活動レポート

[活動レポート]平成16年4月号

●今月号は、文学館についてです。

公民館が移転し、旧公民館が使われずに残っています。 その旧公民館を改築して、「文学館」を建てるという話が進んでいます。 3月議会にて、建設に関わる予算が約3億円上程され、この予算は可決されました。 平成10年から平成17年までの間で、工事や資料などにかかる予算の予定額は約11億4600万円です。 入場者の見込み人数は年間10万人の予定、展示スペースと会議室をいくつかあわせ持った施設で、 1年間にかかる運営コストは毎年約7000万円とのことでした。

この文学館構想を、過去の議会の質問で流れをみますと、まず、平成9年12月議会で市長は 「公民館跡地は青少年センターにしたい。」という答弁をしています。

しかし、平成12年12月議会では「公民館跡地は青少年センターの他にも、ガラスの美術館、SOHOの施設、 商工会議所の移転先、そういう中で、文学館構想も出てきている。」 「手を挙げるところがいろいろあったり、私自身もいろいろだんだん欲が出てきたりというようなことも 率直に言ってあるわけであります。」と答弁しました。

翌年3月議会では「青少年センターにしたいというのはあの地域の要望であった。 しかし、それ以外にも地域ではいろんな声もあるわけであります。」と答え、翌年の選挙が終わってからは いつの間にか「公民館跡地には文学館」と決まっていました。

私はこの財政難の時期に、文学好きな市長が造りたくて造る 10億円を超える施設を造るのはどうか、と考えています。

平成9年を境に毎年、税収は減少の傾向にあり、3月議会で提出された予算書では、 市の収入(地方税収入)の見込み額が、約619億円。 昨年度の予算案と比べても、約7億6000万円ほど減少しております。 それに対して借金の残高は、平成15年度の見込み額で約742億円です。 人口は増え続けているのに、税収は落ち込み、借金はなかなか減らない。 この状況下での市の優先施策は一体なんなのか。

決して、文化振興が悪いというわけではありません。 町田市には遠藤周作氏がお住まいになられていて、氏が逝去された後に、貴重な遺品をご遺族の方が 提供してくださり、そういった貴重なものを市民に公開したり、文学の研究などを支援することは素晴らしいと思います。 問題は、その施策にいくらまでなら市民の税金を投入していいのか、です。

造ってから「10万人くるような施設にできるよう、頑張ります。」といわれても、 税金を投入してからでは後戻りはできません。 3月議会の私の質疑に対して、市長は「正直言って文学館を、この不景気な時代に造るとは何事だ、 という声も察知をしている。」といった答弁をしました。 しかし、近隣の商店街からは「集客力が弱いと思われる文学館でも、受け入れざるを得ない。」との意見も 出ており、これから文学館建設にかかる7億円の予算もおそらく承認される見込みです。

地域も「受け入れざるをえない。」ということは、文学館は地域の要望ではないんです。 当初は地域の要望でだった「青少年センター」をつくるはずだったはず。 「様々な要望が出ているので・・・。」といい、いつのまにか 「地域の要望ではない、誰が要望したのかわからない”文学館”」に決まっていました。 この経緯、非常に不透明に感じるのは私だけでしょうか?

所属会派「市民派クラブ」から、この文学館予算をいったん凍結するために、「予算の修正案」を提出いたしました。 「様々な予算が削減の対象になっているこの状況下で、市民の税金の使い道をしっかりと考えるべきである。」 という意見を表明しましたが、修正案は議員34人中、賛成5人で否決。 条件付賛成の会派もありましたが、結果、文学館の予算は承認されました。

皆さんはこの文学館構想、どう考えますか?ぜひ新井よしなおまで、皆さんのご意見をお聞かせください。

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