
新井よしなおが教育問題に取り組むようになったきっかけは、2002年の初当選時に、地域のお母さんからこういうお話をいただいたところからです。
「今はゆとり教育、うちは収入的に塾に行けない、学力の格差が生まれるのは仕方ないのでしょうか。」
教育関係者にお話を聞くと「学力の定義とは」というお話をされます。
いわゆる「学力」というのは、「成績だけではなく、人としてどう成長するのかということ。」
この「保護者」と「教育関係者」のギャップをとても感じていました。
そんな中、2005年に「広島県尾道市に公募で合格したすごい校長の学校がある」という話を聞きます。
当時所属をしていた政党の若手議員の仲間で早速話を聞きに行きました。
緻密なデータ、それをベースにした教員時代の取り組み、実際にそれで伸びた子どもたち。
そのやり方を校長としてやった学校が、広島県尾道市立土堂小学校、その校長先生が陰山英男先生でした。

「この指導法はすごい!」
「子どもたちがとてつもなく伸びている!」
「どうして子どもの頃に、誰もこれを教えてくれなかった!?」
「自分の子にはぜひこの教育を受けて欲しい!」
陰山英男先生からお話を伺ったあとの、率直な感想です。
私自身は、小学校4年生の時に親の勧めで塾に通い始めました。
いくら勉強しても自分が解けない問題をスラスラと解く子たちがいる中で感じたこと。
「あの子らと僕は何が違うんだろう?」
その答えを、2005年に広島県尾道市で知りました。
これだったのです。このやり方だったのです。
それを、塾ではなく、誰しもが通える「公立小学校」でやっていたのです。
2002年に保護者の方からいただいたご意見を、このやり方なら解決できる!と感じました。
実際、陰山英男先生が担任をしていた学級の卒業生は、陰山先生の指導に感謝をしており、今でも先生を招いて小学校当時の同窓会が開かれているそうです。
そのエピソードだけでも、教え子たちの未来にまで陰山先生はコミットしていたということを実感します。
東大、京大、国公立の医学部など、塾のない地域の公立学校でそんな子たちをたくさん羽ばたかせていただのです。
「全ての子どもは必ず伸びる」
陰山先生の言葉です。
私はこの言葉が大好きです。
2005年の出会いから、町田市内でこの勉強法「陰山メソッド」の導入を提案し続けてきました。
しかし、実施するかは校長権限のため「教育委員会から情報提供」でずっと終わっておりました。
それでもあきらめず、私は陰山メソッドを追いかけ続けていました。
市全体で導入をしている山口県山陽小野田市の赤塚小学校に視察に行き、その他研修会にも参加。
2013年には町田市立学校の教員を集めた研修会の講師に陰山先生に来ていただいたこともありました。

同じく市全体で導入をしている福岡県飯塚市や田川市の陰山メソッド学力向上研修会に行ってきておりました。

どうにかしてこのやり方を広めようと、2020年1月26日に本町田の集会所にて子どもたちと保護者を集めて陰山先生に模範授業をやっていただきました。

さあ、ここから広げていこう!…と思ったら、コロナでロックダウンに・・・。
しかし、その模範授業に参加をされていた方に小山田南小の保護者がいらっしゃいました。
2024年11月末にその保護者の方より校長先生に「子どもたちの学力を何とかしてほしい」と依頼を。
「じゃあ陰山メソッドかな…」と校長先生よりお話があり、その保護者の方からすぐに新井のところに連絡が来ました。
私もすぐに陰山先生と校長先生をつなぎ、2024年12月4日から小山田南小学校で実践が開始となりました。

今、町田市立小山田南小学校で、陰山メソッドが始まっています。
そこにはまさに、陰山メソッド実践校で見た、あの活き活きと授業を受け、伸ばしている子たちがいました。
いや、あの時以上の進化をした授業を受けている姿であったと確信しています。

教育は、子どもたちの可能性を、最大限に広げること。
「自分はできる」「学ぶことは楽しい」という環境で育った子たちは、その環境が整っているというのが持論です。
皆さんは、子どもの時にどのような授業を受けてきましたでしょうか?
・基礎ができたら応用に移る
・同じ漢字をたくさん書くノートを提出する
・先生が黒板の前で板書をして、子どもたちはそれをノートに書き写す
伸びている子どもたちの学校を見てきた私の感想は、どちらも選択をしてほしくない授業です。
基礎ができたら、その基礎を圧倒的な速さでできるようにする、これが学習のベースをつくります。
まさに、私が塾に通っていた時に「どうして他の子たちは解けたんだろう?」の理由がこれです。
同じ漢字をたくさん書かせるのは宿題としては楽ですが、覚えたものを何度も書くのは苦痛でしかありません。
一度覚えたものはもう書かなくていい!というのが陰山メソッド。
効率の良い覚え方をひたすらやるので、最終的には読んだだけでも覚えてしまいます。
「いやいや、そういう子もいるというだけでしょ?」と思われますよね?
小山田南小学校は、保護者の方が「うちの学校の学力をなんとかしてください」とお願いするような学校でした。
やり方を変え、教材を変え、開始からわずか1か月で85%の児童がその学年の全漢字テストに合格。
プレテストで15点だった子がたった1ヶ月で150点→10倍の成績に!
しかし、それはイコール、150点取れる子を「これまでの指導方法は15点のポテンシャルにしてしまっていた」という裏返しでもあるわけです。
陰山メソッドを始めてからは、その学年の漢字全てを9割の子たちが5月の時点で80点以上をとります。
全国平均では、学年度末で60点平均です。それを、学年が始まった5月時点で9割の子が80点以上です。
中学校へ上がった子たちが勉強で苦労をするのは、「教科書が読めない、理解できない」からです。
その最大のポイントは、中学校の教科書は小学校の漢字を全て読めることを前提に作られているのに
「漢字の全国平均60点」の子たちが中学生になり、教科書が読めないから、です。
実際、小山田南小学校では、漢字の習熟率が上がり、国語以外の算数、理科、社会の平均点もそれぞれ10点以上上がりました。
漢字の基礎ができあがっているので、今は漢和辞典を活用した熟語の習熟を毎日行っています。
陰山メソッドは、子どもたちの理解の度合いに合わせて、個別最適な授業をやっています。
基礎が圧倒的に速くなった子どもたちに対して、その学年の授業で最後にやる授業を5月にやっていたのが福岡県田川市立金川小学校です。
しかも、3時間分の授業を1時間で。そこにくるまで、担任の先生は相当な教材研究をされていました。
プリントを配り、この時間の授業で目指すものを子どもたちに伝えます。
わかる子は自分で解き始め、わからない子たちを教壇に集めます。
先生はそこで子どもたちと会話をしながらヒントを出します。
ヒントをもらって分かった子は自席に戻り解き始め、わからない子は掴めるまで先生に話を聞きます。
解けた子は先生に〇付けをしてもらい、今度は正解した子たちが採点係であったり、わからない子へのフォローにまわります。
これにより、担任の先生は解けない子へ個別に対応できる時間が生まれていました。
この間、黒板への板書はありません。ポイントになるところだけを書き、あとの時間は子どもたちに接しています。
この授業をみて感じたこと。
誰一人、取り残さずに、ゴールにたどり着こうとする授業でした。
もちろん、この授業の前には陰山メソッドの基礎基本の徹底反復、音読、百マス、漢字を徹底してやっていました。
私がここに記載をした授業は、まさに日本の最先端の授業であると考えます。
実際、2025年11月に文科省の課長補佐の方とお話しましたが、こういった授業の進め方がこれから文科省が目指すもの、というお話もいただきました。
じゃあ、基礎基本をやって、問題が解けるような、そんな子たちを新井はつくりたいの?と思われるかもしれません。
しかし、それは違います。
小山田南小学校の子どもたちがそれを証明してくれています。
子どもたちは成功体験が自信となり、主体的に探究学習に取り組む姿が増えたと、小山田南小学校から報告がありました。
そして校長先生は「勉強はサッサと終わらせて、元気よく遊んだらいい」とお話されています。
実際に子どもたちを伸ばしつつの発言、本当に素晴らしい教育者であると実感しています。
個人面談の保護者の声には
「久しぶりに100点を取った子が目に涙を浮かべながら喜んでいた」
「ここまでできるとは思わなかった」
「努力していてうれしい」との声があったとのことです。
子どもたちの学力が向上しただけではありません。
児童へのプラスの影響として、遅刻が減ったこと、朝から積極的に活動に取り組むようになったこと。
教員へのプラスの影響として、授業力の向上につながったこと、週2時間分の授業時数削減で教材研究や打合せ時間が生まれたこと
など、様々な部分でプラスの効果がでています。
「全ての子どもは必ず伸びる」
伸ばすことができるやり方を行い、それにより、子どもたちの未来の可能性を広げたい。
それが、新井よしなおが町田市でやりたい教育です。
小山田南小学校の取り組みは、小学館の小学校教員のための教育情報メディア「みんなの教育技術」で記事になっています。
みんなの教育技術
タウンニュース町田版にも取り上げられています。
タウンニュース町田版
Copyright © Yoshinao Arai. All Rights Reserved.