平成23年 3月定例会(第1回)−03月09日-05号
◆14番( 新井克尚) まちだ新世紀・みんな会派の一員として、通告に基づき一般質問を行います。今回は1年ぶりに教育についての質問ということで、これまで私がこの本会議場で主張してまいりました内容について少し振り返らせていただきたいと思います。
子どものいない私がなぜ子どもの教育にかくも一生懸命取り組んできたのか。そのきっかけとなったのは、町田の公立学校にお子さんが通っていらっしゃるお母さんからの一言でありました。うちは経済的に余裕がありません、ゆとり教育の中で塾に通えないような家庭の子は学力に差がついても仕方がないのでしょうか、それは違う、公立学校でも何かできることがあるはずだ、そう考え、政務調査費を使いましてさまざまな調査を行っていたところ、陰山英男先生、そして藤原和博先生の取り組みにたどり着くことができました。
陰山先生は、もともとは神戸市のある進学校、公立学校ではありますけれども、受験をするような子どもたちが非常に大きい学校で教鞭をとられていらっしゃいました。そこで保護者の方に言われた言葉は、うちの子は受験があるので学校の授業中は寝かせてあげてください、果たして本当にこれが正しいのかどうか疑問を感じていらっしゃったそうでありますけれども、そこからこの学力について考えるきっかけが生まれたのが、京都大学の教授が出された「分数ができない大学生」、そういう本に出会ったからであります。
これは教育学の教授が書かれた本ではなく、経済学の教授が書かれた本でした。自分の担当する学生が昔に比べて学力が落ちている。京都大学に入学をしてくるような学生でも学力が低下をしている。これは一体どういうことなのか。そこから、今の子どもたちは夜遅くまで勉強し、睡眠時間を削り、塾に通って、非常に栄養の少ない食事をとらざるを得ない。そして親御さんもかわいそうだからと、朝は寝かせてあげたい、朝食をとらずに学校に行かせる、だから朝学校に行って眠い、こういった生きる力を失っていることが今の学力低下の原因なのではないか、こういった思いから兵庫県の山口小学校で担任をされたときにとある取り組みをされました。
生きる力を取り戻すために、まず子どもたちに早く寝てしっかりとした睡眠時間を確保してもらい、朝食を必ず食べてから学校に来てもらう、これを親御さんにお願いしたところ、プライバシーの侵害だ、家庭のことに口を出すなと言われたそうであります。しかし、陰山先生は信念を持ってこの取り組みを続けられました。朝食をとっている子どもたち、そして睡眠時間をどれぐらいとっているのか、そのデータをとり、その子どもたちの成績をしっかりとデータ化し、保護者に配付をしたのです。
その結果、こちらがその取り組みを受けて山陽小野田市というところが行ったデータでありますけれども、本日配付をしております資料をごらんください。学力は生活習慣が支える、寝る子は育つ、そして朝ご飯は元気の源、しっかりと寝ている子どもたちは成績が高い、知能指数が高い、そして朝ご飯も毎日食べる子どもは知能指数が100を超えておりますが、毎日食べない子どもは知能指数が90というデータが出ました。90というのは通常学級の授業についてくることが非常に困難なレベルだと言われております。
この取り組みを受け、保護者も納得をし、そういうことだったら協力をしようということで生活習慣の改善が始まり、そこから基礎基本の徹底反復が始まりました。100升計算で有名になった陰山先生は、残念なことに100升計算だけがクローズアップされますが、実は生活習慣を改善させ、生きる力を復活させることがベースにあったのであります。
この取り組みによって、その後、公募の校長で合格をして土堂小学校という広島県の小学校に赴任をしました。その校長先生としてこの取り組みを全生徒に行ったところ、とあるクラスではクラスの4割の子どもたちがIQが120以上というとてつもない数字をたたき出しました。この一連の陰山メソッド、以前本会議場でも提案をさせていただきましたが、なかなか取り入れていただくことはできませんでした。
いろんなところで議論はされていますが、あれは陰山先生だからできたんだというような話もあります。果たして本当にそうなのか。そうじゃないということを調べるために、同じく政務調査費を使いまして山陽小野田市に視察に行ってまいりました。山陽小野田市ではすべての学校でこの陰山先生の取り組みを行い、実際にこちら、左側のグラフです。1年で学力は着実に伸びた、知能指数の伸び、そして学力偏差値の伸びというものがあります。
このデータは実際5月に1度とった後、もう1度2月にとっております。わずか10カ月足らずで84%の子どもが知能指数を伸ばし、そしてその知能指数の平均も102から111へとアップをしたそうであります。そして、この運動は今、橋下知事のもと、大阪府にまで広がりを見せているところでございます。小学校の学力向上にプラスをして私は中学で地域の大人を巻き込んで子どもたちの学びの環境をよりよくしていこうという提案もしてまいりました。
今、学校は非常に大変な環境にあります。子どもが多かった時代は教師の数も多く、修学旅行や生活指導、そして部活の指導など、いろいろ分散をして担当することができました。しかし、子どもが少なくなり先生も少なくなると、1人の教師の負担が非常に多くなります。今いろいろなことを学校ですべて解決をするのは難しい時代だと言われてきております。
そこで、藤原和博校長は東京都内で初めての民間校長となり、杉並区立和田中学校で地域の大人を巻き込んだ地域本部というものをつくりました。教師の負担を軽減させる、これはもちろん非常識な文句を言う親もふえてきたことが1つの理由でもあります。学校はサービス業と同じ、だから、何でもかんでも学校がやって当然だ、こういう無理なことを言う親がふえてきたこともあり、地域を巻き込んでいかなければ学校はどんどんつぶれていってしまう。家庭と学校が信頼関係を持ってこそ教育が成り立つという信念のもと、この地域本部はつくられました。
今現在町田市では学校支援本部というものをつくっております。これも、文部科学省が推進している地域本部とはちょっとスタイルは違いますけれども、非常にすばらしいものであると私も認識しております。そして、その地域を巻き込んでどういう政策を展開していくかという中で、私は、落ちこぼれの子に対して、成績が余りよくない子に対しては地域の人たちがボランティアで入って補習授業を行ったり、これはすばらしいことだと考えますし、町田市もやっておりますので、引き続きやっていただきたいと思いますが、逆に、普通の授業では物足りない子どもたちも学校の中にはいることは確かであります。
和田中学校では、成績4から5の子どもたちでもそういった不満を解消すべく、これは学習塾を入れたりというのは非常に波紋もあることなので、これがすべてだとは思いませんけれども、こちらの和田中学校の学びの仕掛け、第1象限のところです。英語アドベンチャーコース、そして数学と英語夜スペシャル、こういったことを開催いたしまして、吹きこぼれと言われる子どもたちにも教育の機会を与え、より学びたいという意欲をしっかりと吸収し、そしてそれによってわからない子にその勉強した子が教え合うという、クラスじゅうにミニ教師が生まれるというすばらしい相乗効果を生み出しました。
こういった取り組みをやっていくことで、成績1から2の子どもたちはボランティアの人たちが別の時間で補習授業を行う。そして成績3の子は普通の授業で大丈夫、4から5の子どもたちにもしっかりとその欲求を満たす教育の機会を与えるということをやっている公立学校があるからこそ町田市でもやってはいかがかという質問をさせていただきました。
過去に提案をしてまいりましたこういった取り組みに関しまして質問をさせていただきます。
1、公立学校における学力向上策について。
過去に提案してきた、公立学校での学力向上策について、現在の状況と今後の方向性を問う。
2、公立学校への地域支援体制について。
過去に提案してきた、公立学校への地域支援体制について、現在の状況と今後の方向性を問う。
恐らく私の質問には教育委員会よりお答えいたしますという答えが返ってくるんだと思いますが、もしかしたら感想を聞くかもしれないということで答弁者には市長も追記をさせていただいております。あくまでももしかしたらということをつけ加えさせていただきまして、壇上よりの質問とさせていただきます。
◎市長(石阪丈一) 新井議員のご質問につきましては教育委員会からお答え申し上げます。
◎教育長(渋谷友克) お答えをいたします。
私のほうからは、質問の最初の公立学校における学力向上策について、過去に提案してきた、公立学校での学力向上策について、現在の状況と今後の方向性を問うということにまずお答えをさせていただきます。
町田市の教育委員会では、これまで新井議員が学力向上の具体策についていろいろご提案をいただいてきたわけですけれども、その内容について、その趣旨、あるいは目的といった点で共通する部分を取り組みの参考とさせていただきながら、児童生徒に、お言葉にもありました確かな学力を確実に身につけさせるということを学力の向上というふうにとらえまして、各種研修による教員の授業力の向上、それから地域人材を生かした学習支援に取り組んでいるところでございます。これは前任の山田教育長のほうからも何回かお話をさせていただいていると思います。
目標としている確かな学力とは、学習指導要領に示された基礎的、基本的な知識、それから技能に加えて、学ぶ意欲、それから思考力、判断力、表現力等も含めた幅広い学力だというふうにとらえているところでございます。
市内の公立の各学校では、定期考査や単元テスト、さらに、全国あるいは東京都が実施する学力・学習状況調査の結果等によりまして児童生徒の確かな学力の定着状況を把握し、学力の向上に向けて教科の指導に生かすとともに、個々の学力の状況につきましては児童生徒の保護者にもお示しをしているところでございます。
さらに、朝学習の実施や放課後に地域のボランティアを活用して補習に取り組む学校も、お言葉にもありましたが、ふえておりまして、学習習慣の確立、それから基礎基本の定着に効果を上げている状況でございます。
また、教育委員会といたしましては、生活習慣の改善が学習習慣の確立につながると。これもやはりお話の中にあったと思いますが、さらにそれが学力向上にも結びつくものだというふうに考えておりまして、先ほど申し上げました学力・学習状況調査での生活習慣と学力の関連についての分析結果を各校への指導資料として活用しております。
さらに、2008年度から全校で実施をしております小中一貫「町田っ子カリキュラム」の食育によりまして保護者と連携をいたしました早寝早起き朝ご飯の取り組みを行っているところでございまして、基本的な生活習慣を確立するための1つの方策として推進を進めているところでございます。今後もそれぞれの取り組みの成果をそれぞれ検証いたしながら、これまでの取り組みを継続していきたいというふうに考えております。
以上でございます。
◎学校教育部長(白井一生) それでは、私のほうからは、項目番号2番、公立学校への地域支援体制について、過去に提案してきた、公立学校への地域支援体制について、現在の状況と今後の方向性を問うについてお答え申し上げます。
町田市における地域の学校支援体制としましては、2002年度から学校運営推進協議会を全小中学校に設置してきました。地域の支援体制を一層高めるために、2009年度からはモデル校方式としまして、学校支援地域理事を設置しまして、2011年度には全校に設置されることになります。学校支援地域理事は、学校支援ボランティア、地域の方、学校支援センターとの連携を密にし、積極的に教育活動を推進する、学校の教育活動や学校運営の状況を把握し、学校関係者評価を行う、必要に応じまして市民、保護者と職員との連携調整に努めるといった役割を担っていただいております。学校に対する地域の支援体制のかなめとして期待しているところでございます。
以上でございます。
◆14番( 新井克尚) それでは、再質問をさせていただきます。
町田市の子どもたちの学力、恐らく全国の学力テストである程度どのあたりなのかというのがわかっているんだと思いますが、発表できるようであれば、どの位置にあるのかということと町田市として目標があればお聞かせください。
◎教育長(渋谷友克) お答えをいたします。
町田市の子どもたちの学力がどういう位置にあるか、そして教育委員会として目指している学力としての目標がどうかという2つのご質問をちょうだいしました。初めに、子どもたちの学力がどの程度のものなのかということですけれども、今お話の中にもありましたように、全国あるいは東京都の実施しております学力・学習状況調査、この結果が既に出ておりまして、それを見ますと、東京都、全国より、いわゆる平均正答率で見ますと、すぐれているものもあり、劣っているものもあり、それぞればらばらなんですが、ほぼ全国並びに東京都と同様の状況であろうかというふうに思っております。なお、つけ加えれば、来年度から、2011年度から東京都が毎年学力テストを実施するということで、来年度以降についてはそういったようなものも学力に関する参考になっていくのではないかというふうには思っております。
それと、市教委の目指している学力の目標ということですけれども、学習指導要領に示された確かな学力、先ほど申し上げましたが、これを全児童生徒が身につけるということを目指している。当たり前といえば当たり前なんですが。確かな学力と申しますのは、先ほども少し触れましたけれども、基礎的、基本的な知識、技能の習得と思考力、表現力、判断力、これらをバランスよく身につけること、そして主体的に学ぶ学習意欲を身につけるということだというふうに私どもとしては考えております。以上でございます。
◆14番( 新井克尚) 目標としては私も大変すばらしいとは思うのですが、これをどう検証するか、検証した結果、保護者に対してどう説明をして、どう学校に対して協力をしていただくかという意味では大変あいまいであり、伝えづらい目標なんだろうというふうに私は個人的には感じております。学力テストで平均点数をただただ上げるためにテスト用の勉強をしろというふうに私も思ってはおりませんが、その土堂小学校等での取り組みは本当に基礎をベースアップさせることで学ぶ意欲を上げることで、最終的には応用的な問題でも成績を上げているという実績を上げております。私の目標は1位です。2位ではないんです。1位を目指す。科学技術と一緒で、やはり2位でいいやということではなく、真ん中辺、平均でいいやということではなく、やはり町田は、もう町田の公立学校に通えば間違いない、外から町田市に通わせたいという学校を私はつくりたいと。それがもし自分に子どもがいた場合、通わせたい理想の公立学校像であるからこそこういう提案をさせていただいております。ちなみに、土堂小学校は漢字検定で、私立のノートルダム学院小学校という京都の学校があるんですが、そこと同じ点数で1位をとっております。これもやはり徹底反復による漢字の授業をやっておりまして、目標を与えて、そして漢字検定をみんなで受けて1位という実績を出しているからこそ、保護者も納得して学校のお願いをする生活習慣の改善に協力をしてくれるという効果を出しているということであります。
町田市の取り組みで幾つかご紹介をいただきました。規範教育、本当にすばらしいお話だと思います。これは引き続きやるべきものでありますし、私も評価をしているものでありますけれども、やはりどこかに論語と韓非子で言うと、私はどちらかというと韓非子の人でありまして、性善説というよりは性悪説というか、そこに例えば暴力をやっている子どもがいます、おまえ、暴力をするなよ、いい大人になりなさいと言って聞くぐらいだったら、恐らくそもそも暴力は存在していないと思うんですよ。そこをどうやって改善していかなきゃいけないのかというのをこれまでの日本の教育の歴史を振り返ることで少しお話をさせていただきたいと思います。1970年代の末から小学校では基礎学習の習熟不足が話題になりました。これは1971年の学習指導要領の改訂が原因になっていると言われています。高学年で学ぶ内容を低学年に持ってくると。当初は九九は2年生の終わりから3年生の秋にやっていたものを2年生の秋から3カ月で詰め込んだということで、これが大変な詰め込み教育だということで落ちこぼれが大量発生しまして、そして、授業の内容を理解できない子どもたちが暴れ始めると、校内暴力が頻発をしました。これはまずい、どうにかして対処をしていかなきゃいけないということで出てきたのが生きる力、道徳教育重視、ゆとり教育、時間数の削減などで最終的にどういうことが起こったか。学力の土台となる基礎学習の量も減ってしまったことで、子どもたちは学校のほとんどの時間を教室で授業を聞いて過ごしています。その大半の時間を理解のできない内容、授業をじっと座って聞いて過ごすわけですから、これは本当に自己否定からやがて他者に対する攻撃的な行動に変わってくると。校内暴力がふえたことによって道徳教育をしっかりやりましょう、そしてゆとり教育にしましょう、校内暴力が減ったか。先ほども質問にあったとおり、校内暴力はまだまだありますし、不登校の子どもたちもふえている。なぜなのか。ここを問題の根本を見誤ってしまうと違う方向に行ってしまうというのが、まさしくこれまで教育界が歩んできた歴史なのではないかと考えております。私は、学校の授業をすべての子どもがわかるようにすること、イコール基礎学力をしっかりとつけることこそがこの問題の根本を解決することであることと考えております。ところが、例えばこの土堂小学校で陰山さんが100升計算をやったときには、受験戦争をあおっているとか、本当に的外れな議論が出て、詰め込み教育を再燃させてどうするんだみたいなことがあったんですけれども、では、その子どもたちがどうなったか。卒業生は理数系の大学に多数合格をされているそうです。やはり基礎学習がしっかりできたからこそ、そこからの学ぶ意欲も非常によくて、進学校ではない、公立学校に進みながらも受験でしっかりと勝ち組に入っていると。これはその卒業生の子どもたちの言葉でもありますけれども、土堂小学校を出てよかった、あそこで学んだことが自分の今のベースになっていますという答えが返ってきたそうです。これは本当に学校としては理想の学校像ではないかと思います。この教育界が問題が起きたときにはやった歌があります。この議場でも紹介させていただきました。世界に一つだけの花、大変いい曲だと思いますが、とにかく自分は1つしかない個性なんだと、確かにそのとおり。じゃ、絵がうまい子は絵を頑張ればいいのか、絵がうまい子は美大に集まって、さらに絵がうまい子たちの中で埋没をしていくと、今度は行き場がなくなっていきます。子どもたちの個性を伸ばせばいい、それ以外はできなくてもいいんだというような風潮は、子どもも努力しなくていい、現場も努力しなくていい、家庭も努力しなくていい、これがすべてに緩みと甘えを生み、結果、今のこのゆとり教育の問題になっているのではないかと私は考えております。
だからこそ変えていかなければいけないことが、やはりこの基礎基本の反復をしっかりとやって子どもたちに生きる力をまず与えた上に、その基礎基本を徹底させることで学ぶ意欲を上げていくことだというのが私の主張であり、ただ単に学力偏差値を上げるために、学力テストでいい点数をとるのが私の目標でないことをあえてここでお話をさせていただきます。ちょっとしばらく演説タイムになってしまうんですが、もうしばらくお聞きください。食育について、先ほど説得力を持たせるというお話をさせていただきました。実際アンケートもとられていると思います。生活習慣がどうか、寝る時間が何時か、そして朝食を食べているかどうか。とある保護者の方から聞いた話で、アンケートをいただきました、何でとるかわからないから、適当に何時間寝ています、朝食を食べていますといって返しましたと。ここにまさしく問題があるんだと思うんです。なぜそのアンケートをとるのか、それを調べた結果、何を目指しているのかが伝わっていないんですよ。ここを改善しないと、せっかくすばらしいことをやっていても効果が出てこない。適当なデータが返ってきて、保護者の理解を、納得を得られずに、今進めているものが無駄になってしまう可能性があると私は考えます。なので、この食育について保護者に対して必要性をどう訴えていらっしゃるのかをお聞かせください。
◎教育長(渋谷友克) ただいまのご質問にお答えをいたします。
例えば食育、これは小中一貫「町田っ子カリキュラム」の柱の1つですが、この必要性についてどう訴えているかというご質問です。小中一貫「町田っ子カリキュラム」の全校実施を始めたのが2008年度からでございますけれども、以降、毎年保護者向けのリーフレットの配付、これを全家庭に配付ということで続けておりまして、当然食育ということに限れば家庭との連携が不可欠でございますので、その協力、連携を訴えているということでございます。もちろん、それ以外に各学校が、当然学校便り、あるいは保護者会等でお伝えしているという部分もございます。ただ、以前、リーフレットということで前任の山田教育長がご答弁申し上げたと思うんですが、リーフレットでは十分ではないというお話もちょうだいしていることは私も承知はしております。その家庭の協力を仰ぐのであれば、その動機づけというのが必要ではないかということで、そのときの新井議員のご発言の中では、先ほどお話のありました山陽小野田市の取り組みの事例を例に出されて、こういうことが必要なのではないかというお話だったと思います。
確かに、なぜやるのか、そのアンケートの目的は何なのか、その先に見通しているものが何なのかということが、やはりアンケートを記入する身からすれば見えないと、その答えについてもあやふやなものにならざるを得ないという部分もあろうかと思いますので、その動機づけの方法をどうするかということはまた置きまして、そこは私どもとして課題であるだろうというふうには思っております。
以上です。
◆14番( 新井克尚) 協力してもらう動機づけが必要だということで、それが課題であるという認識をしていただいているということは本当にありがたいことであります。やはりなぜ協力をするのか、親御さんが求めている学力の定義、恐らく先ほど教育長がお話しされたことも含まれておりますけれども、一番は、最低限の読み書き計算はできるように、やはりテストの点数で返ってくる成績というものを一番わかりやすく見ることであろうというふうに考えます。すべての子どもたちが必ず伸びるんだという信念を持っていただいて、その上で、こういう成功の手法があります、だから、町田市も全力で取り組みますということを市として、教育委員会として打ち出していただきたいというのが私のこれまでの主張でありました。市長、よろしくお願いします。これが私の主張でありました。
市として学力を上げるためにこういう取り組みがありますということで生活習慣の改善にご協力いただきたい、その上で基礎基本の徹底反復をすることで子どもの能力を伸ばしていくという事例があります、だからアンケートをとります、よろしくお願いしますということを山陽小野田市ではやって、実際に効果を上げているということでありますので、市の教育委員会の方針としていただきたいというのが私の要望であります。地域本部についてちょっと質問をさせていただきます。この学校支援本部をやっていらっしゃいますけれども、町田市がこれで目指すものは何か、目的をお聞かせください。
◎教育長(渋谷友克) 学校支援本部の目指すものについてご質問をいただきました。短い言葉になろうかと思いますが、全校の教育活動に地域の力を生かすこと、そして学校教育のさらなる一層の充実を図ること、これに尽きると思っております。
◆14番( 新井克尚) 和田中学校では地域のボランティアを巻き込んで、それによって、もちろん校庭の芝を管理したりだとか学校の図書館の運営を任せたりだとかいろいろあるんですが、それプラスその学びですよね。土曜日寺小屋ということで補習をやる、こういったことは恐らくやっていらっしゃるんだと思います。それプラス私がお話をさせていただいたのが先ほどの資料の和田中学校の学び、第1象限の部分です。この部分について町田市で今現在取り組まれていることがあればお聞かせください。
◎教育長(渋谷友克) お答えいたします。
ご配付なさった資料の第1象限部分、町田市の取り組みはここに該当するものは何かということですけれども、町田市におきましては、いわゆる発展的な学習において少人数指導での授業において習熟度別の編成をしておりまして、それによる授業をしております。英語、数学といった教科につきましては特にそれが進んでいるというふうに考えております。
そのほか、この少人数指導に加えて、先ほどもお話をちょうだいいたしましたけれども、地域人材による学習ボランティアの導入ですとか、放課後ですとか、あるいは夏休みを利用しての補習教室、こういうことも行っております。
以上でございます。
◆14番( 新井克尚) 和田中学校のように私も学習塾を入れることがすべてだとは思っておりませんが、学ぶ意欲がある子どもたちの学ぶ意欲を摘み取ることがないようなことをしっかりとやるべきだということでこの第1象限のお話をさせていただいております。これについては、それ以外の、補習授業とか習熟度別というところ以外に、和田中学校では英語アドベンチャーコースで、今まで英語の成績が26校中21位ぐらいだったのが、これを行ったことで1位になりました。和田中学校も1位です。1位を目指したい。私の願望に非常に合致している行動をして、その上で結果を出しているわけですね。
やっぱり学びの場をよりよくするという抽象的なものから、こういう学びを持っている意欲のある子どもたちにしっかりとこういう結果を示せる何か仕掛けが必要なんじゃないかというふうに思います。これは学習塾に限らず、吹きこぼれと言われる、成績がいいけれども、学校の授業では物足りない子どもたちに対する工夫をぜひこれからもご検討をいただければと思います。
私がこれまで質問をずっといろいろしゃべってきましたけれども、やはり重視しているのは学ぶ意欲であります。詰め込み教育で一体なぜ学ぶ意欲が生まれるのか、過去に詰め込み教育をやったことで校内暴力がふえたじゃないか、だから、こういう基礎基本の徹底反復はよろしくないんだという議論が片やあることも事実ありますが、それによって学ぶ意欲をしっかりと維持した上で伸びている子どもたちが出てきていることも事実であります。私がここでお話をさせていただいているのは後者です。なぜ学ぶ意欲が生まれるのか。この100升計算は、本当に徹底反復というのはかなり精神力というか、体力を使うようで、だからこそ生きる力がないとついていけなくなる。しっかり寝て、朝食を食べて、バランスのいい栄養をとって、その上で生きる力を確保した上で行うからこそ効果があるものだということを前提にこの徹底反復したことで子どもたちはどういうことが起こったか。自分はできるんだ、学べば必ず伸びるんだという自己肯定観を養ったんですね。今まで6分かかっていた100升計算が、毎回毎回繰り返していくごとにどんどん時間が速くなって、3分を切って2分、1分台に入ってくるそうです。すごいじゃないかと褒めてあげると、自分はやればできるんだ、学べば自分も伸びるんだというところから学ぶ意欲が物すごくなるらしいです。少し知識を与えてあげると、そこから自分から辞書を開き始め、この言葉はこうなんだ。例えばテレビを見て知らない国が出てくると、地球儀を回して、この国は何という国なんだ、この学ぶ意欲をさらに褒めてあげることでどんどんはまっていくそうなんですね。そのきっかけをつくったからこそ、この徹底反復がうまく作用している、子どもたちの成績につながっているということであります。この伸びたことを実感させる仕組みで1つ辞書教育をやられている方もいらっしゃいますし、いろんな手法はあるんですけれども、1つが先ほどノートルダム学院の例を出しました漢字であります。1学年で必修の漢字を大体ゆっくり丁寧に1年間かけて教えていると思います。町田の学校がどういうふうに教えていらっしゃるか、済みません、私も調査不足で確認はしていないんですが、陰山先生がどうやっているかというと、1学期の前半部分で1回全部とにかくやってしまいます。残りを全部反復させます。そうすると、ほぼ定着した状態で次の学年に行くと、これが繰り返されるそうであります。
小学校の漢字、結構簡単に思われるかもしれませんが、深刻なお話を少し紹介させていただきます。小学校5年生の息子さんがいる方が、お父さんが息子に、「ねえ、お父さん、ナマイタチって何」と聞かれたそうです。イタチは焼いて食わないし、ナマイタチ、何だろうなと。生ビールの生に平仮名のイタチです。一体何を指しているかわかりますでしょうか。(「生い立ち」と呼ぶ者あり)そのとおり、生い立ちであります。読めないわけですね。生と書いて「せい」とも読むし、生い立ちの「お」とも読むし、いろんな読み方があるわけです。それがわからないうちに次の学年に上がってしまうからこそ、どんどん学年が上がって昔を振り返ってやっている間にも自分のやらなきゃいけない漢字がどんどん入ってきて、だから、多少乱暴でも、一番初めに詰め込んで、その後ずっと徹底反復させることで定着をしているからこそ、そのやり方をやって、漢字検定でノートルダム学院小学校と同じ漢字検定で1位をとったという結果が出ております。
こういった徹底反復がすばらしい結果を出しているのが最終的にはやっぱり保護者に対する説得力になるわけですね。だからこそ徹底反復をするために子どもたちに生きる力をつけなきゃいけない、だから早く寝かせてください、これぐらいの時間に寝かせてください、朝食を食べさせてください、早く起きて、まず運動して授業を受ければ、脳が活性化してちゃんと授業も全部聞くようになります、授業でやっていることも全部理解できるようになりますと。そのお願いをしていかなきゃいけないのに、今の世の中というのは本当に昔と比べると、例えば学校の先生よりも保護者のほうが学歴が高かったり、昔は学校にしかなかった望遠鏡だとか顕微鏡みたいなものが今は普通に買えてしまったりだとか。あと例えば「週刊こどもニュース」という番組をご存じですか。池上彰さんがやっているニュースの関係の番組で結構なんですけれども、あれよりもおもしろい小学校の社会科の授業があるかどうかです。これは正直無理ですよ。何時間も何十時間もかけて編成会議をやって、いろんなエッセンスを取り入れながら、スポンサーがついて、お金も入って、それであの番組をつくっていて、それをちょっとスイッチをつければ社会科の授業よりもおもしろいものが見れるわけですよ。これを学校が超えなければならないという時代の中でどうやって保護者に説得力を持たせるか、その材料を学校は持たないと、やはり学校側からも保護者に対する説得力、信頼関係を築くための武器を持たなければならないんだと考えております。その武器の1つが陰山さんがやられた取り組みであり、そして藤原さんがやられた取り組みであろうと。これをやるためにぜひ協力をしてくださいと言えば、では、学校の中に入ってきて、先生が大変だから協力しましょうという話になるだろうし、子どもが早く寝ないのは確かに問題がある、自分たちも大変だけれども、自分たちも早寝早起きして子どもたちに合わせようと、これに協力してくれるようなものをつくっていかなければならないということであります。
先ほどは小学校5年生の漢字の話をさせていただきました。中学校1年生、とある大阪の中学校のお話をさせていただきます。新入生200名に足し算、引き算、掛け算の100升計算をやらせたところ、陰山さんがいらっしゃった山口小学校では小学校2年生で3分を切るという目標があって、ほとんどの子がクリアしています。ところが、この大阪の中学校では中1で6分台の子もおりました。3けた掛ける3けたの計算をするときには、掛け算9回、足し算を10回やるわけですね。これはもうこの計算速度の遅さは致命的なんですよ。それで授業に追いつけなくなってくる。授業に追いつけなくなってくるということは受けてもおもしろくない。だから授業を聞かなくなる、これが三遊亭らん丈議員の質問につながってくるわけであります。中1プロブレムですね。だからこそ小学校で基礎基本を徹底反復して生きる力をつけた上に、しっかりとしたベースをつくってから中学に行かせることが大事であるというお話をちょっと、せっかくいい質問をされていたので取り上げさせていただきました。私が主張している今までの取り組みは、今、町田市で進めている教育方針に私は相反しないと思っているんですよ。町田市がやっているのがA、私が提案しているのがB、Aを選びますか、Bを選びますかではなく、Aをやりながら私が提案しているものを乗せていただくことは絶対に可能なんです。なので、ぜひこの取り組みをしていただきたいと思いますが、これについて山陽小野田市でも学校全部でやっていますし、今その動きが大阪府にも広がっております。町田市でもできないことはないと考えますが、いかがでしょうか。
◎教育長(渋谷友克) ただいまのご質問にお答えいたします。
町田市が現在行っている取り組み、先ほど来申し上げておりますけれども、小中一貫「町田っ子カリキュラム」、その翌年に策定をされました町田市教育プラン、これについて進めているわけでございますが、私の立場からしても、まずはその2つの取り組みを前提に物事を発想していきたい、これが基本的な立場でございます。その中には、陰山先生が取り組んでおられる基本的な生活習慣の確立といったようなものも当然含まれておりますし、重なる部分も相当数あるだろうというふうに思います。その中に例えば今の100升計算だとか、あるいは漢字のお話ですとか、徹底反復というものをどうやって取り入れるのかということについては、この壇上において早速それを取り入れますというお答えはちょっとできかねますけれども、例えば漢字を1学期のうちに学年のすべてをまずやってしまうというような取り組みに関しては、やはり教育現場の意見も私自身としては聞いてみたいと思いますし、教育カリキュラムに大きくかかわる話ですから、そう単純な話ではないというふうには思っております。ただ、先ほど来お話の出ております説得力という部分を考えたときに、どういう方法があるのかということはやはり大きなポイントになろうかと思いますので、そこは基本として今後考えていきたいというふうに思っております。
以上です。
◆14番( 新井克尚) 説得力を持たせるためにはやはり検証できなければならない。子どもたちの学力が上がっています、では、どう上がっているんですか、数値として出ていたりしなければやはり説得力がないわけでありまして、これが例えば漢字検定で1位をとりました、英語が杉並区の中で21位だったのが1位になりました。これは本当に言われたら説得力がある話でありますので、それが町田に何が当てはまるかというのはもちろん考えていただいて、その中でベストなものを選択していただければいいんだと思いますけれども、こういう例があるということをぜひ念頭に置いていただきたいと思います。
私も実際に土堂小学校も行きましたし、山陽小野田市の小学校を見て子どもたちを見てまいりました。土堂小学校の授業風景、実際は私は見てはいないんですけれども、これは映像のほうで見させていただきました。子どもたち、1、2年生も本当に静かに先生の言うことを聞いて集中して勉強している姿がその映像にありましたし、実際山陽小野田市で見た子どもたちもそうでした。これは本当にすばらしいなと実感をしたことがありまして、では、それがイコール学力偏重、いわゆる受験偏重みたいな教育なのかというと、決してそうではなく、実際土堂小学校の授業をごらんになられた櫻井よしこさんが学校に行くと、子どもたちが必ずあいさつをしてくれて、本当に丁寧にお辞儀をして、学習姿勢もすばらしいものがあって、はきはきと物事をしゃべって、こんなにすばらしい子どもたちを育てていらっしゃるんですねという言葉を残されたそうであります。やはり道徳観を育てるとかそういうのも含めて、自分が学べばできるんだという自己肯定観から生まれてくるんじゃないかと、自分はやってもできないんだというところからどんどん道を外してしまうんじゃないかということを考えると、まずすべての子どもに授業を理解できるような、そういうベース、土台をつくり上げることは本当に重要なことであると私は考えております。とある学習障がいの女の子がいまして、親御さんがとにかくうちの子がかわいそうだからと、1学期に勉強したことを1年生のときは夏休みに復習をして、1学期のことを夏休みもかけて復習できたからやっと2学期の授業に追いつけるけれども、やっぱりどんどん取り残されていって、冬休みに2学期のことをやって、やっと3学期また追いつける。それをどんどん繰り返したけれども、学年が上がるたびに、春休みもちょっと短いものですから追いつけなくなってきた。その中でどうすればいいかとすがる思いでやったのがこの生活習慣の改善と基礎基本の徹底反復だったそうです。これをやったことによってクラスで一番成績が悪かったその女の子がどうだったか。クラスで1番になったんです。結果、ちょっと何であいつがみたいなところからいじめられてしまって学校を変えるという悲しい結末もあったんですけれども、でも、すべての子どもは必ず伸びるという信念があれば、私はそういう子でも変えることができると。この事例はそれをあらわしているんだと思います。ぜひこういった事例を学ぶためにも、教育委員会の関係者、もちろん学校の先生方も含めて研修があると思います。1度この話を聞いていただくことができないか、いかがでしょうか。
◎教育長(渋谷友克) ただいまのご質問にお答えいたします。
1度この話を聞くことはできないかというのは、具体的には陰山先生のお話を聞くべきではないかというふうに理解をいたしました。平成18年ごろからでしょうか、このテーマに基づいて再々にわたってご質問いただいているわけですが、その中で教育委員長に最終的に意見を求めるご質問もあって、その中で教育委員長が、いわゆるさまざまな取り組みがある中で、やはり町田の教育に資するというようなものがあれば、それは取り入れていくことにやぶさかではないというお答えをたしかその趣旨でされたと思います。全国で行われていて、あるいは各地で行われていて、今、議員がおっしゃったような事例以外にもさまざまな事例があろうかと思います。そういう事例があるから一足飛びにそれに飛びつくということではなくて、まずは町田の取り組みを基本に考えていくという基本線に変わりはありませんが、ただ、先ほどの教育委員長の発言にもございましたように、町田の教育に資するという視点は、これはやはり私どもとしては堅持していきたいというふうに思っておりますので、例えば陰山先生の話をどういう形でお聞きするかというのはまたいろいろ方法論はあろうかと思いますけれども、例えば今後の町田市の研修のありよう、それから講演会のありようの中の選択肢の1つには当然なるんだろうというふうに思っております。
◆14番( 新井克尚) 選択肢の1つに入っているというお答えをいただきました。呼んでいただきたいということに対してははいかイエスで答えていただきたかったんですが——どっちも一緒ですね。選択肢の1つに入ったということで今後検討をしていただければと思います。また、地域の大人をどう巻き込むかということについてはよのなか科などいろいろ提案をしてまいりました。やはりその地域の大人にどう協力をしてもらうか。特に現場の先生方の大変さを我々も含め地域の大人も知らない、保護者もよく知らないということが1つの問題点であると思います。この学校の先生方の今の現状をどう伝えていくかというのを文部科学省と公益法人徳溢れる心醸成会議というところが教育推進会議というものを今推進しております。こういったものを活用して現場の大変さを伝える上で、地域の人たちをどんどん巻き込んで学校に協力してもらえるような、そういう体制も恐らく築けるかと思います。こういった教育推進会議の活用もあわせてご検討いただければと思いますが、いかがでしょうか。
◎教育長(渋谷友克) 教育推進会議の取り組みについて町田市で取り入れてはいかがかというお話がございました。この教育推進会議については、ご質問をいただいたときに、どういう内容のものなのか、どういう取り組みをしていらっしゃるのかというようなことについて調べさせていただきました。私どもは、先ほど新井議員のお話にもございましたように、いわゆる地域支援本部というのを教育委員会内に設けておりまして学校の支援に取り組んでいるわけですが、例えばそういったところにいる職員をこの取り組みの調査に行かせたり、あるいは取り組んでおられる方に直接お話を伺ったりということはできるだろうといふうに思っております。ただ、いきなりこれを取り入れますということはさすがに申し上げることができませんので、その辺はご理解いただきたいと思います。
◆14番( 新井克尚) 学校の先生方の今の大変さというか、ある意味文句に近いようなところもどうやらあるようなんですけれども、本当に本音を引き出して、今学校ではこんなことが起きているんだ、これは大変だね、やっぱり協力しなきゃいけないねといういいツールになっているようでありますので、どういうものかまずしっかりと見きわめていただいて、ご活用いただけるようでしたらご活用いただければと思います。すべての子どもは必ず伸びるということで私もこの質問をさせていただいてきましたけれども、この一連の質問を聞きまして、まずは富川教育委員長からもし何かご感想があれば、お聞かせいただければと思います。まずはであります。
◎教育委員長(富川快雄) 大変長時間にわたって熱い思いを聞かせていただいて、いろいろ啓発されるところも多かったわけでございますけれども、きのうも河辺議員の最後のところで、学校教育の基本ということで、子どもたちが安全安心という中で楽しく学ぶことができることが学校教育の基本であるという旨のお話をさせていただいたわけです。それをベースに、では、学校の役割は何かといえば、やはりそこに通う子どもたちに確かな学力を身につけさせるということが第一番であるということ、これがもう私も新井議員も、あるいはこちらにいらっしゃるすべての議員さん方も共有できることだと思うんですね。そのために、町田市教育委員会としてはさまざまな取り組みを行う中で特に大きく3つの柱として、1つは、学校にあっては先生方の授業力の向上ということを大きな柱として1本立てております。そして2本目には、先ほどからもお話がございましたように、地域の人材を生かすことによる学校支援を積極的に行っていく。これはいろいろなデータの中で、地域人材や学校支援が行われている学校は子どもの学力が高いというのは具体的なデータで出ているわけでございます。これをやっぱり積極的にしていきたいということ。それからもう1つは、やはり今後、これもお話が出ておりましたけれども、従来から取り組んでおります生活習慣を確たるものにしていきたいということ、この3つを今後も町田市の教育委員会の基本的な考えとして大きな柱としてやっていきたい。
それの大もとになるのは、やはり確かな学力観に裏打ちされたものでなければいけないだろう。ですから、確かな学力観については、先ほどから教育長からお答えしたような内容が町田市教育委員会の目指す確かな学力観でございますけれども、それを達成するために今の3つを今後とも進めていきたい。そして、新井議員がおっしゃったように、町田市が取り組んでいるものがAであり、新井議員が主張されているのはBであり、AとBが二律背反するものではない。決してそうは思っておりません。また、AにBを乗せるというお話でございましたけれども、かなりAとBが重なっている部分も現在あると私は考えております。そういうことで今後とも引き続き努力はしていきたいというふうに思っております。
以上でございます。
◆14番( 新井克尚) お待たせいたしました。市長から何かご感想があれば、ぜひお聞かせをお願いします。
◎市長(石阪丈一) 教育行政、教育内容について私のほうからコメントする立場にはないんですが、私は幾つか感想がありまして、1つは、議員ご指摘の中で幾つかあったんですが、何を評価軸にするかというところで使われている言葉に、勝ち組とか、あるいは競争とか埋没とかという言葉がありました。やはり評価をするときの実績とかいろんなことでどうしてもこの言葉は使わざるを得ないんだということがよくわかりました。個人的なことについては、私も本を書いておりますので、それを読んでいただくということでご理解いただきたいと思いますが、私が自分の経験で言えば、一切の学力に対する要求を3人の子どもにはしなかったということであります。当然ですが、全く学力最低クラスという、3人ともそういうところにおりました。そのことは本人3人とも全く後悔をしていないという妙な家でございますので、学力について云々するということはできないんですね。ただ、何とか言えるのは、きちんとした道徳、私どもで言う、市の教育委員会で言っている規範教育、ここのところだけは絶対に曲がっていないというふうに思いますし、それから、必ず朝食、夕食は5人で食べていましたから、そういう生活習慣についてはどんな家にも負けていない。夜9時以降起きていたことはありませんから。もちろん朝6時より寝ていることもありませんでしたから、そういう意味では家庭の力、あるいは道徳的な力というものは負けていないと思います。ただし、学力は全く勝負になりませんでした。
◆14番( 新井克尚) 後ろのほうから娘さんは頭がいいはずなのにというような声がぼそっと聞こえたりもしましたけれども、やはり市のバックアップが必要な部分も出てくるのであろうとこれは思います。教育委員会としてはもちろん教育現場とやりとりをしながらというのはあるんですけれども、市として子どもたちを伸ばすためにこういう取り組みをしますというときには何かお願いすることがあるかもしれません。そのときはぜひご協力をお願いいたしまして、私の一般質問を終わります。
ありがとうございました。
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