議会報告

[議会報告]平成21年6月定例会 – 市民病院の地方公営企業法全部適用後、新学習指導要領、地域本部について

[ 平成21年 6月定例会(第2回)-06月09日-04号 ]

1、市民病院について
2、新学習指導要領について

◆12番(新井克尚) 平成14年12月、私の母は、子宮肉腫という病気で市民病院に運ばれました。子宮筋腫の悪性、子宮がんの一種です。既にほかの臓器に転移しており、1回目の手術で子宮をすべて摘出しましたが、腫瘍はとり切れませんでした。
手術を終えた後は、隣に家族に説明をする部屋があります。私もそこにおりました。執刀してくださった医師は懇切丁寧に手術の内容を教えてくださいました。とり切れなかった腫瘍をとるために、翌日、緊急手術になりました。私は議会でこの本会議場におりました。父親が説明室におったんですけれども、執刀をしてくださった医師が父親にこう言ったそうです。「新井さん、とれましたよ。やりましたよ」、私の母は市民病院に命を救っていただきました。今も元気で暮らしていられるのは市民病院のおかげです。
この病院を本当にいい病院にしたい、その思いで今までも市民病院の質問をしてまいりました。だからこそ、この市民病院の問題を政局に利用する人がいるとするならば、私は絶対に許さない。
諸派になりました、新井克尚です。通告に基づき一般質問を行います。
1、市民病院について。
地方公営企業法全部適用後について。
平成15年に地方公営企業法全部適用を導入すべきと一般質問をしてから5年で条例が提案され、そして4月からスタートとなり、私も大変感慨深い思いでございます。スタートからまだ2カ月ではありますが、これまでと違うところ、どんな改革を行ってきたか、そして今後、どのように病院が変わっていくかなど、ぜひ市民の皆様に対してお聞かせをいただければと思います。
2、DPCについて。
3月定例会でも一般質問をいたしました。来月7月から始まるということで、開始前の準備内容、進捗状況などをお聞かせいただければと思います。
2、新学習指導要領について。
新学習指導要領は、小学校は平成23年、2011年、中学校は平成24年、2012年から実施されます。本年より、算数や理科を中心に前倒しして先行実施されています。ことし、来年と学校の授業が大きく変化をしていきますから、それに対応する準備が必要となります。
算数は授業時数が1割ほどふえ、学習内容も10年前、20年前の改訂で削られてきた内容が、今回の改訂で各教科でかなり復活をしてきておりまして、その結果、学習内容がかなり増加をしています。特に算数については、この10年、削られてきた台形の面積の求め方など、難しい内容がたくさん復活し、スパイラル学習という新しい反復学習も取り入れられます。このスパイラル学習の典型的な例としては、これまで4年生で学習していた分数を3年生に移行し、さらに簡単な分数、2分の1や4分の1などは2年生でやるということなど、重要な単元を下の学年におろし、次の学年でも繰り返し学習するという反復学習の1つです。ゆとり教育の時代には、落ちこぼれをなくすために難しい単元を上の学年に上げていきましたが、今回はその逆に、重要なものは早目に習って繰り返し学習をするという考え方に切りかわったのです。
その結果、反復する内容がふえた上に、前回の改訂で削られた内容も復活しますので、学習内容がかなりふえることになります。また、前回改訂のときに小学校で3割削減されていましたが、その影響もあって中学校のカリキュラムが相当きつくなっていました。例えば、かつて1次方程式を教えるのに20時間充てていたものを、今や6時間で教えているというありさまです。改訂が弊害を想定していない、まさしく象徴のようなお話です。
社会科で大きく変わったのが地理です。まずは今までの学習指導要領ではどうだったのかをお話をしたいと思います。ちなみに、文部科学省は学力低下を否定したものの、社会的批判を鎮静化させるため、2002年1月に当時の遠山文部科学大臣が現行学習指導要領は最低基準であると明言し、発展的学習として学習指導要領以上の内容を指導できることなど、学力向上を強調した「学びのすすめ」アピールを公表しておりますので、もちろんすべての学校で全くやっていないということではありませんので、一応申し添えます。
現在は、国際化の時代と言われています。小学校から英語を学習するという時代です。中学校の世界地理の現状はどうでしょうか。ヨーロッパの国について、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、ポルトガルといろいろあると思いますが、うち何カ国を中学校では学習するか、わかる方、いらっしゃいますでしょうか――わからないですか。大体どれぐらいでしょうね。1カ国、3カ国、5カ国――実は1カ国です。
ある教科書ではフランスでした。その書き出しの文章は、「みきさんは、おいしいフランスパンとカマンベールチーズを食べたことがきっかけで、生産国のフランスに興味を持ちました」「フランスは食文化が発達し、フランス料理は世界中に広まりました。日本のレストランでもフランス語がよく使われます。スープやデザートは英語になったフランス語です」、国際化の時代ですね。この内容には驚きます。別の教科書ではイギリスでした。その教科書は、「イギリスには午後にティーという習慣があります」と紹介され、おいしい紅茶の入れ方が書いてありました。
ほとんどの教科書がヨーロッパ1カ国、そしてアジア1カ国、最後にアメリカで終わりです。たった3カ国を学習して、今の義務教育での世界地理は終わりなのです。高校では世界地理は必修ではないので学習しない場合もあります。つまり、まともに世界のことを学習しないまま、多くの若者たちは成人していることになります。この世界の国を学習しないカリキュラムは10年以上変わらず、今日まで来たのです。
ある都立高校では、クラスの大半がフランスの首都がわからず、うち1人が「フランスの首都はイギリス」と答え、英語の先生が愕然としたという話があるそうです。ちなみに、この都立高校、偏差値50以上ないと入学できないところだそうです。
続いて、日本の地理です。47都道府県のうち、小学校では幾つ学習するでしょうか。わかる方、いらっしゃいますでしょうか――わからないですか。小学校ではやりません。学習指導要領に、現在は書いていないという状況です。中学校では3つの県だけやって終わりです。高校は行っても日本地理は必修ではないのでやらない場合もあります。その結果、どういうことが起きているか。教員志望の学生たちが集まるとある講演会で、富士山の位置がわからない人は手を挙げてくださいとアンケートをとったときに、国立大学で2割、私立の大学に至っては何と6割が手を挙げたそうです。
教員の育成の問題というのは、日本の教育を考える上で非常に重要です。なぜ重要か、それは今後、団塊世代の大量離職に伴う大量採用ということで、たくさんの若者たちを教員として採用していかなければならない時代を迎えているということです。そして、新しく教師になる彼らこそ、日本の教育改革の第1次世代です。ゆとり教育というのは、2002年から3割削減が話題になっていますが、実は最も重大な方向転換が行われたのは1992年の指導要領であります。間もなく教員になっていくだろう若者たちは、そういう日本の教育改革の変革期の第1世代なのです。
何が言いたいか。自分が習ってこなかったことを子どもたちに教える教師たちが学校にやってくるということです。地理に関しては、新しい指導要領では小学校3、4年に都道府県名と位置が加わることになりました。
深刻なのは理科です。大学入試で受験科目を減らすという弊害から、理科が苦手という教員がふえているそうです。科学技術振興機構のアンケートでは、教職経験10年未満の教員で理科指導が苦手、やや苦手と答えた割合が6割を超えたという結果が出ました。中学教員でも物理が苦手などという理科教員が少なくないとのことでした。その理科でも、新しい学習指導要領では多くの単元がふえました。教える側が若手教員だと、ゆとり教育で学んだ世代です。風で動くおもちゃやニクロム線に電気を通すと発熱する実験など、先生自身が小学校時代に習わなかった実験もあります。どう子どもたちにわかりやすく教えるかが大変重要な問題です。
八王子市立長池小学校教務主幹の坪池淳教諭は、「例えば夏と冬で水溶液の濃度を変えるなど、実験には準備段階からコツが要る。団塊の世代の退職でこうした指導法が伝わりにくくなっており、若い世代の先生にどう伝えるか工夫が必要」と話していらっしゃいます。改訂があるたびにどう対応していくのか、現場の混乱を避けるためのこのやりくり、事前の準備が子どもたちの学びにとって非常に重要なのです。
そこで、お伺いをいたします。
(1)新学習指導要領への移行措置はどうなっていますでしょうか。
(2)算数や理科などの先行実施について、現状と課題をお聞かせください。
3、地域本部について。
過去の一般質問で、この地域本部についてはさんざん取り上げてまいりました。何度も聞いてきましたので、壇上からは簡潔に質問いたします。
現状と課題は何か。
以上、壇上からの質問といたします。

◎市長(石阪丈一) 新井議員のご質問につきましては、教育委員会及び病院からお答えを申し上げます。

◎教育長(山田雄三) 項目2、新学習指導要領について、(1)移行措置について、(2)先行実施について、あわせてお答えをいたします。
新井議員さんから詳しいご紹介がありましたので、ちょっと答えに窮しているんですが、2008年3月、文部科学省より新しい学習指導要領が告示をされました。その基本的な考え方として、生きる力を育成、知識・技能の習得と思考力・判断力・表現力等の育成のバランスを重視、道徳教育や体育などの充実により、豊かな心や健やかな体の育成が示されております。新教育課程の授業時数は、小学校では低学年で年間70単位時間、1単位は45分、週2こま、それ以外の学年で35単位時間、週1こまが増加することや、5、6年生においては現行の教科のほかに外国語活動を追加することになっております。
また、中学校の授業時数は全学年で年間35単位時間、1単位時間は50分になります。週1こま増加することや、一方、総合的な学習の時間は、教科の知識、技能を活用する学習活動を各教科の中で充実することなどを踏まえ、3学年合わせて190時間に縮減することになっております。
また、新しい学習指導内容も示されております。例示については新井議員さんがたくさんなされましたが、例えば算数では、小学校1年生に簡単な2けたの足し算、引き算、中学校1年生では球の表面積と体積、理科では小学校5年生に水中の小さな生物、中学校1年生に力とばねの伸び、シダ植物やコケ植物等、新たな内容が示されており、移行措置期間での学年に応じた先行実施に取り組んでおります。
教育委員会といたしましては、小学校の2011年度、中学校の2012年度の学習指導要領全面実施に向けて、昨年度より教育課程編成委員会を立ち上げ、学習指導要領改訂の趣旨やポイント、授業時数のあり方等に関係する資料を作成し、各校へ理解、啓発を図り、本年度の各学校の教育課程に反映されております。
各小中学校では、この4月からの教育課程を編成するに際して、授業時数の確保や指導計画の作成、新しい学習指導内容に関する情報収集に努め、現在、移行措置の取り組みを進めております。現在の教科書に記載がない事項を指導する際に必要となる補助教材については、文部科学省より各校へ配付をされております。また、教育委員会では、教員の研修を充実するために、今年度より新たに理科実務研修を設けたり、大学連携研修の中に新学習指導要領の内容を入れたりしております。
小学校の外国語活動につきましては、2011年度より、5、6年生において年間35時間実施されることになっておりますが、本市においては昨年度より小中一貫「町田っ子カリキュラム」の中に外国語活動を位置づけ、本年度は全校24時間以上を実施し、35時間実施に向けての準備を進めております。
また、本年度、教育課程編成委員会において各教科の年間計画や指導資料の作成に取り組み、全面実施に向けた準備をさらに進めているところでございます。

◎市民病院総務部長(小野芳隆) 項目1、市民病院についての(1)地方公営企業法全部適用後についてにお答えいたします。
本年4月から、次のような運営体制の変革を行い、病院事業管理者主導のもとに市民病院中期経営計画の着実な実行を目指しております。
初めに、4名の副院長を置きまして、それぞれが統括、地域連携、研究、救急を担当することにより機動的な病院運営を行っています。
次に、事務局を総務部と経営部に分離し、よりきめ細かな事務執行を行っております。
次に、病院内での情報伝達を活発にするため、市民病院経営会議に医療技術部門の職員が参加しております。
次に、5月27日に第1回の町田市病院事業運営評価委員会を開催いたしました。これまで不足しておりました市民への情報提供と市民の意見を積極的に病院運営に取り入れる機会を設けることができました。
次に、医師派遣元の大学との情報交換や意見交換を行い、円滑な病院運営、とりわけ医師の安定確保を目指した(仮称)関連大学病院協議会を秋に開催すべく準備を進めております。
次に、医療と地域をつなぐコミュニケーションマガジンとして、季刊の病院報を発行いたしました。また、多職種の職員から成る編集委員会を設置いたしました。
次に、入院料包括点数制度、DPCに不可欠な診療情報管理士を4月に1名配置し、さらに9月にも若干名を採用する予定でございます。
以上です。

◎市民病院経営部長(松村信一) 項目番号1の(2)DPCについてお答えします。
7月から本算定開始に向けて、昨年10月から地域連携担当の副院長をリーダーとするプロジェクトチームを結成し、準備作業と進捗確認を行ってまいりました。病院内の各分野のこれまで実施した準備内容を申し上げますと、疾病別の治療スケジュールを標準化するクリニカルパスは、委員会を設けて書きかえ及び追加を進めました。薬剤につきましては、後発医薬品であるジェネリックへの変更が可能かどうかの検討を済ませました。診療材料につきましては、品目の統一と価格引き下げの交渉を継続的に行っております。診療情報管理士による院内研修が最終段階を迎えております。DPC算定後の収益向上のため、診療報酬分析ソフトを導入し、他病院とのデータ比較を進めております。
これらの準備をもとに、7月1日からDPC算定を導入いたします。
以上です。

◎学校教育部長(白井一生) それでは、項目番号3、地域本部についての(1)現状と課題は何かについてお答え申し上げます。
教育委員会では、学校の教育活動の充実と地域の活性化に寄与し、地域協働の学校をつくることを目的としまして、昨年度から学校支援センター事業に取り組んでございます。本市におきましては、文部科学省の学校支援地域本部事業の一環としまして町田市学校支援実行委員会を立ち上げまして、学校支援センター事業を実施してございます。また、本事業は町田市教育プランに位置づけているところでございます。
現在、学校の実情やニーズに対応した地域の人材の募集、登録、紹介を行う窓口としまして町田市学校支援センターを設置し、市内全校での教育活動の充実が図られているところでございます。
また、地域の方々と学校をつなぐ調整役としましてボランティアコーディネーターを配置しておりますが、本事業の実施により配置校が昨年の26校から43校になるなど、各校での地域人材の効果的な活用を推進してございます。
今後の課題としましては、学校支援センターの登録人員が現在260名ということでございますが、その数をさらにふやし、全校のニーズや実情に合っていくこと、また、全校にボランティアコーディネーターを配置すること、地域人材の活用を一層充実を図っていくことが求められてございます。今後もこの本事業を充実するために取り組みを継続してまいります。
以上でございます。

◆12番(新井克尚) それでは、市民病院についてから再質問を行います。
4名の副院長、それぞれ役割が決まっていたり、総務部と経営部に分離、また、情報伝達を活発にするために経営会議に医療技術部門の職員の参加、病院事業運営評価委員会の開催とか、あとは、医師派遣元の大学との情報交換、意見交換、本当にさまざま行っていらっしゃって、また、医療と地域をつなぐコミュニケーションマガジン、昨日の一般質問でも取り上げられましたね、こちら。大変評判がいいと聞いておりますし、すばらしい取り組みだと思います。早速ジャーナリストとしての経験も出されていらっしゃるわけですね。
そして、今定例会の一般質問でも病院事業管理者からお話がありました医療の質の向上、そして情報公開、それに必要な体制がしっかりとつくられているのではないかという感想を持った次第でございますが、それを踏まえた上で、さらに細かく聞いてまいります。
全部適用に関して、医師の確保が心配をされておりました。全部適用後、現状はどうでしょうか、お聞かせください。

◎市民病院総務部長(小野芳隆) 全部適用以後、4月以降も医師数については変わっておりませんので、問題はないと考えております。今後も医師の安定確保を目指してまいります。

◆12番(新井克尚) 全部適用に移行すると医師が何人もやめるといううわさがありましたが、それは間違いだったということでよろしいでしょうか。

◎市民病院総務部長(小野芳隆) 医師の数は変わっていないというところでご理解いただきたいと思います。

◆12番(新井克尚) 何人もやめたのか、それとも実際は医師の数は減っていないということですから、では、騒いでいた人たちは一体何だったのかなという感想を持つところでございます。
医師、看護師、市民に対する周知について、これにも心配の声が上がっておりました。どのような声が上がっていたか、具体的にあればお聞かせいただけますでしょうか。

◎市民病院総務部長(小野芳隆) さまざまな声がございましたけれども、現在のところ、周知についての心配の声は聞いておりません。

◆12番(新井克尚) それについても問題がなかったということで理解をいたします。
そして、病院事業管理者である四方さんが昨年より準備担当者として市民病院にいらっしゃいました。準備担当の期間、これは今に生きておりますでしょうか、確認をさせてください。

◎市民病院総務部長(小野芳隆) 病院事業管理者には、昨年10月14日から町田市病院事業管理準備担当者としてご着任いただいておりました。この間、病院事業予算の原案作成ですとか、市民病院中期経営計画の策定にかかわったり、医師を初めとした多くの職員との個別の面談等によりまして、4月1日からのスムーズな全部適用移行に向けて準備をすることができたと思います。
また、先ほど申しましたように、事務局の組織を改正し、体制の強化にも着手されました。
以上です。

◆12番(新井克尚) ありがとうございます。
市川議員の質問の中で、専門職員の採用というのがありました。診療情報管理士については後ほどDPCのほうで再質問いたしますが、事務職について、ここで再質問いたします。
管理者のほうから、病院に骨を埋める、そういう気概を持った人に来てもらいたいといった内容のお話がありました。未収金対策や診療報酬の取り漏れなどを解決するには、医療事務に精通した事務職員を育てる必要があり、数年勤務して市長部局に戻る、市長部局から新しく来た職員にはまた1から教えるでは、こういった問題を解決し、安定した経営を行うのは難しいのではないかと私も思います。
病院事業管理者のお話をされた、病院には病院事務専門の事務職を配置する必要があるというふうに思いますけれども、ここで1つ問題が。都道府県立病院のように、幾つかの病院を自治体が抱えていて、その病院を人事異動して交流するというのであれば問題はないかもしれませんが、しかし、町田市には市民病院が1つしかありません。1度働き始めた職場で一生異動届を出せない、それはそれでさまざまな弊害もあるのではないかというふうに予想されます。もしそうするのであれば、それなりの保障をするとか、具体的には手当をつけるなどのこと、そして、すべての職員ではなく全体の何割かの職員を専門職として配属するなどが考えられると思うんですが、そのあたりはいかがなのでしょう。どうお考えでしょうか、お聞かせください。

◎市民病院総務部長(小野芳隆) 現在、病院の事務職につきましては本庁との交流職員であります。議員ご指摘のとおり、病院事務に精通した職員を育成することは課題であるというふうに認識しております。
今後ですが、医事業務専門の事務職員、そういった方の採用というようなことも検討していきたいというふうに考えております。

◆12番(新井克尚) この人事の内規というのは、どういう形になっているんですか。市民病院のほうで独自で採用できるとか、あとは、専門職としてできるとか、そのあたりをお聞かせいただけますか。

◎総務部長(渋谷友克) お答えいたします。
病院と、それから市長部局との人事交流に関しての明確なルールはございません。
以上でございます。

◆12番(新井克尚) せっかく全部適用にしたのに、この辺のルールがないというのは非常にもったいないのかなというふうにも思います。やはりこの事務職の専門性については早急に検討していただいて、必要な内規をつくるのであれば内規をつくるなり、改正を行っていただきたいと思いますけれども、このあたりはいかがでしょうか。

◎総務部長(渋谷友克) 今、議員ご指摘の問題でございますが、全部適用ということになりました以上、例えば病院の職員定数という部分におきましても、これは病院のほうが決定をしていくということになります。したがって、当然病院の職員の採用についても病院が独自に行い得るということになりますが、ただ、先ほど来お話がございますように、現在は人事交流の職員が事務職員として向こうに、病院のほうに行っているわけでございますので、この辺のルールづくりについては、これはしていかなくちゃいけないというふうに思っております。
私どもといたしましても、専任的にある職場、一定の職場にとどまる職員、従事する職員についての存在を今後いかにしていくかということについては検討を進めておりまして、例えばいわゆる専任職、専門職といったようなことで整理できる可能性もあるのではないかというふうに考えております。
いずれにいたしましても、その辺の人事交流についての、病院側とこちら側とのルール化がややおくれている部分もございますので、これは精力的に詰めてまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。

◆12番(新井克尚) わかりました。病院事業管理者の四方さんが非常に熱い思いをお持ちだったんですが、4月1日からスタートできなかったのは、このあたりも大変難しい問題をやはり含んでいるのかなと想像するところでございます。今現在、検討が進んでいるということでございますので、ぜひ早く進めていただきたいとお願いを申し上げる次第です。
ところで、先ほど未収金について若干触れました。この未収金対策というのはどのようにしていかれるおつもりでしょうか。

◎市民病院総務部長(小野芳隆) 昨年度、未収金対応の専門の再任用職員を置きまして、督促ですとか、分納相談の対応を開始しているところですが、今年度から医事課に収納業務を担当します収納係を設置いたしました。これらによりまして未収金管理を強化するということで、未収金発生後に速やかに督促を行って、早期解決を目指す、そういう方針でいきたいと思います。

◆12番(新井克尚) 意気込みは大変感じられましたので、あとは額については、また改めて成果が出たときにでも触れたいというふうに思っております。
全部適用の、本年第1回定例会で提出された町田市民病院における地方公営企業法全部適用の施行時期と事業管理者についての請願というのがありました。病院事業管理者に医療経験の全くない方に重大な病院経営は任せられない。市民病院の医師及び職員も圧倒的に反対でありますとありました。一応ここも引っかかっておりまして、圧倒的に反対だったのか、確認をさせていただいてよろしいでしょうか。

◎市民病院総務部長(小野芳隆) 現在、院長を初め医師及び職員は管理者と協力して病院運営をしていくことで一致しておりますので、その点でご理解いただきたいと思います。

◆12番(新井克尚) 医師もやめていないということですし、いろいろ発言されていた女性の医師も市民病院でまだ働いていらっしゃるといううわさも聞きました。
同じく、町田市民病院を地方公営企業法全部適用に移行することを見合わせる請願には、公立病院としての役割をしっかりと堅持するという立場から実施を見合わせることが要望されました。
石阪市長にお伺いをいたします。市長は、全部適用はその後の布石ではないと過去に答弁されていらっしゃったと思います。山下議員の質問に対しては総務部長が答弁されていましたね。あえてここで再度確認をさせていただきます。総務省の指針で示されたほかの選択肢である地方独立行政法人非公務員型、指定管理者、民間移譲を町田市民病院に適用しようというおつもりはありますか、お聞かせください。

◎市長(石阪丈一) これはもう言うまでもないことですが、そういうつもりは全くございません。

◆12番(新井克尚) それは石阪市長が在任をしている限り変わらないと考えてよろしいでしょうか。

◎市長(石阪丈一) もう何カ月先で任期が切れますので、仮定のご質問にはお答えできません。

◆12番(新井克尚) 少なくとも任期までは変わらないということだと思います。ですって。じゃ、大丈夫ですよね。
夜間小児救急再開の経緯についてちょっとお伺いをしたいと思います。
昨日の一般質問の中で答弁がありました。昨年9月25日から小児救急医療を休止しておりましたが、常勤医が3名から5名になり、再開に向けた医師の確保が整いましたので、本年4月11日午前零時から救急車による搬送と、市内の開業医及び町田市医師会準夜急患こどもクリニックからの紹介に限定して小児救急医療を再開したという内容だったかと思います。
そこで、伺います。
全部適用は夜間の小児救急が再開されるまで待つべきだという主張もありました。その必要は全くなかったということでよろしいでしょうか。

◎市民病院総務部長(小野芳隆) 小児2次救急につきましては4月11日から再開いたしたところですので、その必要はなかったと考えております。

◆12番(新井克尚) 確認されました。ありがとうございます。
さらに、市川議員の質問の中で、準夜救急にとどまらず深夜救急を始めるというお話もありました。大変すばらしいお話だと思いますし、全面的にバックアップをしたいと思います。目標でも構いませんので、具体的なスケジュールなどをお話しできる段階でしょうか。

◎市民病院総務部長(小野芳隆) 小児救急の休止の原因が軽症の患者様、入院治療の必要のない患者様の1次対応、これによる医師の疲弊ということが原因だったわけです。このことを踏まえまして、今回、救急車による搬送と市内の開業医及び町田市医師会準夜急患こどもクリニックからの紹介に限定して再開したところでございます。
現在、1次対応については医師会と町田市と市民病院の3者協力のもとで方策を検討中であります。できるだけ早い時期の実現を目指しているというところでございます。

◆12番(新井克尚) 全部適用に移行して、さらにいい方向に進んでいるということが確認できたので大変満足をいたしております。
1番については、これで終わりたいと思います。
2番、DPCについて。
さまざまご報告をいただきましたが、やはり気になるところが診療情報管理士です。確保状況。4月に1名配置し、さらに9月にも若干名採用する予定ということでした。9月まで1名で本当に大丈夫なんでしょうか。一応研修が進んでいるということでしたけれども、最終的に何人必要なのか、心配なので、一応そこを確認させてください。

◎市民病院経営部長(松村信一) 4月に1名採用し、今現在、9月に若干名の募集をかけているところであります。最終的には、患者数からすると、6名程度は必要ではないかと思っております。

◆12番(新井克尚) 6名中1名ということで、若干名募集、早目に体制を整えていただけると、より安定するのかなという気がしますが、1名で何とかなるものなんですかね。その辺は早急に対応していったほうがいいのかなという印象を持ちました。
DPCについて、3月定例会で質問できなかった3点、確認をさせていただきたいと思います。
DPCデータは全国共通であり、非常に有用なデータですが、保険診療を対象とした入院患者のデータであるために、病院の経営情報に変換する場合、DPCデータだけでは不十分と言われております。外来や自賠責、労災、自費などのデータが必要で、数値になっていないデータを日ごろから数値化し、継続して蓄積すれば貴重なデータとなります。
そこで、伺います。
DPCデータ以外の情報は蓄積しておりますでしょうか。

◎市民病院経営部長(松村信一) ご指摘のとおり、DPCデータは診療報酬の入院患者様のデータでございます。それに限らず、医事データというのが非常に重要でありますので、今言われました外来、自賠責、労災、自費などのデータは同様に蓄積しております。
以上です。

◆12番(新井克尚) 蓄積しているということで、ありがとうございます。
次に、入退院数、手術件数が増加するというふうに予想がされるわけでありまして、急性期病院としては好ましい状況ですけれども、全体に業務量は増加するということが懸念されます。医療職の疲労を緩和し、医療事故を未然に防ぎ、質の高い医療を提供するために事務部分の努力が今まで以上に期待をされるわけです。手術主体、高度の検査主体の入院がふえることが予想されると、全身麻酔数の増加などと相まって、ケア量、説明量がふえます。頻繁な入退院への合間を縫って手術室への送り出し、及び引き取りと術後の管理があり、急性期病院の看護師の手は休むことがないと言われております。手術数の増加にどう対応するかが看護部門のテーマになるわけですけれども、これはどのような対策を行っているのでしょうか。

◎市民病院経営部長(松村信一) DPCに移行するためにですけれども、昨年、7対1看護要員ということで、看護師は既に配置しておりますので、増員しております。
以上です。

◆12番(新井克尚) 現在の増員数で対応できるということで確認をさせていただきます。
最後に、出来高時代には、入院後の感染症や医療事故部分の治療も収入になりました。しかし、DPCでは全国平均の感染症率や事故率が見込まれているのみですので、それを超えた部分は病院の持ち出しとなります。看護部門の負担というのがやはり懸念されますけれども、医療事故対策はどうでしょう。

◎市民病院経営部長(松村信一) 今のご質問ですけれども、説明責任は医療事故の増加とは関係なく十分に行われる必要がございます。医療対策のためにも、事前の医療の説明を十分に行い、同意と納得を得るようにしております。現在、病院内では感染症対策の関係で院内感染症対策委員会、あるいはヒヤリハットという言葉であらわすんですけれども、日常の診療の行為の中で危険というんですか、危ない状況が発生した場合に、その対策等を話し合う医療安全管理委員会というのが毎月行われております。それにあわせて、つけ足して、職員全員に安全ハンドブックというものを配付しておりまして、医療の安全については十分注意しているところであります。
以上です。

◆12番(新井克尚) DPCについては、恐らく診療情報管理士、この確保が最大の課題になるのかなというような印象を持ちました。やはり、ここをしっかりやっていただくことと、あとは、市民に対する周知ですね、3月の質問でもいたしました。ここをまたしっかりやっていただきまして、DPCは特にどういう制度なのかよくわからないという方も非常に多いというふうに聞いておりますので、このDPCについての周知を引き続きやっていただきたいと要望いたしまして、この質問は終わります。
次に、新学習指導要領についてです。
私が平成14年6月に学習障がいの子どもについての一般質問をいたしました。学習障がいの子どもに対する対応はどうしていますか。研修をしています。プリントを作成して配付をしています。しかし、その平成14年、私が質問する前、平成11年に別の、もう引退された議員さんが同じ内容の質問をしていました。その間に、学習障がいを理解しない先生が担任の先生になってしまい、登校拒否になってしまった子どもが出てしまいました。
そこでお願いしたことは、研修をしても興味がない人は来ない。資料を作成して配付しても、結局興味がなければ読まない。それでは全く意味がないということをお話しさせていただきました。今回、この指導要領の改訂ですが、やはり研修をする、資料を作成して配付をしている、同じような内容だった記憶がありまして、ここに懸念を持っているところでございます。
今回の指導要領の改訂の問題点ですが、先ほど、たくさんお話をさせていただきました。特に理科が顕著だと言われております。改訂されるたびに最も翻弄されているのが理科ではないかというふうにも言われております。その原因は時間数であり、今回の改訂では、最も実験、観察に取り組む学年である中1が厳しくなるということがもう既にわかっているそうです。その上に、理科が苦手という教員の割合、町田がどうかわかりませんが、私は、このあたりを1回しっかりと調べたほうがいいんじゃないかなと。やはりそういう方を教育委員会としてもしっかりと把握をして、重点的に、どういうようなカリキュラムでどういうふうに教えていくかというのをやられたほうがいいんじゃないかと思うんですけれども、そのあたりはいかがでしょうか。

◎教育長(山田雄三) 理科の苦手な教員のことだと思いますが、確かに小学校の教員は全科目を担当しております。専門ということで、音楽とか専科の先生がいる学校はありますけれども。理科の指導を苦手と思っている教員は確かにいると思いますが、その数は把握しておりません。理科好きの子どもを育てる上で教員自身が理科指導をしっかりと行うということが必要だなというふうに感じております。
そこで、校内で理科の堪能な先生が苦手と感じている教員に指導法を教えたり、あるいは先輩教員が若手教員に教えたりといったOJT、これが大切になるというふうに考えております。また、研修については毎年実施をしている理科実技研修に加え、今年度は新学習指導要領に追加された内容についての研修会を2回実施しております。ほかにも、小学校科学教育センター、これは小学校5年生ですが、全校で80名ぐらいでしょうか、それから、中学校科学教育センター、これも40名ぐらいですが、土曜日ですが、実施をしております。
そういう中で、小学校では71名の先生方に運営をお願いしております。科学教育センターについては、ふだんの学校の授業ではできないような実験ですとか、あるいは三浦半島へ行って生物を調べたりだとか、あるいは市内の科学の企業、そういう方にも応援をしていただいたりというふうなことをしております。
せっかく研修をやっても参加しなければというお話がありましたが、夏に玉川大学と桜美林大学をお借りして研修しておりますが、昨年もたしか80%以上の参加率だったと思いますので、その辺についてはさらに研修参加を促していきたいというふうに考えております。
そのほかに、理科については、担任だけでは不十分というものについては学校支援ボランティアの方にも応援をしていただきまして、地域の方だとか、そういう方と連携しながら進めていければというふうに思っております。

◆12番(新井克尚) どうもこの教育委員会の対応というのはすごく性善説なんですよね。研修をしています、だから大丈夫ですというような感じで、ちゃんとやる気のある人は来てくれます。しかし、そこにやる気のない人が8割来ているんだったら、2割の中にやる気のない人がいたらどうするんですかと私は考えてしまうんです。そこに対する対策の話が出てると、ああ、なるほどと思うんですけれども、私はどうも論語より韓非子のほうが好きな人間なので、そういうふうに疑ってしまうんです。
つい先日の話ですけれども、上下水道部は本当にすばらしいことをされたと思います。内部調査をされて、ずっとこれまで放置され続けてきたことが石阪市長の考えが浸透して、問題が発覚をして、それで改善に向かって進んでいるということがあるわけで、やはり内部でしっかりと調査をして、それを把握するということは大事なんじゃないかなと。そこで問題点がやっと出てきて、どうやって対策を打つかという話になってくるものだと思うので、検証をやっています、ちゃんと情報は提供しています。だから大丈夫ですだと、ちょっとこの質問は納得ができないかなというところなんですが、いかがでしょうか。

◎教育長(山田雄三) 先ほどお答えしましたように、研修も充実をして、参加率も向上しておりますし、何よりも校内で、理科については苦手とする先生、それから、堪能な先生がいらっしゃいますから、そういう先生が教えたりだとか、特に若手の教員に対しては先輩教員が教えるだとか、そういうことで充実をしていきたいというふうに考えております。

◆12番(新井克尚) 100%やる気のある先生だったら、その前提で成り立つんだと思うんです。学習障がいの子どものときは、不登校になった子どもがいたじゃないですか。それと同じことは考えられないのかと思うと、やはり何かしらの対策をさらにとらなきゃいけないんじゃないかと思います。これ以上聞いても、恐らく答えは変わらないかなと思いますが、内部で引き続き検討をしていただければと思います。よろしくお願いいたします。
最後に、地域本部についてでございます。
この地域本部、現状と課題は何かということで、ボランティアのコーディネーター、26校から43校、まだ全校ではないわけです。ここに1つの課題があるということ、そして、260名の登録の方をさらにふやしていって、いろんな形で派遣をしていくということだと思うんですが、成功した事例も幾つかあると思うので、ぜひその辺をお聞かせいただきたかったんです。例えば図書館の改善をしている学校とか、あとは学生のボランティアを使って子どもたちに勉強を教えているとか、そういった事例があれば、ぜひお話をいただきたかったんですが、どうでしょう。

◎学校教育部長(白井一生) 数々のボランティアの方が活動なされていまして、その中で、効果といいますか、成果が上がったという形につきましては、やはり学習支援、これは学生ボランティアの方もおりましたし、社会人の方もいらっしゃいます。いわゆる学習支援の中で児童生徒に対する教育活動を行っていただいて成果が上がっているということと、あともう1つ、児童の通学、下校のときの通学路の安全をやっていただいている方が結構いらっしゃいます。その方もボランティアでお願いしているわけでございますけれども、やはりそのときに朝の通学の中で、例えば横断歩道を渡るときにボランティアの方が声をかけていただく、その中であいさつをするということもございます。そうしますと、児童の中では、日々の中であいさつが身につくというような検証も出てございます。
あと、議員ご指摘のように、学校図書室につきましての図書の配架ですとか管理、こういうものもかなり成果が上がっているということで、成果があるのには結構たくさんの事例がございますけれども、この辺にしたいと思います。

◆12番(新井克尚) この地域本部のスタートとなった杉並区立和田中学校、ここでは、一番初めに手をかけたのが、まさしく図書室の改善であったと。その後、よのなか科という授業を通じて学生が出入りしたり、地域の大人が出入りするようになって、そこからボランティアがどんどんふえていって地域本部が立ち上がったということになるんです。この和田中学校では、すべての生徒を対象に宿題などの個別の学習フォローを行える土曜日学校を立ち上げています。この土曜日学校、土曜日寺小屋、いわゆるドテラというものなんですが、これを支えているのは、将来教師を目指す大学生のボランティアです。地域の学生ばかりでなく、よのなか科の授業を見学して興味を持った学生、その学生から口コミで興味を持った学生、中には海外勤務10数年で5カ国語ぺらぺらなんていう団塊世代の猛者たちがいつの間にかボランティアに加わって子どもたちを教えるということがあるそうです。
それまで地域社会とは無縁だった若い世代のみならず、定年後、地域社会に戻ってきて自宅でくすぶっていた経験豊富な大人たちも学校に招き入れる呼び水になったということでございました。その人たちがいたからこそ、夏休みもドテラ・サマースペシャルと名づけた学びのコミュニティーを展開できたということなんですけれども、こういう成功の事例というのは見に行ったりされましたでしょうか、どうでしょう。

◎学校教育部長(白井一生) 杉並区の和田中学校の活動につきましては、非常に興味を持ってございます。ただ、残念ながら、私はまだ見に行ってございません。ただ、いろいろな文章ですとか書籍で紹介されてございますので、その内容については逐一教育委員会としても把握しているところでございます。

◆12番(新井克尚) 百聞は一見にしかずじゃないですか、行くべきですよ。行っても大丈夫ですよね――ほら、副市長も「うん」とうなずいています。
ただ、一番大事なのが、過去に一般質問で取り上げたよのなか科です。これは、町田でやっていますでしょうか。教育改革を推し進めている大阪では、地域本部だけでなく、このよのなか科も同時に進めているということはご存じでしょうか。地域本部の大もととなった和田中学校で、すべてのネットワークの核になったのが、このよのなか科なんです。地域本部も土曜日寺小屋、こういったものも、すべてよのなか科からのスタートでした。地域本部の核となった人材も、この土曜日寺小屋の学生ボランティアも、よのなか科を経由している。学校支援のためのボランティアとして、例えばPTA会長さんや、地域の世話好きの人に頼んで無理やり地域本部をつくらせたとしても、立ち上がりはともかく継続させることは難しい。和田中学校の地域本部が世代交流をしながらも続けていけるのは、人をつなげて活性化させるよのなか科という外に開かれた出島があったからこそであると、地域本部を立ち上げた、この藤原和博さんはお話をされていらっしゃいます。
この和田中学校から発した動き、大阪府で実際に始まっております。よのなか科から始まり、ドテラの放課後バージョンであるおおさか・まなび舎事業、そして塾の講師や家庭教師による補習授業のサポート体制、学校への大学生ボランティアの大量導入、よのなか科や地域本部の設置は申し上げたとおりで、あと、基礎学力の定着のための任天堂DSの利用など、こういったことまでやっているわけです。
こういう先進的な事例は、やはりまず見に行って、どういうものか、そして苦労した話を直接聞いていただきたいということと、あと、文部科学省に地域本部を設置しなさいと言われて、だから設置しましただけでは失敗する可能性があるということを、地域本部をスタートさせた藤原和博さんは指摘をされていらっしゃいます。
やはり地域の大人を呼び込む仕組みが何かしら必要、その一番大事な仕組みがよのなか科という事業でございます。このよのなか科、町田で導入してくださいと過去に質問いたしましたが、今現在、どうでしょう。

◎学校教育部長(白井一生) 現在、町田市においては、こういうボランティア活動も含めた学校支援センター事業を展開してございますけれども、議員ご指摘のよのなか科については、まだその段階には至っていないと認識しています。

◆12番(新井克尚) コーディネーターを集めて、それもまだ全員集まっていない、さらにボランティアを集める、これも非常に苦労されていると思います。260名というお話でしたが、和田中学校の地域本部はボランティアの方が既に100人以上いるんです。1つの学校でです。そのネットワークをつくったのは、やはり学校にまず地域の大人を呼び込んで、子どもたちといろいろディスカッションをさせて、自分はこの学校のために何かできないか、その仕組みがあったからこそ。自分は何かできますよと登録しても、結局何をやっていいかわからない、コーディネーターの人もどうやってつなげていいかわからない、これが今の現状だと思うんです。
やはりいろいろな大人をまず学校に呼んでくる、その仕組みをつくらないと、この地域本部は先行きが非常に怪しいのではないかと懸念をしております。ぜひこのよのなか科、実際に見に行って、そして体験していただきたいと思います。地域の大人が授業の中に入って子どもたちと一緒にディスカッションできます。そこの学校もウエルカムです。まさしくもう地域の大人がぜひ入って、子どもたちと議論してくださいと言っております。こういう仕組みがあるからこそ地域本部ができ上がったというのを体験していただきたいと思います。
そして、そこからまたさらに進展させていけば、和田中学校の英語Aコース、英語は5段階あって、4、5の子どもをさらに6まで引き上げようというような取り組みをやられているんです。スペシャルコースなんですけれども、それは希望制で英語をさらに勉強したいという子どもが、その授業を受けたことによって、結局、その子たちのレベルが上がったので、その子たちが周りに教えるようになって、周りの子どもたちの英語力も上がったとか、そういういい効果も出ていますし、さまざまな批判のあった夜スペシャル、SAPIXという民間の塾が学校の中に入って有料で、本当に少ない額ではありますけれども、補習をすると。さらに、勉強をしたい子どもなので、基本的には成績のいい子をさらに伸ばすという考え方、これも一緒なんですけれども、こういうこともさまざまな人の協力を得ながら、私は町田でも導入すべきであるというふうに考えております。
いろいろお話ししたいことはあったんですが、残り時間も少ないので、詳しい話はまた改めてさせていただきたいと思いますが、そこまでちょっと提案をさせていただきました、今現在の感想をぜひお聞かせいただければと思います。

◎学校教育部長(白井一生) 議員の数々のご提案を厳粛に受けとめてございます。
また、和田中学校につきましては、いろいろ実地調査も、私自身やってみたいと思っています。

◆12番(新井克尚) 最後に、繰り返しになりますけれども、文部科学省から言われているから地域本部を設置しましたでは、やはり藤原さんの指摘されたような結果になるのではないかという懸念がございます。大阪府のように積極的な教育政策を実行していただきたいとお願いを申し上げまして、私の一般質問を終わります。
ありがとうございました。

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