議会報告

[議会報告]平成21年12月定例会 – 都立3小児病院の廃止、学力調査について

[平成21年12月定例会(第4回)−12月22日-07号]

1. 都立3小児病院の廃止条例撤回を求める意見書について
2. 学力調査について

◆12番( 新井克尚) 議員提出議案第22号 都立3小児病院の廃止条例撤回を求める意見書について質疑をさせていただきます。
3小児病院の廃止についてですが、廃止をする理由として、医療人材不足の中、来年3月にオープンする小児総合医療センターとの両立が困難であるということが理由であると。
こちらに書いてある内容は、できればやっている、できないからやむを得ない選択をしていると私は認識をしておりますが、こちらの意見書の本文中には、「医師確保をすすめながら段階的に拡大していけば3つの小児病院の存続と両立することは十分に可能である」と書いてあります。この十分可能である根拠をお聞かせください。

◆9番(佐々木智子) この意見書の中にもありますけれども、東京都は今、府中に小児総合医療センターをつくるという計画をしています。この小児総合医療センターですけれども、3小児病院に比べて、東京都の計画では医師で5割増し、看護師でも2割増し増員をするとなっています。
これは、3小児病院をそのまま残したとしても新しい病院に医師が50人程度、看護師も100人程度がもう既に確保できるということであります。小児総合医療センターのほうを段階的に開設していけば3小児病院の存続の可能性があるということを、私は十分可能であると強調したものであります。そこをお酌み取りいただきたいと思います。

◆12番( 新井克尚) たらい回しなどで問題となっているこの医師不足の中で、なぜ統合しなければいけないのかというところについては、医師がその数で足りるのかどうかということも含めて議論をなされるべきであると考えるんですが、その50人確保されているから大丈夫だという根拠がもしあるのであれば、ぜひお聞かせいただければと思います。

◆9番(佐々木智子) たらい回しの問題と言われるのであれば、今までの3小児病院をなくして1つに統合する、そのことのほうが子どもたちの緊急医療については、やはり近くにあってこそ救える命が多いと考えています。ですから、3小児病院を存続しつつ、新しい病院のほうも東京都が十分な医師確保を進めて段階的に広げていくということで、たらい回しも、一括して大きい病院、1つにするよりもなくなると考えています。

◆12番( 新井克尚) 議員提出議案第22号 都立3小児病院の廃止条例撤回を求める意見書に反対の立場で、議員提出議案第24号 全児童生徒方式による全国学力・学習状況調査の継続を求める意見書に賛成の立場で討論を行います。
まず、議員提出議案第22号についてであります。
先ほど質疑の中でたらい回しの件がありました。病院が多ければたらい回しがないというのは、まさしく現状認識が甘いと言わざるを得ません。であるならば、なぜ墨東病院のあの妊婦さんは救えなかったのか。これは医師不足が原因で、各病院に分散をしていることで、だからこそ、自分の病院では救えないから別の病院に行ってくれ、これがたらい回しの原因であります。
今、病院は患者を救える体制にあるのかと言えば、ないと言うのがまさしく医師不足の現状をあらわしております。関西圏でも病院に必要な医師を100とすると、大体8割、関東圏では7割と言われております。これは、厚生労働省が昭和23年の基準をもって、今日本は医者の数が多いと言っていることが1つの要因であります。ここは確かにおかしい、変えなければならない。しかし、だからといって、すべての病院を存続させることが医師確保につながるかというと、この一番多い関西地区でも8割しか医者が足りない状況を考えても、やはり病院の再編は必要となってまいります。まさに総論賛成各論反対の典型ではないでしょうか。こういった意見書を上げることは、まさしく今の医療問題を間違った方向にミスリードするものであります。
ですから、この議員提出議案第22号には反対をいたします。
そして、議員提出議案第24号、学力調査でありますけれども、学力調査は何のために行うのか。自分の学力を高めるためというのはもちろん1つあります。それは、対策をとるためにデータがなければ何もすることはできません。抽出方法では、その抽出したところはわかるかもしれませんが、ぼんやりとしてしまって、どういう対策を打てばいいのかはっきりとわからない。競争社会になるという議論は確かに1つあるかもしれませんが、学力を上げることの何がいけないのか、学力を上げることのみに向かっているとは、私は全く思いません。今の学校の教育が学力だけに向かっているという証拠は何も示されないまま、ただ学力調査だけを反対するというのは、私はこれは納得のいく理由ではないと考えます。
やはり日本の未来を背負う子どもたちの学力を上げるためにも、この学力調査は継続をすべきであると考え、この議員提出議案第24号には賛成をいたします。
以上です。

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