平成16年 9月定例会(第3回)
町田市議会会議録第21号
9月10日(金曜日)
◆3番(新井克尚) 若干疲れておりますが、市民のため、そしてすてきな町田市をつくるために、通告に基づき、一般質問を行います。
まず第1、内部告発の対応についてでございます。
市政の執行に携わる者が法律を遵守し、事務事業を公正に行うことは、市民の負託を受け、全体の奉仕者として公共の利益のために働く者として当然の責務であります。委託等を含め、市政に違法または不当な事実があった場合に、これを最も的確に把握できる立場にあるのは内部にいる方々です。
しかし、これを明らかにすることがみずからの不利益を招くおそれから、その事実が放置され、秘密として覆い隠されることがあってはなりません。公益が害されるときは、これを是正するため、内部にいる人間がその事実を明らかにすることができ、明らかにしたことを理由として不利益な扱いを受けない状況をつくることは急務であります。
こういった内部告発、強いて言えば内部告発者の保護や、それによって透明性の高い社会をつくるために既に法律があり、さまざまな事例が報告されている国はアメリカとイギリスです。アメリカの内部告発者保護法は、別名サンシャイン法と呼ばれています。日の光のもとに不正をさらけ出して滅菌することに、その目的があるためです。イギリスの公益開示法は、日本が公益通報者保護法をつくるときに参考にした法律です。
我が日本でも、先ほど申し上げました平成18年4月施行の公益通報者保護法を初め、地方自治体においても、鳥取県の業務改善ヘルプラインや和歌山県の行政ホイッスル、そして千代田区は千代田区職員等公益通報条例を全国に先駆け施行をしております。条例を提案した千代田区の石川区長は、倫理性、透明性の高い風通しのいい社会の風土にしていかなければならない。組織内部の恥部を隠さない勇気を持ち、区民に信頼される適法かつ公正な区政の実現を目指していくと提案理由を説明されたそうです。
ここで、内部告発という言葉、これは非常に暗いイメージがあります。内部告発者イコール密告者と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。では、密告者と内部告発者、これは一体どう違うのでしょうか。密告者は、お上と私的な利益のために行動をする人。内部告発者は、自分の個人的利益を犠牲にしてでも公衆の利益のために働き、権威と闘う人。これは、テレビの報道でも皆さんよくご存じだと思います。トラックの軸のああいった問題も、上はひたすら隠そうとしましたが、勇気を持った人が告発したからこそ、ああいった事件が明るみになり、今後の対策をとっていった、そういう行動になっておるわけです。
その報告をした人は密告者ではありません。これは内部告発者として、公益のために働いた人間として評価をされております。最近では、内部告発のかわりに内部通報や正義の通報、公益通報という言葉を使っているところも多いとのことであります。
先ほどお話をしました千代田区職員等公益通報条例のお話をさせていただきます。平成15年7月2日、千代田区はこの条例を制定、翌8月1日に施行しました。同条例は、内部告発者の保護制度を確立するとともに、制度の透明性を高めるため、外部に通報の受け皿である行政監察員、弁護士2人を設けたことが特徴です。違法、不当な事実を通報した場合には守秘義務違反に当たらないという考え方を前文で示した上に、不利益な取り扱いを受けた場合、行政監察員の救済手続は、通報以後に受けた不利益な取り扱いは、特段の理由がない限り、公益通報をしたことにより受けたものと推定するということまで保障しました。詳しいことは千代田区の条例を実際に見ていただければと思います。
こういった制度をつくっている自治体で最も多い相談、これは補助金、助成金などの不正受給に関する情報だそうです。水増し請求、虚偽申請、目的外利用など多岐にわたっており、そのほかでは不正入札や税金のむだ遣いについての相談が多いそうです。このような自浄作用が働く制度を導入することにより市政の透明性を高め、市政を常に適法かつ公正なものに保つため、まずお伺いをいたします。
1、今現在、市として内部告発、内部通報、公益通報等に対する対応はどうしているか、受け入れる担当の部署があるのか、体制がどうなっているのか、お答えください。
2、今後の方向性について、市として、千代田区職員等公益通報条例のようなものを早急につくるべきと考えますが、いかがでしょうか、お答えください。
公益通報者保護法のお話をさせていただきました。この法律では、みずからの組織の内部告発者を保護していますが、もう1つの側面があります。それは、処分または勧告等をする権限を有する行政機関としての自治体の公益通報への対応がそれです。公益通報者保護法の趣旨からすれば、省庁と同様に自治体も通報窓口や通報手続を定め、それを住民に広く知らせる必要があります。その場合、受理すべき通報の仕分けや通報者への助言、事後の手続など適切に対応するには、通報の受け付け受理は、それ相当の訓練を受けた人に担当させることが望ましいと思います。
社会にとって有益な公益通報を葬り去ることなく有効に生かすために、法施行後は自治体の責務が重大となってまいります。また、この法律は平成18年4月施行予定です。ということは、市長の任期中に体制をつくらなければなりません。
そこで、お伺いいたします。今後の方向性についての質問その2、公益通報者保護法施行に向けた体制づくりをどう考えているか、お答えください。
◎市長(寺田和雄) お答えをいたします。
最初に、内部告発の問題でありますが、これについては法律もできているということで、今後の課題として検討してまいりたいと思います。目下のところは、今までの事例として私が体験をしている状況では、1つは「市長への手紙」、これで市民から、大体は匿名が多いですけれども、先ほど来披瀝されたような幾つかの場合に、市長の方へ直接情報がもたらされるということがあります。これについては、当然必要なものについてはそれぞれの部署で調べてもらうというふうなことを措置をしてやっているわけであります。
それ以外に、私の自宅などへもいろいろ封書をしたものが寄せられることがあります。大体そういう人は、封筒の裏を見ると何も書いていない。どなたか全くわからない、こういうものがありますね。実名入りというのはほとんどない。しかも、内容は職員の中傷とか、あるいは議員さんもないとは言いませんけれども、いろいろと、どちらかというと非常に暗いイメージのものが多いですね。それを見る限り、一種の密告社会だなという感じが非常にするわけですが、しかし、密告だけではなくて、そのことでいろいろと調査をし、措置をしたということもないわけではないわけであります。したがって、これは今後の課題として検討してまいりたいと思いますが、内容が内容だけに非常に暗いイメージがあるわけでありますが、決して告発者に不利にならないような、そういうことでなければいけないと思います。
したがって、この場合には堂々と実名を挙げてもらうというふうなことが必要なのかなというふうに思います。ただし、今の状況下では、告発者もどうなるかわからないから匿名にせざるを得ないということがあるのは私もよく承知をしております。いずれにしましても、今後の課題ということで検討させていただきたいというふうに思います。
◎助役(加島保路) 内部告発の対応についてご答弁申し上げます。
現在、市では、職員が違法、不正等の業務が行われていることを内部告発できる制度はございません。職員が内部告発するときには、書面、口頭にて上司または総務部へ行うことになると思います。内部告発があれば組織で対応することになります。内部告発があった場合は、その職員の保護を図る必要があり、不利益を与えないよう対処したいというふうに考えております。
内部告発制度は、職員が法令違反や公益を損なう不適正な業務が行われたときに告発する制度で、自浄作用により透明で適法かつ公正な市政運営が図れるため、行政の信頼性を高めるのに有効な制度と考えられます。
また、告発者の保護に関しては、公益通報者保護法、2004年6月18日公布が2年以内に施行されますので、新井議員の提案もあり、その対応を含め、市長が申しましたように、今後の課題として検討したいというふうに考えております。
近隣の状況を見ますと、都道府県では東京を初めとして7都道府県で運用されております。市町村レベルでは、先ほどありましたように、千代田区を初めとして8区市でもう既に導入済みでございます。千代田区では、条例施行から1年経過した時点で寄せられた通報は匿名の1件のみだったというふうに聞いております。その1件は、区の受託業者に水増し請求の不正があるという内容でございましたが、調査の結果、その事実は確認されなかったということでございます。先ほどありました和歌山とか鳥取とか千代田区とかが既にもう動いておりますので、それらの状況を見ながら判断したいというふうに考えております。
◆3番(新井克尚) それでは、内部告発についての再質問でございます。
これに関しても検討されるということですので、これからさまざまなことが詰められていくというふうに思うんですが、検討前の前提条件と申しますか、市長の基本的な考え方について再質問をしたいというふうに思います。
公務員は、地方公務員法第31条の規定により服務の宣誓をします。そこにこう書いてあります。「私は、地方自治の本旨を体するとともに公務を民主的且つ能率的に運営すべき責務を深く自覚し、全体の奉仕者として、誠実且つ公正に職務を執行することを固く誓います。」、同法30条が述べているとおり、服務の根本基準は、全体の奉仕者として公共のために全力を挙げることにあります。行政内部で不正があっても、個々の公務員は守秘義務を口実に箝口令が引かれることがあるそうです。内部の不正や不正の隠ぺいのために、これは役所内部の秘密だ、漏らすやつは守秘義務違反だという論理だということです。ここが大事なポイントです。
行政上の秘密とは、単に行政当局がこれは知られたくないとすることではありません。秘密とは、それを一般に公開することが一定の利益の侵害になると客観的に認められるものに限られると私は思います。不正入札の関係などがそれに当たります。「守秘義務」や「個人情報」などという言葉を使って、できるだけ情報を出さないように出さないようにするということは、透明度が高く、市民に公開された行政と言えるでしょうか。大切なことは、どうやったら個人情報を守りながら情報を公開していくかということではないかと思います。
一昨日の大西議員の質問でもありました。私がもし校長だったら、公開されている集会なので、個人名を言ったり、個人を特定できるような発言はしないでくださいと念を押し、あとは市民を信頼して会に臨みます。情報を公開して市民とともに解決をしていこうと思わず、自分たちの立場を何とかして守ろうともし考えてしまったとしたら、情報はさらに公開されない方向に行ってしまいます。
もちろん、秘密保持にも公益があります。情報の開示にも公益があります。その2つの公益を特定の事件でどうやって調和をさせるか。これは、市のトップである市長がどこまで情報公開に前向きか、その方針を示しているかで変わるのではないかというふうに私は考えます。要するに、隠ぺいされた不正や立場が悪くなるので隠しておきたい情報は、秘密に当たらないですよねと聞きたいのです。
市長にお伺いいたします。隠ぺいされた不正や立場が悪くなるので隠しておきたい情報は、秘密に当たらないという認識でよろしいですね。考えをお聞かせください。
◎市長(寺田和雄) 新井議員さん、町田市は全国でも先駆けて情報公開制度をつくったんですよ。私は、町田の情報公開制度というのは非常に先進性を持っていると思っています。つまり、大部分のところは市民でなければ情報公開できない仕組みになっているんです。ところが、町田の情報公開は、どなたでも請求があれば公開しますよという仕組みなんです。これは画期的なものです。そこまで進んだ情報公開制度のある市であります。
私は、公共の仕事、市役所の仕事、これは本来は全部オープンです。隠すものは何もないはずです。ですから、まだまだスペースや何かに限りがあるから十分なことはできないにしても、広報で財政の状況なども毎年何度か特集をして、むしろ私は市民に知ってほしいと。今、私どもがいろいろなことを私と議員さんで議論しているけれども、そういうことを知ってほしいという立場なんです。よき理解者でおられる市民ならば、市政の理解と参画が一層進むんじゃないかというふうに思います。そういう立場です。
ただ、秘密にしておかなきゃならぬ問題もありますね。一番大事なのは個人のプライバシーの問題ですね。それからもう1つは、例えば公務員への受験等について、試験の内容を事前に公開するわけにはいきませんね。そういうこととか、入札についてのいろんな価格の問題や何かも、今、一種の公開制度みたいなものがありますけれども、本来はこれはしっかりと秘密が守られていかなければ公正な入札ができないはずのものですね。そういうことや何かで、どうしても守っていかなきゃならぬ部分があるわけです。
ですから、そういうことはあるけれども、原則として、私は、公開です、市民によく知ってほしい、こういう立場です。ですから……(「市長、時間がないので短くお願いします」と呼ぶ者あり)わかりました。新井議員さんのおっしゃるこの告発制度についても、今後の課題として取り組んでいこうと。
扱いとしてはできるだけオープンでやりますけれども、ただ内容は、今のレベルでいくとどうも個人中傷が多いなというふうな感じは持ちます。しかし、これは大事な問題ですから、十分検討させていただきたいと思います。
◆3番(新井克尚) 町田の情報公開条例は私も非常にすばらしいものだと思います。これに対して何ら意見を言うつもりはありません。ただ、市長は、何と申しますか、個人の誹謗中傷が多い、そういったものが多いと言うじゃないですか。私のところに来ているんですよ。これこれこういう不正があるんです。ただ、これを公開すると私が特定される。だから表に立って言えません。匿名で、しかもメールアドレスもフリーメールという、だれだかわからない、後から追えないものですよ。ただ、見逃したくはないんだけれども、自分の立場が悪くなるから、これ以上情報は出せません。あとは議員さん、調べてください。1通だけじゃないですよ。何件も来ていますよ。あるんです。実際に来ているんですよ、残念ですけれども。それをどうするかは、情報公開条例じゃだめなんです。だから、この質問をしているんです。
早急にこの制度をつくっていただかないと、そういった不正が包み隠されたままで、不正かどうかはまだわからないかもしれません。調べてみたら、そんなことはない、その人の勘違いだったかもしれない。ただ、そういう情報を調べるにも、その公務員の人、まじめに誠実に仕事をやっていて、これはおかしいのではないか、それを告発しよう、発表しよう、通報しようという人の立場が守られなければ表に出てこない。それが本当に市民のためになるのか。私はならないと思いますよ。もし市のいろいろな部分で税金がむだに使われていたとしたら、不正が行われていたとしたら、それは表に出すべきであり、その制度を一刻も早くつくらなければならないからこそ、情報公開条例ではなく、この内部告発の話をさせていただいております。
その先進的な例が千代田区です。あの千代田区の条例は、本当に細かいところまで行き届いている条例だと私は思います。第三者機関で行政監察員というのをつくって、弁護士ですよ。ですから、職員がもし不正をやってもそうですし、区長が不正をやっても、もちろんそれは徹底的に追及をする。職員は情報提供に参加する義務を負う。こういったものがあるからこそ、我が自治体は情報はすべて公開しています。何かあった場合でも通報制度がありますと言えるじゃないですか。情報公開条例では、やはり限界があるんですよ。そこを何とかしたいという思いがあるから、この制度をまずお話をさせていただいていることを理解していただきたいと思います。
だから、隠ぺいされた不正や立場が悪くなるので隠しておきたい情報は秘密に当たるか当たらないかという質問をさせていただきました。それ以外にもいろいろとお話ししたいことがあるんですが、ちょっと時間が短いので、若干短くしますけれども、ある地方公共団体の公務員のケースをちょっとお話をさせていただきます。
上司の飲食代、これを公費から支出されるように求められ、役所内の相談部署に通報したところ、結果的にその請求は撤回されたものの、その上司から通報を責められて、同じ職場にいづらくなってしまった。この公務員は、内部告発をした人間が裏切り者と言われることを初めて実感をした。多分これは内部告発をした人間にしかわからない痛みだ。失ったものの大きさははかり知れないと語ったといいます。
彼は間違ったことをしたでしょうか。通報者本人は、心理的にも道義的にも抵抗感を抱いています。職場、仲間への裏切りであると考えている通報者が多いのも現実です。そのような心理的葛藤を経て、通報することが長い目で見て市民のため、公益のためと思い、やっと決断したとしても、通報者が自分自身の処遇に不利益、イコール報復ですよ。これを受けることの危険性を感じたら、結局変わらないわけです。ですから、勇気を持って通報できるような環境づくりが望まれております。
また、ちょっと同じような質問をさせていただきますけれども、市長に確認しますが、行政内部の不正は違法行為であることがもちろん多いわけで、上司が実行するようにこれを命令したり、隠しておくように命令しても、これに従う必要はない、そのような不正にかかわる命令への不服従は服務規律違反には当たらないという認識でいいかどうか、市長の考えをお聞かせください。
◎市長(寺田和雄) 新井議員さんのおっしゃる新しい法律に基づく、その内容については先ほど来申し上げているように、課題として検討しましょうということを申し上げているわけですから、別に何の否定もしているわけではございません。
ただ、私は、それはそれとして検討をしますけれども、職場の中で何かダーティーなことがあれば、市長に直接匿名で言うということの手だてはあるのかもしれませんけれども、むしろ私は、それよりその職場の中でフランクに、この支出はまずいんじゃないかなとか、これは公費で出すのは問題があるんじゃないかなという、そういう議論が職場の中で気軽に明るく議論をされる、そういう職場であってほしいなというふうに思うんですね。
ですから、例えば相手が上司であっても、ちょっと課長さん、それはまずいんじゃないですかとか、そういうことを言う。そしてまた、言われても、そういうことを遺恨にも思わない。そういう明るい職場でいることがまず第一だろうというふうに思います。
しかし、いずれにしても、こういう複雑な時代でありますから、おっしゃられる点はまた十分検討させていただきたいというふうに思います。
◎助役(加島保路) 先ほどもちょっと千代田区の例について新井議員が述べられましたので、もう1度確認したいんですが、条例施行から1年が経過した時点で、確かに千代田区のシステムはかなり完璧であるというふうに思っています。ほかのところが全部要綱であるのに、千代田区だけは条例という形で外部の行政監察員という制度を設けたわけです。
ただ、1年経過している時点で匿名の1件のみということが、これは本当に千代田区で不正の事実がないのか、やっぱり制度利用にためらいがあるんじゃないか。だから、ここまでやったけれども、やはり千代田区のシステムは完璧ではないというふうに私は考えています。こういうことをちゃんとやらなきゃいけないなと思います。
もう1つ、新井議員がもしかなり多くの匿名の内部告発資料をお持ちならば、それは全部私どもに見せていただきたい。克明に調べて、きちっと答えます。これは出せなければしようがないですが、出していただければきちっと調べます。それは、もし本当のことであれば、行政にとってはすぐ直さなければいけない町田市の欠陥であると思います。
私は都の課長であったときに、やはり都議会議員でそういうことを専門にやられている都議会議員がいらっしゃいまして、ちょっと名前はあれなんですが、部屋へ行きましたら、やはり30センチぐらいの私の局の内部告発資料を持っておりまして、1件ずつ、本当にそれが不正なのか、上司の問題なのか、全部調べさせていただきましたので、そういうことは、ここの議員の皆さんの中でも、もしそういうものがあれば絶対に調べて報告をいたします。
◆3番(新井克尚) 千代田区で1件というのは私も知っております。恐らく同じものを読んでいらっしゃると思いますし、情報源は一緒だと思います。そこに書いてあったと思いますが、職場がそういう風土でなければもちろん進まないというのは確かだと思います。やっぱり職場で働きづらい環境をどこかでつくられるんじゃないか。昇進が阻まれるんじゃないか。何だかんだいいながら、そういう自分に対しての不利益が怖いと思えるような状況があれば情報は出てきません。これは確かです。ですから、これは条例プラス、全職員の皆さんが、そういったものを公開しなければだめなんだという風土をつくらなきゃいけない。これは条例をつくればいいと私も思っておりません。同時に、そういう環境風土を皆さんがつくっていかなければうまくいかないですから、これは認識を統一して、そういう風土をつくっていただくということも、あわせてお願いをしようというふうに考えておりました。
情報に関してですが、担保がないんです。調べた。でも、情報源がだれだかわかった。その人に不利益がないと約束できますか。何を担保に約束されますか。それができなかったら、その人は情報をさらにくれないですよ。今の時点でその方がくださっている情報は完璧ではありません。もしこの情報が表に出て、自分に対して不利益が来るのはやはり怖い。だから、途中までの段階しか私もいただいておりません。ですから、こういった制度をしっかりと整備していただければという思いがありましたので、ご報告をさせていただきました。
こういったことは、先ほども言いました市長の公約にも書いてありますよ。「市民本位の清潔・公正な町田市政を進めます」。この条例案とかこの提案は、まさしく市長の選挙公約に書かれていることにマッチしていると私は思うんですけれども、ですから提案をさせていただきました。これで当選されているわけですから、ぜひ進めていただきたいと思います。検討されるのは、もちろん今すぐやりますとは言えないでしょうから、検討はされるんでしょうけれども、今後、引き続き、どういう形で進んでいるのか、ご報告をいただく意味でも、議会の場で質問をさせていただきたいというふうに考えております。
最後に、全職員の皆様に申し上げます。
皆さんは、犯罪があると思料するときは、刑事訴訟法第239条2項の規定に基づいて告発をしなければならないとなっております。今回、私の質問で内部通報者の保護の制度も市長も検討すると。いつになるかわかりませんけれども、できる限り私は早くしていただきたいと思います。私も皆さんのことを全力で守る、そのために活動してまいります。ぜひ勇気を出して立ち上がっていただくことをお願い申し上げまして、以上をもちまして、私の質問を終わりにいたします。
ありがとうございました。
◎市長(寺田和雄) 私は、町田市は市制50周年近くなるけれども、職員が極めて悪質な汚職をしたとか、犯罪をしたとかということのない誇るべき自治体だというふうに思っているんです。(「遺跡の話はどうなんですか、遺跡の話は。あったじゃないですか、最近」と呼ぶ者あり)ですから、今、新井議員さんが何通も告発があるというお話ですから、それは必要なら私に見せてくださいよ。名前は伏せても何でも結構ですから。内容によってしっかりと調べてみたいと思いますね。告発者が不利になったかどうかと言われても、もともと私どもに来るものはほとんど匿名ですから、報復をしようにも報復のしようがないじゃないですか。(「情報源が特定されたらできるわけですよ」と呼ぶ者あり)ほとんどできません。それはほとんどできません。それだけは申し上げておきます。必要なら、それだけ何通もあるんだというんだったら、私に見せてください。
◆3番(新井克尚) 最後は、高ケ坂都営跡地の利用法についてであります。
この高ケ坂都営住宅跡地の利用法として、パークゴルフという案が地元に出されました。9月19日に、地元住民との意見交換会があるそうです。しかし、地元からは、草刈りと街路灯をつくってくれという要望と、跡地は広場的な利用でお願いしますという話はしたそうですが、パークゴルフとは一言も言っていないと聞きました。跡地利用に関して地元で話し合う文化ゾーン推進委員会というのがあります。そちらで用途についての話し合いをされているそうですが、その推進委員会の最終答申も出ていない状況で行政側からパークゴルフの案を提示したのは一体なぜでしょうか。
そこで、お伺いいたします。このパークゴルフは、1、だれの要望で、いつ、だれが決めたのか。2、意見交換会を行った後、どのようなスケジュールで決定されるのか、その過程についてお聞かせください。3、つくった場合、幾らかかると試算をしているのか。4、住民が別な案を提示したときはどうするかなど、今後の方向性をお聞かせください。
以上、壇上からの質問といたします。
◎市長(寺田和雄) それから、リサイクル文化センターの関係は後ほど担当者からお答えを申し上げますが、高ケ坂の都営住宅の跡地の問題、これはもう何年ぐらいになるんでしょうか、二、三年経過しましたかね。議会の皆さんのご理解もいただいて、都営住宅の跡地を広大に東京都から買収をさせていただいたわけですね。ただ、その際にも申し上げているように、あそこは都市計画道路が2本、しかも町田の幹線道路とも言っていい都市計画道路が2本交差をしながらそこへ入るという地域でありますから、それができ上がるまでの間、当分の間はやっぱり暫定的利用ということにならざるを得ないと。
一方は芹ケ谷公園に直接面しているところでありますから、公園の地域ということで決定をさせていただいて、公園用地として確保してあると。もう1カ所については、一応まだ未定ということになっているわけでありまして、いずれにしましても、当分は暫定利用にならざるを得ない、こういうことであります。
これの利用については、周辺の自治会の皆さんも自治会を中心に非常に一生懸命、あそこにもう1つ、芹ケ谷公園の中に、たしかひだまり荘といいましたか、昔の屋敷を買い取って、市がその方々を中心に地域に開放しているという施設があります。そういうこと等を含めて、地域の皆さんが非常に関心を持って、まさに自分たちのものというふうな感じでこれに対応していただいているところでありまして、いつも感謝しております。
そういう中で、これの利用についていろいろな声が今までにも寄せられております。私は、この際、今までにも申し上げているように、これからの公園はできるだけお金をかけないで、できれば草っ原でいこうと、原っぱでいこうじゃないかと。そこで子どもに自由に飛び回ってもらうということ、桜の木でもあれば、時にはその下で市民の皆さんがお花見をやってもいいと。とにかく原っぱの状態でやっていこうよということを地元の皆さんにもお話をしているところであります。
そういう利用の中で、そういう構想の中で、あるいはパークゴルフという話が出たのかもしれませんが、私は、担当部門には、地元の皆さんと十分ご相談をして暫定利用の方法を考えてほしい、こういうふうに申し上げているところでありますので、そのようにご理解をいただきたいというふうに思います。パークゴルフというのは限定したものじゃないというふうに思うんです。私はむしろ原っぱでいいんじゃないかと思っています。
以上です。
◎助役(牧田秀也) 私の方から、パークゴルフのことについて一言お話をさせていただきたいというふうに思いますけれども、町田の北部丘陵地を、今までの住宅地ではなくて、農業だとか環境だとか、そういうものをキーワードにした町づくりをしていきたいということをかねてお話をさせていただいております。そういう中で、埼牧ハムの話もさせていただきました。私も埼牧ハムを視察してきたわけですが、肉には野菜がつきものだということで、地元の農家の方々がつくられて、野菜が日にちによっては200万ぐらい売れるというようなことも聞いてまいりました。
そういうお話を承っている中で、わきにパークゴルフがあるんですね。これは、今そこでは1人1回500円いただくそうですけれども、事業として成り立っているんだというようなことを伺いました。これはおもしろいなというふうに思ったわけですが、それと前後して、かねて町田市では、高齢者の健康維持、また、地域の仲間づくりということでゲートボールが大変盛んに栄えてきたところでございますが、私の友人も2年ほど前にリタイアをして、町田はゲートボールが大変盛んだから、そういうところで健康づくりをしたらというふうな話をしていたんですけれども、その後、お会いをして、どうですか、健康づくりには今のゲートボールがうまくなりましたかという話をしましたら、今、健康づくりには専ら散歩をしているんですと。やっぱり仲間に入ったそうですけれども、まだ全然ルールがわからない。また、技術もないという中で行くと、玉をコートから外にたたき出されちゃって、なかなかスポーツにならないんだというようなことも伺っておったところでございます。そういうような中で、今のパークゴルフを見させていただきました。
その後、小田急沿線では開成町が大変盛んに河川敷の中でやっておられるわけでございますけれども、そういうことで、北部丘陵の町づくりの中で、埼牧ハムでは自分でハムづくりをやられて、また野菜なども買っていかれるわけですけれども、ぜひ北部丘陵の中には、自然に親しむ、また農業にも参加ができるようなものができないかというふうに思っておりますが、そうしたときに、地産地消ということで、埼牧ハムにもございますけれども、お食事をする場所があるわけですね。パークゴルフをやった後なんでしょうか、やる前なんでしょうか、1日遊んでいかれるというようなこともありました。
そんなことで、北部丘陵のところにそういうものが設置できないものかなというふうに思っておりまして、そういうことで思っている中で、町田市の職員のOBでございますが、お二方にボランティアで、今、井出の沢公園のところで何も利用していないところがあるわけですけれども、そこにパークゴルフのコートをちょっとつくってもらって、8月25日から、近隣の方々とパークゴルフというのはどんなものなんだろうかということで今利用をしていただいておりますけれども、そういうような中で、ゲートボールの人たちもお見えになってなかなか盛況だというふうなことも伺っておるところでございますが、この高ケ坂都営については、先ほど市長からお話があったとおり、だれが決めたとか、まだそんなところまではいっていない。話を承る中では、具体的な経過については部長の方からお答えをしていただきますけれども、19日にお話がされるんだ、こういうふうに聞いておるところでございます。
以上です。
◆3番(新井克尚) まず、高ケ坂の都営住宅の跡地のお話からさせていただきたいと思います。
質問の通告で、だれの要望で、いつ、だれが決めたのかというお話がありました。市長ではないことはわかりました。市長は、あそこの場所に関して原っぱでもいいと。住民としっかりと話し合ってくれという指示を出したということが確認できました。牧田助役がどこかへ行ったときに、パークゴルフがあって、ああ、これはいいなと思って指示を出されたということでよろしいんでしょうか。
◎助役(牧田秀也) その高ケ坂のところの公園づくりについては、地元の方々と協議をして詰めていくというふうに聞いておりますから、決まったものではないというふうに思っています。
ただ、パークゴルフについては、先ほど言ったように、これからのリタイアする人たちが利用されるということで井出の沢のところで実験をやっていただいている、これは大変好評にいきそうだということでございますが、そのパークゴルフそのものは、これも地元と協議しなければいけないんですけれども、本当は北部丘陵の中につくっていきたいなというふうに思っていました。
◆3番(新井克尚) 事前に、担当の方に電話で確認をするんですよ。これはどこから出てきた話なんですかね。地元の方が、パークゴルフがあそこへできるという話なんだけれども、だれもそんなことは言っていないんだよ。ちょっと聞いてくれないかという話が来たわけですよ。そうしたら、やっぱり電話して確認しますよね。いや、これは理事者から指示が来ましたというお答えをいただきましたよ。
これはまた別の方から聞いたんですけれども、もう既にパークゴルフがいいんじゃないのみたいな話で、ここに地図があるんですけれども、成瀬街道で、ここに焼き肉屋があるんですけれども、この辺の方と一緒に視察に行かれたという話まで出ているわけですよ。まだ決まっていない、これから説明会をしますとおっしゃられますけれども、例えばこの意見交換会で、じゃ、別の意見が出てきたらどうするんですかと聞いたら、いや、これを変えるのはちょっと難しいですと。じゃ、決まりじゃないですか。私が聞いた話と今の答弁はちょっと違うんですけれども、これは質問項目4番にあります、住民が別の案を提示したときはどうするのか、別の案でそちらがいいという話になったら、別にパークゴルフじゃなくてもいいということですよね。それを確認させてください。
◎助役(牧田秀也) お答えをいたしますけれども、担当者が地元へ行って、高ケ坂に行ってパークゴルフの話をしたということでございますが、それらの内容については、たしか市長もいるところでお話をして、これは決まってはいないんですよ、1つの案として出させてもらったんだろうと。
そこで、最後のあれですけれども、無理無理してパークゴルフをそこにつくろうなんていうふうには何ら思っていない。ですから、費用が幾らかかるかということも、あなたからの質問が出て、担当者が絵も持ってきてくれましたけれども、何らそこまで進んでいない。地元が、あの公園の3分の1ぐらいを何かに使っていきたいという話があるというふうに聞いておりましたが、そういう中で、場所が市街地に近いですから、私個人とすれば、ああいうところで大勢の市民の方々が健康づくりに、パークゴルフが盛んに使えれば、よりいいことだなと思いますけれども、それは個人の考え方ですから、これからいろいろな確定で決めていくことだと、かように思っています。
◎市長(寺田和雄) 先ほど申し上げたように、暫定的な利用をどう考えるかということで、地域の皆さんと毎年1回、町内会の連絡会といいますか、話し合いの中で、あそこだけじゃございませんけれども、高ケ坂、成瀬方面の話し合いをやっています。そういう中で、あそこをどういうふうにしましょうかというお話がありますから、私は暫定的な利用しかないですよと。何かあそこに豪壮なものをつくるとか、あるいはお金をかけた公園をつくるというようなことは今は考えられませんと。ただ、できれば私は原っぱにしておきたい。グリーンにして、そしてそこで子どもたちや、あるいはお母さんたちが一緒に来て、そこで飛び回ってもいいし、いろんなことをやってもいいんじゃないかと。
前にもお話を申し上げたけれども、私は、できるだけ平たん地には平たんな場所を確保しておきたいと。つまり、それはなぜかというと、市街地に近いところに一定の規模の平らなところを確保しておくということは、災害時に、場合によってはそこへ仮設の住宅をつくったり、そういうことをしなきゃならぬことも考えておかなきゃいけないわけであります。ですから、そういうことを含めて、余りごてごてしたものをつくらないで、通常は原っぱで自由に子どもが遊ぶということでいいんじゃないかというふうにお話をしているんです。
そんなことをお話をしたら、その集会所ではご婦人の皆さんから大変拍手をいただきまして、これが一番いけるんだなというふうに感じたところであります。
ただ、過日、沖縄の石垣島へ参りましたら、やっぱり福祉の大きなセンターがありまして、その前のグリーンでお年寄りがいっぱい楽しんでいるんです。何をやっているんですかと言ったら、あれはパークゴルフですというお話を市長さんから聞きまして、大分あっちの方も盛んだなという感じがいたしました。そんなふうな話を内部で話をしております。
私は、前にも申し上げたかもしれませんけれども、もう1つのあそこの利用方は、ミニサッカーということがあるのかなというふうにも思ったことがあるんですが、ただ、今、ミニサッカーは大変なブームで、あそこでやるとなると大変な車が殺到する可能性がある。そうすると、かえって周辺に迷惑をかけてしまうから、これも余りいい考えじゃないなと思って。とにかく私は一本やりで、原っぱでいこうよということを申し上げているんです。ただ、十分皆さんと相談してほしい、こういうことを言っているわけですから。
◆3番(新井克尚) 市長の本当にすばらしい考えをいただきまして、ありがとうございます。
なぜ1案しか示さないのかというのが非常に疑問なわけですよ。今市長からお話が出たように、複数案出るじゃないですか。それ以外にも、ディスクゴルフという話があるんですよ。フリスビーみたいなものを投げて、同じようにゴルフをやるわけですよ。こういう幾つかの案を提示して意見交換会をやるんだったらわかりますよ。なぜ、パークゴルフですという意見交換会をやるのか、私には理解ができない。しかも、市長から、しっかりと地元の人と話し合ってという話があるわけですから、その辺はぜひ19日の意見交換会は複数案を提示して、住民の皆さんとしっかり話し合った上で決めていただきたいというふうに思いますが、牧田助役、一言いただけますでしょうか。
◎助役(牧田秀也) 何か随分ボタンのかけ違いというんでしょうか、すれ違いというんでしょうか、私がそこのところに何としてでもパークゴルフをつくれるようにしてこいとか、そんなことも知りませんでした。あなたからの質問が出て、こんな話が出ているのかなと思って聞いているところでございますので……(「複数案だけでいいかどうかです」と呼ぶ者あり)ですから、私はこの1つの案でいいなんていうことも何も言っていないんです。そういう中でこういう議論があるということは情けないと思っています。
◆3番(新井克尚) 次に、最終処分場についてお伺いいたします。一応つけ加えておきます。小山田の旧最終処分場についてであります。
6月定例会の渋谷武己議員、そして一昨日の石井恵子議員の質問で、運営協議会的なものを今後つくっていく、そういう中でしっかりと情報提供、意見交換をしていく必要があると思っている。今現在、各町内会・自治会の会長さんにはお話をしている。これからつくろうと考えている会の詳細については、これから精査をしていきたいとのことでした。
この意見を交換する会について、地元のある団体から要請文が出ていると思います。こちらの要請文、内容は今この場では割愛をいたしますけれども、まず初めの質問、この小山田地域の方から要請文が出ております。話し合いの場を設けてほしいという内容でございます。この声を聞きましたが、対応は一体どうされますでしょうか、お答えください。
次に、同じく6月の質問で、閉鎖した後、具体的には埋立物の経年変化、あと浸出水、発生ガス、内部温度、表層変化等の埋立地の安定化の状態を調査、監視していくと答弁をされています。その調査をするために掘り起こす場合のコストを試算しているか。掘り起こさないで調査をできる場合はどのように調査をするのか、お伺いをいたします。
最後に、その後の対応についてですが、運営協議会や新しくつくろうとしている会などでどのようにそのデータを使うのかをお聞かせください。
◎清掃事業部長(鬼頭孝典) 最終処分場の関係をお答えさせていただきます。
先日の一般質問の中で運営協議会のお話をさせていただきました。ごみ処理施設というのは、市民生活にとって本当になくてはならない不可欠な施設になるわけですけれども、その理解を得るというのはなかなか難しいと思っております。そういう中で、その施設を受け入れていただいているということにつきましては、本当にその地域にとって大変な思いの中でご判断していただいたということで思っております。市としても、周辺地域の環境に影響を及ぼさないということが重要と認識しております。
したがいまして、運営協議会というのは、建設時の協議会が引き続いてその後の稼働状況とか各種の調査測定結果、そういうものを示しながら、施設の適正管理、円滑な運用、そういう中で信頼関係を維持するというような形で設置されるのが通常の形だと思っております。その関係につきましては、現在、その構成につきましてご意見もいただきましたので、今整理しているということでございます。
それで、今、要請文の関係がございました。それにつきましては、現在、取り扱いを検討しているということですので、ご理解いただきたいと思います。
いずれにしましても、話し合いは今までもしていないとかそういうことではなくて、当然必要なことで、これからもしていくということでございますので、ご理解いただきたいと思います。
あと、埋立物の関係がございました。埋立物の調査につきましては、廃止に向けた状態の観測の1つとして考えているところでございます。
その費用の関係のお尋ねがございました。これはまだちょっと今整理しているところでございますけれども、例えばバックホウで掘るような場合ですと、1カ所おおよそ150万か、この数字もまだちょっと正確ではございませんけれども、あと、ボーリングについても大体1カ所そのぐらいの金額なのかなというふうな感じは持っているところでございます。
いずれにしましても、調査の方法については現在検討中ということでご理解をいただきたいと思います。
それと、今後の関係でございますけれども、先ほど申し上げましたように、最終処分場の管理に当たっては周辺環境に影響を及ぼさないということが基本になりまして、そのため、今までもモニタリング井戸による地下水質の調査、あと処分場からの浸出水の調査、浄化センターで処理した後の放流水の調査というものを三十数項目にわたって行っております。これらは当然管理基準に基づいて行っているということでございます。また、ダイオキシン類の関係でも、それぞれの調査の中にも含まれております。さらに、大気中においても、南北になりますけれども、今、処分場の2カ所で行っていると。それらの状況をお示しするとともに、さらにこれから予定しております廃止に向けた管理内容である埋立物の経年変化、浸出水、発生ガス、内部温度、表層変化等、埋立地の安定化の状態を監視していくことになりますので、それらの情報につきましても周辺地域住民の方にお示ししていく、そういう中でご理解をいただいていくのが重要だというふうに認識しております。
以上でございます。
◆3番(新井克尚) それでは、小山田の方の質問に移ります。
小山田の方は、検討しますというお答えが非常にたくさん返ってくるわけですよ。地域の住民の方が話し合いの場を設置してほしいに対して、検討しますというのは、私は非常に後ろ向きだなと感じるんです。だって、こういうことをやってほしいから話し合ってほしいんですに対して、行政側は検討しますですか。これは、まず受け入れますがスタートなんじゃないかなと私は思うわけですよ。それとは別に、町内会・自治会の方とは話をしている。町内会に所属をされている皆さんには、これで説明が行き渡るから説得してくださって、これで信頼される運営ができているというふうに結論されているかどうかはわかりませんけれども、それで本当に解決をされようとしているんでしょうか。
住民という定義を細かく話す時間はありませんので、そこにこだわらず答えていただきたいんですけれども、今現在、小山田地区の住民の皆さんにどれくらい信頼をされていると考えていますか、お答えください。
◎清掃事業部長(鬼頭孝典) 初めのところでございますけれども、話し合いを否定するとか、するしないを検討するとかということではございません。話し合いについては今までもさせていただくスタンスは持っていますし、これからも当然持っているということでございます。
ただ、要請文で出されているのは、その枠組みの部分でございますから、その枠組みは今検討していると。正直言って、なかなか難しいなという印象は持っておりますけれども、それを検討しているということですので、ご理解いただきたいと思います。
信頼の関係につきましては、これは私が申し上げる部分ではございません。相手のことでございますので遠慮させていただきます。
以上です。
◆3番(新井克尚) 声を上げている方の意見というのは、私は非常に大事だと思うんです。こういった意見を取り上げずに、その体制をつくるのは非常に難しい、なかなか進めようとしない。そんなことをしていても、不安のある方は引き続き声を上げ続けるわけです。これでは解決しないですよ。だからこそ、そういう声の1つ1つを真摯に受けとめて、できるものはできる。できるけれども、これだけ時間がかかる、これだけお金がかかる。できないものはこういう理由でできないとしっかりと話し合って、信頼関係をつくる必要が私はあるんじゃないかと思います。
杉並区の高井戸の処理場のお話、ご存じだと思います。建設のときに非常に反対運動が起きました。今はしっかり建っています。なぜか。さまざまに出てきた反対の意見をすべて受けとめて、じゃ、こうすればよろしいですか。これで解決できますね。例えばごみ処理車が見えないようにしてくれ、地下に道路をつくって、そこにごみ処理車を通す、外から見えないように森で囲む。ごみ処理車が入ってくるときに近くを通られると嫌だという意見も、ちょっと遠くのところに交差点があります、そこにトンネルをつくって、トンネルから通して、見えないところを通してごみ処理車を入れる。その後の運営に関しても、ダイオキシンの基準等も住民がしっかり入って。一番厳しい目をしている人たちですよ。行政側がピックアップをしたんじゃないて、私に調べさせてくれという人たちを中に入れて、それで調べているわけですよ。だから信頼されている、だから運営できているわけですよ。
こういった形で意見を言う方たちの要望をクリアしていくのは、私は絶対に必要なプロセスだと思います。何か1つ行動するときに、だめな理由を消していって実現に近づけるというのは当たり前のプロセスですよ。だからこそ行政のとるべき行動は、そういった意見を真摯に受けとめて、すべてがクリアできなくても意見を聞いて、それに対して真っすぐこたえることであると思いますが、いかがでしょうか。
寺田市長の選挙公約をちょっと今持ってきました。「すべての町田市民の推薦で!!安心・信頼」、そしてそれ以外に「町田市民一人ひとりの幸せを願い」と書いてあります。小山田の声を上げている方たちの幸せはここには含まれていないということはないですよね。ですから、そういった方々の意見もぜひ拾い上げていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
◎清掃事業部長(鬼頭孝典) 声を上げているという部分につきましては、1つの団体の部分もございますけれども、そことのやりとりも当然しております。そういう中で、処分場の中を見るというときにはオープンにしていますし、そういう意味では誠意を持って対応しているというふうに思っております。
また、いろいろな要望をいただいている部分につきましても、誠意を持って検討させていただいているということでございます。
以上です。
◆3番(新井克尚) ごみ以外でもさまざまな検討委員会とかをつくるじゃないですか。条例ができて、委員さんには報酬が出て、いろんなものを調査していきますよね。何でこのごみの処理場に関しては、それができないんでしょうね。それをやってくれないから、市民が自分たちでお金を出し合って専門家を呼んで調べているわけですよ。なぜ行政がやらずに、市民が信頼できないからといってお金を出し合ってやらなきゃいけないのか。私はここはすごく納得がいかないんですよ。いいじゃいないですか、行政がやって。行政側が選ぶ人だと、行政に都合のいいデータを出すかもしれない。これは市民感情として私は当然だと思います。ですから、そういった団体の方たちが推薦する人とか、地域の住民の方たちが推薦する人とか、そういう人もちゃんと入れて委員会をつくって公平に議論し合う、これは当然のプロセスであると思いますよ。検討するではなく、ぜひすぐにでも進めていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
◎清掃事業部長(鬼頭孝典) この関係につきましては、先ほどのお答えということでご理解いただきたいと思います。
◆3番(新井克尚) 検討のプロセスに関して、また引き続き議会の方で質問をしてまいりたいと思いますので、その都度、進捗の方を教えていただければというふうに思います。ぜひ前向きに速やかに検討して、一日も早くこういった要望をかなえていただきますよう、一言お願いを申し上げます。
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