議会報告

[議会報告]平成23年6月定例会 – 原発からの撤退を求める意見書について

[平成23年 6月定例会(第2回)−06月29日-07号]

原発からの撤退を求める意見書について

◆14番( 新井克尚) 議員提出議案第11号 原発からの撤退を求める意見書に反対の立場で討論をいたします。
私は別に東電に応援をされていることはありませんし、今までもこれからもないですし、守るつもりもありません。むしろ正直、これまでの間、政府と東電の対応には失望させられた人間の1人であります。しかし、同時にこの原発からの撤退を求める意見書にも失望をいたしております。
その理由であります。文の終わりのほうに、世界でも、スイスやドイツに続いてイタリアが国民投票で原発からの撤退を決断したとあります。ドイツは、電力をフランスから、フランスで原子力発電によって発電されたものから買っている国であります。イタリアも同じく、フランスに何と言われているか、フランス国内では、自分の国だけ原発を放棄し、フランスからエネルギーだけ購入するのはイタリアは都合がよ過ぎるのではないかという不満が出てきていると。それによってフランスも脱原発を国民投票すべきじゃないか、要は自分たちの国の分だけでもいいと、ほかの国に売る必要はないとなったときにドイツやイタリアはどうなってしまうのかということですよね。まさしく現実どうすればいいのかということを抜きに、とにかくいいほうへいいほうへと誘導するのはまさしく政治のミスリードにつながりかねません。
自然エネルギーの本格的な導入、もちろんすばらしいですし、私も原発を段階的に減らして将来やめるということには賛成な人間ではありますけれども、果たしてこの政治の業界でこれだけ無責任なものを出していいのかということで反対討論させていただいております。原子力発電の是非を問うのであれば、同時に電気料金の値上げについても議論をしなくてはなりません。
例えば2007年の主要国のキロワット当たりの家庭用電気の料金を見ますと、イタリアよりも高額なのは、原子力発電の割合が低く、クリーンエネルギーを主体とするデンマークとオランダです。デンマークは日本の約倍弱ぐらいです。デンマークやオランダを見ればわかるとおりなんですけれども、クリーンエネルギーは非常に高額です。ソフトバンクの孫社長を初め、クリーンエネルギーを推し進めようとしている人も多いんですが、この料金問題についてもきちんと議論をすべきであります。
現在、日本の太陽光発電、風力発電はどちらも全体の1%にもなりません。これらを20%程度まで引き上げるとなれば相当大変なことです。太陽熱、風力による発電では電気料金を格段に上げることを覚悟することになります。温泉を観光資源としている日本で地熱エネルギーがどこまでできるかはわかりませんし、であるならば、炉心溶融のないトリウムにウランから変えていくという選択肢もあるかもしれませんが、とにかくこういった議論を抜きに進めてしまうことによって、特に低所得者の方たちが物すごくあおりを食う。この夏、本当に暑い夏の中に、低所得者、特に高齢者の方がどんな生活を強いられるかと考えると、無責任な発言はできないということであります。もちろん放射能の影響も不安でありますし、原発を容認することではありません。しかし、電気料金の値上げも十分人が亡くなる要素を持っております。
この意見書は反原発を政治運動に利用しているだけであり、その犠牲になる国民が見えていない無責任な意見書と言わざるを得ません。よって議員提出議案第11号 原発からの撤退を求める意見書に反対をいたします。

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