議会報告

[議会報告]平成22年6月定例会 – FC町田ゼルビアについて

[平成22年 6月定例会(第2回)−06月04日-02号]

FC町田ゼルビアについて

◆14番( 新井克尚) 通告に基づき、一般質問を行います。
施政方針より、スポーツによるまちづくりについて、会派で内容の調整がついておりますので、よろしくお願いいたします。
市長の施政方針に「町田を拠点に全国で活躍するスポーツチームの応援」とあります。町田市では現在、サッカー、フットサル、野球が全国で活躍をしています。寮が町田市にあり、境川でトレーニングをしている青山学院大学も、箱根駅伝に我が母校法政大学を破り出場したり、女子ラグビーを発信しようという動きもあります。チームだけでなく、個人でもトランポリンやマラソンなど、町田市出身、町田市に企業があり、そこで練習をする選手が全国で活躍をしているということは、市民にとっても誇りであり、活力ある町づくりにも大いに寄与しております。
ことしの春は選抜高校野球に日大三高が出場いたしまして、その活躍を多くの市民が応援しました。私の今回の質問では、特にサッカーについて取り上げてまいります。この町にJリーグを目指すチームがあります。FC町田ゼルビアであります。このチームができ上がった経緯、町田にプロサッカーチームを実現する会というのが1997年度に定期総会を開きまして、そのときの資料によりますと、まずは1992年、全日空が町田市をホームタウンとしてサッカーチームを持ちたいということで、町田市に交渉に来たということがきっかけとなりまして、町田サッカー協会と町田市と全日空の3者で話し合いが持たれまして、町田にJリーグチームを誘致する会というのが発足をしました。当時はいろいろな条件が整わず、全日空チームの誘致にはならなかったわけですが、それでも誘致する会は、その話し合いの中で誘致の可能性ということを一方に置きながら、町田市に日本で初めての総合スポーツクラブを創設しようではないかという考え方が出始めたそうです。
町田市としては、とりあえずそれをサッカーから始めようということになったわけですが、既に町田サッカー協会の中には、当時の日本では珍しい小学生からトップまでのピラミッド組織が存在しておりましたので、これをさらに充実したものに発展させ、理想的なピラミッドを完成させたいという方向をこの実現する会で探っていくこととなりました。そのためには、FC町田の社会人チームに愛称をつけ、市民に認知されたサッカークラブにしようということで、ゼルビアという愛称を決めました。既にあるチームを、もともとあった企業チームを誘致してきたのではなく、市民の中から生まれたのがFC町田ゼルビアなのです。
町田の子どもたちのために夢ある町をつくりたい、私の公約でもあります。この町からJリーグのチームができれば、一緒になって応援することで見るスポーツとして町を一体にすることも可能であり、プロの選手が身近にいるということは、やるスポーツという意味でもサッカーをやっている子どもから大人まで、夢や希望を持つことにつながります。それ以外にも経済効果も期待できます。前期、委員会の討論でも私が取り上げましたけれども、FC町田ゼルビアがJ2に昇格をすれば、経済効果は年間9.2億円という試算もあります。
ただ、J2昇格には成績や運営に関するチームの努力だけでなく、地元の盛り上がりも不可欠です。ゼルビアの活躍と今後の可能性を多くの市民に知ってもらうことが必要となります。
そこで伺います。多くの市民にとってゼルビアJ2昇格は大きな明るい話題となると考えます。実現に向けて市としてもゼルビアを応援するべきと考えますが、いかがでしょうか。期待する答弁があれば端的に終わろうと思いますので、よろしくお願いいたします。
以上、壇上からの質問といたします。

◎市長(石阪丈一) 新井議員のご質問にお答えをいたします。
施政方針に述べましたスポーツによるまちづくりについてでございます。町田市を拠点に全国で活躍するスポーツチーム、これを応援するということは、町田市民の誇りを強め、市民のきずなが強まるということが1つ、それから、町田という名前、いわゆるブランドですが、これを全国にアピールし、また、結果的には活力ある町づくりにつながる、こういうふうに考えております。それはスポーツ全般のことでございます。
お尋ねのサッカーの件でございます。特にサッカーのFC町田ゼルビアがJリーグ、この場合はJ2になりますが、Jリーグに昇格することができれば、町田市の市民にとってもすばらしいことであるというふうに私は大いに期待をしているところであります。
現在、FC町田ゼルビアはJリーグのすぐ下のリーグでありますJFL——日本フットボールリーグで健闘しているところであります。こうしたFC町田ゼルビアの活躍やJリーグへの昇格の可能性、これをFC町田ゼルビアと協力して広く市民にお知らせをしていき、昇格への機運を盛り上げていきたい、そういうふうに考えております。
また、トップレベルのスポーツに触れる機会、これを充実させることにつきましては、今お話をさせていただきましたFC町田ゼルビアに限らず、さまざまなトップレベルのスポーツを見る機会、トップアスリートと交流する機会、そんなものをさらにふやしていきたいというふうに考えております。

◆14番( 新井克尚) 町田ブランドという話がありました。全国紙に町田市のことが久々に載った記事を、いいニュースという意味で載った記事がありました。「町田が熱い 相馬効果」ということで、JFLでFC町田ゼルビアが非常にいい活躍をしている、これから町田が注目なんじゃないかという記事を見て、私も本当に心が踊った記憶がございます。
こういった町田ブランドを創出していくために、まず、そもそも論をちょっと確認しておきますけれども、町田市を拠点に全国で活躍するスポーツチームを応援することの意義をもう1度、先ほど幾つかお話がありましたけれども、もう少し明確にお答えをいただければと思います。

◎文化スポーツ振興部長(森和秋) トップレベルのホームタウンチームを応援することは、町田市を中心としてホームタウンチームとして活躍しているチームでありまして、2009年度に策定しました町田市のスポーツ振興計画において「スポーツで人とまちが一つになる」を基本理念とする、「する」スポーツ、「みる」スポーツ、また、スポーツを「支える」、それぞれの場面での施策をうたっております。この計画の中において、ホームタウンチームを応援することについては、子どもたちに夢を与え、郷土への愛着や地域社会の連帯を強めることにつながっていくというふうに考えております。また、市民にトップアスリートとの交流できる貴重な機会を提供できる存在であるというふうにも考えております。
その支援の具体的な取り組みでございますが、市が直接行う支援としては、施設関係の使用であったり、有志の市民が一体となってサポート活動していく体制の支援をしていくなどが掲げられております。さらに、FC町田ゼルビアの目標としているJリーグについては、その理念を豊かなスポーツ文化の振興や国民の心身の健全な発達への寄与としております。これは町田市のスポーツ振興計画とも合致するものであります。
先ほど議員さんがおっしゃいましたが、法政大学の大学院の調査によりますと、FC町田ゼルビアがJリーグに昇格いたした場合には、町田市内の経済効果でありますが、9億2,000万円、またJ1に昇格した場合には26億8,000万円という数字がはじき出されておるところであります。
以上のようなことから、町田市では子どもたちに夢や希望を与え、地域活性化に協働して取り組んでいくパートナーとして、地域に根差した活動をするFC町田ゼルビアを支援する考えであります。
以上です。

◆14番( 新井克尚) 浦和や鹿島の町が本当に活性化しているのを見ると、ぜひそういった町がこの地元町田市でもできればすばらしいことだなと思いますので、そういった意味では、9億2,000万円や26億円というのは、それによって、その経済効果によって町田市の財政が潤うことによって、さらに市民サービスをよりよいものにつくっていくことができるという意味でも、やはり町づくりの1つのツールとしてスポーツを選ばれたということは、私は本当にすばらしいことではないかなというふうに考えております。
そこで、FC町田ゼルビア、具体的にJ2昇格へ向けてクリアすべき条件を整理させていただきたいんですが、その条件は何でしょうか。そして、今現在、FC町田ゼルビアはどういう状況にありますでしょうか。

◎文化スポーツ振興部長(森和秋) Jリーグへの加盟に当たりましては4つの課題があります。まず、現在所属しておりますリーグ、JFLにおいて4位以上の成績をおさめること、2点目がホームゲームでの観客数が平均で3,000名以上あること、それからホームでありますスタジアムを持っていること、それから健全経営がなされていること、この4つが課題として挙げられております。
そのうちのまず1点目でありますが、JFLの4位以上というのは、現在、試合が終わっているところで、8勝4敗1分けで3位という形になっております。ですから、これはひとつクリアできているのではないかなというふうに思っております。
それから、次の平均観客数3,000人以上でありますが、現在終わったところでは平均4,320名という形で、野津田のスタジアムでの観客動員数になっております。ですから、この問題についてもクリアができているかというふうに思っております。
また、Jリーグへの加入に当たってのスタジアムの関係でありますが、これも野津田にあります陸上競技場を使っていただくということになっております。
また、4つ目の健全経営でありますが、これはFC町田ゼルビアの母体であります会社のほうの株式会社の健全経営ということでありまして、これについてもクリアができているような状況にあろうかというふうに思っております。
ただ、問題となるのは、JFL4位以内と平均観客数3,000名のクリアを今後も続けていかなければいけないという点があろうかというふうに思います。成績が4位以上になるということは、やはり市民の方からのすばらしい応援があって初めて、監督を初め選手の皆様の活躍が期待できることだというふうに思います。また、平均観客数3,000名を今後もクリアするためには、やはり市民1人1人が、多くの方がスタジアムに足を運んでいただけるということが必要かというふうに思っております。
こういった2つの点が特に今後課題となってくるというふうに認識しておりますので、この辺は市も積極的な支援をしていきたいというふうに考えております。
以上です。

◆14番( 新井克尚) 今現在はクリアしているけれども、今後も引き続き4位以内、そして平均動員数3,000人を堅持しなければならない。そのために市として支援をしていくというお話でありましたけれども、では、具体的にどのような支援をされるのかということですね。残り5試合あるわけですね。それぞれ3,000人以上の動員が必要だということで、市民への周知も含めて、どういった形で支援をしていくのかというのを具体的にお聞かせください。

◎文化スポーツ振興部長(森和秋) 市民への周知と、また応援の体制でありますが、市としては、まず、市の公式ホームページ上でも試合の経過並びに選手の活動状況について掲載をしていきたい。また、「広報まちだ」上においても、試合の日程、また試合の結果についても、積極的に掲載をして市民の方に知っていただきたいというふうに思っております。
細かい話になりますが、既にやっておりまして、町田駅のペデストリアンデッキのところに横断幕を掲出したり、また、本庁舎あるいは分庁舎などにおいて、懸垂幕を設置して、町田市は応援しているんだよということを市民の方のイメージアップにつなげていきたいというふうに考えております。
また、今後、町田駅あるいは鶴川駅周辺の商店街の皆様にもご協力いただきながら、フラッグの掲出をしていきたいというふうに思っております。また、市内の小学校に通う全小学生に対して、ゼルビアがホームゲームにご招待をしていただくことに対して支援をしていきたいというふうなものを考えているところであります。
以上です。

◆14番( 新井克尚) やはり地元の商店街のほうは、最近やっと旗がちらほら見えてきたような感じになってきて、町が一体となって応援しようという機運が高まっているのかなという気がしておりますけれども、まだまだ足りないのではないかという印象を受けます。
浦和や鹿島といった町が本当に地元サッカーチームを応援するという、例えば浦和であれば、本当に真っ赤であったりとか、サッカーの試合があれば、試合を応援したお客さんだとわかる人たちが、サポーターが町の中にあふれていたりとか、そういう形までいければ、本当に経済効果があるんだな、町としてもっともっと応援しなきゃいけないんだなと、さらにいいサイクルとなって回転をしていくんじゃないかなと思いますので、まず、より1人でも多くの方の目に触れて、地元にこういうチームがあるんだ、こういうチームを応援して地元を盛り上げていこうという機運を高めていっていただきたいなということを強く要望いたします。
そして、フラッグですね。のぼり旗なんですけれども、これは国の補助金から出ているんでしょうかね。特に市のほうではお金を出さずに、お願いをして置いていくということであるのであれば、この有効なツールはぜひ活用をどんどんしていただいて、町田市はFC町田ゼルビアが今頑張っているんだということをアピールしていただきたいと思います。
そして、市としてFC町田ゼルビアJ2昇格を応援していく考えというか、決意をぜひ市長からお伺いをしたいのですが、よろしいでしょうか。

◎市長(石阪丈一) 市内のすべての企業、商店、そういったところが自分たちの町のチームだということで今以上に応援をいただく。もちろん、市役所もそういう形で機会をとらえて応援していくということがまず第一だと思います。
先日、これはヴァンフォーレ甲府の旗ですが、山の中にありました。ほとんど人が来ないようなところにずらっと並んでいました。もちろん、お店があったわけですけれども、全然甲府とは関係ないところにありました。それだけやっぱり営業努力をしているんだなというふうに感じました。J2、今トップを走っていますけれども、そういういわば努力が必要なのかなというふうに思いました。
もちろん、スタジアムの整備ということも、先ほど申しました条件の中にあります。今回、今、5試合というお話がございましたが、野津田の陸上競技場以外の相模原にお願いしたり、あるいは西が丘競技場のほうにお願いしたりしてホームゲームをやるという大変厳しい条件がございますので、野津田の市立の陸上競技場の人数というんですか、そこでの人数がかなり高いレベルにいかないと、西が丘競技場だとかとなりますとアウェーでやるような雰囲気になってしまいますから、そういう意味では人数がなかなか集め切れないということもありますので、ここでやる、市内でやるホームゲームを頑張っていかなきゃいけないなというふうに思っています。
スタジアムの整備ということがあって、必然的に市外にホームゲームを持っていかなくてはいけないわけですから、かなりハードルは高いんですが、それでも頑張って、トータルで3,000人という数字を超えるように、それこそ市と民間と力を合わせてやっていきたいと思いますし、スタジアムのほうは着実に整備をしていきたいというふうに考えております。
以上であります。

◆14番( 新井克尚) 市長の決意は本当に伝わってまいりました。ありがとうございます。株式会社ゼルビアということで、ゼルビアさんは会社だということで、民間企業を市が支援するのはどうなんだという議論が片やあることは存じております。
ただ、町づくりをするために、このサッカーチームを活用している自治体は数多くありますし、自分たちの自治体の活性化のために、自治体自体が会社を設立して物を売っていたりとか、こういうこともやっている自治体があります。自治体がつくるのと、もともとあったのとを支援するのとでは違うのかもしれませんが、このサッカーチームについても株式会社という形態をとらざるを得ない、そういう形態をとらなければいけないということもあるということを踏まえますと、一般企業を応援するというよりも、町づくりをともにしていく仲間を支援するという意識をぜひ1人でも多くの市民の方に広げていかなければいけないのかなという感想も持ちましたので、それもあわせてお願いをいたします。
最後に1つだけ、FC町田ゼルビアについてたくさん聞いておりましたけれども、それ以外のトップレベルのスポーツに触れる機会をさらに充実をしていくべきだというふうにも考えております。市として、どうその機会をつくっていくつもりがあるのか、そこを最後にお聞かせください、お願いします。

◎文化スポーツ振興部長(森和秋) 市内にはFC町田ゼルビアのほかにもフットサルのペスカドーラ町田だとか、あるいは大相撲の幕内で活躍しております北太樹関、あるいは春の甲子園で準優勝された日大三高、また、多くのJリーガーを町田市の出身者で占めているなど、実に多くのトップアスリートの方々がいらっしゃったり、また、クラブがあるのが町田市の現状であります。
このようなトップアスリートの活躍について、市民の皆様には随時広報あるいはホームページ等でお知らせしていくとともに、昨年度から実施しておりますトップアスリートによる交流事業やスポーツに関するさまざまなテーマを市民の皆さんで議論していただくスポーツフォーラムの開催など、こういった事業を積極的に推進してまいりたいというふうに考えております。
以上です。

◆14番( 新井克尚) ありがとうございます。市内には民間の団体が、子どもたちにトップアスリートの一流の技術を目の当たりにしてもらって、一緒にスポーツを体験してもらうというようなイベントをやっているところもあります。そういったイベントの支援もあわせてお願いをいたしまして、今回の質問を通じて市長のリーダーシップによって夢ある町づくりが実現すると確信をいたしまして、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。

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