議会報告

[議会報告]平成24年9月定例会 – 保育料のあり方、放射線の測定、公立学校の修学旅行について

[平成24年 9月定例会(第3回)-09月10日-05号]

 

1. 保育料のあり方について
2. 放射線の測定について
3. 公立学校の修学旅行について

 

◆14番(新井克尚) まちだ新世紀会派の一員として、通告に基づき一般質問を行います。
表題1、保育料のあり方について。
前回6月定例会の一般質問において、保育サービスについて待機児童の現状や保育園設置に伴う財政負担を踏まえつつ、保育サービスにおける公費負担と利用者負担の現状、さらには負担のあり方について質問をさせていただきました。認可保育所とほかの保育サービスを比較すると、ゼロ歳から2歳の場合、認可保育所が平均で1万8,294円、認証保育所が平均で4万4,666円、家庭的保育者が2万7,000円で、3歳から5歳の場合は認可保育所が平均で1万4,392円、認証保育所が平均で3万8,000円、幼稚園が平均で2万6,824円ということで大きな差が見られることがわかりました。
また、負担のあり方については、保育サービスを安定的に提供していくとともに、各種保育サービスについての負担の公平性を確保していく観点から、見直すことが緊急の課題であるとの認識が示されました。そして、6月から町田市保育料等の在り方検討委員会を設置し、検討していくという答弁をいただきました。既に広報で検討委員会の開催のお知らせや7月11日号にはアンケートを実施するといった記事が掲載をされており、おおっ、進んでいるなというふうに見守っておりましたけれども、そこでお伺いをいたします。
(1)保育料等の在り方検討委員会について、(2)これまでの検討状況について、そして(3)今後のスケジュールについて、以上の3点、よろしくお願いいたします。
次に、表題2、放射線の測定についてであります。
放射線の測定については、学校、保育園の園庭など定点を決めて、そこをはかってきたという現状がございます。しかし、放射線、放射性物質は、どこにあるかわからない。どこに放射線が出ていて、どこを歩けばその影響があるか、目に見えない、においがない、こういった特性のある放射線だからこそ、市民の不安はまだまだ存在していると認識をしております。この放射線の測定について、まだ解決すべき課題があると考えます。
そこでお伺いします。現状と今後の方向性をお聞かせください。
表題3、公立学校の修学旅行についてであります。
公立学校の修学旅行につきましては、初当選をいたしました2002年の議会にて質問をさせていただきました。そのときは業者の選定、その他いろいろな選定理由が見えてこないとか、どうやって選ぶのかという選定理由が見えてこないとか、そういった観点で質問をさせていただきましたが、今回はなぜ修学旅行は似通っているのかというところで質問させていただきたいと思っております。
大体小学校でいうと日光に行きます。中学生になると京都、奈良に行くということで、全国一律とは言いませんが、大体の学校がそう行くのではないか。中には子どもたちは、ほかの学校の子も日光に行って楽しそうだった、奈良、京都に行って楽しそうだったから、自分も行きたいという生徒もいるようではありますが、いろいろ特徴的な修学旅行もあるという話も聞いておりますし、全国一律にする必要もないのだろうなというふうに思っております。
そこで伺います。公立学校の修学旅行について。
(1)基本的な考え方をお聞かせください。
(2)町田市において特徴的な修学旅行の形態はありますでしょうか。
以上、壇上よりの質問といたします。

◎市長(石阪丈一) 新井議員のご質問にお答えいたします。
項目の1つ目、保育料のあり方についての(1)保育料等の在り方検討委員会についてのお尋ねにお答えをいたします。6月27日に委員の委嘱式及び第1回の検討委員会を開催いたしました。委嘱させていただきました委員の方々は、学識経験者が4名、そのうちの2名の方は大学の教授と准教授、そのほかの方は民間の研究所の方が1名、それと公認会計士の方でございます。学識経験者以外では、法人立の保育園の園長、それから私立幼稚園の園長、認証保育所の園長、民生委員・児童委員の方、そして公募の市民、それぞれ1名に委員を委嘱したところであります。
議員が壇上から各種保育サービスの間の負担の違いについてお話をされていましたが、委嘱式当日、私のほうから直接委員の皆さんにお話をさせていただきました。1つは、今お話のありました保護者負担のあり方の問題、あるいは公的、つまり税ですね。裏返しですが、公的負担のあり方ということをご議論いただきたいということと同時に、問題提起というんでしょうか、1日は24時ですが、24時間どこでだれが保育をするのかということ、それから保育サービスだけではなくて、幼稚園の問題などを含めて議論いただきたい、こういうことをお願いさせていただきました。
その他の項目につきましては、教育委員会及び担当からお答えをいたします。

◎子ども生活部長(鈴木信行) 項目1の2点目、これまでの検討状況について及び3点目、今後のスケジュールについてあわせてお答えいたします。
初めに、これまでの検討状況についてですが、6月27日の第1回検討委員会では、まず委員長として亜細亜大学教授であります安登利幸先生が、副委員長として東京家政学院大学准教授であります後藤範子先生が選出されました。最初の会議でしたので、委員の共通認識として保育サービス定員、保育サービス利用者数の推移、保育に係る経費の推移、運営に係る経費、財源、認可保育所とそれ以外の保育サービスとの比較、26市における保育料の状況などの基礎データを確認いたしました。また、市民アンケートの実施について調査票の検討を行いました。7月11日に保育料等に関する意識調査のアンケート調査票を発送しました。町田市在住の就学前児童のいる世帯を対象に2,000通発送いたしました。
第2回検討委員会は7月25日に開催いたしました。認可保育所の保育料に関する現状分析として、所得階層別の保護者数の推移、年齢別入所児童数の推移について確認し、所得階層のあり方について考えました。また、アンケートの分析方法について意見を出し合いました。
そして、つい先日ですが、8月29日に第3回検討委員会を開催いたしました。まず、保育料等に関する意識調査結果について、集計、分析結果を確認し、その後、認可と認可外保育所の公平性について改めて確認し、保育料等に関するあり方について議論をいたしました。アンケート調査については、8月20日までに800票を回収いたしました。回収率は40%で、認可保育園、認証保育所、幼稚園といった利用している保育サービスの割合がほぼ実際の割合に等しい形で回答が得られています。
続きまして3点目、今後のスケジュールにつきましては、第4回検討委員会を9月26日に、第5回目を10月24日、6回目を11月14日に開催する予定となっております。その後、報告書を提出していただくことになっております。

◎地域保健担当部長(大井洋) 項目2の放射線の測定についてにお答えいたします。
(1)現状と今後の方向性はについてでございますが、町田市では日常的に子どもたちが生活する場所について、全市立小学校、中学校、保育園及び学童保育クラブにおける空間放射線量をこれまでに測定しております。そして、比較的高線量が測定された場所につきましては、清掃を行って線量の低減を確認しております。私立の保育園及び幼稚園に対しましては、施設からの要望に応じて測定器の貸与を実施いたしました。
なお、特定の箇所について市民から空間放射線量測定の要望や高線量の通報があった場合には、各所管部署が個別に対応しており、市民個人への測定器の貸し出しは実施していないところです。

◎学校教育部長(坂本修一) 項目3の公立学校の修学旅行についてにお答えをいたします。
初めに、1点目の基本的な考え方はについてでございますが、修学旅行は学習指導要領の特別活動に集団宿泊的行事として位置づけられておりまして、このねらいと留意点を踏まえた上で実施する必要がございます。この集団宿泊的行事のねらいといたしましては、平素と異なる環境の中で見聞を広め、自然や文化などに親しむとともに、集団生活のあり方や公衆道徳などについての望ましい体験を積むことができるような活動を行うということにございます。
このねらいを踏まえた上で、実施上の留意点として自主的な活動の場を確保すること、各教科領域との関連を十分に図ること、地域の社会教育施設等を積極的に活用すること、子どもの心身の発達の段階や安全、環境、交通事情、経費、天候、事故発生時の対応策など、これらに十分に配慮することなどが求められます。こうしたことを踏まえまして、学校長が行き先や活動内容について最終決定をいたしております。
次に、2点目の特徴的なものはあるかについてでございますが、小学校の場合、修学旅行はほとんどの学校が日光を行き先としておりますが、河口湖を行き先として博物館や遺跡の見学、富士山周辺の溶岩樹形や洞窟の見学、社会体験施設での自然素材を生かしたクラフト等を行っている学校がございます。また、日光を行き先としている学校でも、日光東照宮などの歴史建造物の見学以外に、足尾銅山や美術館、博物館、牧場等の見学ですとか、日光木彫り、まが玉づくりなどを行っている学校がございます。小学校5年生の移動教室につきましても、全校が川上村を行き先としておりますが、スキー教室を初め酪農体験や農業、林業体験、天体観測、イワナのつかみ取りなどを行っております。
中学校の修学旅行につきましては、全校が奈良、京都を行き先としておりますが、1、2年生のときに長野や新潟方面を行き先として登山やハイキング、地域の施設を活用した体験学習、稲刈りなどの農村体験、グループに分かれて農家への分宿等を実施しております。奈良、京都を行き先としている学校につきましても、歴史建造物の見学以外に絵つけ体験、和菓子づくり、組ひもづくり等の伝統工芸体験や舞子さんから話を聞く体験、舞楽等の古典芸能の鑑賞などを行っている学校がございます。
以上でございます。

◆14番(新井克尚) それでは、再質問を行います。
保育料についての再質問からです。前回6月に質問をさせていただきましたときに、検討委員会は計10名で構成するという回答をいただいていたと思いますが、実際は9名でスタートされています。この理由は何か存在をしているのでしょうか、お聞かせください。

◎子ども生活部長(鈴木信行) 10名ということで予定をしておりましたが、市民を公募いたしましたところ、2名の予定でしたが応募者が1名となったため、1名しかいなかったということで9名でスタートすることになりました。
なお、公募につきましては、6月1日の広報に掲載し、また、ホームページでも募集いたしましたが、1名のみの応募ということでございます。

◆14番(新井克尚) ほかの検討委員会とかはどれぐらい応募があるのかというデータは手元にはないんですが、1名というのは大変残念ではありますが、いろいろな方の意見を入れていけたらよかったのかなと思うと、広報、ホームページ以外のさまざまなやり方を今後検証していかなきゃいけない1つの結果になったのかなとは思いますので、やはり市民から意見をいただくという目的を達成するために、あるべき情報の伝え方というのをもう1度庁内で検討していただく必要があるのかなという感想を持ちました。やはり広報は相手があるものですから、我々が一方的に発信しても、相手が受け取らなければ仕方がないというところはあると思います。ここはほかの部署も含めて、これはすべての部署に関してそうだと思うんですね。やっぱり相手のある広報というのをこれからまた徹底していただきたいなというふうに思います。
続きまして、第2回の検討委員会のほうで、所得階層別の保護者数の推移について確認したというお話がありましたが、これはどういうことかというのをもう少し詳しく説明していただいてよろしいでしょうか。

◎子ども生活部長(鈴木信行) 保育料につきましては、ご承知のとおり、所得税額により定めております。その所得ごとの階層が町田市では28の階層に分けてございます。2007年から2011年までの所得階層別の保護者の推移につきましては、2007年度当初は所得階層の分布が正規分布の状態になっていましたが、この間、税制改正や所得状況の変化などがございまして、かなり所得階層の分布がいびつになってきた状況となっております。5年間の推移を見ますと、D9階層のピークが年々大きくなるとともに、全体として所得が低い方向に分布が移動しております。

◆14番(新井克尚) 保育料が所得階層ごとに定められていて、どういう分布になっているということはわかったんですが、いびつになってきているということは、やはり段階を追ってどこかで見直すということにはなるんでしょうけれども、今回、この保育料のあり方を検討している中で階層自体も見直すということでよろしいのでしょうか。

◎子ども生活部長(鈴木信行) 国が示している所得階層別の階層区分は8階層、8区分になっております。町田市は28区分と細かく分けています。また、国では年齢による区分を3歳未満児と3歳以上児の2区分、町田市の現状は3歳未満児、3歳、4歳児以上と3区分にしております。第3回の保育料のあり方検討委員会では、詳細に分けることのメリット、デメリットを明らかにして、第4回目以降で議論するということになっております。この議論を踏まえて所得階層区分及び年齢の区分について見直す必要があれば見直していきたいというふうに考えております。

◆14番(新井克尚) やはり人口の推移も変わってきますし、ニーズも変わっていきますし、その時代、いつ決めたものかというのも踏まえて考えていくと、メリット、デメリットをしっかりと議論して、今後見直す必要があれば見直すということでありますので、それはぜひしっかりとした議論をしていただき、また第4回目以降の議論の結果を伺いたいなというふうに思っております。
次に、アンケートをとられたということで、そのアンケートについてお伺いします。「あなたの意見を聞かせてください 保育料等に関する意識調査」、これを見せていただきました。11ページありまして、このアンケートを書くのは相当大変だと思うんです。でも、800件の回答を得られたというのはすごいと思うんですよね。それだけ意識が高いというか、市民の関心の高いことだったかと思うんです。このアンケートを実施して、どのような結果を得られたのかをぜひお聞かせいただきたいです。お願いします。

◎子ども生活部長(鈴木信行) おかげさまで40%という非常に高い回収率でございました。質問項目が18項目、自由意見欄を設けましたので、19項目とかなり多かったわけですが、この回収率を見ますと、議員ご指摘のとおり、保育料等のあり方についてかなり関心が高いのかなということがうかがえます。
次に、実際の回答のほうに参りますが、アンケート回答者の特徴は、約9割は女性、30歳代が全体の約7割で大半を占めてございます。半数が専業主婦、約3割が会社員、公務員など、配偶者の8割強は会社員、公務員などでした。世帯総収入が400万円以上600万円未満の世帯が3割強と最も多い、子どもの人数は2人が約44%と最も多く、続いて1人が約36%、保育サービスへの支払いの負担感について、「少し負担に感じる」が全体の約3割と最も多く、年間総収入が下がるほど「かなり負担に感じる」の割合が増加する一方で、300万円未満の世帯で負担と感じないが3割を超え、顕著に高い状況でございます。
77%の回答者が国保育料徴収基準額に対して保育料の市の一部肩がわりは必要と回答していますが、87%の回答者が保育料は賃金指数や物価等を考慮して見直すことがよいとしています。認可と認可外の格差の解消が妥当は66%であり、認可外よりも認可のほうが高いほうが妥当の5%を加え、7割以上の人が格差の解消を求めている状況でございます。回答者の7割が認可保育所は何らかの保育料の値上げが望ましいと考えている、特に認可で保育サービスを受けている世帯以外の世帯で割合が高い状況です。保育料については、所得の一定の考慮をすべきも、同じサービスなら同じ負担をすべきとする回答が50%強と最も多い状況です。子育てを充実させるのに必要と思われる施策として、特別保育が認可保育所の拡充よりも最も多い回答でございました。

◆14番(新井克尚) ありがとうございます。アンケートは市民の声がどういうものなのかというのが明らかになるという点では、この800件の回答、そして40%の回収率の中で出た意見、大変重いものだなという認識で聞かせていただきました。特に7割以上の人が格差解消を求めている状況であり、回答者の7割が認可保育所は何らかの保育料値上げが望ましいと考えている。特に認可で保育サービスを受けている世帯以外の世帯での割合が高いというお話がございました。
この点については、最後の総括というか、この再質問の一番最後でまたお話をさせていただくといたしまして、負担の公平性を確保するために、認可保育所の保育料を上げる方法と認可外保育園入所保護者補助金を上げる方法という2種類があると思うんですけれども、検討委員会ではどのような議論がなされているか、まず先にお聞かせいただきたいと思います。

◎子ども生活部長(鈴木信行) 検討委員会でも、議員ご指摘のように、認可外保育所の保護者補助金を上げるというのも1つの方法という意見がございましたが、今のところ認可保育所の保育料の見直し、つまり値上げが必要ではないかとの意見で委員会の意見としてはまとまってきているような状況でございます。

◆14番(新井克尚) ありがとうございます。値上げが必要ではないかという意見で委員会の意見としてはまとまってきているというお話でございました。これもまた一番最後の総括の部分で触れたいと思います。
前回、必要があれば保育料条例、また、延長保育料を規定しております特別保育料条例の改正を考えているということでございました。アンケートの結果や議論の様子から、現在どのような方向性を考えられていますでしょうか、お聞かせください。

◎子ども生活部長(鈴木信行) 検討委員会で検討いただいている最中ですので、今、結論的なものを申し上げることはできませんが、保育料等に関する意識調査の結果については、なるほどなと思う部分が多くありました。特に自由回答で家庭で保育している親御さんからの意見も多数ありますので、それらを踏まえて検討していきたいというふうに考えております。
子育てを充実させるのに必要と思われる施策として、特別保育が認可保育所の拡充よりも最も多い回答であったのは少し驚いています。特別保育には、保育園に入所しているお子さんが利用する延長保育があったり、家庭で保育をしているお子さんが利用する一時保育などが混在している状況がありますので、条例のつくりを含めて考えていかなければならないというふうに考えております。

◆14番(新井克尚) ありがとうございます。一通り方針というか、今現在の議論の方向、アンケートの結果をお聞かせいただきました。その議論をなぜ引き出したか、これからお話をしたいこと、その裏づけをとるために伺っていたわけであります。とにかく制度というのは必ずどこかでひずみが出てくる、それを直していかなければならない。でも、直すに当たって1度低く料金を設定すると、やはりそこから上がるのはつらい。それを反対する方もいる、それはわかります。
でも、より広くサービスを受ける人をふやしていく、そのサービスの恩恵を受ける人をふやしていくということを考えたときに、町田市政はどの方向に行けばいいのかということを今現在進めているというところが明らかになったお話であったと私は確信をいたしております。アンケートの結果もそうですし、それをもとに議論されている方向性についても、あくまで格差の解消を民意としても求められている、値上げもやむを得ないという声が7割ある、この現実がなかなか外に出ていかないんじゃないかという懸念があったわけですね。
とにかく値上げをするという話が出ると、値上げイコール反対だ、その声が大きくなればなるほど、値上げはよくないことだ、その言葉だけが先走ってしまって、実際のところはしっかりと検討を重ねて、市民からもアンケートをとって、7割の方が値上げもやむなし、それでもいいサービスをつくっていこうという話があるということをぜひ1人でも多くの市民の方に知っていただきたい、その思いからこの質問をさせていただいた次第でございます。もちろん、値上げ反対の人はいると思います。ごく一部の方ではないかと、このアンケートの結果を見てもそう思います。その一部の方がさわいでいることがすべてではない。あくまでも民意はここにあるんだということをこれからも引き続き発信してまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。以上でこの項目については終わります。
続きまして、放射線の測定についてであります。
小中学校、保育園、学童保育クラブ、私立についても要望があれば機器を貸与されてはかってきた、各所管が担当して市民に対して個人的な貸し出しはやっていないということでありました。子どもたちが集まるところの測定というのは、確かにやっていただいていますし、そこの中で高線量のあったところは除染の作業も行われているということでありましたが、例えば通学路であったりだとか、それ以外に学校施設以外で子どもたちが遊ぶような場所、通うような場所、そこが果たしてどうなのかというのは、今現在は市民の自助努力にゆだねられているということになるんだろうと思います。
もちろん、最近は機器も安くなってきたということで、機器をお持ちの方がご自身ではかられて、高線量が出たということで市役所のほうに連絡をされるということもあるかと思いますが、では、町田市全域すべての方が機器をお持ちなのか、購入することができるのか、扱うことができるのかというと、それはなかなか難しいのかなというふうに思います。では、機器をもっとふやして市のほうで細かく調べることができるかというと、職員の数も限られておりますし、さまざまな業務がある中で放射線の測定ばかりに人を使うことはできない。また、外部に委託をするにしても、その分の費用をどう捻出するかということも考えなければならないということもありますので、できればこれを市民協働でできないかというのが今回の提案であります。
小さなお子さんを持つお父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃんも含め、子どもの健全な生育を望んでいられる方たちが、まだまだ見えない放射線に対する不安というのをぬぐえていないというのは間違いない事実である。それをどう解決していくかというのを市と市民とが協働してやることができないのか。今現在、機器の貸与はしていないということでありますけれども、この機器を、一個人となるとなかなか難しいと思うので、ある程度の団体というか、町内会単位になるのか、どういう形になるのかはまた検討の余地があると思いますが、希望されるところに貸与をして、また、その器械の扱い方の講習等も行って、正確にデータをはかれるようにして市のほうにその情報をフィードバックしていくというような、そういう体制がつくれたら、より市民の放射線に対する不安を解消していけるのではないかと思いますが、この機器の貸与についての考え方をお聞かせください。

◎地域保健担当部長(大井洋) 今、議員からご指摘がございましたように、現在、原発事故の発生した当初よりは安価な簡易の空間測定器が容易に市民にも入手可能になっているという現実でございます。こうした測定器でご自身の身近な地域を測定した場合に、例えば比較的高線量が出たようなときには、やはり市へご相談をいただいて、その際には市のほうから再測定等を現在実施されているところでございまして、現在のところ、そうした対応で行っていきたいというふうに考えているところでございます。

◆14番(新井克尚) 今現在の対応そのままですという答えですと、今提案したことが全くなくなってしまいますので、貸与をしていくような仕組みをつくれないかということを提案させていただきました。市だけでやるのはなかなか難しいということで、独自で測定されている方の情報は恐らく入ってきていると思います。それは今も変わらないと思いますので、それ以外に自分たちでやりたいという方たちに対して市から貸与ができないかということでございます。その点についていかがでしょうか。

◎環境資源部長(宗田隆由) 先ほど議員のほうからご指摘というか、ご提案があった、ある程度の団体というところではございますけれども、現状、団体ということに対しましても、貸与は私ども町田市としては考えておりませんが、他の自治体なんかではそういう事例もあるように聞いております。そういった事例を少し集約しながら、今後研究していきたいと思います。

◆14番(新井克尚) 相原の陽田町会というところでは、積極的に町会の方がお持ちの機器で町会を挙げて調べたりもされているようで、大事なのは、そういった情報の集約だと思うんです。これがすべての町会でできれば、町田市すべてを網羅できるかもしれないんですが、今現在、そういう情報がすべての町会から恐らく上がってはきていないと思いますし、集約もできていないという状況だと思います。
また、機器を貸与していただけるのであれば測定をしたいという方も実際に市内にはいらっしゃいます。不安を解消していくには、今現在、放射性物質があれば、それはずっと放射線を出しているわけでございますから、それをまず知らないことには除染もできないわけで、それを知りたいということなので、もし市が機器の貸し出しが可能であれば、もちろん扱い上で壊してしまった場合にはどうするとか、民地で放射線の高線量が出たときはどうするんだとか、いろんなルールは必要だと思うんですが、まずはその方向性を、研究という話ではあるんですけれども、ぜひ少なくとも検討には上げていただきたいなと。機器の数も、もちろん上限があるでしょうし、それをふやすことができるかどうかもわかりませんが、市民協働でこれはできることだと思います。実際に関心の高い事例ですし、市民の方にやっていただけませんか、一緒にやりませんかと言えば、私たちがやりますという方は絶対にいらっしゃることだと思います。それによって、町田市がより安心して住める町になれば、こんなにすばらしいことはないと思いますので、ぜひこの点、もう1度検討していただきたいということで再答弁をお願いしたいんですが、いかがでしょうか。

◎副市長(鷲北秀樹) 今、部長のほうから答弁がありましたように、個人的にお貸しするというのはなかなか難しい状況にある。今のご提案の要は団体、例えば自治会だとか町内会だとか、そういう団体にお貸しするということ、それから市民協働の視点というものを考えた中で、その辺につきましては検討させていただきたいというふうに思います。

◆14番(新井克尚) ありがとうございます。とにかく今、生活している中でどこに放射線があるかわからない、定点で観測していたところ以外のところでどこにたまっているのかということを、現在はかっている方もいらっしゃると思いますし、そうでない場所もまだまだあると思います。それを1つ1つ一緒に市と市民が協働でなくしていけたら、こんなにすばらしいことはないと思いますので、検討していただけるということでありがとうございます。ただ、やはり子どもたちの生活が心配でありますので、できる限り早く検討していただきますようにお願い申し上げます。
またもう1つ、市民の方が自分でお持ちの機器で観測をされているデータをどこかに集約できないか、個人でここは大丈夫だという、何回かはかって、何日どこどこをはかって大丈夫ですというのがわかっていても、そこを通る方は、それがわからなければ意味がないと思うので、どこかにそれを情報の集約するところがつくれないかというもう1つの提案をさせていただきたいというふうに思います。もちろん、その地点をどうするとか、日付をどうする、時間をどうするとか、いろいろなルールづくりは必要だと思うんですけれども、例えばそれをウエブ上にアップロードできるようにするだとか、そういった形で市民も市のこのサイトにアクセスすれば、どこどこで観測した何月何日のデータが見られるとか、そういう体制というのをつくることはできませんでしょうか。

◎地域保健担当部長(大井洋) ご提案の内容は、市民の方が測定した値を例えば市民皆さんで共有できるようなことをイメージされているのかというふうに承りました。今、議員からもございましたように、違う条件や違う器械等で測定したものを同じところに並べると、なかなかその解釈が難しくなるというふうに思いますので、今ご提案いただいたことが可能かどうかは少し研究をさせていただきたいというふうに思います。
そして、先ほど議員のほうから、身近な地域でどこを歩けばいいかわからないということで、かなり市民の方が身近な地域での線量の状況について把握したいというご要望があるというようなことについては、確かにそういったことがあると思いますし、市としても、市民により安心していただきたいという思いはございますので、このたび国のほうで実施をしているサーベイランスに市も協力をいたしまして、具体的には車の上に国から貸与を受けた測定器を載せて市内をくまなく走り回ることによって、市内のかなり広い範囲にわたって測定ができるというものでございます。これにつきましては、今月の下旬ころに測定を実施していく予定でございますので、ただ、最終的には地図の上にこれを色分けして市民にお示しできるのは、かなり計算等があって、これは国のほうでやるわけですけれども、時間がかかるという見通しでございますが、そうしたことも含めて市民に安心を提供してまいりたいというふうに思っております。

◆14番(新井克尚) 最後にちょっとびっくりする話もあったんですが、それはかなりいいお話でありますので進めていただきながら、最終的にデータが表に出るかどうかよりも、それが回っている事実と回りながら高線量が出たところについてはすぐに対応するということが実績としてあれば、これは安心できる1つの要素になると思いますので、ぜひそれを発信していただきたいというふうに思います。
放射線については、本当にまだまだ不安の要素がございます。これを市と市民と協働して少しでも安心できる町をつくるために私も引き続き頑張ってまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。この項目については以上で終わります。
最後に3番目、修学旅行についてであります。修学旅行についてのお話、いろいろ答弁いただきましたが、そもそも修学旅行での学びというのは何か、その考え方をお聞かせください。

◎学校教育部長(坂本修一) 修学旅行での学びでございますけれども、教科等での学びを豊かな自然や文化に触れる体験によって一層広げ深めることですとか、教師や子ども同士の人間的な触れ合いを通して望ましい人間関係を深めること、また、自立的な集団行動を通しまして思いやりや協力、集団や社会のルールなど公共の精神を身につけられること、これらの活動を通しまして、自分自身の生き方についての自覚を深めることが修学旅行での学びに当たるというふうに考えております。
以上です。

◆14番(新井克尚) ありがとうございます。集団や社会のルール、公共の精神というところで考えると、確かに集団行動している、新幹線に乗っている団体専用とかの子どもたちを思い出すことはあるんですが、でも、やっぱり何でだろうという疑問なのが林間学校、修学旅行の行き先で、小学校は日光、中学校は京都、奈良が多い、これは何か理由があるんでしょうか。

◎学校教育部長(坂本修一) 日光や奈良、京都が多い理由でございますけれども、1つには、日光や京都、奈良が世界遺産にも登録されるように、日本の歴史や文化、自然の凝縮された土地でございまして、教科等の学習との関連を図る上で非常に有効であるということが挙げられます。具体的には、社会科の歴史分野ですとか理科、図画工作や美術、総合的な学習の時間など、これは学校で学んできたことを実際に自分の目で確かめて体験する過程で学習を一層深めることができるというように考えます。
もう1つには、宿泊施設ですとか交通、トイレ、医療等観光地としての小中学生の受け入れ態勢が整備されているということが挙げられると思います。学習指導要領に基づく集団宿泊的行事の趣旨に合致したものというふうにとらえることができると思います。このような理由だというふうに考えます。
以上です。

◆14番(新井克尚) ありがとうございます。世界遺産に登録されているとか、日本の歴史、文化、自然が凝縮された土地、教科等の学習との連携を図る上で非常に有効だというお話がありましたが、京都、奈良以外にも存在は絶対にするんですが、確かに修学旅行をあれだけ受け入れられている土地であるので、宿泊とか交通とかトイレとか、そういった部分に関してはまず間違いないだろうなというふうには思います。安全に行って帰ってくるという意味では、でき上がっているというか、そういう場所であろうかとは思いますが、何か釈然としないというか、確かに学びは絶対あるはずなんです。いいところですし、僕も大好きです。
ですけれども、一律みんながそこというところにどこか違和感を感じるんですね。日光もそうです。僕はちょっと日光は、実際小学校5年生のときに林間学校で日光だったんですが、直前に骨折をして行けなかったんですけれども、どういう場所かまだ見られていないので、今度改めて行きたいなとは思っておりますが、それでもやはり一律どこでも一緒というのは何かもったいないという気がするんですね。でも、修学旅行先は校長の権限で変えられると思うんです。例えば保護者がもっとこういうプランがいいな、こういう体験をさせてほしいなということがあったら、それで変えられるのかどうか、お聞かせください。

◎学校教育部長(坂本修一) 修学旅行先を変える場合のお話ですけれども、校長が子どもですとか家庭、地域の実態、あるいは学習指導要領に示されている集団宿泊的行事の目的、学校としての子どもに経験させたい活動のねらい、これらのことを十分考慮した上で旅行先の変更が望ましいというふうな判断をした場合には、保護者の皆様や子どもたちへ説明を行いまして、それに対するさまざまな意見を踏まえた上で最終的に判断を行うということになると思います。
以上です。

◆14番(新井克尚) 保護者や子どもへの説明を行って、子どもや保護者のさまざまな意見を踏まえて最終的な判断を行うということでありました。いろんな選択肢があると思います。日光、京都、奈良にこだわらず、いろいろな場所に行くという中で、この修学旅行の行き先の変更に教育委員会はどうかかわるのでしょうか。

◎学校教育部長(坂本修一) 教育委員会のかかわりですけれども、基本的に修学旅行の行き先というのは学校長が決定をいたします。
なお、学校長は、修学旅行の実施計画を立てた段階において、教育委員会に届け出というのを行います。教育委員会では、学習指導要領に示された目的ですとか留意点、東京都や市の方針、引率者や行程等を確認いたしまして、適切と認められる内容について受理を行います。この手続の中で実施計画に課題等が見受けられる場合には、学校に対して指導とか助言を行うということになります。
以上です。

◆14番(新井克尚) チェック機能がちゃんとしているということはわかりました。ずっと同じところに行って、宿泊先も同じ、行程も同じ、ただ行く学年の生徒が上がって、担任の先生もかわっているかもしれませんが、であるならば、ある程度決まった動きができるわけで、それは学校側にとっても負担が少ないですし、教育委員会のほうとしてもチェックをする上で、以前こういうことがあったねということで、それを踏まえた上でのチェックになると思うのでいいと思うんですが、新しいところになると、そこがふえるのは1つ大変だなと思うんです。
でも、その大変な中に子どもたちの学びがあるんじゃないかななんていう思いもありまして、例えば農家に宿泊して農業体験を行う。2年生とかでやっているという話も事前に聞いてはおりましたが、お年寄りと心のきずなを深める経験とか、例えば稲を植える時期に行って、農家の方と一緒に稲を植えて、また収穫のときに行って一緒に収穫して、そのお米を家族に持って帰って、これはおれが植えたんだみたいなことを言いながら食べるとか、そんな経験も非常にすばらしいと思うんです。いろんな選択肢がある中で、もう一律京都、奈良、日光という以外の何かがつくれないかなというふうに思うんですよ。
これは例えば以前にまた別の内容で視察に行った石川県の羽咋市というところがありまして、そこは神子原という村があって、そこでお米をつくっているんですね。神子原という農村をどうにかして過疎の農村から変えていこうという1つの方策に、その地区に烏帽子という制度がありまして、親子の契りを交わすみたいな制度があるんですね。全く関係ない家ですよ。でも、そこでもう我々は親子だ、何か困ったことがあったら相談に来なさい。それをうまく活用して学生さんに来てもらって、その烏帽子の制度で、その村に若い人たちがどんと入ってきて活気づけさせた。就職で困ったとか、親とけんかをした、恋人とけんかしたというときに、親にも相談できない、友達にも相談できない、でも、烏帽子の羽咋のおじさんには相談できるとか、どこかで見守ってくれている大人がいるみたいな、そういう関係をつくっているという話を聞いて、ああ、子どもたちにこういう体験をしてもらうと、もっと全国に視野が広がるし、いろんな経験ができるし、いろんな人間づき合いができるし、いいんじゃないかななんていうことも思いまして、そういう今までの常識的な修学旅行、林間学校以外のものも、もっともっと積極的にやっていったらどうかと思うんですが、いかがでしょうか。

◎学校教育部長(坂本修一) 昨年、市内の中学校では3校、2年生なんですけれども、農家に宿泊して農業体験に行ったというような例がございます。これは実施後、生徒の感想でも大変好評で、行事が終了した後も農産物を送っていただいたり、手紙で交流したりというようなさまざまな機会を通して交流が深まっているというような話を聞いております。そういう成果を考えると、農家に宿泊した農業体験とか、そういうさまざまな活動の意義というのは十分にあるというふうにとらえております。
以上です。

◆14番(新井克尚) やはり心のつながりというのができ上がると、1つ違うものになるのかなと思うんですね。決まったルートでいろいろ見て、自分が勉強してきたことと照らし合わせるということ以外のそこに住んでいる人たちの生活であったりだとか、考え方であったりだとか、文化だとか、そういうのに触れて、実際にそこの人たちと心を通わせる。それがずっとつながっていくと、町田市からまたいろんなところに心の交流ができて、直接またそれがさらに深い人の交流へと変わっていくんじゃないかなと思うので、日本全国各地いろんなところに町田市の子どもたちが行っていろんな学びをして帰ってきた、そんな町がつくれたらいいんじゃないかという理想を持って今回の質問をさせていただきました。
新たなことをやると絶対に大変だと思うんです。安全計画もそうですし、もちろんトイレの問題だとか交通の問題だとか、病院の問題とか、いろいろあると思います。では、下見にだれが行くんだ、旅行会社がそこまでやってくれるのか、いろんな問題はあると思いますが、そのいろいろな大変なところをあえてやりたい。でも、できないという学校があったら、それをぜひ支援したいと思っておりますので、これからもぜひいろいろな意見交換をしながら、新しい修学旅行の形というのを一緒に考えていただければ、こんなにうれしいことはありません。子どもたちの未来のために、私も引き続き頑張ってまいりますので、よろしくお願いいたします。
以上で本日の質問を終わります。ありがとうございました。

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