方とあと習熟度別授業、それによってどう変わったかがわからなければ、果たしてそれをやった効果があるのかどうかがわからないわけですよ。
実際、秋田県でも、学力が今日本一と言われていますけれども、さまざまな調査を行っております。その調査を評価して、PDCAサイクルを回しているわけですね。これについては町田市もぜひ、わかりやすい評価の仕方は教育に関しても必ずあるはずですから、今すぐにやってくださいとは、なかなかできないと思いますので、今後も引き続き研究をしていただきたいと思います。それについてご見解があればお聞かせください。

◎教育長(山田雄三) 資料ですとか、いろいろ提案をいただきましたので、今後も引き続き研究をさせていただきます。

◆12番( 新井克尚) ケンでとまりましたね。トウではなくキュウになりましたね。わかりました。
9月の定例会で提案をいたしました塾との連携につきましては、いろんな批判がありました。一番多い批判は、成績下位の子が損をするというものでした。その次が上位の子を伸ばすのは公立学校の仕事ではないというものだったそうです。この2つの批判が正しいとすれば、自分の子を公立学校に入れたいと思いますでしょうか。
成績上位の子をさらに引き上げるだけでは、それは気に食わない。平等とか公平という理屈で引きずりおろすというのは日本の悪い風潮であると言う方も中にはいらっしゃいます。教育の機会均等という言葉、これが現実にどうなのか、そこの検証ですね。成績下位の子の場合、高校受験に向けて中学1年から進学塾に通わせた場合、3年間で100万円から200万円かかります。つまり、子どもに100万円単位のお金をかけられない家庭では、上位の高校にチャレンジすらできない、これが今の日本の現状でございます。
ですから、それを解消していくために、和田中学校はドテラ、英語Aコース、夜スペをフルに使っているわけですね。それをフルに使うと、3年間で36万5,000円、月1万円出せば3年生までに上位校を受験する力をつけられる、そういったカリキュラムをつくっているわけです。フェアな教育機会を提供しているのはどちらかということになるんだと思います。
この件につきましては、公立学校と塾の連携につきましては、教育マニアの小うるさい議員が何か言うとったなみたいな、ぱさっみたいなではなく、これからも引き続き検討していただき、よりよい子どもの学びの場をつくっていただきますようお願いを申し上げまして、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。

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