[ 平成20年 6月定例会(第2回)-06月09日-04号 ]
1、市民病院について
2、踏切の安全確保について
3、子育て支援施策について
4、災害発生時並びに緊急時の安全確保について
◆12番(新井克尚) 井上正行議長に指名をされましたので、通告に基づき一般質問を行います。
1、市民病院について。
私の所属する会派で昨年の11月6日に政務調査費で山口県立総合医療センターに行き、調査を行いました。やはりどこの地域でも産科医不足をいかに解消するか、これに苦労をされているそうです。ここ山口県立総合医療センター、総合周産期母子医療センターでは、産科医不足を解決するために周産期医療センターを開設すると同時に、助産師外来をオープン、医師への外来を必要最低限にして、正常な方は助産師外来を受けていただくというものでした。そして、今後は院内助産院を準備している状況であるということでございました。
本日議場に配付した資料をごらんをいただきたいと思います。「助産師外来へのお誘い」ということで、2回に1回助産師の外来を受けていただくと。正常な方は助産師のほうをなるべく受けていただくという体制を整えていらっしゃるそうで、それからまたさらに、これ以外にも地域の医療施設と連携をして情報を共有する産科オープンシステムを行っていたり、その院内助産院を準備していたり、いかにこの産科医の負担を減らしていくかということを進めていらっしゃいます。
やはり特に地方の病院というのはお金で解決できずに、地域にある資材、資源、そういったものをいかに有効に活用するかということを考えていくと、こういった工夫をやっぱりうまくしていくんだなということがこの政務調査費の調査でわかったことでございます。
それ以外にこういったところがあるのかと調査をしたところによりますと、日赤医療センターでは診察室に2人の女性が入っていくという光景があるそうです。これは妊婦とフリーの助産師の方がエコーの検査に立ち会っていたり、出産のときにももちろん病院を利用して、外部の医療者が検診して分娩をするという、こういったものを行っていると。リスクをあらかじめ把握することで日常の細やかな注意を助産師が行うことができる。こういったすばらしいことを進めていたり、あとは多摩永山病院、非常に近いところになりますけれども、日本医科大学多摩永山病院女性診療科・産科医局、こちらでは母と子のネットワークというものをやっていまして、やはり患者により安心、より快適な周産期医療を提供するために、これまで以上に地域診療の連携体制の強化が必要だということでこの母と子のネットワークというものをやっているそうです。
山口の総合医療センターでも使っていたんですが、この共通診療ノートというのがありまして、これは地域の医療機関も見れるように本人用と医療機関用と複写式になっていて、このノートをそのお母さんが持ち歩くということで、地域の医療センターとその総合病院とで情報共有ができるということでございました。
町田も周産期医療が始まるということで、この助産師の活用が非常に重要になってくると思いまして、いろいろ委員会等の発言を注視してみますと、本年の第1回定例会、保健福祉常任委員会の中で吉村こずえ委員より助産師についての質疑がありました。その内容は、看護師で助産師の免許を持っている方が何人かということと助産師外来について検討しているかというような内容でした。
それに対しての答えは、助産師の数は現在22名、うち病棟に20名、病棟外に2名、今回も助産師を7名新規に採用していて、助産師外来は来年度検討する、ことしの3月の委員会で来年度検討するということでしたから、ことしの4月から検討するというようなお話かなと思ったんですけれども、いろいろ調べてみると、ちょっと始まっているようなお話も伺っておりますのでお伺いをいたします。
助産師外来を検討するということでしたが、具体的にどのように進めているのか、現状と今後の方向性についてお聞かせください。
次に、定期健診と不妊治療の外来について問うでございます。平成16年6月の定例会で、私は病院の設計にかかわるコンセプト、これは患者の目線に立った方針でやってほしいというようなことを質問をいたしました。その際の答弁は、もちろん患者の目線でつくるべき、患者中心の医療というのは最も大切な部分だと考えておりますというものでした。
しかし、今現在の市民病院では、正常な妊婦さんの定期健診と不妊治療の外来の方、これが同じ場所であります。果たしてこれは患者の目線に立ったと言えるのでしょうか。
山口県立総合医療センターでは、不妊外来と正常の妊婦の方の外来はやはり別にしなければいけないということで1つフロアを別にされていらっしゃいました。やはり赤ちゃんができて幸せな状態で定期健診に来る方を不妊治療で子どもができないという方が見ると、心情的にはなかなか苦しいという方が非常に多いのではないかと思います。そういった方の視点に立って病院のフロアを考えるということになるのであれば、産科医を分散をして不妊治療の方は別のフロアで行うような改善が必要であるというふうに考えます。
ここでその助産師外来を有効に活用できるのではないかというふうに考えるのです。今現在、正常な妊婦の健診の方、助産師がそこに入ることで産科医を不妊治療専門の別のフロアに持っていくことでこの問題も解決できるのではないかというふうに考えます。ご見解をお聞かせください。
次に、踏切の安全確保についてでございます。
余り踏切の質問ばかりしていますと、あの踏切議員がというあだ名もつきそうなんですけれども、玉川学園第三踏切の八丁目側交差点は事故を未然に防ぐために改良の必要があると思うが、いかがか。
こちらも本日配付した資料をごらんをいただきたいと思います。開いていただきますと、案内図、地図と航空写真のほうが載っております。該当する場所は玉川学園前駅から町田方面に向かった第三踏切という場所になります。航空写真を見ていただくと、踏切を越えてすぐに十字路があるという交差点でございます。もう少し道があれば多少の安全は確保できるのかもしれませんが、踏切を越えてすぐに十字路があるというなかなか特殊な交差点でございまして、ここで事故はまだ多くはないにしても、踏切からこの交差点に入るときに車がいろんなところから来るから結局渡れないとか歩行者がいて危ない、そういった声が非常に多いところでございます。ここは改良をする必要があるのではないかという内容でございます。
矢印でA、B、Cとついております。ここにはすべてとまれの標示がありますけれども、最近はマナーが余りよろしくないのか、余りとまらない方も多いということで、そうすると、踏切から進入してくる車が踏切内で停止をするということも多々見受けられる状況です。また、右折してCのほうに曲がるときはいいんですけれども、Aのほうに曲がるとき、Aから車が来ていると、この手前に駐輪場がありまして、歩行者がいたりすると曲がることができずに、これもまた踏切のちょうど端のあたりでとまってしまうと。
やはりこういった踏切事故をいかになくしていくかを考えなければいけないと思うんですが、確かに駐輪スペースが少なくなってしまうと、その分違法駐輪が多くなるのではないかという懸念材料があることもわかっております。しかし、事故が起きてからでは遅いということで、この踏切の改良が必要であると考えますが、いかがでしょうか。
1つは、駐輪スペース、大体5メートルぐらい削除、削ることができれば、この車、対面通行で歩行者がいてもより安全なのではないかということと、あととまれの標示をもう少し明確化することができないか。やはり踏切から来る車が優先であるということをもう少し視覚化できる何かいい工夫はないかということ。あとは、小田急と協議をして、この踏切自体、もう少し何か改良ができるかどうかも含めてご見解をお聞かせをいただきたいと思います。
3、子育て支援施策についてでございます。
フルタイムで働く方への支援策は充実してきているが、それ以外の方への支援策はどうなっているのか。現状と今後の方向性を問う。
横浜の方といろいろとお話をしていますと、町田はいいですよね、子育て支援策が本当に充実していてというお言葉をいただきます。町田に引っ越したいぐらいだというような声もいただいて、非常に光栄であるんですけれども、この子育て支援策については町田の行政の皆さんは本当に努力をされているなということで感謝をしている次第でございますけれども、逆に町田の方とお話をしたときにこういった声がありました。
フルタイムで働く方に対しての支援は非常に充実しているけれども、ちょっと働きたいというふうに思っていても、なかなかそれを支援してもらえるような策がない。隣の横浜に行くとはまっ子があっていいよねというようなお話でした。
はまっ子の件については市長がよくご存じであると思うんですけれども、子どもセンターが恐らく似たような施設になると思うんですが、子どもセンターはある程度分散をしていて施設の数も少ないです。やはり広い範囲をカバーできるこういったものを、子どもセンターを設置するとなるとかなりの税金が必要となりますので、そうではない同じ支援ができるような施策を考えていらっしゃるかどうか、現状と今後の方向性についてお聞かせをいただければと思います。
4、災害発生時並びに緊急時の安全確保について。
災害発生時や停電などの緊急時に、安全に避難できるよう、蓄光塗料での避難誘導を整備すべきと考える。現在の状況と今後の方向性を問うでございます。
例えば今災害が起きてここの議場の電気がすべて消えたとします。非常電源というのがあるのかもしれませんが、それでどこまでの電気がつくかちょっとわかりません。非常灯がつくのかなと考えると、あそことあそことあそこ、あと傍聴席の2つですか。もし議長の後ろの扉があいていれば、そこから少し光が差すかもしれませんが、ほぼ真っ暗になっているのではないかと思います。
非常口がどこにあるかがわかっていても、一番危険なのは足元です。どこに段差があるのか、障がい物があるのかわからなければ、安全に避難をすることができません。電気も消え、真っ暗な空間でいかに安全に避難をするか。予備電源が使えなくなったことも含めて考えると、そこで、配付した資料をごらんをいただきたいと思います。
避難誘導・安全標識と書いたものなんですけれども、左側が電気がついた状態ですが、電気が全く消えた状態でもどこに階段の段差があるというのがはっきりと見えるようになっています。
また、その次の下の段になりますと、どちら側が避難誘導路があるかというのも目で確認できるようになっています。また、かぎが必要な場合も、このシリンダーのところにちゃんと蓄光塗料がついていれば、どこにかぎを差せばいいかもわかるようになると。
一番左の下のところを見ていただければ、どこを通れば避難できるのか、どこに階段があって、どこに手すりがあって、どこに非常口があるのか、すべて一目瞭然であるかと思います。これは、ふだん光が灯っていれば、この塗料がその光をため込み、実際消えたときに見えるという形になるものでございます。
実際市役所ですと、市民の方はこんなに暗くなるまでいらっしゃらないと思いますので、ある程度使う場所は限られるとは思うんですけれども、市の施設は本当にいろいろあります。こういった5階ではあるけれども、窓が一切なく、光が遮断されるようなところもあるかもしれませんし、新しい庁舎においてもこれは必要な部分があるかもしれません。
こういった災害発生時並びに緊急時の安全確保について、こういった蓄光塗料での避難誘導を整備すべきと考えますが、現在の状況と今後の方向性をお聞かせください。
以上、壇上からの質問といたします。
◎市長(石阪丈一) 新井議員のご質問にお答えをいたします。私からは、項目の3の子育て支援施策についてのフルタイムで働く方への支援策は充実してきているが、それ以外の方への支援策はどうなっているのか。現状と今後の方向性を問うについてお答えをいたします。
町田市内で気軽に利用できる子どもの居場所、遊び場としましては、議員ご指摘の子どもセンターばあん、つるっこ、子どもクラブ、それからひなた村、大地沢青少年センターなどの施設を初め、地域の市民団体が中心になって実施している地域子ども教室、あるいは冒険遊び場の事業、サッカー、野球などさまざまな活動があり、多くの子どもたちが参加をしているところであります。
今後の方向性につきましては、2008年度、今年度、(仮称)子どもの居場所づくり懇話会地域会議を立ち上げて、市民と職員が協働で考えながら取り組む方策についてさまざま議論を積み上げていく予定であります。この検討の中から各地域のニーズに合った子どもの居場所づくりが行政と市民の協働で行う取り組みとして生まれてくることを期待をしております。
その他の項目につきましては、市民病院及び担当のほうからお答えを申し上げます。
◎市民病院事務長(小野芳隆) 私からは、項目1、市民病院についてにお答えいたします。
初めに、(1)助産師外来を検討するということだが、具体的にどのように進めるのか。現状と今後の方向性について問うということでございます。
市民病院では最近年齢を問わず妊婦さんからの相談がふえております。このため、2008年3月の常任委員会で助産師外来の充実についてお答えいたしました。そこで、本年4月から、妊婦健診のうち、26週から27週の妊娠中期の方、34週から35週の妊娠後期の妊婦さんに対しまして助産師指導外来を始めました。その結果、4月、5月で延べ250名の方々のご利用がございました。そこで、今年度内には妊娠週数の中期、後期以外の週数にもさらに助産師の指導外来をふやしていく予定でございます。
次に、(2)定期健診と不妊治療の外来について問うでございますが、市民病院の産婦人科の外来の現状は議員ご指摘のとおりでございます。現在の外来では面積的な制約がありまして、改善は厳しい状況にあります。そこで、新たな病棟を利用するなどの方策を今後検討いたします。
以上でございます。
◎建設部長(柴田英司) それでは、項目の2番目、踏切の安全確保について、玉川学園第三踏切の八丁目側交差点は事故を未然に防ぐために改良の必要があると思うが、いかがかについてお答えをいたします。
ご質問の玉川学園第三踏切は、玉川学園前駅から町田方向へ向かいまして2つ目の位置にある踏切です。そして、駅前の都市計画道路、広い通りですね。二丁目側、西側にあります都市計画道路方面から踏切を越えてすぐに改良の必要があるとご質問いただきましたこの交差点がございます。この交差点に進入する車両に対しまして、踏切から出てくる車両を除き、3方向に一時停止の交通規制がかかっております。このため、交差点に進入する際、どの方向が優先なのか、ドライバーの方が戸惑っている場合があるようでございます。
今回ご配付いただきました図のBの方向、無窮会図書館側のほうからこの交差点に進入する際の一時停止は踏切に対してのものであり、踏切が閉まっているときにB方向、無窮会図書館側からの車両が交差点内に停止をしてしまい、線路と並行するA及びC方向からの車両の通行障がいとならないための処置でございます。
道路交通法上は、このように3方向で同じ規制がされている場合、進行方向から見て左側が優先と決められておりますが、踏切内での事故を予防し、より安全な交差点とするため、優先度がわかりやすい路面標示について町田警察署と検討を行ってまいります。
ご質問の中で線路沿いの駐輪場につきましてご質問がありました。駐輪場につきましては、踏切付近の一部を削ることも含めて踏切からの車両の左折に支障が生じないように対策を検討してまいります。
また、踏切の改良そのものというようなことにつきましてもご質問いただきましたが、この踏切と交差点は非常に近接しているため、交通処理上非常に厳しいということで警察のほうの見解があるというふうに聞いておりますので、今後も警察と慎重に協議、調整を図ってまいりたいというふうに考えております。
以上です。
◎財務部長(鬼頭孝典) 私のほうからは、項目4の表題、災害発生時並びに緊急時の安全確保についての災害発生時や停電などの緊急時に、安全に避難できるよう、蓄光塗料での避難誘導を整備すべきと考える。現在の状況と今後の方向性を問うにつきましてお答え申し上げます。
現在の状況につきましては、災害時や停電時の避難につきましては、誘導灯や非常灯により来庁者を安全に避難誘導する対応をとっております。非常灯は先ほどお話がありましたこちらの灯で、あと何カ所か電気の豆電球みたいなのがつくような形になっております。そちらが誘導灯でございます。
ご提案いただきました蓄光塗料による避難誘導につきましては、用途、効果、コスト等を十分に調査させていただき、研究させていただきたいというふうに思っております。
以上です。
◆12番(新井克尚) では、順次再質問をさせていただきますが、踏切に関しては安全を確保するべく検討を進めていただけるということで、とにかく事故を防いで市民の生命と財産、安心安全を守るというんですか、そのために必要な措置をとっていただけるということでございますので、ぜひ引き続き安全な踏切をつくるようにご努力をいただければと思います。よろしくお願いいたします。
フルタイムで働くことに関しては市民も含めて話し合いを今度持って方向性を決めていくということでございまして、いろんな立場の方がやはり働きやすい環境をつくっていくということは非常に重要だと考えまして、その中で市民の意見をしっかりと入れていくということをやはり石阪市長は考えていらっしゃるということで、ぜひ早く実現をしていけるように進めていただければありがたいなというふうに思います。
この経過についてはまた教えていただきたいというふうにお願いを申し上げる次第でございます。
今回の質問で一番のポイントは助産師かなと考えていたんですが、その前に避難誘導のほうは研究をしていただけるということで、もう見た目一目瞭然でございます。あとコストの問題かなというふうに思いますので、ぜひ検討していただけないかなというふうに思うんですが、その辺についてもまたお答えをいただければありがたいなというふうに思います。
最後に、助産師の件なんですけれども、今現在進めているということで、以後拡大をしていくということなんですが、周産期医療を進めていく上で、やはり助産師をいかに活用していくかが医師を確保する上でも重要であるというふうに考えます。
産科医の労働条件というのは非常に厳しいものがありまして、日本産科婦人科学会の調べで2005年12月のデータなんですけれども、全国で出産できる病院、診療所は3,063カ所しかなかったと。厚生労働省の調査でも、産科、産婦人科の看板を掲げる医療機関は約6,400カ所とされていたのだが、産める場所は半分以下だったと。学会の調査で出産を扱う医師は7,985人、医師数の多い大学病院を除けば、1医療施設当たり常勤医師数はわずかに1.74人と、これでは休む暇がないということで、やはり産婦人科の医師が敬遠をされていると。
医師の世界の中でもいわゆる3K職場だと言われているそうですね。お産はいつ始まるかわからない、労働時間が長い、長いのに、診療報酬はそれに見合っていない、給料は高くないということですね。血液などが付着しやすくて、感染症の危険と常に隣り合わせだということもあって、また、それ以外には訴えられる危険性も極めて高いと。医療訴訟のうち、産婦人科関係が実に3割を占めるというデータがあるそうです。
昭和30年ごろまでには年間約3,000人という母親が出産時に命を落とされていたそうなんですが、医療技術の進歩によって極めて少なくなってきたと。しかし、それでもゼロになったわけではない。ある開業医の方は、長年分娩を取り扱ってきた中で赤ちゃんや母体の死はどうしてもゼロにすることができないと悟ったということだそうです。やはり医師らが手をどんなに尽くしてもどうにもならないことがあると。
そういった職場の中で、それでも病院の中で唯一命の誕生を目の前で見られて、おめでとうございますと言える、こういった職場に生きがいを感じるという方もいらっしゃって、そういう産科医の方にいかに気持ちよく働いていただけるか、その環境づくりを進めていって初めて、周産期医療をやりますからうちに産科医として来てくださいと言えるんじゃないかなと私は考えています。
実際に助産師を確保して分娩を行っているところの「助産師外来の事例と医師の評価」というものが、江角二三子さんという方が書いた「実践から学ぶ助産師外来設営・運営ガイド」というものにまとめられています。ちょっと読ませていただきます。
北海道のせせらぎ通りクリニック、ここは年間420件から440件分娩をしているところなんですが、「相談や励ましのゆとりさえない駆け足検査や診察に価値はあるのだろうか。たとえ一瞬で診断できる医者であってもそれは診察側の一方的な自己満足に過ぎず、料金を支払う妊婦側の納得ではありえない。助産師は責任を持って妊婦検診から分娩までの一貫した志気の高い管理を行なっており、妊産婦の満足度は大変高い」。
宮城県のいけの産婦人科小児科病院、こちらは410件前後扱っています。「助産師外来開設以前と比較して、母体搬送の件数減少、妊娠高血圧症候群の減少、帝王切開の症例減少があった」。
栃木県の宇都宮病院、こちらは932件です。「産む人主体のお産を考えるうち、医師のできることには限界があり、どうしても助産師の力を最大限に発揮する以外に道はないことに気づいた」。
こういった助産師を活用して本当に病院自体がよくなっているという声がたくさん載っております。実際始められて満足度も高いということでございますけれども、やはり活用していく上でもっともっとふやしていって、それを実績に周産期医療につなげていくということが私はベストな選択なのかなと思いますので、年度内と言わずに、できる限り早く山口のこの総合医療センターまでか、もしくはそれ以上のものをつくり上げてもいいんじゃないかなというふうに思います。
ちょっと今後の方向性ということでお話をさせていただきますと、先ほどお話しした地域のネットワークとか、あとは院内助産院とかこういったことも視野に入れて、ぜひ産科医の負担を軽減する策を近々に進めていただきたいと思いますが、ご見解をお聞かせいただければと思います。
◎市民病院総院長(山口洋) 今、議員さんのご質問、大変大事なことで、周産期センターをやるについて一番重大なことだと思います。幸いにして町田市民病院は29人の助産師がおられまして、そういう方々も、中にはベテランの人、また新人の人もおられます。そういう方にぜひ医師の助っ人になる役目を果たしていただくと。特に正常な妊娠経過をとっている方はなるべく医師の負担を軽減するように定期的に診ていただくように、まだ始めてから間もないことですので、だんだんと回数をふやしていくように、数も急激にふえてきているようでございます。
幸いなことに研修医も3人、女性ばかりですが、残って周産期、産婦人科を希望しておる、非常に優秀な後期研修医が来ておりまして、しかも、自分でお産をした経験、2人の子どもを産んだ研修医が残ってきておりまして、そういう人たちがまた先輩として、先ほどの屋根がわら方式じゃないんですが、そういう人を慕ってまた入ってくるということで、今3人決まっているという状態で、先に対しては産科医の不足ということ、比較的そういう意味ではできるんじゃないかなというふうに思っております。
それから、地域との連携でございますけれども、これはとても大事なことで、町田市産婦人科医会の先生で今東京都の産婦人科医会会長をしていらっしゃる町田先生という、この先生も町田というんですが、町田先生という菜の花クリニックを成瀬のほうで開業されている先生がかなり理解してくださいまして、あと森満洲雄先生も前の町田市の産婦人科医、現在の会長さんをして、非常にご理解していただいております。
そういうことで、ぜひこの助産師に定期健診を、特に健常な妊婦の方の健診をしていただきたいと思っております。
そのほかの今の不妊についてでございますけれども、それは女性外来のほうにもかなりその悩みを持ってこられる方もおられまして、そういう方はすぐ産婦人科の先生のほうにご相談するように、2回目の診療のときにはそちらに行っていただくようにして専門の先生の指導を受けるように。ただ、不妊外来の実際の体外受精のところまでは至っておりませんけれども、それについても今後検討しなくてはいけないと思っております。
それで、妊娠されている方は新しい南棟の中、あるいは今の病棟のほうでそういう方の外来を特殊につくるということを考えるべきだろうと思っております。
地域ネットは、先ほど申しましたように、産婦人科医会とも協力して、正常なうちはいいんですが、突然これは異常だということになると、すぐ大病院に送らないと、医療事故が大変怖い状態、日本は少ないといいましても、低酸素脳症になると大変な額、億を超える額で裁判になってしまって、非常に勝ち目のない状態になってきているのが現実ですので、これは何とかやはり事前に防がないといけないと思っております。
以上です。
◎財務部長(鬼頭孝典) 項目4のご質問にお答えいたします。
ご提案いただきました蓄光塗料につきましては、実施例も見てみたいなと思っております。議員ご指摘のとおり、施設によってかなりその必要性も変わってくるのかなというふうに思っておりますので、その辺の調査をまずさせていただきまして、その状況を見て検討させていただきたいというふうに思っておりますので、ご理解いただきたいと思います。
◆12番(新井克尚) 蓄光塗料については格上げをしていただきましてありがとうございます。
踏切のときもそうなんですけれども、いかに事前に危険な要素を減らしていくかということだと思いますので、いつ、だれがどこでどうなるかわからないというその可能性を少しでも減らせればということで提案をさせていただきましたので、ご検討のほど、よろしくお願いいたします。
助産師のほうなんですが、地域のネットワークというものの活用についても、町田先生ですか、本当にご理解をいただいているということでありがたいというふうに思いますけれども、助産師の地域のネットワークを活用する際に一番気をつけなければいけないことが、実際先ほど総院長もお話しされたとおり、異常を突如受ける可能性があるわけですね。そのときに突然うちに搬送されてきた、うちに回ってきた。それが助産師さんにずっとついていた方が何でうちに来るんだということで、医師側が余り理解しないというようなトラブルが多いという話を伺ったことがあります。異常が起きてから搬送されても大変なのはこちらだと。
ただ、それまでの間、助産師さんのほうに負担を軽減するために行っているんだということもまた医師のほうに理解をしていただくような機会をつくっていかなければいけないのかなと思いますけれども、その地域のネットワークが本当にしっかりとでき上がれば、町田市民病院で周産期医療をしっかりとやる体制が町田全土ででき上がっていくのかなと思いますので、これは助産師外来を今回スタートにして、助産師は医師なしに助産師の介助だけでも出産もできるわけでございますから、市民病院の中だったり、また外でも構わないんですけれども、そういったものをサポートしていったりということで、より1人でも多くの新しい命が誕生できる体制をつくれたらいいのかなというふうに思いますので、その点についてもぜひ今後研究、検討していただければというふうに思いますが、いかがでしょうか。
◎市民病院総院長(山口洋) 今ご指摘いただいたとおりでございまして、医師と助産師のコミュニケーションを図って、勉強会とかいろいろなことを十分やらなくてはいけないと思っております。
◆12番(新井克尚) すべての項目において前向きな答弁をいただくことができましたので、今後の方向性に注目をしながら、感謝をしながら私の一般質問を終わります。ありがとうございました。
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