議会報告

[議会報告]平成18年6月定例会 – 忠生・図師緑地保全の森の諸問題、子供の体力、教員の研究と修養について

[ 平成18年 6月定例会(第2回)-06月13日-05号 ]

1、忠生・図師緑地保全の森の諸問題について。
2、子供の体力について。
3、教員の研究と修養について。

◆12番(新井克尚) 通告に基づき、一般質問を行います。
1、忠生・図師緑地保全の森の諸問題について。
(1)どのように解決をしていくのか。この件については、3月定例会で同じ質問をした際、これから十分に把握をして前向きに問題の解決に努めてまいりたいというお答えしかいただけなかったので、改めて具体的にお考えを伺うものです。係争中の案件ですので、答弁は差し控えさせていただきます以外の答弁を期待いたします。
また、(2)過去の土地の売買を検証すべきと考えるが、いかがでしょうか。市長のご見解をお聞かせください。
2、子供の体力について。
子どもたちの学力の低下と同時に、体力の低下が叫ばれています。昭和30年生まれ、50歳の現役の先生から伺ったお話です。当時、私たちの給食はコッペパンに脱脂粉乳、今の子どもたちは、給食の栄養バランスは考えられているし、恵まれている。なのに、体力がない。
平成9年、当時文部省ですね。文部省の保健体育審議会答申には「児童生徒の体位は向上しているものの、体力・運動能力については逆に低下する傾向が続いており」とあり、平成15年の中央教育審議会の答申では、「体格が向上しているにもかかわらず、体力・運動能力が低下していることは、体力の低下が深刻な状況であることを示している」と結論づけています。
資料の表面をごらんいただきたいと思います。1つの例として、立ち幅跳びの年次推移のグラフを挙げましたが、年度が最近になればなるほど下がっています。これは立ち幅跳びに限った話ではなく、50メートル走、ハンドボール投げ、持久走、握力、上体そらし、体重当たりの背筋力などなど、すべてのテストにおいて同じような結果が出ております。
しかし、その下のグラフをごらんください。白黒印刷したために、真っ黒になってしまって、どちらがどちらだかよくわからないようになっておりますけれども、左側が昭和46年、右側が平成13年となっております。これは、平均身長、そして平均体重のグラフです。昭和46年、左側と比べますと、右側平成13年はどちらも高い数値になっています。体格はよくなっているということをあらわしております。体格はよくなっているのに、体力は低下をしている、その原因は何かということでお伺いをいたします。
(1)体力低下の原因をどうとらえているか。
(2)それに対し、どんな対策を行ってきたか。
(3)今後の課題は何か、お聞かせください。
3、教員の研究と修養について。
ここ町田には、意欲のある学校、先生は、さらに上を目指す活動ができる、そういった環境をつくり続けているすばらしい教育委員会があり、そういった環境の中で子どもの成長のために一生懸命頑張っている先生方がたくさんいらっしゃるということは間違いありません。
ありませんが、残念ながらそうではない先生も若干ながらいることも事実です。クラスがえのときに保護者から「あの先生に当たって外れだね」と言われたり、採点するのが面倒だから宿題は出さない、かといって授業内容がいいかというと、ビデオを見せている。
私は、すべての子どもたちに「町田の学校を出てよかった」と言ってもらいたい。教育公務員特例法第21条には「教育公務員は、その職責を遂行するために、絶えず研究と修養に努めなければならない」とあります。修養とは、学問をおさめ、精神を磨き、人格を高めるよう努力することです。それぞれの先生が、しっかりと研究と修養を行っていれば、先ほどの例のようなことは起こらないと思います。
そこでお伺いいたします。教員の研究と修養について。
(1)教育委員会としてどこまで把握をしているか。
(2)今後、どのようなことを行っていく考えか。お答えください。
以上、壇上からの質問といたします。

◎市長(石阪丈一) 新井議員のご質問にお答えする前に、先ほどの発言を訂正させていただきます。最終日というふうに私、申し上げました。きょうは今定例会最終日ではございません。一般質問の最終日というふうに訂正させていただきます。失礼をいたしました。
新井議員のご質問にお答えいたします。
幾つかご質問をいただきましたが、それぞれにつきましては助役、教育委員会及び担当の方からお答えを申し上げます。
以上であります。

◎助役(岩崎治孝) 項目番号1の忠生・図師緑地保全の森の諸問題についてお答えいたします。
3月の時点での答弁を踏まえた内容でお答えをいたします。4月以降、この諸問題の内容について事実確認等の部分を進めてまいりました。また、その中で訴状についても検討してきてございます。今後の対応についてでございますけれども、市としましては、現在、これが係争中になったということですので、答弁は控えさせていただきたいと思っております。
ただ、事実確認だけは十分してまいりました。理解を深めてきたということでございます。

◎教育長(山田雄三) お答えをいたします。
まず、項目2の子供の体力について、(1)体力低下の原因をどうとらえているかでございますが、新井議員さんからもご紹介がありましたが、平成16年度の文部科学省の体力・運動能力調査の結果を20年前と比較しますと、小学生の走る力、跳ぶ力、投げる力は男女とも現在が下回っております。中学生についても、走る力、投げる力はほぼ同水準ですが、持久力が男女とも下がっております。
それから、平成17年度の東京都児童生徒の体力テスト調査結果でも、多くの運動項目で10年前の調査結果を下回る傾向にあり、児童生徒の体力、運動能力は低下傾向にあることがうかがえます。
その原因は、生活様式や遊びの種類の変化など、さまざまな点から予想はできますが、同テストの調査結果において、生活実態と体力、運動能力との関係に言及をした資料では、運動等の実践頻度、1日の運動時間、朝食の摂取、1日の睡眠時間、テレビの視聴時間など、体力、運動能力との間に多少の関連性は見出せるものの、複数の要因が関連していることから、確定的な因果関係については明らかにしておりません。今後、さらに研究を要するものと受けとめております。教育委員会といたしましても、注視をしてまいりたいというふうに考えております。
次に、2点目のどんな対策を行ってきたかでございますが、体力、運動能力低下の原因を分析し、その対策として行ってきたものではありませんが、本市では昨年度から東京都の体力テストの協力校を小中学校各1校ずつ、小学校が本町田東小学校、中学校が堺中学校ですが、それを指定し、実態の把握に努めております。また、鶴川第三小学校を研究推進校に、藤の台小学校を研究校にそれぞれ指定し、体育の研究を深めさせております。そのほか、2学期から3学期にかけて休み時間や集会などを使って、縄跳びや持久走、鉄棒運動などに継続的に取り組む小学校も多くございます。こうした取り組みを紹介することを通して、市内各小中学校に運動の大切さとともに、運動の機会を広げていくことができればというふうに考えております。
3点目の今後の課題でございますが、平成17年度、東京都児童生徒の体力テスト調査結果によると、朝食の摂取状況に関しては、男子では高校生以降に、女子では中学生から、毎日食べている生徒とそうでない生徒との間では体力、運動能力に差が出始める傾向があるというふうに述べられております。
教育委員会では、今後の指導の重点の1つに食育を掲げ、児童生徒の朝食の摂取についても、家庭との連携を進めながら取り組んでいきたいというふうに考えております。また、今後も国や都の調査研究の動向を注意深く見守りながら、運動や健康の大切さについての確かな理解と積極的な実践を小中学校に広めてまいりたいというふうに考えております。
次に、項目3の教員の研究と修養についてですが、まず1点目、教育委員会としてどこまで把握しているかでございますが、やはりご質問の中でご紹介がありましたが、教育公務員特例法には、教育公務員の研究と修養の義務が明示をされております。また、地方公務員法には、任命権者の研修実施の責務、地方教育行政の組織及び運営に関する法律には市町村教育委員会の研修実施権限がそれぞれ明示をされております。
したがいまして、町田市の場合、教員の研修は主として東京都教育委員会が実施をするものと、町田市教育委員会が実施するものの2つに大別されます。
今年度、市教育委員会が主催している研修は、昨年度スタートしました授業力向上プログラムに沿った2年次や3年次の教員研修を含めて、主任や担当者など、対象者を指定して内容を絞り込んだ研修を22種類実施しております。それぞれの研修には、各学校から必ず1名以上が参加することとしております。また、全教員を対象にして参加希望者を募り、夏季休業中に実施している教科研修会、パソコン研修会、障がい教育研修会には、合計で延べ1,300名以上が参加をしております。
一方、東京都教育委員会の主催する研修は、希望する教員が申し込んで受講する課題別研修であり、今年度は全小中学校から延べ810名の申し込みがされております。
次に、(2)の今後どのようなことを行っていくかでございますが、教育委員会が指定して教育課題を掲げて全校の教員で授業改善に取り組む研究推進校、あるいは研究校の数はここ3年で以前の4倍近くになっております。今年度は、小中学校60校のうち、41校がそれぞれにテーマを設定して研究に取り組んでおります。
今年度は、小学校英語の研修、学校LANを効果的に利用するための研修、研究主任対象の研修などを新たに設けるとともに、障がい学級の担任を対象にした研修や夏季に行う教科等の研修を大幅に充実させております。また、学校LANを活用して、映像教材や授業の指導案例、すぐれた授業のモデル映像などの内容を配信し、出張による研修ばかりでなく、校内で行う研修の充実が図れるよう、新規事業をスタートさせております。
さらに、市内の大学と連携協定を結び、大学と教育委員会の合同研修や大学施設を借りた大規模な研修なども実施に向けた具体的な検討をしております。
以上でございます。

◆12番(新井克尚) それでは、忠生・図師緑地保全の森の諸問題についての方から再質問をさせていただきます。
研究というか、事実認識をしていくということなので、恐らく裁判、係争中の案件が落ちついた段階で一定の方向性が出るのかなというふうに思いますけれども、過去の土地の売買、これを検証するというところが第2項目でありまして、この件についてはいかがでしょうか。これも係争中の案件に含まれるのかどうか、お聞かせください。

◎助役(岩崎治孝) お答えします。
今ご指摘のありました諸問題の中の土地の売買の件につきましては、原告側の方から準備書面等で訴状として主張されておりますので、いわゆる裁判の中の該当ということになりますので、この部分についても答弁を差し控えさせていただくということでございます。

◆12番(新井克尚) 忠生・図師緑地保全の森ということで、隣地、国有地を買いましたね。あそこは係争中の案件にはかかわりますでしょうか。

◎助役(岩崎治孝) お答えします。
現在、第5回の公判まで来ておりますけれども、その中では大蔵省の─申しわけございません。旧大蔵省でございますけれども、今現在の財務省ですけれども、この所管の土地についての部分については訴状の中にはございません。ですから、ございませんということだけ申し上げておきます。

◆12番(新井克尚) ということは、係争中の案件にかかわらないということで、ここの部分に関してはお答えはいただけるというふうに理解をいたしました。
この土地が、隣地がなぜ5倍の価格で購入されたのかというところは、これは係争中の案件にかかわらないと思いますので、お答えはいただけるかと思うんですけれども、いかがでしょうか。

◎環境・産業部長(山下久) 今、助役から隣地、財務省からの土地の価格の問題、価格の問題については裁判の中で争点になっておりますので、お答えできません。

◆12番(新井克尚) わかりました。価格の件に関しては、関係あるという認識であるということですね。わかりました。これ以上聞いても仕方がないので、また係争中の案件が終了し次第、伺っていきたいというふうに思います。
それでは、教員の研究と修養について再質問をさせていただきます。
授業力の向上、こういったことをされていらっしゃるということで、各学校から1名参加をされている。また、希望者を募っているというお話でございました。
しかし、それでも町田の学校に、残念ながらそうではない先生がいらっしゃるということをいかに把握していくかというのが一番大変なことだと思うんです。そういう先生を見つけ出すというのは表現がよろしくないのかわかりませんけれども、校長先生がしっかりと把握をし、あなたはもっと向上しなさい、子どもたちが伸びるということを実感して、それを授業の中で生かしていきなさい、そう言える環境をつくっていかない限りは、町田の学校に通っている子どもたち、そして保護者の方から、「あの先生に当たって外れだったね」と言われてしまうようなこともあるんじゃないかというふうに思います。
恐らく熱心な先生、自分から研究をされ、授業についても工夫をされ、すばらしい授業を子どもたちにしているんだと思います。新聞に取り上げられた先生もいらっしゃいます。町田二中の先生は残念ながら別の学校に、英語科の杉下先生でしたか、移られてしまったという話を聞きましたけれども、それ以外にも社会科の先生、いろいろ新聞等に授業の内容が取り上げられたりという話も有名なことでありますけれども、そうじゃない部分にしっかりと注目をして、子どもたちが町田の学校を出てよかったと思える授業内容をすべての先生に私はやっていただきたいんですよ。
そのためにも、もう少し積極的に研究、修養されない先生、こういった研修会に参加をされない先生、教育委員会として把握をしなければいけないんじゃないかなと思いますけれども、その点についてお聞かせください。

◎教育長(山田雄三) お答えいたします。
ご指摘をいただきました、例えば指導力に課題があったり、あるいは研修に消極的な教員につきましては、管理職の─いわゆる校長、副校長ですね。管理職の日常的な授業観察ですとか、あるいは当該教員の自己申告等をもとに、研修の履歴や計画をまとめたキャリアプランに基づいて、校長が必要な研修を命ずる形で行われていることが望ましいというふうに考えております。
教育委員会といたしましては、1人1人の教員について、資質向上が実態を踏まえて確実に図られるように、校長会や副校長会、あるいは管理職研修会等で指導助言をしてまいりたいというふうに思っております。特に指導力だとか意欲に課題のある教員につきましては、今後も校長あるいは副校長が校内における指導を丹念に行うよう、改めて校長会で働きかけてまいりたいと思います。それとあわせて、必要に応じて指導主事が学校訪問し、指導助言を行う形で研修に努めさせてまいりたいというふうに思います。
いずれにしましても、教育委員会といたしましては、市立小中学校のすべての教員が意欲的に参加し、資質、能力を高めるための研修を充実させてまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。

◆12番(新井克尚) 恐らくそういった先生は、子どもが伸びるということを余り実感していなんじゃないかなというふうに思うんですよ。教えれば子どもは伸びる。こんなに伸びるんだ。その喜びを知っている先生は、もっと研究をするし、恐らく教師になったときは、そういった実感を持っていたと思うんですけれども、だんだん薄れていってしまったのかなと。研修をする場合でも、子どもが伸びることを実感できるような、そういうプログラムをぜひ検討していただいて、研修の中に組み込んでいっていただきたいなというふうに思います。
地方公務員法の研修というのは、恐らく研修を開きます、皆さん、来てくださいというよりは、開きますという形の法律だと思うんですけれども、教育公務員特例法の場合は、自発的に研究と修養をするというような文言になっていたような感じがいたします。やはりみずから自分の能力を高めていく、その意欲が残念ながら若干少ない方がいらっしゃるということで、そのきっかけをまず教育委員会としてつくってあげてほしいということを切に願っております。
そういった子どもが伸びることを実感できる指導の仕方というか、教え方というか、恐らく全国の小学校でいろんなことをやっていると思います。そういったものをいろいろ情報を集めていただいて、特にそういう先生を早い段階で見つけ出して、研修を行い、そして変わってほしいな、変えていってほしいなというふうに思いますけれども、その件についてご意見をお聞かせいただけますでしょうか。

◎教育長(山田雄三) 今ご指摘をいただきましたが、子どもたちを伸ばすための研修ですとか、あるいは自分自身を高めていくような研修というふうなことで、これからもそういうプログラムの充実に努めてまいりたいというふうに思っております。

◆12番(新井克尚) 大切なポイントとしては、その意欲が若干なくなってしまっている先生がだれなのか、人を把握するということと、そういう人たちにポイントを絞って、子どもが伸びることを実感できるようなプログラムを検証していくということではないかというふうに思いますので、それをつけ加えさせていただきます。
それでは、最後に2番目の子供の体力について再質問をさせていただきます。
就寝時間、朝食、テレビ、あとはスポーツをする環境、時間等、こういったものが原因ではないかというお話をいただきました。外遊びやスポーツの重要性を軽視する国民の意識や子どもを取り巻く環境の問題、生活が便利になって車で移動したりとか、歩かなくなったとか、いろんな要因、これは文部科学省の中央教育審議会の方の答申でも出ております。あとはスポーツや外遊びに不可欠な要素、時間、空間、仲間、こういったものも減ってきている。あとは防犯の問題を考えると、子どもをなかなか外で遊ばせることができないという、こういった時代背景も入ってくるのではないかというふうに思いますけれども、こういった点については、防犯の問題や環境整備という形になりますので、また別の機会に質問をしたいというふうに思いますけれども、それ以外のところにちょっとポイントを絞って再質問をさせていただきたいというふうに思います。
まず、生活習慣、朝食の件が出ました。早寝・早起き・朝御飯、これは昨年の12月定例会、ご勇退された佐藤常雄前議員が質問で取り上げられていらっしゃいました。そのときの答弁は、児童生徒の基本的な生活習慣の確立という点から極めて大切と認識、和歌山県の調査で小中学生とも、毎朝朝食をとっている子どもの方が朝食をとっていない子どもよりも学力においてある相関関係が認められたという結果が出た。中央教育審議会の答申の中にも、学力の向上を初め子どもたちの健全な育成のためには、睡眠時間の確保、食生活の改善、そして家族の触れ合いの時間の確保といった生活習慣の改善が不可欠である。教育における保護者の責任を明確化することが必要であると述べていらっしゃいます。ことしから町田も指導するということで、それ以外にも既にやっている学校もあるということで、これは非常にすばらしいことであるというふうに思います。
この朝御飯をとるというのは、午前中、勉強する時間、一番集中しなきゃいけないときに、そのエネルギーを蓄えるという1つの要素であります。ところが、余り睡眠時間をとっていないと、結局、朝食をとっても、午前中はだるくなってしまうということで、その前に早寝・早起きというものがついているわけですね。この早寝・早起きは、結局のところ、しっかりとした睡眠時間を確保するという生活習慣につながってまいります。
そして、先ほどお話が出ましたテレビ、昭和60年ぐらいから、大体テレビも一家に1台から1人1台の時代に入っていたというふうに言われ、番組も深夜化し、そしてテレビゲーム、レンタルビデオなどの普及によって、子どもたちの睡眠時間も減ってきている。ちょうどそのぐらいから、だんだんグラフが落ちてきているわけですね。やはりしっかりとした生活習慣をつくっていくことが、子どもを元気にしていくことではないかというふうに私は考えております。
今お話をさせていただきました睡眠時間をしっかり確保するための早寝・早起き・朝御飯、そしてテレビの問題、結局、テレビを遅くまで見てしまうと、昨日も深夜までテレビを見られていた方がたくさんいらっしゃるかもしれませんけれども、やはり早い段階で寝て、そして睡眠時間をしっかり確保、朝早く起きて朝食をとってエネルギーを蓄えて授業に行くという習慣を子どもたちにつくってもらわないといけない。そのうちの早寝・早起き・朝御飯は、ことしから実践をしているということで、テレビ、この問題について学校の方で何か指導をしていらっしゃいますでしょうか、お聞かせください。

◎教育長(山田雄三) しっかりとした生活指導ということだと思いますが、テレビもそうですし、早寝・早起きの関係も、残念ながら保護者の方のお子さんへの指導がいかないご家庭も正直言ってございます。学校では、学校だよりだとか、そういうものを通じて、早寝・早起きを含めて、テレビの時間も含めて、そういう指導はそれぞれされております。
以上です。

◆12番(新井克尚) 杉並区の中学校では、校長先生がすべての保護者の方に、1日2時間以上テレビを見るご家庭の子どもの学力は保障できないということをプリントで配っているそうです。生活習慣を改善することが、それほど大事だと。1日2時間テレビを見ると、年間の授業数よりも多くなる。これは脳に著しい影響を与えるということで、はっきりと校長先生から全生徒に対して、保護者に対して配っているそうです。こういったことも、私はやっていいんじゃないかというふうに思います。
教育をする立場からすれば、テレビはなるべく見ていただきたくない、生活習慣を改善してほしい。せっかく学校に来て授業を受けるのに、そこで集中できない。どんないい授業をやっても、ぼうっとしたら、その授業は身につかないわけですから、まず学校に来る時間、生活習慣をしっかりと正していただいて、集中をする環境は家庭でつくってください。これは学校の問題じゃないですよ。家庭の問題ですよ。我々が指導しますではなく、それは家庭でやってくださいという、そういう姿勢も教育委員会もしくは学校の中であっていいんじゃないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

◎教育長(山田雄三) お答えいたします。
生活習慣ですとか、あるいは学習習慣の確立につきましては、本年度の教育課程の基本方針の中に市教委として入れております。各学校では、具体的な先ほど申し上げました学校だよりは児童生徒全員に参りますので、そういうものを通じて取り組んでいるというのが状況でございます。

◆12番(新井克尚) テレビを2時間以上見る子どもの学力は保障しないというところまでは恐らく言っていないですよね。それぐらいやっていいんじゃないかなという意見を持っているんですが、いかがでしょうか。

◎教育長(山田雄三) 学校だよりに、大体1面は校長先生か副校長先生が書かれていますが、事前にこちらには来ませんが、定例会で学校教育に関するご質問だとか、そういうものについては、定例校長会で必ず紹介をしておりますので、今のお話も紹介をさせていただきたいと思います。

◆12番(新井克尚) ありがとうございます。
それでは、テレビのお話をさせていただきました。早寝・早起き・朝御飯の重要性もお話をさせていただきました。もう1つ、子どもの体力の低下の原因となっているもの、先ほど表面のグラフは使用しましたが、実はまだ裏面を使っていないんですね。
運動・スポーツの実施頻度別新体力テスト合計点、このグラフ、小学生の方はずっと伸びているのでいいんですけれども、中学生、高校生になると、あるところで伸びなくなっているんですね。グラフがちょっと折れているんですよ。普通、体格がよくなっていく。身長も伸びていきますし、体ができ上がっていく。その中で、こういった体力テストも、弧を描いていいんじゃないかなと思うんですけれども、何かM字型になっているんですね。これは何かお気づきになられませんでしょうか。一体何が原因でこのグラフ、こういった形になっているか、いかがでしょうか。

◎教育長(山田雄三) グラフを見ますと、15歳のところで下がっていますね。ですから、15歳ということになりますと、中学3年生、高校受験だとか、そういうことで部活、運動部なんかも、通常夏でやめちゃうだとか、そういうこともあるのかなと思いますが、それ以上、ちょっと細かくは分析しておりません。

◆12番(新井克尚) 受験、そのとおり。まさしく15歳、18歳、受験のときにグラフが下がっているんですね。これは、早寝・早起き・朝御飯を徹底して、テレビも見なかった。しかし、受験は避けられないんですね。ここで生活習慣が乱れるんですよ。やっぱり深夜まで勉強をして、そして運動をしなくなる。こういう生活習慣、まさしくこれは現代のグラフになっているんじゃないかなというふうに思うわけです。
では、受験が子どもの生きる力を奪っている1つの要因になっているんじゃないかというふうに思っているんですけれども、実は受験がもう1つ、学力の低下も引き起こしているという話がございます。学力低下を唱えた人たちの中に、京都大学の教授がお2人いらっしゃるんですけれども、これは子どもたちの研究をしたのではなく、大学生の学力低下を危惧したものだそうです。京都大学ですよ。勉強をしなくなったのではなく、勉強をして学力が下がったと。
では、本当に学力が低下をしているのか。平成元年と平成13年の全国平均のデータを見ますと、小学生の国語、平成元年が78.9点、平成13年が70.9点。算数は平成元年が80.6点なのに対し、平成13年は68.3点。中学生の国語、平成元年が71.4点に対して、平成13年が67点。数学は平成元年が69.6点に対し、平成13年が63.6点。ここ最近は、学力もデータとしては下がっている。受験が始まって競争社会になって勉強をしているはずなのに、学力も落ち、そして体力も落ちている。これは子どもたちの将来、非常に不安になるデータなんですね。
平成16年の末に明らかになった2つの国際調査、これでは日本の子どもの学力低下が改めてわかったと同時に、学習意欲も先進国の中で最低だったんですね。いずれも深刻な問題なんですけれども、見方を変えると、意欲が低い中で成績は国際評価の中で中の上ですから、これは学校などの現場が一生懸命支えているということでもあると思うんです。日本の教育力は失われていないにもかかわらず、いい方向に転じていない、これは一体何なのか。
これは教育改革がうまくいっていないその理由が、事実がきちんと認識をされていないまま、対症療法的な対策がとられてきたからではないかと私は考えています。きのうも、少人数学級で学力が上がるかのような質問がありましたけれども、
フィンランドも確かに行っています。そして、世界のトップの学力です。ですが、それは少人数学級だからではなく、あくまでも数あるうちの1つの要因でしかないんです。
これはもう少し事の本質を見ていただきたいと思うんですけれども、今、学力低下と言われていて、昔よりも学力が下がっている。私がいたころは1クラス50人近くまでいましたが、今は30人くらい、多くて40人前後だと思います。それで学力が下がっているんだから、少人数学級にすれば学力が上がるというのは、これは理屈に合いません。私も少人数学級は別に賛成をしている人間なので、こういった事実が基本的に認識されていないまま対症療法的な対策がとられているというふうに考えると、現場も子どもたちも本当にかわいそうだなというふうに思えてなりません。
話を戻しますと、グラフを見ていただくとわかるとおり、受験シーズンに子どもの体力が落ちている。早寝・早起き・朝御飯、生活習慣を正しくするためのもの、しかし、早く寝て睡眠時間をしっかりと確保して、早起きをして、午前中に集中力を発揮できるようにして、必要なエネルギー、しっかり朝食をとった。これができたとしても、ほとんどの子どもたちがやっぱり受験は避けられない。生活習慣を正した上で確かな学力をつくることができれば、こういった受験においても、子どもたちに生きる力を公教育の場で与えることができるんじゃないかなというふうに思います。
ここでポイントになってくるのが、先ほどもお話をいたしました佐藤常雄前議員が取り上げていた読み・書き・計算になるというふうに思います。読み・書き・計算についての答弁ですけれども、確かな学力を支える知識、技能として大切と考える。各小中学校が校内研究を行っている。小学校では国語や算数を取り上げ、読むことはすべての学習の基礎となる力、計算は日常生活に不可欠な基礎学力というとらえ方で、確かな学力の定着を目指している学校が40校中27校。中学校では全教科を対象に学力の定着を図るための研究を進めている学校が14校。教育委員会としては、基礎学力の充実と意欲や主体性、応用力などの育成の双方を重視し、児童生徒に確かな学力を高めていくよう、学校に指導してまいりたいというものでした。
ここでお伺いをいたします。確かな学力を高めるために、学校にどう指導をしているのか。この辺、ちょっと具体的にお聞かせをいただけますでしょうか。

◎教育長(山田雄三) いろいろご紹介をいただきましたが、学力低下云々ですが、1点には、学力というとらえ方が必ずしも全員が合意はしていないことですね。学力というのが、覚えた知識の量という考え方と、それから現代の教育は生きる力という言葉がありますように、子どもたちが自分で課題を見つけて、自分で解決する力を身につける、そういう方向に今の学習指導要領では変わってきていると思います。
だから、いわゆる学んだことを生かす力ですとか、学んで得た知識、技能、そういうふうなものだとか、学力のとらえ方というのは、総合的にとらえていく必要があるのではないかなと思います。ですから、知識量でいきますと、それは確かにもう新しい学習指導要領で、例えば今まで小学校4年生が学んでいた部分を5年生に持っていったりとか、小学校段階で学んでいたものを中学生にということは正直言ってあります。
ですから、例えば英語でも、単語の数を幾ら覚えているかということでは、その知識の量だけでいえば、学力が低下したということがあろうかと思いますが、もともとが今の新しい学習指導要領では、そういう方向ではございませんので、なかなかその点では難しい点があろうかと思います。
ご指摘の基礎学力の向上については、これは各校長先生全員、自己申告も出していただいて、それぞれヒアリングもしておりますが、それぞれの学校が基礎学力を向上するために、朝の15分間、読み・書き・計算だとか、そういうものに充てているだとか、そういうことで実際にやっております。教育委員会としても、学校内の校内研修を深めていただき、まず先生方がわかる授業をしていただくということが一番ですので、そういうふうなことで指示をしているところでございます。そういう意味で、授業力向上プログラムというのを教育センターの方でつくって今一生懸命やっているということでございます。

◆12番(新井克尚) 物事を漠然と見ると、確かに何が学力なのかという定義は非常に難しいというふうに思いますけれども、結局のところ、子どもが元気になること、私はこれが一番大事だと思うんです。元気になるためには、生活習慣をしっかりと改めて、よく学び、よく遊ぶ。その結果は数値として必ず出てきます。学力テストを行えということではなく、潜在的な基礎力、これがついているかどうかだと思うんですね。それプラス体力測定もやった。公立学校で、それで実際に全国平均を上回っている学校もあります。そういう取り組みをやっているところはしっかりあるんですよ。
やっぱり受験のために生きる力を失うということは、もちろんこれは集中力を支えるだけの体力がないというところから、学力の低下も引き起こっているのではないかなという質問で私は今まで話をさせていただいておりましたので、先ほどの子どもが元気になるためには、最低限学力も公立学校でつくっていかなければいけないということなんですね。
もちろん、早寝・早起き・朝御飯を徹底する、生活習慣がよくなった。それで子どもは元気になります。じゃ、それだけでいいのか。私は足りないと思っているんですよ。やっぱり何が生きる力かわからないから、いろんな指導をしていって、その経過を見ていきたい。それもわかりますけれども、結局、対症療法的なことではなく、今現実に起こっていることをいかに数値として、子どもたちは元気になった、学力が上がった。この両方が実現できれば、私はこんなにすばらしいことはないと思うんですよ。
もちろんご存じだと思いますけれども、そのために何ができるかということを実践している学校があるということを、そしてその実践を町田としても私はやるべきだ。それは昨年、12月定例会の佐藤常雄前議員もおっしゃられていたとは思うんですけれども、その佐藤常雄前議員が取り上げた公立小学校では平均偏差値、たった1年間で国語が53.9から59.5、算数が52.9から59.7に上がり、学力だけじゃないんです。5年生の体力測定、すべての競技で全国平均を大幅に上回りました。
一体何をしたのか。やってきたことは、生活習慣の改善、これを徹底させたこと、そして徹底した基礎学力、これを反復させること、これだったんですね。家庭での学習時間はそんなに長くない。早く寝かせている。よく学び、よく遊ばせていた。授業をさっさと終わらせて、外に遊びに行ったり、実験を行ったり、本当に子どもが興味を示すようなことを、もうテストで90点以上とったらさっさとやめて、みんなプリントを提出したら、その時点で終えて、じゃ、こういうことをやってみようじゃないかみたいな、そういう取り組みをしながら、生きる力も与えながら、子どもの体力も学力も向上させているんですよ。こういう取り組みがあるにもかかわらず、まだちょっと周りの様子を見ながら、どうしようかなというふうに思えるんですね。いいものはどんどん取り入れていいと思うんですよ。
実際に学校で取り組んでいらっしゃるところもあると思いますけれども、じゃ、取り組んでどうなったかがわからなければ、導入していいものなのかどうかわからないと思うんですね。ぜひ町田の学校でも、こういった統計をとっていただきたいと思うんですよ。就寝時間、睡眠時間、テレビの視聴時間、家庭での学習時間とか、そういったものを含め、どういった数値で、これをやったことによってどう変わってきたのか、これを検証しない限りは、私はいろんな情報があふれる中で、あれもやってみた、これもやってみた、一体どれが効果をあらわしたものかわからないということになると思います。
そうではなく、やはりなぜ原因なのかを突き詰めていった上で、今の時点でもしっかりと指導されているということですから、そこをまず徹底していただくこと。そして、受験戦争に巻き込まれる子どもたちが生きる力を失わないような基礎学力をつけていただきたいというお願いでございます。これについて、お考えがあればお聞かせをいただきたいと思います。

◎教育長(山田雄三) 基礎学力については大切だと思います。全校で基礎学力の向上ということで取り組んでおります。統計的にということですが、ほとんどの学校では、例えば保護者の方に評価をしていただいたり、学区によっては子どもたちに、例えば算数だとか、そういうものがわかるようになっただとか、そういう評価を大体年度末だとか、そういうときにはやっております。
いずれにしましても、生活習慣だとか基礎学力の向上については、これからも校長会等を通じて徹底をしてまいりたいというふうに思っております。

◆12番(新井克尚) 一番わかりやすいのは、体力測定の結果が上がること、これは子どもたちの運動能力が上がったということが一目でわかる数値だと思います。
そしてもう1つは、やはり国語、算数、こういった基礎学力の偏差値、こういったものも、私はデータとしてとって、そして公表していいんじゃないかなというふうに思うんですが、こういったことは既にやっていらっしゃいますでしょうか。

◎教育長(山田雄三) 偏差値教育云々は前々から言われていることですので、偏差値についてはやっておりません。ただ、基礎学力の向上は、先ほど来お答えをしていますように、60校すべてが掲げております。それがまず一番ですので、それからその上に立って、生活習慣ですとか、そういうものの徹底だとか、そういうものも、それぞれの学校で取り組んでおります。
ただ、先ほどもお答えをしましたが、残念ですが、ご家庭で、特に生活習慣ですね。それが及ばない部分があるということで、今年度の教育課程の中では、家庭のそういうものも織り込んだところでございます。ぜひご家庭と連携をしながら、生活習慣についても徹底をしていければというふうに考えております。

◆12番(新井克尚) 大切なことは、子どもも親も先生も、子どもが伸びているということを実感することだ、私はこれに尽きると思うんですよ。100升計算が爆発的に有名になったのは、基礎的な学力が上がるというよりも、子どもが学ぶ意欲をそれによって得ているんです。前回のタイムよりも上回った、自分は伸びている、これを実感することが学習意欲につながっているんですね。伸びることを実感するということが非常に大事なことなんですよ。数値であらわしていない。基礎学力を徹底してやっています。何が上がったのかをはっきりと示さなければ、まあよかったのかなとしかならないんじゃないかなと思います。
やはりはっきりとした数値で示し、そして子どもが伸びたということをぜひ提示していただきたいんですよ。これをやることで子どもも意欲がわくし、親もうれしい。先生も、もっと研究をして、そして子どもたちにいい教育をしていこう、こういう意欲につながってくると思います。まさしく先ほど取り上げたテーマ、研究と修養、これに当てはまるんじゃないかというふうに思います。ぜひ結果を恐れずに、数値をしっかりと出していただき、子どもが伸びたというデータを出していただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

◎教育長(山田雄三) ご指摘をいただきました学ぼうとする意欲、これは非常に大切なことだというふうに思います。数値化の話ですが、なかなか数値化は難しい面がありますが、例えば学校で校内研究発表会だとか、もろもろをやっておりますので、それとあわせて児童生徒からも、学校によっては、例えば数学なら数学がわかるようになったとかというのを、アンケートの結果、前年は70%の子ども、それを10%上げるだとか、そういうふうなことで学校としても今いろいろ努めているところでございます。
以上でございます。

◆12番(新井克尚) わかりました。子どもを元気にすること、そして基礎をしっかりやること、これが学力向上につながり、そして子どもを元気にする、体力の向上にもつながっていくということは私は間違いないというふうに思っております。
子どもたちが元気で学力も高い、そんな町田市、町田の学校をつくれれば、私は最高であるというふうに考えております。ほかから町田に引っ越したい、子どもを育てるならぜひ町田へ、そう胸を張って全国に発進できる市をつくれたならというふうに思い、本日の質問をさせていただきました。
ぜひ最後に市長から、その辺についての決意というか、思いをお話しいただけたらなというふうに思うんですが、いかがでしょうか。

◎市長(石阪丈一) 教育目標、その他につきましては、教育委員会の所掌でございますので、私の個人的なやってきたことだけを申し上げます。
私の子どもは3人おりますが、3人とも学力については一切の指導をしませんでした。ただ1つだけ、心の優しい子どもになるということだけは徹底してやりました。
以上であります。

◆12番(新井克尚) 私、何の質問をしたんでしたっけ。とにかく町田の子どもたちに元気になってほしい、そしてそのために必要なことをこの質問の中で挙げさせていただきました。ぜひ今後、教育行政の中で生かしていただければ、こんなにうれしいことはありません。そして、その結果をまた改めて調査させていただきますので、ぜひ全力で取り組んでいただきますようお願い申し上げ、以上で私の質問を終わります。

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