議会報告

[議会報告]平成14年6月定例会 – 軽度発達障害児童へ教育と、市のごみ処理施策の今後について

平成14年 6月定例会(第2回)
町田市議会会議録第14号 6月17日(月曜日)

◆3番(新井克尚)
6月定例会の一般質問も残るところあと2人となりました。現職最年長の古宮杜司男議員の前に現職最年少の私、新井克尚が市民派クラブの一員として初の一般質問を行います。
市民の代表という立場から、まず壇上から2項目についてお伺いをいたします。
ここで1つ訂正をさせていただきますと、項目1の「特殊教育」というのは国で使われている用語だそうで、ここ町田市では「障害教育」と言うそうです。ただ、原稿がすべて「特殊教育」となっているものですから、大変申しわけございませんが、「特殊教育」という形で進めさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、まず第1項目め、特殊教育のあり方についてであります。
LD、ADHD、高機能自閉などの軽度発達障害の子供たちに対して、担任を初め教科担任の先生方の理解には大きな開きがあると言われています。現在までに先生方の理解を深め、指導力を高めるために具体的にどのような対策をなされましたか。研修をしているという話を聞きましたが、その研修のあり方、どういった場でどのような立場にある先生が出ているのかをお聞かせください。

◎教育長(山田雄三)
障害教育についてお答えをいたします。
ご指摘のように、通常学級に軽度発達障害のある児童生徒、例えばADHD、それから後半生発達障害など、特別な配慮が必要な児童生徒が在籍をしている場合がございます。特にADHDや後半生発達障害等の児童生徒への対応については、各学校が担任だけではなくて、全教職員による支援体制を工夫をしております。しかし、軽度発達障害などの障害のある児童生徒の行動特性について十分な理解が図られていないことから、教員が児童生徒への指導の際に戸惑いがあるとも受けとめております。
特に最近になって障害教育の課題に取り上げられてきたものについては、障害学級担当教員だけではなく、通常学級の担任への研修も欠かせないものというふうに考えております。これまで障害教育研修会、教育相談研修会などによって、LD、ADHDを中心とした特別な配慮が必要な児童生徒の指導についての研修を実施をしてまいりましたが、今後も障害学級担当教員だけではなくて、全教員を対象とする研修会が実施できるように検討し、どの教員もさまざまな障害について理解できるように取り組んでまいりたいと思います。
具体的な研修ですが、どういう対象ということですが、障害教育研修会につきましては障害学級の担当者、あるいは希望教員ということで、障害教育推進上の諸課題について理解を深め、実践的な指導力の向上を図るための連絡協議ですとか事業研究、そういうものをやっております。それから、教育相談研修会につきましては、教育相談担当教諭ということで、普通は各学校の生活指導部の先生、あるいは養護教諭が兼ねる場合もございます。これについては、LDですとか、ADHDへの指導について行っております。
それから、教頭研修会ということで、これは小中学校全校ですが、教頭を対象に、やはり特別な配慮を必要とする児童生徒への学校としての支援体制について。それから、初任者研修の中では、障害教育の実際というふうなことで、町田養護学校等を訪問いたしまして、研修を実施をしているところでございます。

◆3番(新井克尚)
それでは次に、軽度発達障害の質問の方に移ります。
先ほど教育長からご答弁をいただきました。子供たちに対する理解、そして指導力の強化について、こういったことをしてまいりたいというお話でしたけれども、それでは、そういった研修は今までもされてきたとは思うんですけれども、それによってどういう実績を残したというふうに認識されているか、お聞かせください。

◎教育長(山田雄三)
先ほど研修についてはお答えをいたしましたが、例えば軽度発達障害、注意欠陥ですとか多動性障害というふうなことであるわけですが、通常学級の中にそういう配慮を必要とするお子さんがいたときに、1人1人の児童生徒に対する適切な対応が大切だというふうなことでやっているわけですが、研修については千四、五百人いる教員のすべてにはなかなかまいりません。それで教頭研修をやったり、障害学級担任の先生、あるいは希望者をやって、校内で校内研修などをやっていただいています。
あわせて、昨年11月からは障害教育の専任の相談員の方、嘱託ですが、お越しをいただきまして、むしろ研修というよりは、通常学級の中に特別な配慮が必要とするお子さんがいらっしゃった場合には、授業を実際に見ていただいて、そのお子さんにとってどう接したらいいかだとか、そういうものを担任ですとか学校にアドバイスをしていただいています。
ただ、この専任指導員の方は週1回、午前中だけです。もっと来ていただきたいんですが、この種の専任相談員の方というのはなかなかいらっしゃらなくて、引っ張りだこの先生なものですから、なかなか人を得ないということで、週1回、それも午前中来ていただくのが今は精いっぱいなんですが、それをさらに延長したいなとは思っております。
研修の成果という点では、研修の人員そのものは少ないんですが、校内で研修会をやって、そういうお子さんにどう接したらいいかだとか、そういう授業、実践の発表だとか、そういうことで徐々に効果は上がってきていると思います。特に研修でなくて専任相談員については、実際に見ていただいてアドバイスをしていただきますので、指導の工夫だとか、改善につながったというふうなことで学校現場からは非常に好評でございます。

◆3番(新井克尚)
ありがとうございます。実を申し上げますと、私が壇上でした質問、これは平成11年の6月定例会において当時市議会議員をされていた中西佳代子さんが質問したものとほぼ同じ内容の質問でございます。そのときの教育長の答弁ですが、こういう子供たちに対し「教師は学習や行動の困難な状態を把握し、手だてを工夫して指導することが必要だと思います。しかし、先生方によって理解の程度や指導力に開きがあることはご指摘のことと思いますが、今後、1人1人の学習実態をどのようにとらえ、どのような指導法を駆使していけばよいのか、さらに研修の充実に努めたいと考えております」。
「それから、先生方の啓発ですが、これにつきましては障害教育研修会というのを毎年実施しておりまして、本年もこの6月24日に『LD、ADHDの理解と指導』ということで、都立教育研究所から先生にお越しをいただきまして、小中学校の障害学級の担任、それから通常学級の希望者の先生」にこういうのを年3回行っている。
「学習障害児の指導に当たっては学級担任だけではなくて学校全体ということで、ご質問にもありましたとおり、学習障害などについての校内研修会ですとか事例の検討会だとか、そういうものの充実は必要だというふうに考えております」というふうに答えていらっしゃいました。
先ほどご答弁いただいた内容も、ほぼ同じような内容であったというふうに思います。平成11年ですから今から3年前です。この3年間に一体どういうことがあったのか、この町田の小学校で実際にあったことをお話をしたいと思います。これはうちの子はLDだとおっしゃっているお母さんから直接聞いた話でございます。
LD、ラーニングディスアビリティーの子は見た目も普通です。ある能力が著しく欠けている。例えば文字を読むことだけができなかったり、計算だけができなかったりなど、運動なども含め、学力の特異な学習困難を指します。ですから、判断が非常に難しい。こういったことは恐らくご承知のことだと思いますけれども、ADHDも集中力に欠けていたり、整理整とんする能力がない、落ちつきがないなど、やはり専門的な知識がなければ見落としてしまいがちな症状であります。もちろん、こういった子たち、IQは決して低いわけではありません。通常学級に当たり前のように入っていることがもちろん考えられるわけであります。
その方のお子さんなんですけれども、LDだということなんですが、そのお母さんが何度説明しても、担任の先生は理解をしてくれなかったということです。その先生は、その子に対してクラスの生徒がいるところで、おまえはばかだとか、その子がかいた絵をできが悪いからといって目の前で破いたり、人権的にもこれはもう既におかしいんですけれども、そういったことをしていたそうです。
軽度発達障害の特性を考えますと、先ほども申し上げましたとおり、一般のクラスにいることが考えられます。イコール普通の担任の先生のクラスにいることがあり得るわけです。しかし、一般の先生に関しては希望者のみの研修というお話でした。理解していない先生が生まれるのも、これは仕方がないのではないかと思います。担任の先生がこういったことを知らない。それによって不利益を受けるのは子供たちになるわけです。
その結果、その子が一体何と言ったのか。あの先生がいるから学校に行きたくない、こんなことを言ったんですよ。この町田市の小学校に通っているお子さんがです。理解してくれない先生が原因で登校拒否になったんです。それでも行かなきゃいけないからと学校に行って、ストレスがたまって10円のはげができてしまったり、何日か学校を休んだそうです。このことを校長先生にも訴えたそうですけれども、やりますやりますと言ってから何の報告もなく、結局何も変わらず、学年が上がって先生がかわったということだそうです。
この子に関していえば、学年が変わって先生がかわったわけですから、それでいいかもしれません。しかし、同じような子がもしまたその先生のクラスに入ってしまったら、一体どういうことになるのか。これに対しては絶対に変えていかなければならない。この先生に関しては、軽度発達障害に限ったことではありません。南大谷及び高ケ坂地域の小学校なんですけれども、ほかのお母さんからはこんなことも聞きました。そのクラスに車いすの子がいたそうです。クラスでクラスの子とそのご両親の方と多摩動物公園に行ったそうです。ふだんなら正門から離れた駐車場でおりて歩いていかなければならないところを、その先生はうちには車いすがいるから正門の前につけられた、よかったなと、こんなことを言ったそうですよ。
それ以外にも、これはまた別な先生だそうなんですけれども、以前、長野でしたか、昔、そばアレルギーの子供に食べられないことはないから、いいから食べなさいと言って無理やりそばを食べさせて、それでそのお子さんが亡くなってしまった、こういった悲しい事件がありましたね。そういった事件が昔ありながら「先生、僕、これを食べると体にぶつぶつができるんだ」、こんなことを言っても「いいから食べなさい」と無理やり食べさせる。実際にこの町田の中の先生に、そういった方がいるそうです。
もしそうであれば、確かに食べなくないものを食べたくないから、そういうことを言ってうそをついているかもしまませんよ。ただ、それであれば、その保護者の方に何々君はこういったものは食べられないんですかとか、聞いたりできるはずですよ。軽度発達障害に限らず、こういう障害やアレルギーに関して、本当に今の子供はいろんな子供がいます。それを理解しない先生のクラスに入った子供は、我慢をしなければいけないんでしょうか。
先生からすれば、生涯見る何百人という生徒のうちの1人かもしれませんよ。ただ、その子からすればその1年間、最低の1年間だと思います。たった1人の担任なんですよ。その子からすれば、その先生しかいないわけです。憲法第26条にも、教育を受ける権利、教育の義務「すべての国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する」、教育基本法の第3条「教育の機会均等」にも「1、すべての国民は、ひとしく、その能力に応ずる教育を受ける機会を与えられなければならない」と書いてあります。こういった子供たちが不利益を受けるような環境は、一刻も早く改善をしていかなければなりません。教育基本法の第6条「学校教育」には「法律に定める学校の教員は、全体の奉仕者であって、自己の使命を自覚し、その職責の遂行に努めなければならない」、このように明記されております。
そこで、提案をいたします。こういった障害教育に関して、一般教員にも研修を本当に徹底をしていただきたい。特に理解度を確認するためにも、教頭や障害学級の担任だけでなく、各教員にもしっかりとアンケートをとるなどして理解の度合いを教育委員会としてしっかりと把握をしていただいて、さらに理解度の低い人に対して研修をする、このくらいやらなければ私はだめだと思いますが、それに関していかがお考えですか。

◎教育長(山田雄三)
今、一例として障害の関係に理解の薄い先生、あるいは心ない発言でお子さんを傷つけたりだとか、そういう事例があったようですが、そういう不適切な指導があったということは非常に残念だと思っております。
お話のありました研修の関係ですが、確かに研修に参加した教職員から研修の内容だとか方法だとか、そういうものをアンケートをとって、教員のニーズに合った研修会への改善、こういうものも図る必要はあるというふうに考えております。
それとあわせて、千何百人いる職員の研修を一律にというのはなかなかいかないわけですが、現在、国ですとか東京都教育委員会、そして町田市教育委員会がいろいろな啓発資料を発行しております。例えば本年2月には、教育委員会で「人権尊重教育だより」というのを発行しておりますが、その中に注意欠陥多動性障害について理解を深めようというふうなことで3ページの特集を組んだりもしております。
そんなふうなことで、教員1人1人の理解が深まるように、教育委員会としても学校訪問なんかのときにも、そういうものをいろいろ紹介はしておりますが、全教員の理解が深まるように、さらに研修の徹底についてはやっていきたいというふうに考えております。
ただ、これには先ほどお答えしましたように、やはり校内研修を充実していただくということが第一番ですので、その辺についても指導していきたいというふうに考えております。

◆3番(新井克尚)
ありがとうございます。そういった先生に対しては、そういった資料をお配りするというお話でしたが、それは今までももちろんお配りしていたわけですね。興味がない先生がいたからこそ、そういったものを読まずに、そしてそういった子供たちに対して、先ほど申し上げましたとおり、ああいった対応をしてしまった。この現状を改善するために、例えば校内研修を充実したとしても、その人に聞く気がなければ全く意味がないものなのではないかというふうに私は考えます。ですから、アンケートをとるなどして、その先生の理解度を把握することが必要なのではないかというふうにお話をさせていただきました。
千四百人いる。大変難しいというお話でしたが、難しいというのは、子供たちのためを考えると難しいということであれば、私は納得します。しかし、手間がかかるから難しいというのであれば、私は納得がいきません。できない理由を並べようと思ったら、幾らでもそれは並べられますよ。大切なのは子供たちのためにどう行動するかということだと思います。教育委員会としてどうするべきかを考えて、実行していくことこそ大事であると思います。大変なのはわかりますけれども、しかし、教師というのは子供の将来を決める大事な職業なわけですから、ここはしっかりと各教員がどこまで理解をしているのか、そういったところまで把握をしていただいて、よりそういった子たちが伸び伸びと育つような町田市の小学校、中学校をつくっていっていただきたい、そのように考えております。
教育基本法の第10条「教育行政」の中にも教育行政は「教育の目的を遂行するに必要な諸条件の整備確立を目標として行われなければならない」というふうに書いてあります。また、教育長、昨年12月定例会におきまして今村議員の質問に対し「町田市の障害教育の考え方というのは、人権尊重の精神に基づいて障害のあるなしにかかわらず、1人1人に合った教育が受けられるようにするということで、それも行政の一方的な押しつけではなく、常に保護者の方と一緒に考える。そして、最もお子さんにとって望ましい就学事務を進めていくという姿勢に変わりがございません」、このように答えていらっしゃいます。
ぜひともすべての子供がこの町田に住んでよかったと思える教育を実現するためにも、こういった研修制度をしっかりと確立をしていってくださいますようお願いを申し上げます。それにつきまして、最後に何かありましたらよろしくお願いいたします。

◎教育長(山田雄三)
研修の関係ですが、その前に啓発資料につきましては、例えば教師のためにというふうなことで「みつめよう一人一人を学習上特別な配慮が必要な子どもたち」というふうなことで啓発資料は配っています。ただ、配っただけで、それを確かに読んだりだとか、学習をしないことにはということがございますので、それとあわせて先ほどもご紹介いたしましたが、町田市では人権尊重教育推進委員会というのがリーフレットを発行しておりますが、その中でも障害教育について特集を組んだりしておりますが、今後とも障害があるお子さんの状況に合わせた研修だとか、そういうことができるように、研修については充実をしてまいりたいというふうに考えております。

◆3番(新井克尚)
ありがとうございました。先ほども申し上げましたが、やはり今までもそういった資料は配っていたわけで、それだけでは改善されなかったという、こういった事実をしっかりと受けとめていただいて、これからまた新しい障害教育の研修体制を確立していってくださいますよう、よろしくお願いを申し上げます。ありがとうございました。
以上で私の質問を終わります。

◆3番(新井克尚)
第2項目め、町田市のごみ処理政策の今後について。
1、今現在の焼却炉の建てかえ計画は、具体的なものがございますか。
2、ごみ減量に向け、家庭ごみの有料化についての市長の見解をお聞かせください。
3、廃プラスチック中間処理施設に関してですが、環境マスタープランには全市域での実施と書いてありますが、今現在話の出ている小山田地区、南地区以外にもつくる予定はございますか。
以上について市民が主役の町田市政実現のために、簡潔かつ明瞭な答弁をよろしくお願いいたします。

◎市長(寺田和雄)
お答えをいたします。
まず最初の問題は、教育委員会の方からお答えをいたします。
2番目のごみの関係でありますが、3つご質問をいただきました。1つは、現在の施設の建てかえ計画があるかどうかということ、今のところはございません。さらに延命化を図って維持の徹底を図りながら、なお当分の間、現在の施設を活用したい、こういうことであります。
それから、ごみの有料化の問題は、これは市長会としてもできるだけ有料化に努力をしようということにもなっておりますが、それ以前に最終的な処分は、日の出町の谷戸沢等にお願いをしているわけでありますから、これらの施設は有限であります。ずっと今後もあるというものではありませんし、いずれまたこれはエコセメント化しようということで現在取り組んでいるわけであります。
いずれにいたしましても、ごみの有料化等によってできるだけごみの減量化を図る。ごみの減量に向かって取り組む、こういうことでありまして、有料化の方向はいずれ考慮しなければいけないというふうに考えております。現にもう多摩地域でも、幾つかの市は先行して行っているところでありまして、それらの後にやがて町田市もついていくということになるだろうと思っております。
それから、廃プラスチックの関係では、現在、南地区に予定をしておって、いろいろと各方面のご理解をお願いをしているところでありますが、これは南地域の中間施設というふうな考えでありますから、これですべて終わりというわけにはいきません。したがって、これからも市内幾つかにこの種のものをお願いをする、こういうことになると思います。
以上です。

◆3番(新井克尚)
まず、町田市のごみ処理施策の今後について再質問をいたします。
まず、有料化に関してですが、市長会としてもできる限り努力をしようというお話があったということで、ごみもやはり出る量というのは今後も減るということはなかなかないのではないかと思います。それに対して、やはり最終処分場、この問題、今現在、町田市の最終処分場はすべてもう埋まっている状態でよろしいのでしょうか。それプラス日の出町の方に持っていっている。やはり日の出町の方にお任せをしつつ、その日の出町も三多摩の方からいろんなところから来るでしょうから、こういったところでごみを減らしていく施策を何らかの形でしていかなければならない。
このごみ関係については、私もいろいろ調べましたが、やはりこういった環境問題の進んでいるドイツなどでは、各家庭に1つずつポリバケツ、ごみを捨てるものがついていまして、そこにカウンターがついている。清掃車がそのポリバケツからごみをとるときに、そこの家庭のごみの量がどのくらいだと、その量によって請求が来る。ですから、ごみを減らせば減らすほど取られる額も減ってくるという形でごみの減量化を図っている。
確かにこういったごみの減量化、功を奏しているところもありますが、今この町田市で同じことができるか、なかなかこれは難しいと思います。家電リサイクル法でも明らかなように、ごみを有料にすると不法投棄の問題がもちろん出てきます。こういったことで、これから慎重に議論していって、町田市の有料化の方向性をしっかりと見出していかなければならないというふうに私も考えております。
次に、焼却炉の建てかえ計画の件ですが、今のところ特にない、延命化を図りたいということをご答弁いただきました。これからのごみ問題の課題は、燃やす量を減らすこと、これはリデュース、リユース、リサイクルの体制をしっかりと確立をしていくことであり、最優先で行われるべき政策であります。
しかし、先ほども申し上げたとおり、どんなに呼びかけてもすべてのごみがすぐになくなるわけではない。リサイクルに興味のある方は本当に一生懸命リサイクルを徹底して、環境のために労を惜しまず、ごみを減らされていますけれども、そういったことに興味のない方は本当にやらない。ごみがなかなか減っていかない。
そこで考えていかなればならないことが埋め立てる量イコール最終処分場を減らしていくこと、そして安全性の確保ではないかというふうに考えております。平成13年、隣の相模原市では埋立量ゼロを目指し、新たに溶融施設を設置して焼却灰を溶融処理し、リサイクル化をすることで埋め立てゼロを目指すということで進んでいるそうです。
相模原市の計画では、溶融炉、これはストーカー炉に比べ、ほかにも焼却灰の発生率が当時少ないということで現在町田市でも使われている流動床炉とか、いろいろありますけれども、建設のコスト及びトン当たりの処理費、これがともに変わらなくなってきたという試算をしているそうです。埋立量も溶融してできたスラグ、これは砂状のものなんですけれども、これはすべてリサイクルしなかったという前提でも6年延命化ができる。リサイクルをすれば、格段に埋立量は減るとのことでした。
都市環境常任委員会でも、大阪府の茨木市に視察に行きまして、全連続高温溶融炉を見てきましたが、1,500度以上という高温で、普通は燃えないごみとして埋め立てるしかない金属や陶磁器まで溶かしてしまい、それを溶融物で出てくるスラグという残渣や鉄分、こういったものでリサイクルをしていくというものでした。電気も独自に発電をし、そして余剰電力は売却するため、ランニングコストはほかの焼却炉と余り変わらないし、最終処分量は容積比で約20分の1になるということでした。
また、煙突から出る煙や処理場周辺のダイオキシン濃度、ちなみに触媒をふやすことによって0.0006ナノグラムにまでできるそうですが、これを年に1回、必ず周辺自治会の方に報告をし、今現在までのところ全く問題は発生していないということでした。
私は、この溶融炉で町田の幾つかの問題は解決をできるのではないかと考えております。例えばリサイクル文化センターのある小山田地域、そしてまさに今現在問題となっている廃プラスチック中間処理施設も含め、予定地となっている小山田地区や南地区の市民の皆様方の意見と行政側の意見がなかなか合っていない、こういった現状があると思います。先般の3月定例会におきましては陸の孤島と呼ばれました小山田地域、藤田議員は人の張りつきが悪い地域として対策をと訴えていらっしゃいました。
市民団体の出している「ごみない通信」という会報には、町田市リサイクル文化センター近隣に住まいし、ダイオキシンなどの公害に悩まされている地域と書かれております。小山田地区の問題、最終処分場に埋まっているもの、これがいつの時代にどのような方法で処理し、どういう状態で埋まっているのか全くわからないので、その近隣に住む市民の方の人体に与える影響、そして環境に与える影響を懸念されていらっしゃいます。雨が降って雨水が浸透していったとして、有害なものがあれば、そういった有害な成分を流してしまうのではないかという懸念もあります。そして、この負債の問題、今もなおまだ残った状態となっております。
そこで質問をいたします。この最終処分場に埋まっているもの、私は掘り返して、溶融炉など無害化できるもので焼却をしていく必要があるのではないかというふうに考えておりますが、それについてはどうお考えでしょうか。よろしくお願いいたします。(「議長、議事進行についての発言」と呼ぶ者あり)

◆29番(斉藤稔)
ただいまの3番議員さんの質問の中で、ごみの有料化の件と廃プラスチックの中間処理施設、このことについてはちょっと通告外ではないかと思うんですが、この点についてよろしくお取り計らいのほどお願いしたいと思います。(「全体計画の中の延長線の話だから、大丈夫だと思うよ」と呼ぶ者あり)

○議長(長村敏明) 休憩します。

午後4時6分 休憩
──◇───◇──
午後4時7分 再開

○議長(長村敏明)
再開いたします。
通告文書には具体例は載っておりませんが、市のごみ処理施策の今後についてという表題も書いてございますので、議長は発言者の今の質問を認めたいと思います。よろしくお願いいたします。

◎助役(牧田秀也)
お答えをいたしますが、今、町田市が持っております焼却炉は、1982年に1号炉から3号炉まで建設がされました。4号炉については、1994年に稼働しておりますから6年でございますが、1号炉から3号炉については20年の経過をしているというのが実態でございます。
そこで、このごみの問題については、基本的には燃やしたくない、燃やさない、埋め立てない、こういうことを基本に持っていきたいというふうに思っておりますが、しかし、都市生活の中ではなかなかそうはいかないというのも実態でございます。
そこで、今の20年前に建設をした焼却炉のうち、2号炉、3号炉については二十数億のお金をかけてダイオキシン対策を行いました。1号炉については、まだその対策がとれておりません。これは今、燃やせるごみが排出されるわけでございますが、廃プラスチックが非常に多い。そういうことで、これをぜひ分別収集をして、燃やすことによって地球の温暖化とかいろいろな問題が出るわけですから、そういうことをやらないでごみを減らして対応していきたいということで今まで進めてきているところでございますが、廃プラスチックの関係についてはご承知のとおりの状況でございます。
そこで、ごみを減らすということで、先ほど市長からもお答えが出ておりますが、1つとすれば、有料化ということを当然議論をしなければいけない。お尋ねの中にもございましたが、ごみのことについて、減量化しよう、また、環境に少しでも優しくしようという方が自前のお金をかけて生ごみの堆肥化装置をつけたり、いろいろ対応しているわけですね。
しかし、一方では、発生をしたごみをそのまま出すというのはただだというようなことでの矛盾もあるわけですね。そんなことから、この有料化については今年度あたりから私どもも検討に入っていきたいというふうにも思っております。
そうする中で、最終処分場の問題についてのお尋ねでございますが、今まだ現時点でそのことによって周辺にいろいろな問題が発生をしているというふうな状況ではないというのも事実でございます。
そんな中で、まずは私どもといたしましては、今ある排出されるごみのあり方、そういうことを先に検討していきたい。ごみを減らしていきたい。そういう中で、確かに昔、焼却もしないでそのまま埋め立ててある部分もあるわけですから、ごみを減らして焼却炉の方でも余裕が出てくるとか、そういう状況の中で検討すべきだろう、かように思っております。

◆3番(新井克尚)
ありがとうございます。ご指摘のありましたごみを減らしていく方向性、これはもうもっともなことでございまして、生ごみの堆肥化やプラスチックのリサイクル、これも市民団体の方でも、もちろんリサイクルをするなということで今現在この問題が起こっているわけではないというのは確かなことであると思います。
廃プラスチックの中間処理施設についてまたお伺いいたしますが、今現在、小山田地区、南地区以外にまたさらに幾つかつくるというお話でしたけれども、この別の地域にもつくるというのは、今までどういった形で決めていくのかというのは決まっているんでしょうか。例えばだれが決めるのか、地域を選ぶのにどういった検討会をつくっていくのか、そういった内容のものは決まっているのでしょか。そちらについてちょっとお伺いしたいんですが、よろしくお願いいたします。

◎助役(牧田秀也)
ごみにつきましては、今、町田の場合に大変狭い道路でございますから、2トン車、3トン車、一部はもう4トン車もございますけれども、そういう車で収集をするということでございます。町田市域も大変広いわけでございますから、今、南地区では収集事務所を建設をしているわけでございますが、これをもう1カ所、市域の北側の地域につくっていきたい。そこで、環境問題でございますから、トータルとして環境に寄与できるような施策を講じていかなければいけないのではないか。
今の状況は、例えば鶴川地区から2トン車でごみを集めたものを小山田まで持っていく。帰りは30分もかけて排気ガスを出しながら収集に行くわけですね。そういうものを収集事務所を適当な場所につくって、南地区では10トン車で運んでいるわけですね。2トン車で収集したものを5台分とか4台分をまとめて10トン車で運ぶ、こういうことでの排出ガスが減っていく。これが最終処分場、また、焼却場がある小山田に全部集中するわけですね。そういう面では、収集事務所を分散化をして、自動車によるところの排気ガスも減らしていきたい。こういうことでかねて説明もさせていただいているところです。

◆3番(新井克尚) 排気ガスを出しながら収集をしていく、これは変えていかなければならないのは確かだと思います。しかし、今現在、南地区の中間処理施設がなかなかスタートできない。この調整がつかない現状は、どういった形でその処理施設をつくるという話になったのか、そこの点について、そこに住んでいる地域の方が納得をしていないからというのがやはりあるのではないかと思います。調整がつかないまま、南地区の中間処理施設がもしスタートできなければ、処理するプラスチックの量は一体どうなることが予想されますか。
あと、なぜ業者と契約してから地域住民に説明をするという手順にこちらの方はなったのか、そちらの方についてちょっとお伺いいたします。よろしくお願いいたします。

◎助役(牧田秀也)
廃プラの中間処理施設につきましては、小山田に設置をしていこうということでかねて進めさせていただきました。そういう中で、やはり分散化、ごみが具体的に市民の方々にも見えるような形態がいいじゃないかというようなご意見もあり、また、私どももごもっともだというふうに思っているところでございまして、そのときに分散化を図っていこうじゃないかというようなお話もさせていただきました。
そこで、今お尋ねの中で、この廃プラスチックの中間処理施設については、杉並の中間処理施設が一番大きな市民の方々に不安を与えているというんでしょうか、要因だろうというふうに思っております。このことについては、かねてこういう市議会の場でも何回も議論がされておりますけれども、東京都における杉並の中間処理施設の調査データ、安全宣言というんでしょうか、そういうことも出ておりました。その後、杉並区でも調査を行った結果も出ております。
また、今、何か6月中にはいま1つ出てくるのではないかということも言われておりますが、やはりこの種の施設については、総論はいいんですけれども、各論になったときにいろいろと問題が出るわけでございますけれども、このことについては昨年の9月だったでしょうか、議会にもこの南のプラスチックの中間処理施設については、こういう形で進めていきたいというようなお話もさせていただきました。
その後、南地区の町内会連合会とか、南市民センターにおいてのご意見も賜り、また私どもも説明をさせていただきました。しかし、残念ながら、その時点では場所が特定ができないものですから、こういう形で進めさせていただくというけれども、その施設について何か起きたときには、だれがどのような責任をとるんだというような話もございました。これは、当然行政においても十分に責任というんでしょうか、対応はとっていかなければいけないというような説明もさせていただきました。そういう経過があって、まず場所が定まってまいりましたから、今、地元の理解を得るべくお願いをしている、こういうことでございます。
そこで、今、たしか我が国で800を超える自治体でこのことが進められているわけですね。そういう中で、私どもは先進の都市のプラスチックの中間処理施設をぜひ見ていただきたいというようなことでお願いもしているところでございますが、これからも精力的に地元の方々とお話をさせていただきながら進めてまいりたいというふうに思います。
そこで、できなかったらどうなるんだというお話でございますが、できない場合には、今のように燃さざるを得ない、こういうことだと思います。

◆3番(新井克尚)
ありがとうございます。市の土地が南地区にはないということでよろしいんですか。市の土地がないから、まず契約をしなければならなかったという形になるのでしょうか。それでよろしかったでしょうか。そういった形だと思うんですけれども、それによって事前に幾つかの場所を提示できなかったということだというのはよくわかりました。
しかし、今現在のこの状況で、この中間処理施設を無理にでもつくるというのは、これは無理だと思います。それぞれの主張が相交わることがないというのは、それはもう9月の定例会で出てから今までの経緯でよくご存じのことだと思いますけれども、こういった施設の建設というのはなかなか難しくなっていくのではないかというふうに思います。
であるならば、選択肢は当面プラスチックは埋め立てるか燃やすしかないという形になるわけで、発生抑制をしてもすぐになくなるわけではないですから、ただ、ごみは毎日出続ける。この状況をしっかりと変えていかなければならない。そのために、じゃ、どうしていかなければならないかと思うのは、私は今現在、海外では地元住民の意思を尊重すること。言い方を変えれば、政策の計画レベルから民主的なプロセスで進める方向に変わってきているそうです。こうした手法を取り入れて検討を進める例が日本でもあらわれてきています。
長野県の豊科市に産業廃棄物の最終処分場を設置する計画に、地域住民は廃棄物受け入れ計画の妥当性、処分所の必要性、立地プロセスの経緯などの情報がほとんど提供されなかったと。また、処分場立地による環境影響についても、従来型の環境アセスメントによる結果のみで、肝心な有害物質による影響が考慮されなかったという理由で住民の一部が反発し、施設の設置は暗礁に乗り上げました。
その後、県知事に田中康夫氏が就任し、基本的な運営方針を新たに設置する検討委員会の委員長に一任、依頼を受けた委員長は計画を一たん白紙に戻し、そして学識者と地域住民から成る新たな検討プロセスで進めることを提案しました。そういった検討会にて出された疑問や意見に対して、県の担当部局の職員が回答に努めるとともに、住民から求めがあった資料や情報については基本的にすべて提供した。こういったことによって相互理解が深まり、そして処理場設置問題解決に向けてかなりの前進をしたという話を聞きました。
私は、中間処理施設は絶対に必要な施設であると思います。もちろん、先ほども申しましたとおり、プラスチックを分別収集、資源化を目指すという提案、これについては市民の皆様も賛同しております。町田市廃棄物減量等推進委員会の答申にも、こちらは明記されております。しかし、先ほども助役からお話が出ました杉並病などの安全性の問題、そして市側の説明の仕方などにより、地域住民の皆様は、この状況下では賛成できないと主張している事実は、これは確かにございます。
ですから、今現在計画されているものを大幅に見直し、白紙撤回でもいいと思います。そういったほかの地域も含めた予定されている各地域で廃プラスチックのリサイクルについてはどうするべきか、中間処理施設はどこにつくるのが妥当かを市民がしっかりと入った形で再検討し、そして計画を策定していく必要があると考えます。この件に関しては行政に問いかけるとともに、市民の皆様方にも問いかけるものであります。
発生抑制を大前提として、廃プラスチックに関して市民がリサイクルを選択するなら、施設をどこにつくるのかを含め結論を出す。つくれないということであれば、どこかで別の方向性を見つけていかなくてはなりません。それは無公害化できる施設で燃やすとか、そういった選択肢しかないのではないかというふうに考えます。
そこで、再びお尋ねをいたします。こういった形で、この計画自体をもう1度市民とともに各地域にて検討し直すことについて、どのようにお考えになりますか。よろしくお願いいたします。

◎助役(牧田秀也)
この種の施設は、必要だということまでは意見が一致するわけでございますが、町田市の場合、町田市域ということで一定の限定をされているわけでございますから、このプラスチックについて圧縮梱包をしたものでなければ、一般廃棄物ですから、了解をいただかないと市域から外に出せないわけですね。そうしたときに、町田市内でいろいろと議論をすることについては大切だと思います。
そういう中で、お互いにこの種の施設が必要だというならば、真摯にお話し合いをして、先日、反対の方々というんでしょうか、お見えになりました。お互いに発言をする中で、十分な意見を交換して、自分たちが言っていることについても、お互いに十分裏づけを持っていただくというんでしょうか、そういう形で進めていきましょうよということでお願いをしているところでございますので、これからもこの種の施設については、ただここの場所がいけないということだけではなくて、じゃ、どこができるんだろうかということまで十分な議論をしなければいけないのだろうと思いますので、そういう面では、いわゆる大きな位置というんでしょうか、立場からお互いに考えていかなきゃいけないんじゃないか、かように思っているところでございますので、これからも十分な意見交換をする中で詰めていきたい、かように思っています。

◆3番(新井克尚)
ありがとうございます。今、手元に「町田市環境マスタープラン」というのがあるんですけれども、この中で「はじめに」という一番頭のページに「2002年3月 町田市長 寺田和雄」と寺田市長が書かれた文章がございます。その中には「市民の皆様や事業者の方々とともに、それぞれがアイデアや知恵を出し合い、役割と責任を果たしながら、望ましい環境の創出に努め、皆様が『このまちに住んで良かった』『住み続けたい』と感じるよう、最大の努力を傾注してまいります。環境問題は非常に難しく、市民や事業者の方々の多くの協力が不可欠です。これまで以上に環境パートナーシップによる計画の推進に努めてまいります」というふうにも書かれております。
こういった処理場の計画はなかなか難しい問題かしれませんが、ぜひとも市民の皆様方としっかりと話し合っていくことによって、必ずやいい方向に進んでいくものと思っておりますので、どうかこれからもしっかりと市民の皆様方の意見を酌み取りながら、一番いい町田のごみ処理政策を進めていっていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。

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