議会報告

[議会報告]平成16年3月定例会 – 指定管理者はなぜ公募ではないのか?

平成16年 3月定例会(第1回)
町田市議会会議録第9号 3月12日(金曜日)

◆3番(新井克尚) 第42号議案 町田市体育施設条例の一部を改正する等の条例について、3点についてまず質疑をいたします。

1、指定管理者の指定に関し、この条文は公募を前提にしているのか。実際、この条例を見ますと、指定管理者による管理を指定しているのが第3条の5、指定管理者が行う業務が第3条の6で、指定管理者の指定等、これは第3条の7の1と2、たった2項目でしか指定をされていない。公にもし公募するということであれば、その公に発表する基準等々も含めて、本当であれば、もう少し詳しく載せるべきであるというふうに思うのですが、こういった条文の中に入ってきて、これをどういった形で公表するかという前に既に業者を指定する条例が出ていますから、これはもう既に公募を前提にしていないんじゃないかというふうに私は思うんですが、その点についてご見解をお聞かせください。

次に、指定管理者の指定については別条例をつくるべきと考えるが。これは既にこの指定管理者の指定については単体で条例をつくっている自治体もございます。長野市がそうなんですけれども、この法案に関しては6月に可決、9月スタートですから、その後いろいろと研究する期間があったはずなんです。長野市においては昨年の12月定例会に既にこの長野市公の施設における指定管理者の指定の手続等に関する条例というものができております。すべてで13条ですね。これは本当に詳しく載っておりまして、趣旨、指定管理者の公募の告示、指定管理者の指定の申請、指定管理者の指定の方法、指定管理者の候補者の選定の特例など、各項目、本当に定めております。先ほど高嶋議員が心配されていたようなことも、この指定管理者の条例をつくることによって恐らく払拭できるのではないかというふうにも思います。

こういった形で条例を定めて公に発表をして、その上で、どの業者を選定するのが町田市にとって一番いいのか、こういったことを進めない限り、やはり先ほど企画部長が答弁されたすばらしいお話の中にもあったと思います。趣旨に沿わないのではないかというふうにも考えますが、いかがでしょうか。
次に、管理受託者に対する監督的措置はどうなるのか。これは市が委託をするわけであります。指定をして管理をさせると。そういった際に、やはり行政からどこまで権限が離れるのか、監督できる部分はどこまでになるのかというのをはっきりしておかなければならないと思います。どこまでの情報は市は報告を求めることができるのか、その点について詳しくお聞かせください。

次に、第55号議案 サン町田旭体育館の指定管理者の指定についてお伺いいたします。
これは第42号議案に書かれております指定管理者の指定については、「教育委員会は、前項の規定により提出した書類を審査し」というふうに書いてあります。ですから、この施設管理公社が指定管理者となるためには教育委員会に幾つかの書類を提出しているはずです。その提出している書類が何なのかをまずお聞かせください。

次に、なぜ単年度で区切るのではなくという質疑ですが、後半の部分に関しましては、先ほど高嶋議員の質疑の中で、ほかの体育施設と合わせてというお話がありましたので、この点については割愛いたしますが、なぜ単年度で区切らなかったのか。こういった先ほどお話ししました条例をつくって単年度で区切れば、来年の時点で既に公募を行うことはできるんです。なのに3年の猶予があるからといって、3年ぎりぎりまで施設管理公社に任せるのは、これはやはりもう少し市も努力できるのではないかなというふうに私は思うんですが、それをこのほかの体育施設と絡めて2年間指定管理者として指定する理由が何なのかがやはり読めない。単年度で区切って公募をするということもできると思うんですが、それをしなかった理由についてお聞かせください。

次に、ほかの候補者はいたのか。先ほど藤田議員のお話の中で実績のお話がありました。それはそうなんですよ。今まで施設管理公社しかこのサン町田旭体育館は委託されていないわけですから、ほかに実績のあるところはどこにもないんですよ。これで実績の話を出したら施設管理公社以外にはあり得ないわけで、ほかの候補者がもし出てきたのであれば、私は、その幾つかの中から公募をして、その中で市民にとってこの体育館を委託させるのはどこが一番いいのか、選ばせるべきであると思います。まず、その前段階としてほかの候補者がいたのかどうかについてお聞かせください。
そして、その公募をやる際に、公募から選定までの流れ、決まりがあるようでしたらお聞かせをください。以上、壇上からの質疑といたします。

◎生涯学習部長(五十嵐隆) まず、第42号議案の指定管理者の指定等に関し、この条文は公募を前提としているのかというところの部分につきましてですけれども、地方自治法の改正の趣旨としては公募を前提としているというふうになっております。ただ、3年間の猶予期間内においては、制度が施行されたばかりでもありまして、必ずしも定着しているとは言えません。これについては、指定に関しては実績がある施設管理公社を指定したものです。

また、別の条例をつくるべきではないかというところですけれども、生涯学習部としては初めての指定管理者制度でもありまして、条例に制度を載せることでまずは対応していくということになります。
受託者に対する監督的措置につきましてですけれども、今回、サン町田旭体育館等に関する指定管理者の指定は、法の施行日から起算して3年間、2006年度の9月1日までというふうになると思いますけれども、その猶予期間内の指定であることを前提としております。その中で2006年3月31日、2年間という期間をとっています。その業務の範囲としては施設等の維持及び管理に特定しているため、現行の町田市施設管理公社に対する監督的措置と変更はないというふうに考えております。

また、第55号議案につきまして、教育委員会に提出した書類は何なのかというところでございますけれども、指定管理者の指定を受けようとする者は、町田市体育施設指定管理者申請書に次の書類を添えて教育委員会に申請しなければならないと規則で定めております。これは法による指導でもございます。1つとしては、指定予定期間に属する各年度の体育施設の管理にかかわる事業計画書及び収支予算書、2、定款または寄附行為及び登記簿の謄本、3、指定申請の日に属する事業年度の前事業年度の財産目録及び決算書、4、指定申請の日の属する事業年度及び翌事業年度における法人等の事業計画書及び収支予算書、5、役員名簿、6、組織及び運営に関する事項を記載した書類、7、現に行っている業務の概要を記載した書類等でございます。

また、なぜ単年度でなく2006年度までの指定なのかというご質疑でございますけれども、指定管理者制度は、生涯学習部、いわゆるスポーツ施設全施設にかかわることですので、十分な検討期間が必要であるということから、地方自治法の猶予期間内の2年、2006年3月31日までとさせていただきました。この間にスポーツ施設のあり方等、総合的に検討を十分にさせていただければというふうに考えています。

3番の他の候補者はいたのかというところのご質疑ですけれども、猶予期間内は町田市施設管理公社を指定管理者として選定いたしましたので、また、先ほどの答弁で申しましたように、この条例改正の作業を進めているところから今回の3月定例会での条例の提出までの間、また、選定業者を選ぶいとまが全くなかったということもありまして、他の候補者の部分については選定をいたしておりません。
公募から選定までの流れについてですけれども、まず、市が公募して事業計画書等の必要書類を添えて指定申請書を提出をしていただきます。その書類により指定候補者を選定しまして、部の契約事務適正化委員会に付議をし、次に、指定候補者決定通知書を通知し、議会の議決を経て決定した後に指定管理者指定書を通知する、そのような手順になるということです。以上です。

◎企画部長(安藤源照) 個別条例によらず、通則条例によって定めるべきではないか、こういう趣旨の質疑だったと思いますけれども、これは長野の条例をお持ちだということで、内容についてはよくご存じだと思いますので、かいつまんでお話をしたいと思いますけれども、今回の地方自治法改正で指定の手続、あるいは管理の基準、業務の範囲、それから、例えば利用料金制をとるのかどうかというようなことをきちんと明確に定めなさいということになっております。

通則の条例でやるという場合には、それぞれの施設を管理運営をやっていく上で共通の事項がたくさんあれば、大変通則条例でやっていく利益といいますか、あるんだろうというふうに思っております。一方、個別条例でというのは、結局は個別条例を選択をしたということになるわけですけれども、施設ごとに、先ほど申しましたけれども、例えば指定の手続にしても、管理の基準にしても、違いが大きいということになれば、やはりそれぞれごとに定めた方がよりいいだろうということになると思うわけです。結果として個別条例を選択させていただいたということであります。

ただ、今回の法改正というのは、先ほども質疑がございましたが、民間も参入できるということでありまして、従来にも増して選定の公平性であるとか透明性ということが求められるのではないかというふうに考えております。そういった点から、今後の個別条例による運用状況を十分見きわめた上で通則条例を定める必要があるというふうに、今申し上げたような趣旨から必要性があるというふうに判断される場合には、これはまたそのようなことも検討していきたいというふうに考えております。以上でございます。

◆3番(新井克尚) まず、第42号議案、こちらの方で地方自治法上はしているというお話でした。それはもちろんそういった趣旨から出てきているでしょうから。ただ、今回は、それでは、町田市は、地方自治法上ではしているけれども、その前に指定管理者がもう指定が出ておりますから、これは必ずしも定着しているものではないという前に出てきてしまっていると思うんですよ。定着をする前にだれも知らないうちにもう指定されているわけですから。こういった形で出てくると、やはりこの施設管理公社には何かがあるんじゃないかなという疑問も持ち上がってくるわけです。どうしてこういった期限ぎりぎりまで施設管理公社で、しかもほかの候補者はなし、地方自治法上はしているけれども、ぎりぎりまでは施設管理公社である。手順が定着をするような手順でまず出てきた上でこの指定管理者の指定の条例案が出てくれば、私はまだ納得がいったかもしれませんけれども、定着をするも何も、同時期に公募の選定基準の条例と指定管理者の指定の条例が出てくるということは、イコール初めから施設管理公社だったということになりませんか。地方自治法上しているのであれば、少なくとも公募の状況など、一般に知らしめた後に、ほかにない場合は地方自治法上も認められているわけですから、地方自治体が出資をしている法人等にやらせることができる。なぜ昨年の6月に法案が可決をして、9月からスタートして、今の段階で両方同時に出てきてしまったのか。ぜひこの点は以後こういったことのないようにしていただきたいというふうにも思います。

やはり情報が見えづらいということが今の町田の一番よくないところであると私は考えております。公募の基準がこういった形で出てくる。しかし、それをだれも知らないじゃないですか。知らないうちに決まっているじゃないですか。そうではなくて、この地方自治法の趣旨である民間にもやらせる意味というのは、長野市のお話をさせていただきましたけれども、長野では、最近、スポーツジムなどの体育施設、集会施設、美術館、福祉施設等の運営において、民間事業者によって十分なサービスの提供が行われており、民間の効率的、効果的な手法を公の施設にも活用することが有効と考えられ、経費削減や利用者に対するサービスの向上などが期待できるということでこの条例をつくっているわけですよ。そういう形で進めていけなかった部分に関して、やはりもう少し納得のいく理由を説明していただきたいというふうに思います。

第55号議案に関して、こちらも今お話ししたとおり、いつ、どんな形でこの公募の基準、それでは公表するのか。この条例案が通れば次は2年後になるわけですけれども、だれもわからないときに、いや、公表しました、条例がありますから、書類を提出してもらう。書類を提出してもらう前に、どういった形でやりますよというのを、例えばホームページで公開をするとか、市報に載せるとか、そういう具体的な方策があるとは思うんですけれども、どういう形でまず公表して、そして公募という形になるのか、そこをお聞かせいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

◎生涯学習部長(五十嵐隆) ご質疑にお答えいたします。
まず、初めから施設管理公社ありきではないかというような部分のご質疑ですけれども、私ども、昨年9月にサン町田旭体育館を買収したときに、これは今まで勤労者の体育施設として位置づけがされていた条例であったわけですけれども、使っている方々、市民の皆様は全く今までと変わりない状況で推移をしているわけです。これからも同じように変わらないというふうに思うんですけれども、そういう中で、これについては、体育施設条例の中にこのサン町田旭体育館を組み込みますときに、新施設になるという位置づけというのを、この部分をちょっと判断を誤っていたというところがあります。これが非常に遅く判明をいたしまして、その時点からこのサン町田旭体育館については新施設であるということから指定管理者を導入しなければいけないということについて、条例に載せることもできず、また、まだ指定管理の条例を載せていませんので、これを公表して公募をすることもできずというところもあります。そういうような時間的な制約がいろいろとございましたところから、今までの実績のある施設管理公社にまずは2年間お願いいたしまして、その間にスポーツ施設全体に関していろいろと検討しようということでございます。
今後、公募の基準の公表はいつか、2年後になってしまうじゃないかというところの部分については、この公表についてはそのとおりになるというふうに思います。

◆3番(新井克尚) 実績があるというのは、先ほどお話もさせていただいたとおり、ほかに管理運営したところはないですから、実績があるという理由を出してくるのであれば、施設管理公社しかない、ほかはあり得ませんというふうに聞こえるわけですよ。施設管理公社しか今まではやらせていない、できなかったわけですから。それが民間もできるようになった上で実績があると言い続けるのであれば、これからも施設管理公社だ、そうなってしまうじゃないですか。

その単年度でなぜ区切らないのかというのは、そんなに全部が全部時間がかかるのか、順次やっていって、できるものからでも公募を早くやっていただきたいというふうに思うから私は聞いたわけでございます。期限ぎりぎりまですべてを検討する、そういうことではなく、やはり地方自治法第2条第14項にも「最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない」とありますから、期限内ぎりぎりまで検討するということではなく、できるものから順次やっていくという形に私は改めていくべきであるというふうに考えますが、ご見解をお聞かせください。

◎生涯学習部長(五十嵐隆) この施設の管理につきましては他に実績がない、他から参入はしていないということでいけば、やはり1社しか実績がないという形になろうかと思います。
あと、単年度の問題につきましては、確かに契約は単年度でございますけれども、そういう中では2年間という間に、先ほども申しましたように、施設管理公社のあり方等の問題もあろうかとも考えられますけれども、私どもとしてはスポーツ施設全体をきちっとした見直しをしたいというところで、この2年間という猶予期間で、また、契約期間でお願いをするという形になってございます。

(質問回数制限のため、ここで終了)

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